「基本・意識・地域の特性」ドライバー賞を受賞した寺口さんが大事にしている3つのこと
東北6県。総面積66,951.97㎢、本州の約3割を占める広大な土地を移動するには車が欠かせません。冬場は雪が降り積もり、いつも以上に慎重な運転が求められます。本イベントでドライバー賞1位を獲得した日産化学の寺口様は、現在同社の仙台営業部を起点に東北エリアを担当。雪国ならではの注意点、日頃からこころがけていることなど、安全運転を維持するための重要なポイントをお話しいただきました。
目次
インタビュイー:日産化学株式会社 寺口 昌宏様
東北6県を回るため、移動には営業車が欠かせない
今回、全国安全運転イベントにおいて寺口さまはドライバー賞1位を獲得されました。改めまして、おめでとうございます!
ありがとうございます。非常に嬉しい、というのが率直な感想です。運転は営業活動のための日常的な手段ですが、それが数値化されるのは初めての経験ですし本当に新鮮でした。また、参加人数が800名以上の中で1位というのは、名誉のあることだと実感しております。
寺口様は現在どのような業務を担当されているのでしょう。
私は平成3年(1991年)に日産化学に入社して今日まで、最初の1年間以外は営業職として従事してきました。私の所属する農業化学品事業部は現在全国に7か所拠点があり、47都道府県のお客様に営業活動を行っています。私の拠点は仙台営業部で、所属するラウンドアップグループのメンバー3名で東北6県を担当しています。広範囲に渡って活動しますから、どの営業担当者も週3-4日は営業車を利用している状況です。
農業化学品事業部のお客様は、駅から離れた場所に位置していることも多いため、移動には車が必須です。
地域の特性を考慮し、日頃から急操作を避ける
寺口様は、SmartDrive Fleetの導入当初から安定して90点台を維持されています。この事実から導入前から安全運転に気を配っていたことが伺えますが、安全運転への意識を持ち始めたのはいつからですか?
私の父は地元の消防団に入団していましたので、消防車を運転する姿を間近に見ながら育ちました。そのため、自家用車でも父は安全運転で、幼少期から知らず知らずのうちに「安全運転とはどのような運転か」を学んでいたのかもしれません。また、家族が車酔いしやすい体質だったため、プライベートでも急ハンドルや急発進はしないように心掛けてきました。こうした経験を通して、自然と安全運転が身についていった気がします。
日頃から安全運転を心がける環境が身近にあったのですね。
そうですね。それに加え、東北や北海道での仕事のキャリアが長いことも安全運転を意識するきっかけの一つになっていると思います。いずれも雪が降る地域ですが、雪道での急操作はすぐに事故へつながりますので、余裕を持ってなるべく穏やかに運転するよう常に心掛けてきました。
SmartDrive Fleetで初めてご自身の点数を見たときの感想を教えてください。
結構、採点が厳しいなと(笑)
今回のイベントに向けて普段より気を付けたことはありましたか。
イベントだからと言って特別に何か意識することはなく、いつも通りに運転していました。10月にSmartDrive Fleetが導入されてからは、漫然と運転しないように注意したり、以前よりもさらにスピードに気を付けたり、自然と安全運転を意識するようになりましたね。それが結果につながったのではないでしょうか。
安全運転で大事なのは「急のつく3つの動作を行わない」こと
寺口様の視点で普段から安全運転をするために気をつけていること、安全運転のコツなどあれば、これから安全運転を推進したいと考えられている企業様へ向けてアドバイスをいただきたいのですが。
私の経験則になりますが、とくに気を付けているのは、急発進・急ブレーキ・急ハンドルの「急のつく3つの動作を行わない」こと。これはよく交通安全の標語でも言われていることですが、事故防止と安全運転はこの基本が何よりも大事だと思います。
営業職ですと、お客様とのアポイントメントや売上を上げるために営業活動を増やすなど、ついつい気持ちの面で焦りが出て、それが運転傾向に出てしまうこともあると思います。そうした観点で寺口さまが気をつけていることがあれば教えてください。
弊社の営業活動は、お客様へ事前にアポイントを取って訪問することがほとんどです。しかし、前の予定が押して次のアポイントに遅れそうな時は、どうしても気持ちも焦ってしまいます。12月の年末や3月の年度末は、ついついアポイントを多く入れてしまいますが、そうなると時間に気持ちが取られてしまう。そうであっても「スピードを出せば間に合うだろう」と考えず、つねに余裕を持ったスケジュールを組むことをメンバー全員に話しています。
SmartDrive Fleetを導入してからは、誰が、いつ、何km運転したか、走行情報が即座に共有できるようになりました。そのため、もし距離が増えているメンバーがいれば、「運転距離が長くなってきているよ。疲れも出てくる頃だろうから気を付けて運転してね」と声を掛けます。他にも、雪道の運転に慣れていないメンバーには、運転時の注意事項を必ず伝えるように徹底していますね。
具体的に、どのような注意事項をお伝えしていますか。
雪道はいつも以上に所要時間が見通せないこと、そして、見落としがちな運転前の準備についてです。朝は車に積もった雪を下ろさなければ仕事に向かうことができません。雪国に慣れていないと、その点を忘れてしまい、雪下ろしをしているとあっという間にアポイントの時間が迫ってしまう。そうなると気持ちが焦って、事故に繋がりやすくなってしまうので、冬場はとくに余裕を持った準備を行うことが重要なのです。
当社の場合、人事異動で雪道の走行が未経験の人も東北や北海道エリアに赴任することがあります。その場合、雪道講習というものを受けて実際の道路状況と近い体験をしてもらい、そこで安全運転への意識を高めています。
SmartDrive Fleetで事故を起こさせない習慣を作りたい
御社がSmartDrive Fleetを導入されたのは2020年10月からです。導入してから気付いたこと、また、今後の活用について教えていただけますか。
導入すると聞いた当時は、監視のためのツールではないかという不安の声が多くあがっていましたし、私もその一人でした。しかし、実際にデバイスを装着すると、監視ツールというより“安全運転を意識して推進するためのツールなのだ”と意識が変わっていきました。
誰もが理解しているように、安全運転は非常に重要なことですし、万が一事故を起こすと会社や家族に多大な影響を与えてしまいます。SmartDrive Fleetによって、自分や仲間の運転を客観的に把握できるようになりましたし、大事な人たちを守るためにと考えるようになり、安全運転への意識がぐっと高まりました。今後も私たちドライバー自身が安全運転を意識するツールとして活用し、長時間運転で無理をしている人がいないか、最近のスコアに大きな変動はないかなど、互いに気をつけ合う習慣が根づいていけばと思っています。
私たちスマートドライブは、安全運転が誰にとっても良いことであり、社会貢献の一つだと考えています。今回はSmartDrive Fleetによって、寺口さまの日々の努力や実績を可視化することができ心から嬉しく思います。引き続きご活用いただき、会社全体、社会全体で安全運転を浸透させていきましょう。ありがとうございました!