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【例文付き】社内向け交通事故報告書の書き方

社用車で事故を起こしてしまった場合、警察や保険会社への報告後、会社に「いつ・どこで・どのような事故を起こしたか」を報告書にまとめて提出しなければなりません。そして会社は報告を受けて終わりではなく、リスクマネジメントや安全管理の観点から、事故の詳細を把握し、再発防止策を考える必要があります。
本記事では、交通事故報告書に記載する項目や今すぐ活用できるフォーマットをご紹介します。

【例文付き】社内向け交通事故報告書の書き方

交通事故報告書とは

交通事故報告書とは、従業員が業務中や移動中、出張先など、就業中に交通事故を起こした際に、社内へ事故の詳細や車両の状況などを報告するために作成する書類のことです。交通事故報告書によって事故の概要、状況、原因などを把握し、保険や法的手続きの資料にしたり、再発防止策を検討したりする際に活用します。

保険会社向けの事故発生状況報告書や交通事故証明書との違いは?

保険会社へ提出する「事故発生状況報告書」は、交通事故の加害者側の保険会社に賠償金を請求する目的で作成する資料のことで、被害者になった場合、必要事項を記入して作成します。保険会社が事故の詳細について理解し、過失割合を判断するためにも、非常に重要な書類です。

また、「交通事故証明書」は、警察へ事故の届け出をした後に各都道府県の自動車安全運転センターへ申請し、発行してもらう書類のことです。申請はゆうちょ銀行や郵便局、自動車安全運転センターの申請ページからでもできます。この書類は交通事故があったことを証明するもので、いつ、どこで、誰が、どのような事故を起こしたか、またはどのような事故にあったのかなど、事故の詳細を記載します。

交通事故証明書の見本

引用元:自動車安全運転センター

交通事故証明書をインターネットから申請するには条件がある

自動車安全運転センターのインターネット申請には、以下の条件があります。インターネット申請の利用をご希望の場合は、下記項目をあらかじめご確認ください。

  1. 申請する交通事故をすでに警察に届け出ている。
  2. 該当する交通事故の当事者(加害者・被害者)である。
  3. 申請する交通事故は、発生から人身事故で5年以内、物件事故で3年以内の事故である。
  4. その交通事故の際に届け出た住所地に居住している。

※代理人が申請する場合は、申請者本人の委任状が必要になります。
※申請者ご本人の確認のため、交通事故証明書に記載のご住所以外への郵送はできません。

引用元:交通事故証明書のインターネット申請について - 自動車安全運転センター

交通事故証明書のインターネット申請条件のうち、1つでも該当しない項目がある場合は、以下の画像のように申請ができないため、注意しましょう。

引用元:自動車安全運転センター

交通事故報告書の書き方

交通事故報告書では、主に次の5項目を記入します。

1.事故の発生日時と場所

事故が発生した年月日や場所の詳細を記載します。書く際には、時刻や住所、道路幅、交差点の名前、道路の名称や番号(国道○○号線、○○通りなど)、方角、天候、道路の状況、見通しなど、可能な限り具体的に記入しましょう。また、事故付近に目印となる建物などがあればそちらも記載するとよりわかりやすくなります。

2. 事故の内容

具体的にどのような事故だったのかを明確に記します。ドライブレコーダーの映像を確認する、同乗者や目撃者など第三者からの情報を集めてまとめる、防犯カメラが設置されていればその映像を確認するなど、あらゆる資料を集めてまとめましょう。事故発生までの流れなども明記すると、原因追及の際に役立ちます。

例:「車同士が出会い頭に衝突した」、「駐車場で柱にぶつかり擦ってしまった」、「自転車と接触して負傷者が出た」等

3.被害状況

車両を含む物損とその詳細、怪我人(被害者・加害者含め)の有無と人数、怪我人の状況(怪我人がいた場合)、また、物損と治療費に関する正確な金額がわかる場合は、それらも併せて記入をします。

  • 人身事故の場合:負傷者の人数・氏名・年齢、負傷箇所、負傷度合い、治療内容、治療費
  • 物損事故の場合:車両の損傷具合、損傷範囲、車両以外の破損物とその状況、損害額

4. 事故の原因

事故のもとになった原因について詳細を記します。

例としては、前方ばかりを気にして左右、後方を気にかけていなかった、打ち合わせ時刻に間に合わせようとしてスピードを出し、赤信号を突破してしまった、などが挙げられます。

また、前後でどのような状態だったか(眠気で頭がぼーっとしていた、遅刻して注意が散漫だった)を記載しておくと、状況がより鮮明になります。

5. 事故への反省・再発防止策

事故についての反省点は、「時間に間に合いそうになかったため、焦ってしまった」「前日の睡眠不足で前方不注意だった」など、なぜ事故につながったのか反省点を書きます。その上で事故内容を振り返り、何をどうすれば回避できたのか、今後同じ事故が起きないようにどのような対策をすべきかを振り返り、具体的な再発防止策を考えます。

例:時間に間に合いそうになかったため、焦ってしまった。今後打ち合わせを入れる際は、時間に余裕を持って行動ができるように前後で15分ほどの時間をプラスしてスケジュールを組む。

交通事故報告書を作成するときの注意事項

迅速に作成し、提出する

必要な手続きを進めるためにも、事故が発生した後は迅速に報告書を作成して提出します。時間が経つと、事故時の記憶が薄れ、記入すべき内容が曖昧になる可能性も。

また、破損した車両の修理、保険の手続き、お相手への補償などもあるため、早めの提出を心がけましょう。スマホで被害状況を撮影をしておく、メモに詳細を書き残しておくなど、状況が明確にわかるように記録を残しておくと、作成が滞りなく進みます。

客観的に記述してまとめる

あくまで提出書類であるため、事実を客観的にまとめ、受け取った人が納得できるわかりやすい表現でまとめましょう。なお、証拠になるものとしてドライブレコーダーの動画、現場の写真、同乗者や目撃者の情報がいくつかあると信頼性が確保できます。

原因を明示する

交通事故報告書には必ず事故の原因を記載しますが、原因が特定できない場合は「調査中」と記載することで、後続の手続きや対応がスムーズになります。

交通事故報告書の例文

人身事故の報告書の例文

事故発生日時2024年5月○日 ○曜日 ○時○分ごろ
事故発生場所国道○号線  △△交差点付近
事故の内容追突事故
事故の詳細状況前方車両へ追突した
当日の使用用途打ち合わせ先へ向かうために移動していた
被害者情報○○ ○○さん △△株式会社勤務
被害状況お相手:軽度の打ち身、車両後方の破損 自分:車両前方の凹み
事故の原因急いでおり、前方をよく見ていなかった
事故後の対応事故後、すぐに車を寄せ、警察および保険会社へ連絡。お相手様とは示談が完了し損害分は保険料で対応する。
事故への反省点スケジュールを詰めてしまったため、前後の打ち合わせへの移動時間が短く、焦りがあったため運転に集中できていなかった。今後は前後のスケジュールに余裕を持ち、移動時間を長めにとり、無理のない運転を行いたい。

自損事故の報告書の例文

事故発生日時2024年5月○日 ○曜日 ○時○分ごろ
事故発生場所渋谷区○○  駐車場△△パーク□□店 No.18
事故の内容柱への接触
事故の詳細状況駐車場の柱にぶつけてしまった
当日の使用用途営業先への巡回
被害状況サイドドアに傷が入った。柱には擦った跡がついた
事故の原因駐車スペースに余裕を持っていたつもりだったが、操作ミスによってぶつけてしまった
事故後の対応事故後、すぐに警察および保険会社へ連絡。現場検証を行った
事故への反省点もう少し余裕を持って駐車できるスペースを探せばよかったが、無理に停めようとして操作ミスを起こしてしまった。今後は車幅、自分の運転スキルを考慮して駐車をするよう気をつけたい。

接触事故の報告書の例文

事故発生日時2024年5月○日 ○曜日 ○時○分ごろ
事故発生場所世田谷区○○通り路地  △△交差点付近
事故の内容接触事故
事故の詳細状況出会い頭に衝突した
当日の使用用途荷物の配送
被害者情報○○ ○○さん 公務員
被害状況お相手:無傷、車両前方を一部破損 自分:車両前方を一部破損、凹み
事故の原因見通しの悪い道路でお互い一時停止をせずに飛び出した
事故後の対応事故後、すぐに警察および保険会社へ連絡。お相手様とは示談が完了し損害分は保険料で対応する。
事故への反省点見通しの悪い通りにも関わらず、一時停止を怠ったためぶつかってしまった。お互いが飛び出してしまったことによって接触したが、今後は必ず一時停止を行い、前後左右の安全を確認のうえ、低速で進むようにする。

交通事故再発防止策の例文

・スマホを操作してしまったことで前方不注意となり、前の車に衝突してしまった。今後、運転中はスマホの電源をオフにする、またはマナーモードにするなど、操作できないようにする。

・今後はスケジュールに余裕を持たせた配送ルートを作り、焦らず速度を守って運転する。

・駐車が不得意なので、なるべく広めの駐車スペースに停める。また、左右後方が見やすいように補助ミラーをつけるなど対策をとる。

交通事故報告書の無料テンプレート

一から作成すると時間と手間がかかってしまうため、次のようなテンプレートを利用するのもおすすめです。

自動車事故報告書の記載例(表)自動車事故報告書の記載例(裏)
引用元:国土交通省北陸信越運輸局 新潟運輸支局

筆者紹介

株式会社スマートドライブ
編集部

株式会社スマートドライブ編集部です。安全運転・車両管理・法令遵守についてわかりやすく解説します。株式会社スマートドライブは、2013年の創業以来、「移動の進化を後押しする」をコーポレートビジョンに掲げ、移動にまつわるモビリティサービスを提供しています。SmartDrive Fleetは、1,300社以上への導入実績があり、車両に関わる業務の改善や安全運転の推進などに役立てられています。また、東京証券取引所グロース市場に上場しています。 SmartDrive Fleetは情報セキュリティマネジメントシステム適合性評価制度「ISMS認証(ISO/IEC 27001:2013)」を取得しています。

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