【動画付き】6つの危険運転とその罰則
悪質なあおり運転、アルコールを摂取した状態で運転する飲酒運転など、重大事故につながりかねない運転行為は「危険運転」とされています。
危険運転をした結果、人を負傷または死亡させた場合は危険運転致死傷罪が適用されます。本記事ではそれぞれの運転と罰則について詳しく解説します。
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目次
事故につながる!6つの危険運転行為
酩酊状態の危険運転(酒気帯び運転、酒酔い運転)
アルコールまたは薬物の影響により正常な運転が困難なまま自動車を走行させる以下2つの行為を指します。
酒気帯び運転とは、「呼気1リットルあたりのアルコール濃度が0.15mg以上、または血液1ミリリットル中に0.3mg以上のアルコール濃度を含んだ状態で車を運転することを指します。
酒酔い運転とは、アルコールの影響により、正常に車を運転できない恐れがある状態を指します。
たとえ、人身事故につながらなくとも、アルコールや薬物を摂取した状態で運転していた場合、取り締まりの対象になります。
高速度危険運転(速度超過)
高速度危険運転とは進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為のことで、一般的にはスピード超過、スピード違反行為と言われます。
制御することが困難な高速度とは、ハンドル操作やブレーキ操作を少しでも誤ることで道路から逸脱して走行してしまうような、自動車が安全に走行することができないほどの速度を指します。当たり前ではありますが、法定速度を超えた速度で運転することは非常に危険です。
参考動画URL:https://ypdr.jp/movies/detail/63
技能欠如危険運転(運転技量不足)
技能欠如危険運転とは進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為のことで、ハンドル操作やブレーキ操作など、運転に関して初歩的な技能が低く、技量が極めて未熟な運転を言います。
たとえば、運転免許を保有していない、運転経験もないなど、運転技能がないにも関わらず自動車を走行させるような場合に該当します。
参考動画URL:https://ypdr.jp/movies/detail/617
通行妨害目的危険運転(あおり運転)
通行妨害目的危険運転(あおり運転)とは、人または車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他、通行中の人や車に著しく接近し、危険な速度で運転する行為を指します。一般的にはあおり運転と言われており、2020年6月30日から妨害運転罪が施行され、厳罰化されました。他車両の運行を妨害する目的で急ブレーキ禁止違反や車間距離の不保持などの違反を行った場合、最大で懲役3年の刑に課せられます。
参考動画URL:https://ypdr.jp/movies/detail/266
信号無視危険運転(赤信号無視)
信号無視危険運転とは、赤信号を無視し、交通に危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為です。赤信号を認識しながら、ことさらに無視し、スピードを上げて横断するような場合が該当します。その際に事故を起こして他者へ損害を与えた場合、危険運転致傷罪に問われる可能性も。
参考動画URL:https://ypdr.jp/movies/detail/366
通行禁止道路危険運転(通行禁止無視)
通行禁止道路危険運転とは、立入禁止区域や歩行者専用道路など、通行禁止道路(道路標識や道路表示、そのほかの法令の規定によって自動車の通行が禁止されている道路)を危険な速度で進行し、人を死傷させる行為を言います。
危険運転をしたときの罰則(罪)
近年、飲酒運転やあおり運転による悲痛な重大事故が発生した事象をもとに、2001年の刑法の一部改正で「危険運転致死傷罪」が新設されました。さらに、自動車による死傷事故においてより悪質性や危険性が高い場合に、その実態に合わせて妥当な刑罰を科するため、2007年の刑法一部改正にて「自動車運転過失致死傷罪」が成立し、翌年から施行されました。
自動車運転死傷行為処罰法第2条に該当する場合
先述したような飲酒運転やあおり運転、無理な幅寄せ運転などを行い人を負傷させた場合は、15年以下の懲役に処され、人を死亡させた場合においては、1年以上の有期懲役に処されます。
自動車運転死傷行為処罰法第3条に該当する場合
アルコールや薬物の影響により、正常な運転ができない状態で自動車を運転したことで人を負傷させた場合、12年以下の懲役に処され、人を死亡させた場合においては、15年以下の懲役に処されます。
妨害運転罪に該当する場合
他の車両などの通行を妨害する目的で一定の違反行為を行い、交通の危険を生じる恐れがある運転をしたドライバーは道路交通法117条の2の2に該当し、下記の罰則を課せられます。
罰則:3年以下の懲役または50万円以下の罰金
違反点数:基礎点数25点、免許取り消し(欠格期間2年)
交通の危険を生じさせる可能性があるあおり運転を行い、高速自動車国道などで相手の自動車を停止させ、道路における著しい交通の危険を生じさせた場合は道路交通法117条の2に該当し、下記の罰則を課せられます。
罰則:5年以下の懲役または100万円以下の罰金
違反点数:基礎点数35点、免許取り消し(欠格期間3年)
危険運転に遭遇した際の対処法は
安全な走行をしていても、いつ、どんなタイミングで危険運転に遭遇するか、予測できないものです。近年、ニュースで話題になり、取り締まりが強化されているものの、一向に減ることがないのがあおり運転です。「必要以上に車間距離を詰められた」「執拗にハイビームでパッシングを繰り返された」「後方から追い越されたのち、目の前に急停止して進行を妨げられた」という声は後を断ちません。
警視庁が実施した「あおり運転に関するアンケート」によると、回答したドライバーのうち35%が過去1年間のうちにあおり運転の被害にあっていると回答。あおり運転をされた場所は、77%が一般道路、23%が高速道路で、被害内容で一番多いのは全回答の8割を占めた後方からの著しい接近です。
出典:政府広報オンライン - グラフ:過去1年間におけるあおり運転被害の有無
なお、取締り対象となるあおり運転の典型例は次の10類型です。
- 車間距離を極端に詰める(車間距離不保持)
- 急な進路変更を行う(進路変更禁止違反)
- 急ブレーキをかける(急ブレーキ禁止違反)
- 危険な追い越し(追い越しの方法違反)
- 対向車線にはみ出す(通行区分違反)
- 執拗なクラクション(警音器使用制限違反)
- 執拗なパッシング(減光等義務違反)
- 幅寄せや蛇行運転(安全運転義務違反)
- 高速道路での低速走行(最低速度違反)
- 高速道路での駐停車(高速自動車国道等駐停車違反)
あおり運転を受けた場合の4つの対処方法
万が一、上記のようなあおり運転を受けてしまった場合、次のような方法で対処しましょう。
- サービスエリアやパーキングエリアなど、安全な場所へ避難する
あおり運転を受けていると感じたら、相手を威嚇せず、相手の車両と距離をとります。事故につながる危険があるため、くれぐれも高速道路上や一般道路上で停止しないようにしましょう。そして、人目のある駐車場やパーキングエリアなどへ移動します。
- 警察へ110番通報する
車を端に停める、または人目のある場所へ移動したら、警察へ通報をしましょう。同乗者がいる場合は、同乗者が通報します。この時、「被害の状況・現在地・あおり運転をしてきた車のナンバー・車種・色など相手車両の特徴」を伝えます。
- 警察が来るまで決して車外にはでない
停車したら、必ずドアをロックして、警察が到着するまで車内で待機します。相手が追ってきて、脅したり、挑発したりしてきても、絶対に車外へは出ないこと。
- 相手の行為をドライブレコーダーやスマホで撮影する
スマホやドライブレコーダーのカメラを有効活用し、あおり運転をしてきた相手の威嚇行動や危険運転行為を映像や画像に記録しておくと、相手が現場からいなくなっても証拠として提出し、捜査に役立てることができます。
出典:政府広報オンライン - 「あおり運転」は犯罪です!一発で免許取消し!
あおり運転通報サイトを事前にチェックする
どこでどのようなあおり運転が起きたのか、場所とあおり運転の内容、状況、あおり運転をしていた車のナンバー、特徴を投稿し、共有できる民間サービスもあります。お出かけ前、お出かけ中に調べておくことで、事前に危険を回避できる場合もありますので、ぜひ、参考にしてください。
地図上で簡単に情報が確認できる情報共有サイト。写真、ナンバー、車やドライバーの情報が投稿されています。
ユピテルの高性能なドラレコで撮影された危険運転の投稿サイトです。あおり運転だけでなく、少し判断を間違ったら有り得た事故なども投稿されており、危険運転の回避だけでなく、自身の安全運転の参考になります。
安全運転を心がけるために
普段は安全運転を心がけていても、急いでいて焦っていたり、睡眠不足や業務多忙で疲れていたりすると、いつも通りの運転ができず、ふと苛立ちを感じてしまうことがあるかもしれません。そういう場合は一旦、深呼吸をして気持ちを落ち着けることも重要です。つねに相手への思いやりとゆずりあいの気持ちを持ち、一定速度で走行すること、急な割り込みをしないこと、前方車両とは十分な車間距離をとって走行することを意識して運転しましょう。