【テンプレート付き】車両管理台帳の仕組みと書式を解説
車両管理を行う際には、使用実態に応じて必要な情報を記録しなくてはなりません。その一環として、車両の使用状況や登録情報、保険など、車両周りの情報を一つに集約してまとめたものが車両管理台帳です。
本記事では、車両管理台帳の役割、必須項目、簡単に作成できるテンプレートやクラウドツールについて解説します。
まるわかり!車両管理のはじめ方編
車両管理を実施するにあたって重要な「車両管理規程」を作成する9つのポイントをご紹介しております。また、車両管理規程の作成に役立つテンプレートもご用意しております。
目次
車両管理台帳とは?
車両管理台帳とは、企業が使用している車両の使用状況・車両情報・保険の加入状況や期限等の管理を行うためのツールです。社有車やレンタカーなど、保有形態に限らず業務で車両を利用する企業は、登録情報や使用状況、保険加入状況などを管理する必要があり、多くの企業では車両管理規定内にて作成が定められています。
車両管理台帳の作成は企業の義務?
企業にとって重要な資産である社員と車両の安全を守りつつ、事故を未然に防ぐためにも、車両管理は欠かせない業務です。法律でも以下のように定められており、万が一、事故が発生した場合、企業は使用者等の責任を問われることいなります。
・ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
・使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。
・前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を防げない。
出典:民法 | e-Gov法令検索
リスクマネジメントの観点でも、車両管理は必須であり、車両の情報を把握するために車両管理台帳は重要な役割を担っているのです。
車両管理規定の作成についてはこちらの記事をご参考ください。
関連記事:車両管理とは?メリットや導入方法についてわかりやすく解説
車両管理台帳を作成する目的
●企業のリスクマネジメント
従業員が業務中に交通事故を起こした場合、損害賠償だけでなく企業として社会的な信頼を失うことも考えられます。車両の不備、車検切れ、事故につながりそうなあらゆるリスクを回避するために、車両管理台帳を作成しましょう。
●コスト管理
年々高騰しているガソリン代は、企業にとっても大きな負担になっています。月々の使用量と合わせて走行ルートを把握することで、不要なコストを可視化し、コスト削減につなげることも可能です。
車両管理・アルコールチェックの課題解決をSmartDrive Fleetがサポートいたします。以下から気軽にご相談ください。
車両管理台帳の書式と記載すべき3つの必須項目
車両管理台帳の必須項目は以下の3つに分けることができます。
1.車両を特定する項目
車両を特定しやすくするために、すぐにどの車両かわかるよう、車体に関する項目を記載しましょう。
(1)車両本体にかかわる項目(車両を特定する項目)
項目 | 内容 |
登録番号(車両番号、ナンバープレート) | ナンバープレートの番号 |
車名 | 自動車メーカー、車体の名称を誰でもわかるように明記 |
型式 | モデル、車種などを分類した番号 |
車台番号 | 車検証または車体に打刻された番号 |
登録した年月と番号 | 運輸支局へ登録した年月 |
色 | 車体のカラー(特徴などあればそれも記載) |
定員数 | 乗車定員数 |
(2)購入・廃車にかかわる項目
項目 | 内容 |
購入年月日 | 購入した年月 |
購入先 | 車両を購入した店舗や会社名 |
新車・中古車区分 | |
購入またはリース料金 | 購入またはリース契約にかかった料金 |
廃車年月日 | 廃車にした年月、または契約を解約した年月 |
2.車両の状況を把握する項目
車両の健康状態を把握するために、重要な項目です。安全な状態を維持するために、詳細に記入しましょう。
(1)車検・整備状況にかかわる項目
項目 | 内容 |
車検有効期限 | 車検満了日 |
定期点検記録 | 点検の実施内容 |
整備工場名 | 点検や整備を実施した工場、場所(連絡先もあると良し) |
整備状況 | 整備の現状 |
(2)修理や事故のかかわる項目
項目 | 内容 |
修理歴 | 修理箇所や修理の原因 |
事故発生日時 | 事故が起きた日時 |
事故概要 | 事故の状況、原因、事故を起こした者など詳細に記載 |
事故処理の状況、結果 | 事故後の処理、結果について詳細に記載 |
(3)使用・管理にかかわる項目
項目 | 内容 |
使用する部署 | 車両を利用する部署 |
運転者 | 車両を運転するドライバー氏名 |
変更履歴 | 使用者、管理者の変更履歴を記載 |
3.車両の保険に関する項目
自賠責保険は法律で義務付けられています。任意保険は自賠責保険で補償されない部分を補う保険ですが、あらゆるリスクを想定し、どちらも加入する方が良いかもしれません。
(1)自賠責保険
項目 | 内容 |
保険年月日 | 契約日時と満了日 |
保険会社 | 契約した保険会社名 |
証券番号 | |
保険金額 |
(2)任意保険
項目 | 内容 |
保険会社 | 契約した保険会社名 |
証券番号 | |
保険期間 | 契約日時と満了日 |
保険代理店 | 仲介業者を利用した場合、会社名 |
保険内容 | 保険名、条件、その他、詳細について |
これらの項目以外にも、使用するドライバーの情報や使用目的など、用途に応じた必要項目を記録します。自社の車両状況を十分に把握し、これらの業務を担う部署をそれぞれ明確にすることで、業務の効率化と管理の徹底を実現し、コスト削減へとつなげていきましょう。
「車両管理台帳」を利用する上でおさえたいポイント
一覧にまとめ、状況を一目でわかるようにする
車両を複数台、保有している場合、必要な時に必要な車両の情報を検索する際に、すぐに確認ができるようExcelやクラウドの管理ツールで一覧としてまとめると管理が容易になります。
定期点検・車検などの実施日、更新を日付順にまとめる
また、定期点検の実施日とその結果、車検の時期、保険の更新時などを日付でソートがかけられるようにすると、抜け漏れも少なくなり、予算も立てやすくなります。また、点検報告書は日にちごとにファイリングし、点検結果によって車両の整備を実施する運用にすれば、車両の不具合による事故を防ぐことが可能です。
証明書のコピーも合わせてファイリングする
台帳への記帳とともに、車検証のコピーや自賠責保険・任意保険証書のコピーなどもファイリングすることで、もしもの事故やトラブル発生時など、車両に関する情報の問い合わせに迅速に対応できる体制が構築できるでしょう。
もしもに備えて一定期間保存をしておく
運転日報とは異なり、車両管理台帳については明確な保存期間は設けられていません。しかし、各車両の状況を把握したり、保守管理を行ったりしていた資料として、必要となるケースも想定されるため、一定期間は保管をしておくと良いでしょう。
「車両管理台帳」の作り方と書き方
出典 : 香里自動車教習所 安全運転管理支援チーム
書き方のポイント
基本的には、前述した3つの項目を記載していれば、雛形やフォーマットに指定はありません。紙、またはExcelやワードなど、企業によって管理方法は異なりますが、インターネット上では、いくつか無料で利用できるエクセルのテンプレートがありますので、記入例やサンプルを参考に記録と管理を行いましょう。
エクセルを利用し、管理できる運転者管理台帳や車両管理台帳には以下のようなものがあります。こちらは無料でダウンロードできるので、テンプレートをベースに活用しながら使いやすいようにアレンジしてご利用ください。
車両管理表の無料Excelのテンプレート
車両管理表の無料Excelテンプレートです。社用車ごとの車検、自動車保険、修理記録、定期点検などを記録できます。また全車両のデータや車検・保険の更新日情報を一括取得できるシートも付属しております。
車両管理表の無料Excelテンプレートダウンロードはこちら
・安全運転管理支援チーム「Excel 運転者管理台帳・車両管理台帳」
・ケアマネジメントオンライン「車両管理表」
・ビジネスソリューション株式会社 企業を守る車両管理「各種車両管理シート」
車両管理台帳と連携して利用できるテンプレート集
運転日報(アルコールチェック記録欄付き)、車両管理表、点呼記録表(アルコールチェック記録欄付き)のExcelテンプレート3点をまとめてダウンロードしたい方はこちら
・[文書]テンプレートの無料ダウンロード「車両管理台帳(車両台帳・車両管理表・車両管理簿)のテンプレート
もっと便利に快適に。車両管理を最適化するツール
エクセルでまとめて管理する場合は、担当者を配置して車両情報、運転者情報、タスク情報、コスト情報、駐車場情報など、情報が確実に記録されているか、ダブルチェックを行うなど、ルールを設けて運用を行いましょう。ただし、このような人手による管理は、費用を抑えることができても、手間や時間もかかるうえ、抜け漏れが発生してしまうことも多くあります。
無駄な工数を削減し、確実かつ適切に車両管理を行うには、クラウドの車両管理ソフトやツールなどを活用するのも一つの手です。
車両管理ソフトやツールについてはこちらの記事をご参照ください。
スマートドライブが提供している「SmartDrive Fleet」では、車両情報や車検情報など、動産情報が簡単かつ一括管理できる機能をはじめ、一日の走行状況が把握できる走行履歴、今、どこを誰が走行しているのか一目でわかるリアルタイム機能、危険操作時に管理者へアラートメールが届く通知機能、個々のドライバーの運転状況を可視化する運転診断機能など、車両管理を効率化させる多くの機能が搭載されています。
事故を未然に防いでドライバーや車両を守るためにも、業務コストの削減や効率化を図るためにも車両管理はしっかり行いたいもの。車両管理台帳に情報を記載することはもちろん、安全運転管理者の選定を行いドライバーに運転指導を行ったり運転日報の記録から車両の状況を把握したりと、複合的な業務が必要となります。
自社の課題を解決するために必要なものを洗い出し、会社の規模や目的に合った最適な管理方法を考えていきましょう。