【まとめ】法人向けカーリースの種類と契約方式
私たちと自動車との付き合い方はここ数年で大きな変化を遂げてきましたが、それは個人だけではなく、法人も例外ではありません。その1つが、毎月決められた利用料金を支払うことで、好きな新車に乗れるカーリース。個人・法人向け問わず、年々、シェアを伸ばしています。
今後社有車を活用・維持していく場合、購入とリースでの比較は避けて通れません。そこでまずは、社有車をリースにする場合の種類と契約方式について、解説します。
はじめての法人車両リース
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法人の車両の持ち方が多様化する中、社有車をリースにするとはどういう事なのか。メリットを中心に冊子形式で解説します。
目次
法人向けのカーリースとは?
社有車は、法人で購入する場合と、3~5年といった長期間のリース契約を行い、料金を支払い利用する場合があります。車はリース会社が調達し、車検証の所有者欄はリース会社・使用者欄は使用法人名義になります。
法人向けカーリースの歴史
カーリースというビジネスは、もともと法人向けとして誕生したサービスであり、誕生は1960年代前半までさかのぼります。
当時、日本は戦後の高度成長期にあり、数えきれないほどの中小企業が誕生しましたが、事業資金に乏しい新進中小企業の事業主にとって、自動車は非常に高額。そこで、車購入時の初期費用や維持・管理コスト節約を目的に、借りたクルマを使うというニーズが広がったのです。現在国内カーリース市場でトップシェアを誇るオリックス自動車の原型であるオリエント・リース(株)も、この頃(1964年)に設立されました。
バブル崩壊後は、高い節税効果や業務の効率化のよってさらに注目を集め、一般財団法人日本自動車リース協会連合会が公開しているデータによると、2021年度の年間リース契約台数は、実に165万台を超えています。
ここ数年は、少子高齢化による労働人口減少などの影響で契約台数こそやや減少傾向にありますが、企業コンプライアンスの問題から環境性能や安全性能を満たしたクルマの導入を求められることを鑑みると、今後カーリースの需要は一層伸びていくと予想されます。また、以前は購入費のかさむ高級車や大型ワゴン、トラックなどが法人向けリース車両としてニーズを集めていましたが、新型コロナウィルス感染拡大の影響で通信販売を利用する消費者が増加したことで状況は一変。軽運送業者の活躍するシーンが増え、1種普通運転免許で運転できる軽貨物自動車のリース需要も伸びています。
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組み合わせによってコストが変わる?カーリースの種類と契約方式
ここからは、カーリースの種類と契約方式を解説。自社の業態や規模に合ったスタイルを決める材料としてご参考ください。
財務をサポートする「ファイナンスリース」
ファイナンスリースとは、借り手(企業)が希望する車種をリース会社が購入し、本体価格・自動車税(契約期間中)・重量税・自賠責保険料(初回登録時のみ)といった初期費用のすべてを、月々のリース料金に含めて支払う契約形式です。
資金として融資を受ける代わりに、クルマという形で借り受ける金融性の高いスタイルからこう呼ばれており、資金の融資を受けた時と同様に完済、つまりリース契約が終了するまで、基本的には途中解約はできません(フルペイアウト方式)。また、契約期間に定めはないものの、5年以上(5・7・9年など)と長期にわたることが多く、継続検査の費用やオイル・タイヤ交換費用など、メンテナンス費用は一切含まれません。
維持・管理までおまかせ!「メンテナンスリース」
メンテナンスリースは企業・事業者がクルマを所有・管理していくうえで必要なメンテナンス作業を、リース会社が責任を持って行うサービス性の高い契約形態です。
メンテナンス作業項目や頻度など、細かいサービス内容は契約したリース会社やプランによって異なりますが、初期費用に加え、継続検査(自動車重量税・自賠責保険料を含む)・法定点検及び使用状況に合わせた定期点検・各種オイル類の交換・バッテリー・タイヤ・ブレーキパッドなどの消耗品の交換などがリース料金に含まれます。全く同じ車種と契約期間でも、毎月の支払い料金と総額がファイナンスリースより高くなりますが、メンテナンス管理の内容によるコスト変動がなく、経費計画立案が容易になります。
どっちがお得?「オープンエンド方式」と「クローズエンド方式」
どちらの契約形態を選んだとしても、借り手は契約終了時に以下で示す4つの条件のいずれかを選択することになります。
- リース車を返却して契約を終了する
- 再リース(リース車を変えずそのまま契約を延長する)
- リース車を返却して新しいリース車を借りる(借り換え)
- リース車を所有者として買い取る
4を選択した場合、契約終了時点でリース会社に残価を支払うことになりますが、この残価を公開する方式をオープンエンド方式、公開しない方式をクローズドエンド方式と言います。
たとえば、新車価格300万円のクルマを[7年/ オープンエンド方式契約]でリースし、契約終了時の残価が50万円に設定されている場合、毎月のリース料金は「250万円」をベースに算出されます。残価はリース会社が自由に設定できるため、同じクルマ・契約期間でも仮に残価が100万円に設定されていれば200万円がベースとなるため、毎月のリース価格は安くなり、一見するとお得に感じることでしょう。しかし、公開されている残価を清算する責任は借り手側にあるので、4を選択した場合は、残価が高く設定(=毎月のリース料が安い)された分、契約終了時に必要なコストが高くなってしまうのです。
また、長くリース車として使用していると、車両にも痛みや故障が生じ、契約終了時点での評価額が残価を大きく下回ってしまうケースも。このようなケースでも、買い取り時の支い払額は事前に設定された残価のままですし、1・2・3を選択しても、契約終了時に設定された残価の減額分をリース会社に支払わなくてはなりません。
一方、クローズドエンド方式は残価を借り手側に公開しないため、契約満了時仮に評価額が下がっても、すべてをリース会社側が負担します。
そのため、契約開始時の残価設定は必然的に高くなり、結果として毎月のリース料も高くなります。残価が分からない以上は、買い取りという選択が困難ですが、1・2・3を選択した場合、借り手が差額を支払うことはありません。
つまり、毎月のリース料を極力抑えたい場合はオープンエンド方式の方が有利ですが、車の価値が下がり、契約終了時に余計なコストがかさむのを避けたいなら、クローズドエンド方式を選んだほうが無難です。
最近では、クローズドエンド方式でも契約終了時に買取ができる料金プランや、有料オプションを用意しているリース会社もあるようです。
まとめ
カーリースの種類・契約方式についてご紹介してきましたが、いずれの場合も、初期費用を抑えた形で社有車を活用でき、かつ毎月のコストを一定にするというメリットがあります。これから社有車の活用を考えている企業の方は、この機会にカーリースの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
また、『今さら聞けない、社有車をリースにするメリット・デメリット』では、カーリースのメリットだけではなく、購入と比較した場合のデメリットについても解説します。