お役立ち情報トップ

【2019年度】ドライブレコーダーが捉えた危険運転やあおり運転事件簿

ドライブレコーダーが捉えた危険運転やあおり運転の映像をニュースで見るたび、「なんて非常識な行為なのだろう」と憤りを感じる方は多いはず。しかし、報道されている事案は「氷山の一角」にすぎません。実際には数倍、いや数十倍の危険運転が各所で起きており、いつ・どこで被害を受けるかわかりませんし、反対に自分が加害者になる可能性もゼロではありません。

この記事では、2019年に発生した危険運転による事件・事故を整理することで、被害を受けない・与えないため配慮すべきポイントを解説します。

【2019年度】ドライブレコーダーが捉えた危険運転やあおり運転事件簿

SmartDriveドライブレコーダーのご紹介

SmartDriveドライブレコーダーのご紹介

SmartDrive Fleet の通信型ドライブレコーダーのご利用料金やデバイス詳細だけでなく、活用事例に関してもご紹介いたします。

2019年ドラレコ事件簿!発覚・発生した事件・事故まとめ

まずは、2019年ドラレコの映像が決定的な証拠となり立件された事件や、寸前の様子が捉えられた事故のうち、世間にもっとも衝撃を与えた事案をいくつかご紹介します。

悪質すぎる!「常磐自動車道あおり運転・殴打事件」

8月10日、茨城県内の常磐自動車道で発生したあおり運転・殴打事件では、被害者のドラレコに、容疑者が蛇行運転や急停止を繰り返して進路を妨害した挙句、大声で怒鳴りながら窓越しに被害者の顔面を何度も殴打する様子が鮮明に記録されていました。

「殺すぞ」などと罵声を発し、被害男性へ殴打を執拗に続けた「異常性」もさることながら、本来それをなだめ制止すべき同乗者の女性が、携帯でその様子を撮影するような姿も録画されており、犯行がエスカレートした要因になっているとみられています。犯行後両者は逃走しましたが、事件の悪質性と社会的反響から異例の「全国指名手配」が実施され、実行犯である宮崎文夫容疑者は傷害容疑、同乗していた喜本奈津子容疑者は犯人隠匿・隠避の疑いで逮捕されました。

また、他者を事故に巻き込みかねないあおり運転や、被害者を強引に停車させ暴行を加えることも言語道断ですが、宮崎・喜本容疑者が犯行時乗っていた高級SUVは、返却期限を大幅に過ぎたディーラーの試乗車という身勝手さも話題に。さらに、事件以前の7月23日にも同車両であおり運転していたことが、被害車両のドラレコ映像によって確認されたため、宮崎容疑者はこれまで危険運転を日常的に行っていたと考えられます。

盗難車での犯行!「東名高速あおりエアガン事件」

愛知県内の東名高速道路で乗用車が後続のワゴン車にあおられ、エアガンを発射されたこの事件。県警は9月14日、器物損壊容疑で兵庫県尼崎市の無職・佐藤竜彦被告を逮捕しました。

事件が発生したのは9月8日早朝、被害者の110番通報で駆け付けた警察は約1時間20分後、ガス欠で停車中の加害車両を発見しましたが、佐藤被告は30代とみられる同乗女性を残し逃走。その後、兄貴分とされる知人に付き添われ同月14日出頭したのですが、なんと犯行時に乗っていたミニバンが今年7月横浜市内で盗まれたものだったほか、捜査関係者によると佐藤被告は前科17犯で服役経験もあるとのこと。

さらに、事件発生時および逃走中に、佐藤被告が覚せい剤を使用していた事実も判明、12月10日に行われた初公判で「懲役3年6ヶ月」を検察側から求刑されています。(判決は同月25日)佐藤被告は被告人質問で、「大々的に報道されパニックとなり、もう死んでしまいたいと思った」と、覚せい剤使用理由について供述をしたようですが、高速道路でエアガンをぶっ放す異常性を考えれば、事件発生時既にまともな精神状態ではなかった可能性もあります。

もしそうなら、道路交通法による「罰金5万円」の略式命令は軽すぎますし、即刻、運転免許の取消・欠格処分をすべきですが、運転中の使用が立証できない場合は法的にこれ以上の罰を与えられませんし、事件後に逃走・潜伏したのは発覚を逃れるためだったかもしれません。

ただ、佐藤被告が被害車両に向けて窓から腕を出し、エアガンを発射する映像がドラレコに残されており、TwitterなどのSNSで拡散すると、加害者特定や犯罪行為の証拠を確保するうえで「ドラレコが役立つのでは?」と、ユーザーの購買意欲が向上したのは事実です。また、宮崎容疑者や佐藤被告のような「異常ドライバー」と遭遇するケースは稀ですが、一連の事件の影響により車内・外を360度方向にフルカバーする、「全方位型」など高機能・高額なドラレコの売り上げが急増しました。

なんと容疑者は無免許!「鹿児島あおり運転・脅迫事件」

9月24日午前0時すぎ、鹿児島市の国道で21歳の男性会社員が運転する車を執拗に追い回すあおり運転をしたうえ、交差点で停車した際「殺すぞ」などと怒鳴る事件が発生し、加害者である同市の無職・宮原勝容疑者が「脅迫容疑」で逮捕されました。

幸い、被害男性にけがはなく車への被害も軽度だったようですが、宮原容疑者が知人から借りた車で無免許運転をしていたことが報道されると、ネットやSNSでは

「無免許であおり運転して暴言を吐くなんて論外」

「こんな奴は二度とハンドルを握れないようにすべき」

「無免許の犯人に車を貸した側も問題」

など、容疑者はもちろん、車を貸した持ち主に対する非難の声が殺到しました。また、脅迫という犯罪行為や無免許運転という重大な違反を犯していながら、宮原容疑者は事件性を自覚していなかったのか、犯行後その場を立ち去っています。

しかし、被害者のドラレコに保存された事件の様子がテレビやSNSで大きく取り上げられたことで容疑者が怖くなり、後日知人に付き添われ自ら警察へ出頭、つまりこの事件の発覚と解決にもドラレコが一役買った訳です。さらに、宮原容疑者の脅迫容疑が固まったのは、被害者に向かって語気を荒げて恫喝する声が、証拠として採用できるレベルで鮮明に記録されていたためでした。こうした背景から、今後は録音・再生能力に優れた機種がドラレコ市場で売れ筋になるとみられています。

高速道路を時速100kmで逆走か「群馬・関越自動車道死亡事故」

群馬県渋川市の関越自動車道で12月1日、80歳男性が運転する軽自動車が逆走して乗用車と正面衝突する事故が発生。逆走車を運転していた80歳男性は死亡し、衝突された車に乗っていた70代男女が重軽傷を負いました。事故寸前に下り車線を猛スピードで逆走する軽自動車を次々と対向車が間一髪で逆走車をよける様子がニュースで連日取り上げられたため、恐怖を感じたユーザーも多いはずです。

映像提供者は自分の車のスピードから、逆走車が時速100km以上で走行したと話しているほか、事故後に行われた防犯カメラ映像などの調査によれば、4km手前の赤城高原SAで出口を誤り逆走を続けたとみられています。

この事故で亡くなった津久井豊さんは、8年前に受けた心臓手術中に脳梗塞を発症し、その後遺症で右足に麻痺が残っていたようで、近所の知人は免許返納を勧めていたにも関わらず「人の世話になりたくない」と断っていたとのこと。しかし、ICでETCのバーを跳ね上げ高速道路へ侵入し、反対車線を4km暴走したという事実を考えると、通常の認知・判断・操作が正常に行えていたとは言いがたいかもしれません。津久井さんはこの事故の2ヶ月前にも橋の欄干へ衝突する事故を起こしていました。

また、目の前で対向車が自分の車を避ける状況になれば、通常即座に停車するはずですが、一切スピードを緩めず暴走しているため、いわゆるパニックを起こし、正常な判断ができない状態だったと考えられます。パニックを起こしてしまうことは誰にでもありますが、気が動転して正常な判断ができない場合は、年齢に関わらず運転をしないと判断すべきでしょう。自動車は、時に凶器へ変わるものです。この時、逆走した軽自動車に乗り換えたそうですが、自ら運転技術や判断力低下をかもしれません。

なお、事故直前の映像は車内から撮影されているため、おそらくスマホなどによるものですが、政府は死亡事故に発展しやすい高速道路での逆走を撲滅すべく、ドラレコを活用した防止対策に着手、2020年1月から実証実験を始めるとしています。

具体的には、車載カメラで逆走を検知しカーナビで警告する技術や、検知しやすい逆走防止標識のデザインを検証していく予定で、自動車・ドラレコ・カーナビメーカ―を対象に本年末まで参加者を募り、選定した約10社と官民一体で逆走事故ゼロを目指す方針です。

ドラレコは危険運転の抑止力になるか

ドラレコは犯罪時の証拠を証明する手段として数多くの事案で採用されているほか、事故原因の究明と再発防止に役立つツールとして、警察や国などが大いに期待を寄せています。今やドラレコの記録映像は電波に乗って瞬く間に拡散し、視聴者によって危険運転をしたドライバーは猛烈な批判を浴びるため、仮に非搭載であっても「ドラレコ撮影中」と明記されたステッカーを愛車に貼るだけで、一定の抑止力を発揮してくれるでしょう。

また、犯罪や危険運転によるものではなく、不注意やミスで事故に遭遇した際も、責任割合の確定など事故後のトラブルを抑止できるほか、安全運転支援機能付きドラレコを導入すれば、事故発生自体の抑止力にもなります。さらに、ご両親が高齢ドライバーに該当するならば、車の現在地・走行ルート・運行状況や、リアルタイムな撮影映像をサーバーへ送信し、専用WEBプラウザでいつでも閲覧可能な「通信ドラレコ」をプレゼントするのもいいでしょう。

運転に不安を感じたら免許返納するのが基本ですが、どうしても車が必要な場合は通信ドラレコで日常的に運転の様子を見守ってあげたり、危険を感じたときはその映像をドライバーに見せ注意喚起したりすれば、意識が変わっていくはずです。

まとめ

交通事故は、あおり運転などの危険運転ではなく、慢心と油断で発生することが多いもの。ドラレコは確かに危険運転に対し強い抑止力を発揮しますが、自分の運転を客観的に見つめ直すことができるツールでもあります。リーズナブルな機種なら5,000円程度から、安全運転支援や通信機能を有する高性能な機種でも最近は2~3万円あれば購入可能ですので、安全を守り、事故を防止するといったメリットを考えれば、法人・個人問わず、用途と目的に応じたドラレコの導入が望ましいと言えるかもしれません。

筆者紹介

株式会社スマートドライブ
編集部

株式会社スマートドライブ編集部です。安全運転・車両管理・法令遵守についてわかりやすく解説します。株式会社スマートドライブは、2013年の創業以来、「移動の進化を後押しする」をコーポレートビジョンに掲げ、移動にまつわるモビリティサービスを提供しています。SmartDrive Fleetは、1,300社以上への導入実績があり、車両に関わる業務の改善や安全運転の推進などに役立てられています。また、東京証券取引所グロース市場に上場しています。 SmartDrive Fleetは情報セキュリティマネジメントシステム適合性評価制度「ISMS認証(ISO/IEC 27001:2013)」を取得しています。

Page
Top