【激震!新型コロナウイルス】自動車業界はどう対応しているのか?
1月末日から現在に至るまで、全世界に大きな影響を与えている新型コロナウイルス。単なる健康被害だけではなく、経済にも大打撃を与えています。中国に工場を持つ自動車メーカーは多いようですが、どのような対応をしているのでしょうか。
3分でわかるSmartDrive Fleet
SmartDrive Fleet導入実績
SmartDrive Fleet は、アルコールチェック記録をはじめ「安全運転管理・法令遵守・DX」3つの観点から業務で車両を利用する企業の様々な課題をワンストップで解決できるクラウド型車両管理サービスです。簡潔にサービス概要をご紹介しています。
目次
2月下旬現在、国内自動車メーカーへの影響は?現在の対策は?
JETRO(ジェトロ・日本貿易振興機構)によると、武漢と周辺におよそ160の企業が進出しており、その半数が自動車メーカーだと言います。中国の新車販売は、1月には194万1,000台と前年同月比18.0%減と大幅な減少、乗用車市場信息聯席会(CPCA)の発表によると、2月1~16日の乗用車販売台数は1日当たり2,249台、前年同期の販売台数2万9,090台と比較すると、10分の1以下に落ち込んでいます。湖北省に完成車生産拠点を持つホンダと日産は、中国が主力市場の一つであるため、生産停止期間が1カ月半ほどにわたると今後の業績に大きなマイナスのインパクトを与えることも考えられます。このような厳しい環境下で、各社はどのような状況となっているのでしょうか。
トヨタ
2020年2月24日、成都にある全完成車工場での生産を再開したトヨタ。しかし、人員確保ができないことなどを理由に、生産体制は多くの工場で停止前の半分に止まっています。
日産
2019年の販売台数が154万6千台を越え、世界販売の約3割を占める中国市場。生産遅延や販売に影響が出ると予想されています。先日は新型車「日産ルークス」の発表会をYouTubeを利用したインターネット中継中心へと切り替えました。また、中国から部品が調達しにくくなったことで、日産自動車九州の完成車生産ラインを一時停止。
ホンダ
2月14日、全面改良した主力の小型車「フィット」の販売をスタートさせたホンダですが、中国製の電子部品の調達が遅れ、一部で納期の遅延が出ています。湖北省の工場稼働再開は3月11日以降になると発表。
マツダ
CX-8などを生産する南京の合弁工場が2月17日に稼働再開。南京工場で生産するモデル向けのエンジンを生産する工場も2月20日から稼働を再開しています。しかし、CX-4などをライセンス生産している第一汽車グループの工場は、生産ライン改修のために現在も停止状態。
今後の影響を考慮し、協議会が立ち上がる!
国内の大手自動車メーカーは少しずつ稼働を再開させているものの、終期が未だ読めないことから、甚大な影響を受けることが予想されます。そこで、自動車サプライチェーンへの今後の影響拡大の可能性に備え、対応に万全を期す観点から、自動車メーカー、部品メーカー、政府が連携し、業界大の迅速な情報共有や必要となる対応策を検討する場が設けられました。それが、「新型コロナウイルス対策検討自動車協議会」です。
同協議会は、一般社団法人日本自動車工業会、一般社団法人日本自動車部品工業会、経済産業省が共同で次のような取り組みを行うというもの。状況などにより、追加されます。
1. 情報共有と状況把握
業界大の共通課題(防疫対策、サプライチェーンや物流等)と対応策の共有、政府の施策情報の共有など
2. 対応策の検討
影響が長期化した場合の各種対策の検討(資金繰り対策、各種政策支援)
いっぽう、中国では…
自動運転技術を活用?
中国インターネット検索の最大手であるバイドゥは、2月10日、新型コロナウイルス対策への支援を行う企業に、同社の自動運転開発プロジェクト・アポロの小型低速車用の自動運転開発キットとクラウドサービスを無償解放すると発表しました。新型肺炎対策への自動運転技術の応用を加速する考えです。
ウイルスに負けない車の開発がスタート。
浙江吉利控股集団は、2月4日、傘下の吉利汽車(GEELY)が、ウイルスに強い車の開発に着手したと発表しました。同社は3億7000万元の資金を投資し、ウイルス防止機能を備える「健康でインテリジェントな車両」の開発に着手すると言います。
ウイルスからの保護機能を備えた車は、空気中の有害物質を隔離する能力を持つだけでなく、車内の空気を迅速かつ効果的に清浄する機能を追求とのこと。欧州、米国、中国それぞれの拠点が共同で、空調システム内や頻繁に触れる室内などで使用できる抗菌および抗ウイルス特性を備えた新素材の研究開発に取り組みます。
「生物兵器防衛モード」ってナニ?進化する車内空気浄化機能に期待が高まる
2017年、米国のEVメーカー テスラが花粉、バクテリア、汚染物が車内に潜入する前に外気から取り除き、これらの微粒子を完全に消去できる空気清浄システム「HEPA(ヘパ)フィルトレーションシステム」を開発し、話題になりました。この空気清浄システムには、「生物兵器防衛モード」があり、大きなバブル内に『モデルX』を置いたテストでは、2分も経過しないうちに、HEPAフィルトレーションシステムが車内の空気を洗浄、汚染レベルを極度に危険な1000マイクロg/m3 (PM2.5の汚染で話題となった北京の年間平均値が56μg/m3)から探知されないほど低いレベル(ノイズ フロア以下)に下げることができたのです。この結果から、インフルエンザをはじめとするウイルス防止への効果も期待が寄せられています。
生物兵器防衛モードは、自動車業界として初の医療用ヘパエアフィルトレーションシステムが、すべてのアレルギー物質やバクテリア、他の汚染物質を車内の空気から取り除き、手術室と同じくらいクリーンな空気で車内を満たしてくれるという事実から、今回のコロナへの対策の一つとして空気の清浄機能の強化が注目されています。車の新たな付加価値として、今後テスラのように高度な車内浄化機能の開発に着手していく自動車メーカーが増えるかもしれません。