中古車リースの特徴解説――メリットデメリットから金額シミュレーションまで
近年多様化しているクルマの利用方法については、本メディアでは繰り返し紹介してきていますが、今回は特に中古車リースにスポットを当ててみようと思います。
新車・中古車関わらず、カーリースは近年法人向けのみではなく個人向けのものも登場してきていますが、中古車リースに関しては、試乗車やレンタカーとして使用してきた車などもリースとして提供していたり、リース期間が終了した後は中古車として販売してりというような構造になっています。
本記事では、後半で中古車リース会社大手であるオリックスリースの事例もふまえて金額のシミュレーションも行いながら、中古車リースの特徴を紹介していきます。
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目次
中古車リースのメリット
月々のクルマに対する支払いが一定
車両代の他に、登録時の諸費用、自動車税、自動車重量税、自賠責保険料など必ず必要な費用は全て月々のリース料金に含まれます。一方で、車検時の24か月点検、整備費用、交換部品が必要な際の部品代などは自分で負担する必要があります。ただし重量税と自賠責の負担が無い分、費用は抑えられます。また、オイル交換など油脂類の交換、消耗品の交換はその都度必要になります。
比較的新しいクルマがリース車両になる
自家用車の初回車検は3年ですが、レンタカーの場合は初回車検は2年後になります。新車から2年しか経過していないクルマが中古車リースのリース車両になるケースが多く、法人リースで使用された3年経過の車両もあります。
いずれも初回車検の車両で現行モデルであるケースが多く、古さは全く感じさせません。
リース満了後に自分のクルマに(オリックスリース)
リース期間終了後には、クルマを返却してもそのまま自分のクルマとして乗り続けることもできます。ただしその際は継続車検時の重量税、自賠責は全て自己負担になることを押さえておきましょう。またリース料総額を計算すれば、車両代金相当をすでに支払っていることになる点もポイントです
メンテナンスが行き届いている
中古車リース車両のほとんどはレンタカーからのレンタアップ車両が多いため、定期的な点検やメンテナンスを全て実施しています。
中古車リースのデメリット
中古車ローンと比較し割高
中古車リースのリース料金は、リース期間中の税金関係を含んでいることもありローンと比較すると割高です。しかし後半のシュミレーションで、そこまで割高ではないことを紹介します。
グレードは地味な傾向アリ
軽自動車からハイブリッドカーまで選ぶことが可能ですが、最上級グレードや赤、青、黒など濃いめのボディカラーなどはそこまで品揃えがよくない傾向があるので事前に確認しましょう。ベーシックなグレードや量販グレードのシルバーメタリック、白系のボディカラーが目立ちます。
メーカー保証切れに注意
国産車のメーカー一般保証は3年または6万キロが一般的です。レンタアップ車両で車検が切れている場合には一般保証が1年未満になります。さらに契約時の走行距離にも注意が必要です。3年リースアップ車なら、一般保証は切れています。
エンジンなど機関系の特別保証は5年または10万キロですが、リース期間の半分に満たないうちに保証が切れますのでその後の故障時にはその都度修理費用の支払いが必要になることを押さえておきましょう。
途中で解約できない、解約料が請求される
リースの場合はレンタルと異なり、途中で解約できません。解約する場合には残りの期間分に相当する違約金を請求されます。事故による損傷でクルマが使用できない状態になった場合も同様に違約金が請求されます。中古車リースと言えども、自動車保険の車両保険は必ず加入しておくことが必要です。
ドレスアップや改造は一切できない
リース期間中はドレスアップパーツの装着などは一切できません。ドレスアップパーツを装着する場合はリース契約満了後に行いましょう。リース契約満了後でも、違法な改造は認められません。
中古車リースの料金は得なの?
ここからは中古車リースを手掛けるオリックスリースの中古車リースを例に料金比較、紹介いたします。期間は6年間の想定です。あくまでサンプルなので実際に検討される場合は、ぜひご自分でシミュレーションを行ってみてください。
■サンプル車両
・2014年式 ニッサン ノートX 1.2L 2WD 走行距離 3.2万キロ 車検整備付
・元レンタカー、カーナビ、ETC付
中古車リースの場合
・月々のリース料 17,820円/月 (税込)×72回(6年)
・6年間の支払総額 = 1,283,040円
現金購入、ローン購入の場合
同年式同車種の中古車価格相場は80万円前後、支払総額は90万円前後です。
ローンで購入する場合には以下の金額がかかってきます。
・マイカーローン : 4.8%(地方銀行金利参考)
・ローン元金 : 90万円
・支払回数 : 72回
・初回支払 : 15,197円 + 月々 : 14,400円×71回
・支払総額 : 1,037,597円
これらの料金に加えて、以下の料金が加算されます。
・自動車税 : 年額34,500円 / 5年分で172,500円
・自賠責保険料 : 2年で25,830円 / 4年分で51,660円
・自動車重量税 : 2年で15,000円 / 4年分で30,000円
・税金関係合計 : 254,160円
※それぞれ、初回分は支払総額に含むため初回支払い分は除いての年数で計算
・現金購入時 : 車両代総額900,000円+税金関係254,160円 = 合計1,154,160円
・ローン購入時 : 支払総額1,037,597円+税金関係254,160円 = 合計1,291,757円
中古車リースの月々の支払額はローン支払額より多いですが、税金関係も含めた場合、6年間の支払総額はほぼ同等、若干リースの方が安くなります。もちろんローン金利が低い場合であれば結果は変わります。
現金購入の支払総額が最も安くなりますが、リース料総額との差は約13万円。まとまったお金が必要なく月々一定の支払で乗れる中古車リースも選択肢のひとつにはなるでしょう。
中古車リースの申し込みはネットでOK
中古車リースのクルマ選びからリース審査、申込みまで上記オリックスリースオンラインにて申し込みが可能です。大抵の審査はCIC(クレジットインフォメーションセンター)に保存されているデータをもとに行なわれます。
中古車リースの審査はマイカーローンの審査や残価設定ローンの審査基準と違いはありません。中古車だからといって審査が甘いなどと言うこともありません。
基本的な個人情報が審査の対象で、住所、職業、年齢、年収が審査されます。専業主婦や学生で収入が無い場合は、一定収入のある連帯保証人を立てることにより審査を通すことができます。つまり一定の収入があるか、支払に余裕があるか、家賃に多くの支払いが無いか、連絡がしっかりとれる状況が審査の基準になります。
審査完了後はリース契約書や登録に必要な書類のやりとりを行い、登録完了後納車されます。
クルマを購入するにしても新車・中古車という選択肢があるように、マイカーリースの中でも新車リースと中古車リースという選択肢があります。冒頭でもお伝えしたようにクルマの利用方法はどんどん広がっているからこそ、それぞれの特徴を把握した上で、自分にもっとも合った選択肢を見つけてみてください!