【例文付き】社内向け交通事故始末書の書き方
従業員が配送トラックや営業車両を運転中に交通事故を起こした際、事故の規模に関わらず提出するのが交通事故始末書です。事故の詳細について把握し、情報を共有することで、再発防止に向けた指導や適切な安全運転教育に活かすことができます。
本記事では、始末書とは何か、交通事故時における始末書の例文とともに紹介します。
【Excel】自動車事故報告書テンプレート
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交通事故の発生状況、被害状況、対応方法、再発防止策等を記入することができます。また主要記号や補助記号を使用することで現場の略図を簡単に描くことができます。
目次
始末書とは
始末書とは、仕事の中でミスやトラブル、過失を起こした際に、会社へその内容の詳細を報告して謝罪するとともに、同じミスが起きないように反省点、改善点を表明する、再発防止に向けた宣言を記す書面のことを言います。
反省文との違い
始末書は反省文と同義の書面と捉えられがちですが、反省文はミスやトラブルを起こした際に謝罪と反省の意を記す点は同じですが、始末書は会社から何らかの処分を言い渡されるケースが多く、反省文は直属の上司に提出し、教育指導として利用される目的で使われるという違いがあります。また、反省文の目的は行動を振り返ることが目的であり、改善点を明確にする始末書とは少し異なります。
顛末書(てんまつ)との違い
顛末書は、ミスやトラブル、不祥事を起こした際に、ことの顛末を一部始終、第三者視点で報告する書面です。ミスやトラブルが起きた原因を把握するために、経緯と結果を説明する報告書のような意味合いが強いと言えるでしょう。始末書は本人が反省の意を記すものであるのに対し、顛末書は本人ではなく第三者が作成するのが一般的とされています。
交通事故における始末書の書き方
始末書の書き方については、法律上の決まりなどが特にありません。ただし、内容を把握し、今後の処分や対応を決める場合もあるため、情報を整理し、簡潔にまとめましょう。
1. 発生日時と場所
始末書はいつ、どこで、何が起きたのか、相手が時系列を追いながら状況を理解できるよう、順を追って明確に書くことが重要です。
例:「202○年○月○日○時○分ごろ、東京都中央区の○○通り○○交差点付近にて、運転していたトラックが右折しようとしていた車両と接触する事故を起こしてしまいました」
2. 事故の内容
ドライブレコーダーの映像を確認し、自損事故か他損事故か、物損事故か人身事故か、事故と事故前後の様子を詳しく、簡潔に記入します。映像の記録がない場合は、目撃者や同乗者から話を聞いてまとめましょう。
例:「営業車両で走行中、左側面をすり抜けてきた自転車と接触しました。死角に入っていたため、気づくのが遅く、気づいた頃には相手が接近していたため、避けることができませんでした」
3. 被害状況
運転者、同乗者、事故の相手など、事故によって発生した怪我や物品の損傷具合を詳しく書きます。その際に、どのような対応をとり、どのような対処をしたのか、現在の状況とともに損害額、補償額もわかる場合は記入しましょう。
例:「自損事故のため、被害相手はいませんでしたが、電柱に左のドアを擦ってしまったことで長さ30センチほどの傷ができました。すぐに警察、保険会社、会社へ報告し、現在は総務担当者が保険関係の手続きを対応し、車両は修理中です」
4. 事故の原因
「考え事をしていて前方不注意だった」「左右の確認を怠った」「相手が停止するだろうと思っていたが、そのまま直進してぶつかった」など、事故を誘発した事象と原因は何だったのかを記載します。
5. 事故に対する反省と再発防止策
引き起こした事故について原因を述べたら、反省とともに再発防止の具体的な対策を記します。
始末書の例文
自損事故の始末書の例文
20〇〇年〇月〇日
代表取締役社長 〇〇 〇〇様
営業車両の自損事故に関する始末書
この度は、ルート営業中に物損事故を起こしてしまい、誠に申し訳ございませんでした。
私は、20〇〇年〇月〇日 15時30分頃に取引先A社から次の取引先B社に向かうため、営業車両で移動し、千代田区の〇〇〇駐車場へ駐車しようとしました。その際に、私の操作ミスにより、営業車両の後方部を壁面にぶつけ、ボディー部を損傷しました。
事故を起こしてすぐ直属の〇〇課長へ報告し、損傷部分の修理と手続きについては総務部にお願いしました。後方の確認不足と操作ミスにより発生した事故です。今後はこうした事故を再び起こすことがないよう、必ず後方の安全を確認し、正確な操作ができるよう注意します。
今後、同じミスを繰り返さないよう誓約します。
この度はご迷惑をおかけしてしまい、誠に申し訳ございませんでした。
営業部
〇〇 〇〇
人身事故の始末書の例文
20〇〇年〇月〇日
代表取締役社長 〇〇 〇〇様
人身事故に関する始末書
私は、202〇年〇月〇日〇時〇分頃、〇〇区〇〇町〇丁目の〇〇交差点にて、脇見運転による追突事故を起こしてしまいました。大変申し訳ございませんでした。
営業車両にてルート配送をしていたところ、お客様より携帯電話に着信があり、ふと携帯電話を手に取り、注視してしまいました。そのため、適切な車間距離を取らず、前方の車両へ追突し、被害者に損害を与えてしまいました。
事故後、早急に警察及び保険会社に報告し、会社にも連絡しました。損傷については、被害者の車両後部が大きく凹み、被害者は軽度のムチウチと診断されています。営業車両については、前方部分が大きく破損し、現在修理に出しているところです。被害者の方には、心よりお詫びを申し上げ、ご迷惑をおかけした損害については保険による補償も含め、誠意を持って対処させていただきたいと考えております。
今後はこのような事故を起こすことがないよう、時間にゆとりをもった配送計画を作成し、携帯電話はマナーモード、または運転時は電源をオフにして運転に集中できる環境を作ることを誓います。この度は、誠に申し訳ございませんでした。
営業部
〇〇 〇〇
物損事故の始末書の例文
20〇〇年〇月〇日
代表取締役社長 〇〇 〇〇様
〇〇〇の件に関する始末書
私は、202〇年〇月〇日〇時〇分頃、〇〇市〇〇町〇丁目の〇〇通りにて、安全確認を怠ったことにより、停車中の車両のサイドミラーに接触する事故を起こしてしまいました。申し訳ございませんでした。
営業車両で移動中、やや幅の狭い〇〇通りを通行していた際に、前方左手に停車している車両がありました。幅を寄せなくても問題なく通れるだろうと速度も落とさず直進したところ、その車両のサイドミラーに接触、破損させてしまいました。
事故後、早急に警察および保険会社、会社に報告をしました。サイドミラーの損傷については、総務部の方で保険会社の方とやりとりし、対応していただけると伺っております。
今回は「多分大丈夫だろう」と過信し、安全確認を怠ったため物損事故を起こしてしまいました。今後は必ず速度を落とし、安全な走行ができるか、必ず確認を行ったうえで適切な操作を行い、安全運転に努めます。
この度は、大変申し訳ありませんでした。心よりお詫び申し上げます。
営業部
〇〇 〇〇
車両破損の始末書の例文
20〇〇年〇月〇日
代表取締役社長 〇〇 〇〇様
社用車破損の件に関する始末書
私は、20〇〇年〇月〇日〇時〇分頃、〇〇市〇〇町〇〇丁目のT次路にて、石段があることに気づかず走行し、社用車の左側面に長さおよそ30センチ、深さ2センチほどの傷を作ってしまいました。大変申し訳ございません。
当時は薄暮時で街灯もなく、車両のライトもつけないまま走行していました。そのため、石段があることに気づかず、擦ってしまい傷を作ってしまいました。事故後、即座に会社へ報告し、現在車両は総務部が間に入り、修理対応いただいております。
今回は薄暮時で視界が悪いにも関わらず、ライトを点灯せずに走行したため、安全確認ができず、事故を起こしてしまいました。今後の対策として、夕暮れ時以降はライトをつけ、確実に道路や周りの環境が確認できる状態で安全な運転を心がけることをここに誓約します。
この度は、大変申し訳ございませんでした。心よりお詫び申し上げます。
営業部
〇〇 〇〇