この記事を読むと
- 運転日報の法的義務を理解できる
- 日報の必須記載項目を把握できる
- 無料テンプレートで作成を効率化できる

この記事を読む方におすすめの資料
運転日報のテンプレートをお探しの方へ、本記事では、法的に必要な記載項目や運用上の注意点を詳しく解説します。また管理業務を効率化するためのポイントまで、実務に役立つ情報も網羅しているので、この記事を通して、法令遵守と業務効率化の両立を目指しましょう。
テンプレートを活用しよう
無料でダウンロードをして今日からすぐに使用できる運転日報のテンプレートをタイプ別にご紹介します。
【Excel】運転日報(アルコールチェック記録欄付き)テンプレート

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【Excel】車両管理テンプレート3点セット

運転日報(アルコールチェック記録欄付き)、車両管理表、点呼記録表(アルコールチェック記録欄付き)のExcelテンプレート3点をまとめてダウンロードしたい方はこちら
運送事業を営む企業向け

運送事業を営む企業の場合、この後ご紹介する8つの項目を記載できれば、指定のフォーマットは不要です。都道府県や支部のトラック協会がテンプレートを公開していますので、こちらを参考に必要に応じて自社でカスタマイズしてください。

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社有車を保有する企業向け

テンプレートについては、日本法令のサイトで紹介されているものが一番シンプルです。必要項目がある場合は自社で追加できるように、PDFではなくExcelシートを使用すると良いでしょう。必要事項に追加するものとしてライトやエンジンオイルなど使用前の点検項目、ガソリンやオイルなどの燃料購入の有無もあると便利です。そうすることで、運転日報をドライバーの管理だけでなく、車のメンテナンス管理にも役立てることができます。

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・biz ocean 自動車運転日報テンプレート(Word形式、ダウンロードにはサービスへの登録が必要です)
運転日報とは?
運転日報とは、運転者の氏名や運転日時、走行距離などを記録した書類のことを言います。トラック運送など一般貨物自動車運送事業を営む企業(緑ナンバー)では「貨物自動車運送事業輸送安全規則」により、運転日報の記録と保管が義務付けられており、一般企業でも一定数の社有車を保有する場合(白ナンバー)は道路交通法施行規則により、運転日報の記録・保管が必要です。
運転日報に記載すべき8つの必須項目
トラックやバスなどの運送事業者については、貨物自動車運送事業輸送安全規則第八条で次の項目に関する記録が必須とされています。
- 運転者の氏名
- 自動車登録番号(ナンバーなど、識別できる情報)
- 乗務を開始および終了した地点や日時、主な経過地点、走行距離
- 業務を交替した場合は、交替した地点と日時
- 休憩や睡眠をとった場合は、その地点と日時
- 車両総重量が8t以上または最大積載量が5t以上の事業用自動車の運行業務を行った場合、貨物の積載状況
- 荷主の都合により、集貨・配達地点で待機をした場合、その集貨・配達地点や日時など
- 集貨・配達地点で荷役作業や附帯業務を行った場合、その内容や日時、集貨地点、荷主による確認の有無
- 道路交通法および自動車事故報告規則に規定される事故や著しい運行の遅延、その他異常な状態が発生した場合はその概要と原因
- 運行経路など、運行に関する指示内容
また、運送業ではなく、業務用の社有車を保有する企業の場合、記載すべき必須項目は次の4点です。
- ドライバーの氏名
- 乗務の開始日時と終了日時
- 乗務距離
- その他、自動車の運転状況を把握するために必要な事項
上記は最低限、運転日報に盛り込む項目ですが、これ以外にも、業務内容、業務にかかった時間、給油状況、点検記録などを追加することで状況をしっかり把握し、業務の効率化やコスト削減につなげることができます。
運転日報の保管は1年間
運転日報の保存期間については、貨物自動車運送事業輸送安全規則(第八条 業務の記録)において1年間と定められています。道路交通法施行規則では明確に定められていませんが、第九条の十(安全運転管理者の業務)の中でアルコールチェック結果の記録と保存が1年とされているため、運転日報と併せて管理しましょう。
なお、運転日報の保存期間は最低1年とされていますが、労働基準法百九条(記録の保存)においては、労務管理に関する重要書類は5年間保存するよう定められていますので、5年間の保存が望ましいでしょう。
手書き運転日報の課題
現在においても、多くの企業が手書きの運転日報を運用しています。運転日報については、必須項目の記載と毎日の記録が確実にできていれば紙でもデジタルでもどちらで管理しても問題ありませんが、紙の日報はデジタルと異なり、次のような課題があります。
・作成も管理も大きな負担になる
本来の業務で忙しいドライバーにとって、日報作成は手間のかかる事務作業です。なかには、日報を書くのに毎日30分ほど残業をしているという話も...
また、月末、四半期ごとに統計を取るために、ドライバーが提出した日報の内容をエクセルに手入力し直すという管理者もいます。データを集計して分析するには重要な作業かもしれませんが、互いに大きな負担がかかっているのです。
・ドライバーの字が汚くて読めない、または誤字脱字がある
作成と提出をさっさと終わらせようとすると、走り書きや雑な文字になってしまい、管理者が解読できないパターンも。また書き忘れや誤字があると、管理者がその都度ドライバーへ確認しなくてはならず、内容の修正に時間がかかってしまいます。
運転日報を運用する際のポイント
記入漏れを防ぐために自動入力を導入する
手書きでも問題はありませんが、記入漏れや記入ミスを防いで正しい情報を反映するには、自動で記録できるシステムやアプリが有効です。自動入力であれば、正しい稼働状況が抜け漏れなく記録できるので、信頼性の高い日報が完成し、ドライバーへの修正依頼も削減できます。
誰でも記載できるようなフォーマットの工夫を取り入れる
複雑なフォーマットだと、書き損じや記入漏れなどが発生し、ドライバーへ差し戻す作業が発生しやすくなります。管理者にとっても、ドライバーにとっても負担がかかってしまうため、何の情報をどこに記載するのかが誰でも一目でわかる、シンプルなフォーマットを使用しましょう。
電子データでスマートに保存する
電子データで保存すると、後から確認が必要になった場合も簡単にキーワードで検索でき、すぐにデータをピックアップできるようになります。紙での管理は紛失や欠損、改ざんのリスクがありますが、電子データであれば確実に管理ができ、紛失防止やセキュリティ面でも安心です。
運転日報を活用して有用な車両管理を
運転日報本来の目的は安全な運行を確保することと、ドライバーの安全を守り、健康を保つことですが、運転日報はただ記録・保存するだけのものではありません。
運転日報は活用してこそ意味を持つ
必須項目に加え、給油時間や頻度のほか、ドライバーが気づいたこと、感じたことなどちょっとした変化を記録することで車両の不具合が原因の事故を防止することや、稼働の見直しにつなげることができます。有効活用することでリスクマネジメント、労務管理、働き方改革、コスト削減など、多くのメリットが得られるでしょう。
多角的な車両管理を実現する「運転日報のデジタル化」
Excelへの入力や紙での管理は、費用面での負担は少ないものの、作成と管理にかかる時間と手間を考慮すると、より効率的かつ確実に管理できるシステムを利用するというのも一つの手です。
●管理者のメリット

・運転日報と走行履歴をデータとしてわかりやすく管理できる
・ドライバーごとの走行データを一日単位で自動集計できるため、改善点が見出しやすくなる
・CSVやエクセルで出力、A4サイズで印刷できる
・月報としても利用可能
●ドライバーのメリット
・運転日報の作成業務にかかっていた時間を大幅に短縮
・抜け漏れを防ぎ、正確な情報を記載できる
・業務や走行距離・時間が明確に分かることで労働環境の改善につながる
まとめ
デジタル化によってスマートに管理・保存し、なおかつ働き方改革や生産性向上につながる運用が可能になります。紙の管理に要していた時間を大幅に短縮し、企業の成長に向けた一歩先の運転日報活用を進めてみませんか。
