「社用車(営業車)にGPSを搭載する」ことは、車両の管理を強化し、業務効率化や生産性向上にもつながる手段です。
一方、社用車のドライバーからは「行動を監視されているみたいで嫌だ」とネガティブに受け取られるケースも少なくはありません。
この記事では、社用車にGPSを設置することはそもそも法的に問題ないのか、具体的にどのようなメリットがあるのかについて詳しく解説します。

3分でわかるSmartDrive Fleet

SmartDrive Fleet は、アルコールチェック記録をはじめ「安全運転管理・法令遵守・DX」3つの観点から業務で車両を利用する企業の様々な課題をワンストップで解決できるクラウド型車両管理サービスです。簡潔にサービス概要をご紹介しています。
目次
社用車にGPSを設置してわかること

社用車にGPSを設置すると、主に次のようなデータを取得できます。
- 社用車の位置情報
- 社用車の走行ルート
- ドライバーの運転操作
これらのデータを取得することで、走行時間やドライバーの運転スキル、車両の稼働状況が把握できるようになるため、運転日報作成や勤怠管理、ドライバーの運転傾向の把握、そして車両台数の最適化など、さまざまな効果を得ることができます。

社用車にGPSを設置するのは違法?
結論から述べると、社用車にGPSを搭載することは違法行為ではありません。
労働契約法第3条第4項においては、「労働者及び使用者は、労働契約を遵守するとともに、信義に従い誠実に、権利を行使し、及び義務を履行しなければならない」と定められています。つまり、労使間で契約を締結すると、従業員(労働者)は企業との契約に沿って義務(業務など)を遂行する必要があるということです。就業時間内は企業の指示に従い、業務を行うことが求められるので、業務時間内における位置情報の取得は違法ではないと言えるでしょう。
ただし、従業員に無断でのGPS設置や、業務時間外における位置情報の取得をした場合はプライバシーを侵害するとして違法になる可能性があります。また、業務時間内でもランチ休憩やトイレ休憩を考慮せずに厳しく注意してしまうと、パワハラと受け取られることや、従業員のモチベーションが低下することも考えられるため注意が必要です。
従業員への説明を丁寧に行ったうえでGPSを設置する
社用車にGPSを設置するとさまざまなデータを得ることができますが、「どこで何をしているか」が可視化されるため、行動がすべて監視されているとネガティブに捉える従業員も少なくはありません。
たとえば、営業担当者の場合、外出時のすきま時間を使い、適度に休憩を取ることもありますが、行動を監視されているという認識からストレスを感じ、仕事に支障をきたすようなことがあれば本末転倒です。
社用車にGPSを搭載することは従業員の行動を把握すること以外にも、安全運転対策や労務管理など、さまざまなメリットがあります。企業のメリットだけでなく、従業員にも多くのメリットがあることを理解してもらい、業務時間内のみの使用で、労務管理や安全管理が目的であること、プライバシーを侵害するものではないことを従業員に周知させたうえで設置を行いましょう。
例
目的>
●労務管理:業務時間および業務内容の把握と私的利用の防止、緊急時やトラブル発生時に居場所を特定し、適切な案内をするため。
●業務効率向上:営業先の把握、そしてルートを効率化させ負担を軽減するため。
運用ルール>
●業務時間内はオンにして、業務終了後はオフにすることを認める。
●業務時間内のみ上記目的において位置情報を取得する。
●業務時間内において社用車で娯楽施設などへ行った事実が発覚した場合、指導や処分の対象になる。
社用車にGPSを搭載することで得られるメリット
GPSを搭載することで、企業や従業員、そして対取引先において、おもに次のようなメリットがあります。
1. 企業のメリット
経費の削減
訪問先や営業先の経路、車両の稼働率を正確に記録することで、訪問ルートの見直しや保有車両台数の適正化ができます。その結果、訪問にかける人員の整理やガソリン代の節約、車両維持費の削減など、コストカット効果が見込めます。
また、車両の修理代や保険料の削減にも効果が期待できます。運転が可視化されることによって、ドライバーの安全運転意識向上や事故抑制につながるのです。
安全運転をすることでボーナスが増えるなど、独自の制度を組み合せることでさらに事故削減効果が高まり、大幅なコスト削減を実現できる可能性があります。
生産性の向上
社用車の走行ルートを記録し、分析することで、より効率的なルートを策定できるようになるため、業務生産性の向上が見込めます。
運転日報の自動作成
社用車が走ったルートをシステムと紐づけることで運転日報を自動的に作成してくれるサービスも多く提供されています。このようなサービスを活用することで従業員の負担を軽減することが可能です。

社用車管理業務の簡略化
エンジンオイル交換やタイヤ交換、車検時期などを知らせてくれる機能を備えたサービスもあります。この機能を使うことで、、今まで車両管理にかかっていた時間を削減し、本来対応すべき業務に時間を充てることができるようになります。
労務管理の適切化
社用車のGPSデータをそのまま勤怠管理システムと紐づけることで直行直帰ができるサービスもあるため、従業員の正確な勤怠を把握することができます。
事故発生時に適切かつ早急な対応ができる
複数の社用車を利用する企業にとって、無事故で事業を行うのは容易なことではありません。事故は内的要因や外的要因、複数の複雑な要因が重なった上で発生してしまうため、完全に防止することは困難とされています。GPSを搭載した車両であれば、事故現場もすぐに特定でき、自動で企業や保険会社、ロードサービスにGPS情報ごと連絡が届くため、万が一ドライバーが自分で通報できないような状況でもタイムリーに救助対応が可能になります。
関連記事:社用車での事故、誰が責任を追うのか?-事例と対応方法
2. 従業員のメリット
業務負担の軽減
GPSによって取得された訪問記録から、ボタン一つで日報や訪問報告書を作ることが可能なため、手書きや手打ち入力による運転日報の作成は不要です。
また、蓄積されたデータから、取引先への訪問計画などを自動で作成してくれるサービスもあるため、煩雑な訪問計画を作る手間を省けます。
報告の手間が省ける
GPSデータと勤怠管理システムを紐づけるサービスを利用することで、その都度、電話などで報告せずとも勤怠状況を知らせることができます。
3. 取引先に対するメリット
マップ機能により、荷物の現在地を共有できる
取引先の荷物を配送する際に、該当車両の位置情報を共有することで、取引先に安心感を与えることができます。また、位置情報をもとにおおよその到着時間も想定できるため、取引先企業も到着予想時刻まで他の作業を行うことや、到着前に荷物を積み下ろす準備をするなど、時間を有効活用することが可能です。

集荷依頼への対応をスムーズに行える
取引先から突発的に集荷依頼を受けた場合、リアルタイムで社用車の正確な位置情報が把握できれば、適切な指示出しによって迅速に集荷に向かうことができ、取引先の顧客満足度向上につながります。
社用車へのGPS設置の取り組み事例
ドライバーから「会社に守られていると感じる」という声も。リダクションテクノさまの事例(産業廃棄物の収集運搬業)
サーキュラーエコノミーの実現に向け、産業廃棄物の収集運搬業をメインに活用できる不要品の買取や、再資源として活用する取り組みを行っている株式会社リダクションテクノさま。何かが起きたときのためでなく、事前に危険などを察知して抑止や管理ができるツールを探してSmartDrive Fleetをご導入いただきました。

導入に際し、「スマートドライブは、あくまでドライバー皆さんを守るためであることを理解してほしい」と伝えたことで、ドライバーには前向きに捉えてもらうことができたと言います。
導入から1年後、ドライバーからは「スマートドライブのおかげで安全運転への意識が強くなり、事故の抑制につながっている」「スマートドライブのおかげで会社に守られているという実感がある」という意見を頂いたとか。ドライバーの安全を守るためのツールとして、大きな効果が得られているようです。
事例記事はこちら「SmartDrive Fleetは『極力電話は使わない』運用を実現し、安全運転推進と業務効率化を推進する。」
正確な位置情報がわかるのでスタッフの意識が変わった。株式会社オンコードさまの事例(直営型ガラス施工サービス事業など)

一般のお客様を対象に、鏡の取り付け、二重窓の設置、防犯・防音・結露対策・断熱、機能性ガラスの交換など、ガラス出張修理サービスを事業とする株式会社オンコードさまは、移動の管理強化と効率化を目的にSmartDrive Fleetをご導入されています。
SmartDrive Fleetの導入前は、どこかに立ち寄る、または遠回りをするスタッフもいたそうですが、走行ルートが記録されるため、自然と無駄を省く方向へとシフトチェンジしているようです。お客様からご依頼があった場合や現場で問題が発生した場合、現場の近くにいるスタッフをすぐに確認できるため、位置情報がわかるのは非常に助かっているとおっしゃってくださっています。
事例記事はこちら「IT活用でガラス業界に変革をもたらすオンコードさまが車両管理システムでかなえた『安全運転意識の向上』と『スムーズな連携』」
GPS車両管理から安全運転までをオールインワンで提供
GPSで取得できるデータを活用した車両管理システムや動態管理システムはいくつか存在しています。弊社が提供しているSmardDrive Fleetもその一つで、リアルタイム動態管理を含め、ドライバーの勤怠管理や運転日報の自動作成、運転診断によるドライバーごとのスコアリングなどの機能を備えています。小さいデバイスを車両のシガーソケットに装着するだけですぐにご活用いただける、手軽なところもポイントです。
営業スタッフや配送ドライバーの運転・行動を可視化・把握したいという事業者はもちろん、社用車をより効率的に管理し、事故を削減して修理代や保険料を少しでも抑えたいと考えている方は、ぜひこちらから資料をご請求ください。