先輩から後輩へ安全運転意識をつなぐ!フーディソンが2年連続上位入賞を獲得した理由
「世界の食をもっと楽しく」をミッションに、食のイノベーションをもたらす株式会社フーディソン。2020年11月開催のSmartDrive Fleet全国安全運転イベントでは、昨年に引き続き、2年連続で上位入賞を果たしました。このインタビューでは、同社が普段から安全運転を実現するために行っている取り組みや心がけについて伺います。
3分でわかるSmartDrive Fleet
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目次
[インタビューイー]
株式会社フーディソン 城口 裕太 様 / 髙橋 優 様
都心エリアを中心に、美味しい魚を届ける
まずは、簡単にお二人の自己紹介をお願いします。
城口:フーディソンは事業の一つとして、飲食店向け生鮮品EC「魚ポチ(うおぽち)」を展開しています。私はその中で、魚ポチドライバーチームのリーダーとして、ドライバーのマネジメントを担当しています。
髙橋:私は2020年の1月に入社したばかりで、前回受賞した佐々木の後輩にあたります。佐々木から直接研修を受け、本年度はドライバー賞を受賞することができました。
城口:ちなみに、佐々木を研修したのは私です(笑)。
先輩から後輩へ、安全運転がしっかり受け継がれているのですね。配送エリアは各ドライバーによって異なるのでしょうか。
髙橋:はい。私は現在、新宿近辺のエリアを担当しています。
新宿近辺は人が多いのに道も狭く、運転が非常に困難なイメージがあります。
髙橋:私個人も、買い物などで何度か新宿に訪れたことがありますが、車で走行するのはフーディソンに入社してからのこと。不安はあったものの、事前に佐々木から道路の特徴や注意点を詳しく共有してもらい、1カ月間みっちり丁寧に研修をしてもらったので、臆することなく走行できました。
髙橋さまは、前職ではドライバーとは異なる職種についていたそうですね。
髙橋:以前は機械系の総合商社に2年半ほど勤めていました。もともと機械に興味があったので前職を選択したのですが、私は食べることが大好きで。魚は日頃から食べていましたし、魚に関する仕事も経験してみたいなと仕事を探していたところ、ベンチャーで勢いのあるフーディソンを見つけ、転職を決意しました。
先ほどお写真を撮影させていただきましたが、みなさまから非常に勢いのある、ポジティブなパワーを感じました。現在、ドライバーは何名ほど在籍されているのでしょう。
城口:私を含めて11名が在籍しています。若手が多いですね。
今回の全国安全運転イベントには全ドライバーが参加され、企業賞として2位を受賞されました。改めて感想をお聞かせください。
城口:正直言うと、1位が取りたかったですね(笑)あと1点だったのに…。
1位とは本当に僅差でしたからね。イベント中は「普段より安全運転に気をつけよう」という意識で業務に携わっていたのでしょうか。
城口:とくに、「イベントだから」という意識はありませんでした。というのも、普段から月に1度のミーティングを行い、ドライブレコーダーからランダムで映像を取り上げ、危険な挙動や安全運転についてみんなで話し合うようにしているためです。
イベントだから気をつけるのではなく、普段から安全運転を呼びかける。そうした日々の積み重ねが重要なのですね。
城口:そうですね、普段から呼びかけるようにしています。また、事故が発生した際はその都度みんなで集まり、なぜ事故が起きたのかを振り返り、検証しています。
会社が拡大するとともに自然とみんなの意識が変わっていった
安全運転が大事であることは誰もが理解していることです。ただ一方で、時間も労力もかかるため、どの企業様も同じように運転の振り返りを実施するのは簡単なことではありません。
フーディソン様が今のような安全運転の取組みを継続して行っている理由を教えていただけますか。
城口:弊社では、セールスドライバーとして社員が配送をはじめて、ちょうど3年ほど経ちます。本当にお恥ずかしい話ですが、立上げ当初は月極駐車場を借りて1台から始めたんです。
そこからメンバーが増え、会社も成長し、大田市場に出荷拠点を借りることができるようになりました。そうやって会社の規模が拡大するとともに意識が変わってきた気がします。
「事故が発生すると会社の信用を落としてしまう」というような危機意識が芽生えたということでしょうか。
城口:そうした意識も当然あります。そもそも2〜3年前は稼働している車が2、3台だったので、事故もそれほど起きていなかったのです。車両が増えていくにつれて、段々とみんなの安全運転へ向ける意識が変わっていきましたね。
職業ドライバーとしての意識を植え付ける
先ほど、城口さまから昨年度の安全運転イベント入賞者の佐々木さまに研修を行い、今年は佐々木さまが髙橋さまへ研修を担当したとおっしゃっていましたが、研修時にポイントとされていることは?
城口:「職業ドライバー」としての意識を持つことを強く教えています。仕事として運転する以上はプロですから、ハンドルを握った瞬間から気持ちを切替えるように伝えています。
運転特性にもそうした意識は現れますか。
城口:現れますね。よく、運転には性格が出ると言うでしょう。弊社では、新人ドライバーに3週間の研修を行い、少しずつ矯正しながら、なるべく運転の癖を取り除くこと、みんなが同じ状態で運転できるようにすることを心掛けています。
ブレーキはこのタイミングで踏むようにするなど、テクニック面での指導もされている?
城口:もちろんです。また、法令遵守についても徹底するよう伝えています。
指導の際に、SmartDrive Fleetの運転スコアを参考にされていますか。
城口:はい。初期の研修に限らず、2週間に1回程度、1on1で一人ずつ面談を実施していますが、運転スコアを参考にアラートの回数やアラートが鳴った箇所の振り返りをしています。スコアは運転のスキルが数字で示されるので、管理側としては伝えやすいですし、相手も納得しやすいのがいいんですよ。
中には数字が出ることを嫌がるドライバーさんもいらっしゃいますが、御社ではどうでしょう。
城口:逆に重要なエビデンスになりますので、ネガティブな反応はありません。若いメンバーが多いことも関係しているのか、「もっと良い点をとるぞ!」という意識や雰囲気が醸成されているようです。
髙橋さまはフーディソン社に入って初めてドライバーになりましたが、実際に研修を受けてどうでしたか。
髙橋:入社前も自分の車で運転する機会はありましたが、トラックは死角やスピードの感じ方が一般車両とはまったく異なります。私は茨城県出身ですが、地元で走っているときとは、道の間隔やスピードの出し具合が大きく異なりますし、人の密度も全く違う。
佐々木は前職でも都内を走行した経験を持っていますので、学ぶことは数多くありました。「死角が多いので、一時停止の際はしっかりと止まって左右を確認しよう」「スピードは確実に守ろう」など、私が見落としている部分を丁寧に指摘してもらいながら、少しずつ直していくことができたのです。
都心部で走行するときの注意点は「スピードを出しすぎないこと」
ドライバー髙橋さんの1日のスケジュールを教えてください。
髙橋:私の場合、早朝に大田市場の事務所へ出社し、自分のエリアの荷物をトラックに積み込んで担当である新宿エリアへ向かいます。お客様へお届けするタイミングが午前と午後で分かれているので、まずは午前のお客様を回り、昼過ぎに一旦休憩。それから午後の配送をスタートし、だいたい終わるのは夕方頃です。大田市場へ戻り、片付けや次の日の準備を行って退社します。ですから、一日のほとんどは運転をしていることになりますね。
髙橋さまをはじめ、フーディソン社のドライバーさんの多くが高得点を獲得されています。運転のコツはなんでしょうか。
髙橋:都心部は狭い道が入り組み、急に人が出てくることも多くありますので、スピードを守ることに注力しています。法定速度よりも少し遅いくらいが丁度いいですね。細い道だと後続車もほとんどいませんし、ゆっくり走っていれば、いきなり人が出てきてもやんわりとブレーキを踏んで危険を回避できます。
今回のイベントは全国から43社882名の方にご参加いただきました。御社は東京を中心に運転されていますが、その中でこの点数は非常に素晴らしいことだと思います。
城口:その点については、素直に嬉しいですね!日頃の成果がしっかり結びついたのだと思います。
使いこなすことで業務の効率化が加速する
SmartDrive Fleetのその他の機能で、運転日報が非常に役立っていると伺いました。
城口:この機能は本当に活用させてもらっています。それまでは毎月、運転日報を提出するのに30分ほど時間がかかっていたのですが、今はダウンロードしてそのまま稟議を上げるだけ。5分もあれば作業が完了します。
以前はどのように運転日報を作成されていたのでしょう。
城口:アナログで記録したものを毎日保存して、先月分をまとめて月初に提出する形態でした。今と比べると当然、精度にも差がありますし、抜け漏れも発生していましたが、そうした心配もなくなり、時間も大幅に短縮できたので、本当に助かります。
これから人数が増えることを考えると、貴重な時間の削減になりますね。
城口:100人くらいの規模へ拡大しても、これなら大丈夫だと思いますね。
SmartDrive Fleetのスマートフォンアプリもドライバーの皆さん使っていますか。
城口:アプリは全員インストールしています。メインで利用している機能はリアルタイムの位置情報。この機能が本当に優秀で、私たちの中では、スマートドライブさん=リアルタイム機能と言っても過言ではないぐらいです。
何と言っても、お互いの場所が瞬時に把握できるのが便利。運送業なので、トラック同士がドッキングしたり、荷物の受渡しをしたり、臨時配送がかかったりすることは日常茶飯事のこと。たとえば私が大田市場にいて、急遽、追加で配送をお願いしたい場合、SmartDrive Fleetを見れば誰が目的地から一番近くにいるかがすぐに分かるし、配送状況も確認できる。確認に時間がかかっていたのが、大幅に短縮できるようになりました。
ドライバー同士も、自分たちのいる場所を全体で把握できるので、何かトラブル等が発生したときもすぐにフォローしあえます。何よりも直感的な操作ができて使いやすので、毎日フル活用しています!
社員間もSlackで連絡を取っているようですが、フーディソン様は多様なITツールをうまく活用されているイメージがあります。
城口:そうですね。電話はほとんど利用していません。
髙橋:電話だと、どうしても取れる時と取れない時があるので、SlackやSmartDrive Fleetのアプリで現状を把握して、必要なときのみ電話をかけるようにしています。
運送業では未だに紙文化が根強く、電話確認を運用の主体とする企業様も多くいらっしゃいます。御社が感じているITを活用するメリットとは?
城口:圧倒的に事務作業が軽減され効率化できるところと、リアルタイムに誰もが情報を把握できるところでしょうか。これだけ効果があるなら、活用しない方法はないですよね。
日々の安全運転を実践するためには
最後の質問です。スマートドライブでは、安全運転でモノを運ぶことは社会貢献に繋がると考えています。全員が安全運転を意識すれば、事故は大幅に減少すると思うのです。今回御社の話を伺い、ドライバーの皆さまが自主的に安全運転を心がけていることがしっかりと伝わりました。
今後も安全運転イベントを通して多くの企業様に「安全運転にこれから取り組みたい」「フーディソンさんみたいになりたい」と思っていただくために、安全運転に関するメッセージをお願いします。
城口:言葉にするのって意外と難しいですよね。ですから、ドライバーには、安全運転は得をすることだと伝えるようにしています。違反や危険運転は、その後の対応に様々な労力がかかり、時間的にも精神的にも自分が損をするだけだと。会社の信用問題はもちろんですが、まずは自分により身近な例で伝えるようにしています。
髙橋:トラックを運転する場合、荷台や後部座席などに複数の荷物を載せて走行すると思いますが、安全運転であれば荷崩れはほぼ起きません。弊社の場合は魚ですが、機械や精密機器などを運ぶ会社の場合、万が一、大切な製品が破損してしまったらどうでしょうか…? 大事な商品を確実にお届けするためにも、急ブレーキ、急加速をしないというのは一つのポイントになるのではないでしょうか。
城口さま、髙橋さま、貴重はお話をありがとうございました!