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周知しておきたい「道路交通法令の改正まとめ」

近年、改正された道路交通法令のなかでも、押さえておくべきトピックとその概要をわかりやすくまとめました。

周知しておきたい「道路交通法令の改正まとめ」

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特定自動運行に係る許可制度の創設に関する規定の整備

2023年4月1日から、道路交通法の一部改正に伴い、「特定自動運行の許可制度」が創設されました。特定自動運行とは、自動運転の基準が「レベル4」(場所は高速道路のみ等)、天候(晴れのみ等)、速度など、自動運転が可能な条件下において、システムが運転を行い、作動継続が困難な場合もシステムが対応するもの)に相当する運転者がいない状態で、遠隔監視のみの自動運転のことを言います。

2023年4月1日からレベル4の自動運転(特定自動運行)が解禁となりましたが、特定自動運行を行う人は、運行する場所を管轄する公安委員会に対して許可を申請しなくてはなりません。もし、許可申請を出さずに運行を行った場合、5年以下の懲役または100万円以下の罰金が課せられます。

道路交通法の一部を改正する法律
公布日:2022年4月27日
施行日:2023年4月1日

新たな交通主体の交通方法等に関する規定の整備

①特定小型原動機付自転車(電動キックボードなど)や②遠隔操作型小型車(自動配送ロボットなど)に関する交通ルールが定められ、2023年7月1日より施行されています。

  1. 特定小型原動機付自転車の交通方法等

「特定小型原動機付自転車」とは、最高速度20km/h以下、定格出力0.6kw以下、車体の長さが1.9m以下、幅0.6m以下の原動機付自転車のこと。特定小型原動機付自転車は、16歳以上であれば、運転免許がなくても運転することが可能です。道路運送車両の保安基準に適合している・ナンバープレートが付いている・自賠責保険に加入している場合のみ、公道走行ができます。また、乗用時のヘルメット着用に関しては努力義務とされ、道路の左側端によって運行する、二人乗りの禁止、飲酒運転禁止といった交通ルールが定められています。

参照:警視庁「特定小型原動機付自転車(いわゆる電動キックボード等)に関する交通ルール等について
公布日:2022年4月27日
施行日:2023年7月1日

  1. 遠隔操作型小型車(自動配送ロボットなど)に関する交通ルール

長さと高さ120cm以下、幅70cm以下の遠隔操作で運行する小型車について、右側通行、歩道路側帯の運行、横断歩道の通行、歩行者に進路を譲るなど、交通ルールが適用になります。また、遠隔操作型小型車の使用者は、都道府県公安委員会へ通行の届出と届出番号などの表示義務など、規定が整備されています。

参照:警視庁交通部「道路交通法一部改正のポイント
公布日:2022年4月27日
施行日:2023年4月1日

運転免許証と個人番号カード(マイナンバーカード)の一体化に関する規定の整備

希望者に対し、マイナンバーカードに運転免許情報を記録できる、運転免許情報の一体化に関する道路交通法の改正案が2022年4月27日に公布されました。自動車を運転する際は免許情報が記録されたマイナンバーカードまたは通常の運転免許証を携帯しなくてはなりません。なお、2024年度末の実現を目指しています。

参照:警察庁「道路交通法の一部を改正する法律案(概要)
公布日:2022年4月27日
施行日:2024年度末予定

その他の規定の整備

●自転車利用者に対するヘルメット着用の努力義務

改正前は児童または幼児を保護する責任のある者の遵守事項として、児童や幼児を自転車に乗車させる際に乗車用ヘルメットをかぶらせるように努めなければならないとされていましたが、改正後はすべての自転車利用者に対し、自停車の乗車用ヘルメット着用努力の義務が課されることになりました。その理由は、自転車死亡事故の約7割が頭部に致命傷を負っており、着用していない場合の致死率は、ヘルメットの着用状況による致死率と比較して約2.3倍も高くなっているためです。

参照:警視庁「自転車用ヘルメットの着用
公布日:2022年4月27日
施行日:2023年4月1日

●安全運転管理者 専任義務違反に対する罰則の引き上げ

2022年10月、安全運転管理者に関する規定が整備されました。その際に、安全運転管理者または副安全運転管理者を選任していなかった場合に課される罰則(選任義務違反)が、5万以下の罰金から50万以下の罰金に引き上げられました。

詳しくは「【重要】2022年10月1日より安全運転管理者における選任義務違反への罰則が強化!」をご参照ください。

参照:警視庁「安全運転管理者の業務の拡充等
施行日:2022年10月1日

高齢運転者対策の充実・強化を図るための規定の整備

高齢者による危険な交通事故を踏まえ、高齢運転者対策の充実と強化が図られました。

●運転技能検査制度の導入

75歳以上で一定の交通違反歴がある場合、運転免許証の更新時に実際に車を運転して能力を確かめる「運転技能検査」が義務付けられました。この検査は、更新期限の半年前から繰り返し受検することが可能ですが、不合格になると免許の更新ができません。

●安全運転サポートカーなどの限定条件付免許の導入

運転免許を取得している方は、申請によって運転できる自動車の範囲をサポートカーに限定する条件を付与してもらうことができます。サポートカー限定免許の申請は運転免許層の更新申請と併せて行うことが可能です。なお、付与の条件は普通免許のみです。安全運転サポートカーとは、衝突被害軽減ブレーキ(対車両・対歩行者)、ペダル踏み間違い時加速抑制装置を備えた自動車のことを言います。

参照:一般財団法人北海道交通安全協会「高齢運転者対策の充実・強化を図るための規定の整備
公布日:2020年6月10日
施行日:2022年5月13日

妨害運転(煽り運転)に対する罰則の創設

2020年6月10日に公布された、道路交通法の一部を改正する法律によって、妨害運転(あおり運転)に対する罰則が創設され、免許の取り消し処分の対象にも追加されました。同年6月30日から、他の車両などの通行を妨害する目的で、急ブレーキや車間距離の不保持などの違反を行った場合、厳正な取り締まりの対象となり、最大で懲役3年の刑に課せられます。

  1. 妨害運転(交通の意見のおそれ)による行政処分

他の車両などの通行を妨害する目的で下記のような違反行為を行い、危険を生じさせた場合(あおり運転をした場合)、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が課せられます。さらに、違反点数は25点、免許は取り消しです。

  1. 妨害運転で危険が生じた場合の行政処分

1の行為を行ったことで高速自動車等において他の自動車を停止させ、そのほか道路における著しい交通の危険を生じさせた場合、5年以下の懲役または100万円以下の罰金が課せられます。さらに、違反点数は35点、免許は取り消しです(欠格期間は3年)。

妨害運転の対象となる一定の違反行為(10類型)
・通行区分違反
・急ブレーキ禁止違反
・車間距離の不保持
・進路変更禁止違反
・追越し違反
・車両等の灯火違反(減光など)
・警音器の使用等違反
・安全運転義務違反
・最低速度違反(高速自動車国道)
・高速自動車国道等における駐停車違反

参照:警視庁「STOP!あおり運転!!
施行日:2022年6月30日

アルコールチェック義務化

新型コロナウイルス感染拡大により、2022年10月より延期になっていたアルコール検知器を用いたアルコールチェックの義務化が、2023年12月より実施されることが警視庁の発表でわかりました。コロナ禍では半導体不足によりアルコール検知器の準備が間に合わないとのことで、当分の間、適用されないことになっていましたが、安定した供給状況ができたことから今回の実施に至りました。

12月1日より、今まで対象ではなかった白ナンバーの車両にも、アルコール検知器を用いたアルコールチェックの実施と記録の保持が義務付けられます。詳しくは下記の記事をご参照ください。

【速報】アルコールチェック検知器の使用義務化が2023年12月1日に施行!
【2023年最新版】アルコールチェック義務化を徹底解説!

参照:警視庁「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令案」に対する意見の募集について
公布日:2021年11月10日
施行日:2023年12月1日

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筆者紹介

株式会社スマートドライブ
編集部

株式会社スマートドライブ編集部です。安全運転・車両管理・法令遵守についてわかりやすく解説します。株式会社スマートドライブは、2013年の創業以来、「移動の進化を後押しする」をコーポレートビジョンに掲げ、移動にまつわるモビリティサービスを提供しています。SmartDrive Fleetは、1,700社以上への導入実績があり、車両に関わる業務の改善や安全運転の推進などに役立てられています。また、東京証券取引所グロース市場に上場しています。 SmartDrive Fleetは情報セキュリティマネジメントシステム適合性評価制度「ISMS認証(ISO/IEC 27001:2013)」を取得しています。

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