サービスエリアが進化中!トレンドとおすすめスポット紹介
高速道路の頼もしいパートナーといえばサービスエリア(SA)です。休憩、食事、給油、渋滞回避。サービスエリアは様々な用途で活用できる場所ですが、近年サービスエリアの特性が変わりつつあります。
従来のサービスエリアはいわば「実用性」が求められていました。高速道路はICを降りるまで景色もあまり変わらなければ渋滞に差し掛からない限り停車もできませんし、給油とてできません。サービスエリアのように一時的に停車できるスペースはとても貴重です。
実用性ばかりが問われるのも当然ではありますが、例えば近年のサービスエリアはレジャー施設化が顕著です。かつては「休憩がてら寄るための施設」でしたが、最近ではサービスエリアに行ってみたいがために高速道路を利用するドライバーも増えているとか。
メディア等でもレジャー施設のように扱われているサービスエリアが増えていますが、なぜそのようなサービスエリアが増えているのか、実際にどのようなサービスエリアがあるのかをチェックしてみましょう。
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レジャー施設化が顕著なサービスエリア
近年のサービスエリアのレジャー化の「幕開け」とも言われているのが神奈川県にある海老名サービスエリアです。2011年に8月にリニューアルすると大きな存在感を発揮。
東京方面に行く上り、名古屋方面に行く下りそれぞれにユニーックなサービスエリアが設けられています。
上下共に共通しているのは、綺麗でお洒落な雰囲気の演出。従来のサービスエリアの雰囲気を完全に払拭しました。それまでのサービスエリアといえば、実用的ではある物の華やかさに欠けるものでした。あくまでも「高速道路の脇にある施設」程度のものでしかありませんでしたが、海老名サービスエリアは上下線ともに一つの商業施設としても十分に通用するだけの特徴を持っているのです。
お店もそれまでのサービスエリアは食堂の延長のような雰囲気が多かったものですが、海老名サービスエリアはお洒落な飲食店や、他のお店でも見かけるようなチェーン系列の飲食店もテナント入り。従来であれば「サービスエリアじゃなければ利用しない」と思われるようなお店等もあったでしょう。ですが海老名サービスエリアに関してはお手洗いや給油、休憩ではなく、「サービスエリアを利用するために」立ち寄りたくなる程の魅力が詰まっているのです。
海老名サービスエリアのリニューアルは、単に新しくなっただけではなく民間業者が多く流入する一つの契機ともなりました。結果、全国各地のサービスエリアで競争が行われるようになっていったのです。
また、最近といっても10年ほど前からではありますが、観覧車が設置されて話題になったのが淡路サービスエリアです。
ただでさえ綺麗な眺めを楽しめる憩いのスポットですが、観覧車に乗ることで明石海峡大橋や神戸空港まで見渡せ、抜群の景観が楽しめます。
地域の特性に合わせたサービスエリアも登場
2016年2月、浜松いなさJCTと豊田東JCTが開通し、名古屋方面から御殿場まで新東名高速道路が繋がりました。もちろんその区間にも新しいサービスエリアが誕生していますが、新しいだけに近年のサービスエリアの流行をふんだんに取り入れたものとなっています。
例えば長篠設楽ヶ原パーキングエリアP。パーキングエリアではありますが、こちらは歴史マニアであれば名前を見ただけで思わずニヤリとさせられるでしょう。
そもそも長篠や設楽ヶ原は決して大きな町ではないものの、かつてこの地で織田・徳川連合軍と武田家が合戦を繰り広げた場所として知られているだけに、施設には武田家の家紋が飾られているだけではなく、「将軍うどん」「戦国コロッケ」など、歴史を彷彿とさせる物が用意されています。
同じく新東名のサービスエリアNEOPASA駿河湾沼は、一見サービスエリアとは思えません。まるでどこかのテーマパークなのではないかと思う程にお洒落な建物です。駿河といえば海鮮が名物になりますので、食事処では海産物が多々並んでいます。お洒落なだけではなく、地元の名産をふんだんに活用し、地元のアピールも忘れていないのです。
地元のアピールといえば双葉サービスエリアも挙げられるでしょう。山梨県のサービスエリアですが、山梨といえば富士山! こちらには展望台が用意されており、天気に恵まれると展望台から富士山を覗くことができます。富士山だけではなく、南アルプス連峰や駒ケ岳など自然をより楽しめるのです。
このように地域性を売りにしたサービスエリアも多々登場し、ドライバーに休憩してもらうだけではなく「地元のアピール」も行われるようになってきています。
Wi−Fiスポットをはじめとした現代社会への適応
時代の流れに合わせて近年のサービスエリアはハイテク化が進んでいます。
例えばWi−Fiスポットの提供。SAだけではなく、PAにまで無料で利用できるWi-Fiスポットを展開することにより、ドライバーにインターネット環境を提供しています。各地の渋滞情報もより細かい部分まで分かるようになりました。かつては電光掲示板で何となく渋滞の長さが分かるだけでしたが、近年ICやJCTの区間の交通状況まで知らせてくれますので、どこが混んでいるポイントなのかも一瞬で把握できます。
トイレも自動洗浄は当たり前ですし、授乳室を設けているサービスエリアも登場するなど、近代化が進んでいます。
一方ではパーキングエリアとの差別化も。サービスエリアの娯楽施設化はファミリー層には人気ですが、長距離ドライバーにとっては人が多いので迅速な行動がとり辛いとの指摘もあります。一分一秒を争っているドライバーにとっては、フードコートで何十分も待たされるのは死活問題です。新しいけど長時間待つサービスエリアよりも、古くても良いので目的だけを果たせるパーキングエリアの方が好ましい場合もあります。
そのため、娯楽施設化を突き進めるサービスエリアに対し、簡素な目的のためのパーキングエリアへのニーズも際立つようになりました。レジャー目的の人もいれば、長距離ドライバーのようにあくまでも仕事で高速道路を走っている人もいます。そのような人にとってはパーキングエリアの方が目的だけを果たせる合理的な施設なのです。
必要最小限の施設・役割に留めるパーキングエリアに対し、サービスエリアは今後もさらに娯楽施設化が進んでいく可能性もあるでしょう。
サービスエリアも年々進化している
いかがでしたでしょうか? 簡単に最近のサービスエリアの変化を紹介してきましたが、時代に合わせて進化してきていることがわかって頂けたのではないかと思います。
日本で初めて誕生したサービスエリアは大津サービスエリアと言われており、オープン日は1963年10月1日。今から50年以上も前から日本にサービスエリアは存在していたことになるのですね。そこから高速道路の発達に伴い各地に開設され、現在はパーキングエリアも合わせると日本国内で800を超えるほどとなりました。
それとともに個々のサービスエリアが特色を出そうと様々な工夫を凝らすようになってきており、今回紹介したようなものの他にもユニークな場所が増えてきています。
高速道路を利用する際には、時間があれば是非サービスエリアやパーキングエリアにも少し立ち寄って、素敵な場所を発掘してみるのも楽しいですよ!