営業生産性を一気に加速する車両管理システムとは
企業の花形といえる営業職は、企業の収益を左右する部署でもあるため、売上目標を達成するために時間やコストがどれだけかかっていたか、他の職種よりも生産性の高さが求められやすい職です。働き方改革により労働時間短縮の必要性が高まる中それはなおさらのことかもしれません。
そこで今回は営業生産性を高める有効な施策を考察し、車両管理システムが生産性向上に寄与する理由について解説します。
3分でわかるSmartDrive Fleet
SmartDrive Fleet導入実績
SmartDrive Fleet は、アルコールチェック記録をはじめ「安全運転管理・法令遵守・DX」3つの観点から業務で車両を利用する企業の様々な課題をワンストップで解決できるクラウド型車両管理サービスです。簡潔にサービス概要をご紹介しています。
目次
営業の生産性を高めるには何が有効か
(財)日本生産性本部の調査によれば、日本の時間当たり労働生産性は46.8ドル(4,744円)とOECD(経済協力開発機構)加盟36ヶ国中21位に留まり、先進7カ国ではデータが取得可能な1970年以降、40年余り最下位を維持しています。
日本の場合は分母、つまり1人当たりの労働時間が長いから仕方ないとあきらめている企業も多いようですが、同水準である米国の労働生産性は74,7ドル(7,571円)と、約1,6倍の水準に達していることから、国内企業にはまだ改善の余地があると言えるでしょう。
そして、売上を伸ばすことが使命である営業の生産性を高めなければ、今後より激化する国内外のシェア争いに勝ち抜くことはできず、そのためには以下で示す3つの方法を複合的、かつ継続して実施する必要があります。
営業生産性を高める方法1「自分の時間を把握・管理する」
かのドラッカーが著書の中で「成果を上げるものは仕事からではなく、時間からスタートする」と述べているように、まずは自分が何に時間を取られているかを把握し、そこから成果へつながる仕事だけを抽出しましょう。世界的セールス関連ソフトウェア会社「Salesforce」が、全世界3,100人以上の営業リーダーを対象実施した調査によると、データ入力・処理といった事務や、移動・会議・研修など営業以外の仕事に費やしている時間は全体の約64%に達しているのだとか。
営業マンが注力すべきはもちろん顧客との接点を増やすことです。そのためには、PDCAサイクルをしっかりと回して営業効果のない仕事はなくす、もしくは可能な限り減らすことが重要です。具体的には、次の3ステップに沿って改善を進めていくと良いでしょう。
[ステップ1] 業務内容&所要時間の把握・・・スマホやパソコンのカレンダー機能などを用い、個人単位ではなく部署全体の稼働状況をクラウド管理する。
[ステップ2] 週単位での効果検証・・・クラウド化したデータをもとに、それぞれの業務のKPI(アポ・訪問・受注件数)貢献度を、1週間ごと検証する。
[ステップ3] 検証結果をもとにした時間の振り分け・・・KPI貢献度が低い業務に要する時間を、段階的に高い業務へ転換する。
なお、KPI貢献度が低い業務のすべてを一度に排除することは不可能であるため、ステップ2・3は何度も繰り返す必要があります。業務内容によっては部署を超えた連携強化や、合併・縮小・人員配置の見直しなど、組織再編も検討すべきかもしれません。
営業生産性を高める方法2「生産性の高い仕事をしている上司・同僚を模倣する」
スポーツや勉強もそうですが、能力を向上するにはその道に長けた人に教えを請い、模倣から始めしっかり基本を身に付け、その上で新しい技術や知識を吸収しながら、独自のスタイルを確立していくことが重要です。
営業の仕事も同じで、生産性の高い仕事を実践している上司・同僚を見習い、売上を伸ばすテクニックやノウハウを模倣しながら、自分のモノにしていく謙虚な姿勢が大切になっていきます。模倣対象を誰か1人に限定する必要はありませんが、アンテナを最大限に広げトップセールスマンが日頃、
・どんな販促ツール・資料を準備しているか
・いつアポを取り訪問しているか
・どんな見積もりを顧客に提示しているか
・どのような方法で案件を管理しているか
・どんなプレゼン・セールストークをしているか
などをつぶさに観察し、イイとこ取りするイメージで積極的に取り入れてみましょう。また、上司や管理者は組織全体の生産性を底上げするため、優秀な営業マンを正当に評価したうえで、ITを活用し知識とノウハウを見える化し、部署全体で共有できる環境を整備する必要があります。
営業生産性を高める方法3「ソリューション導入による営業力強化」
営業案件の管理にExcelシートやTrelloのような管理ツールを活用している企業も多いですが、入力作業に時間がかかってしまい、かえって営業力が低下してしまうケースもあります。そんな中、ローコストで営業力強化を図るツールとして、SFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)を導入する企業も増えてきました。前者は営業活動や案件管理を、後者は顧客管理をそれぞれ「見える化・自動化・標準化」できるソリューション・サービスです。
SFA(営業支援システム)のおもな機能は次の通り。
■案件管理機能・・・営業先企業、営業担当、提案商品・サービス、営業フェーズ(進捗状況)、受注見込み(確率・ランク)、受注予定日、受注見込額など。
■商談管理機能・・・過去の商談履歴、商談の目的・時間・決済権者、提案書・金額、商談フェーズ、次回アクション予定など。
■行動管理機能・・・テレアポのコール数、獲得アポイント数、訪問実施件数、提案商材数・内容、受注率など。
いずれも数値やグラフを可視化できるので管理が容易になるほか、営業活動日報や改善レポートの自動化、企業全体の営業スキル向上と教育コスト削減につながる標準化も可能です。SFAとCRMを複合的に活用すれば営業力強化、ひいては営業の生産性を高めることが可能になります。そして、営業および管理者が多くの時間を割いている移動と事務作業を効率化するSFAこそが車両管理システムです。
車両管理システムが生産性を高める理由
前項の最後で触れた一般的なSFAが、オフィス内での営業プロセスを見える化するツールである一方、車両管理システムは目が行き届かない社外における活動を、GPSなどのITツールによってリアルタイムに管理できるという特徴を有しています。車両管理システムは営業部署だけではなく、あらゆる業務の効率化を進めることが可能なため、企業全体の生産性底上げを図れるのが一番のメリットだといえるでしょう。
生産性アップの理由1.動態把握・管理による移動・事務時間の短縮
車両管理システムでは車載モバイル、もしくはドライバーが携帯するスマホなどのGPS機能により、営業車の現在位置・走行経路・所要時間を把握できるため、移動に無駄な時間を費やしていないか、長時間停車していないかなど、リアルタイムでの稼働状況を随時確認することができます。
また、道路規制や渋滞多発エリアを避ける営業ルートの最適化が可能なほか、走行日報作成を自動化・見える化によって営業マン・管理者それぞれの工数を減らせるため、生産性を下げる第一要因、営業以外の労働時間の短縮を図ることができるのです。たとえば、月に24日稼働する営業マン1人の移動・事務に要する時間を、わずか30分短縮するだけで12時間を営業活動に回せるわけですから、企業の生産性を高める上でいかに車両管理システムが有益かがご理解いただけるのではないでしょうか。
生産性アップの理由2. 最適な人員・車両配置による営業力UPとムダの削減
車両管理システムでは、取得した毎日の動態データを蓄積し、蓄積したデータを自動で集計、可視化できるためSFAやCRMと連携をすることでより成果につながる営業活動が実施できるようになります。また、それぞれの得意・不得意部分も明確化されるので、新規開拓にはベテランが、契約延長と取引額の交渉は中堅が、既存の顧客フォロー・サービス提供には新人営業マンが多く配置するといった、適材適所の人員配置も可能に。
また、売り上げの高い営業マンの稼働実績などを分析することで、「勝ちパターン」が見出せるかもしれません。また、個々の強みはありますが、売り上げアップのコツを他の営業にも共有することで強い営業部隊を構築することも可能です。
また、誰がいつどこを訪問しているか共有できていない企業では、同じエリア内に複数の車両が集まってしまいますが、車両管理システムを導入すれば各営業マンの活動状況を各々に共有できるため、重複や無駄をなくすことができます。さらに、営業車以外にも、所有する車両全ての購入形態・車検時期・保険加入状況などを一元化・見える化できるため、管理担当者の工数を大幅に減らし、業務改善を進めることも可能です。
生産性アップの理由3. 交通事故削減によるリスク回避
万が一、業務中に大規模な交通事故が発生すると、物的・人的賠償や法的・社会的責任に問われるだけではなく、企業イメージが失墜し、営業活動を足止めしてしまうことに。
車両管理システムの多くは、急アクセル・急ブレーキ・急ハンドルなどの危険運転を記録し、発生箇所や回数を確認できる運転診断機能を有しています。この機能を活用すれば、危険挙動が多い従業員に対して管理者は適切な指導と運転傾向に即した安全運転教育を実施できるうえ、全従業員の安全運転意識向上を図れるため、社員の安全をしっかりと守ることができるのです。
また、生産性向上に直結するわけではないものの、社全体の安全運転意識が向上すれば、日常的に発生する小さな物損事故を減らす、エコ運転による燃費向上でコスト削減にも寄与します。
営業周りをしていれば予期せぬ大渋滞に巻き込まれ、立ち往生することもありますが、車両の位置情報を管理者がリアルタイムに把握できるため、付近にいる他の営業マンへ代理や引継ぎを指示するなど、営業活動の遅延・停滞を防ぐこともできます。お相手との約束時間に遅れたり訪問をキャンセルしたりしてしまうと、貴重なビジネスチャンスを失うことになりますが、車両管理システムを活用することで、迅速かつ的確なマネジメント体制を構築できるのです。
まとめ
営業の生産性を高めるためには、社内外双方でITツール・ソーシャルの導入によって、業務改善対策を講じ分母となる投入時間・コストを減らし、同時に営業力をUPし分子の「利益」を増やす必要があります。もちろん、口で言うほど簡単なことではありませんが、今回解説した方法と車両管理システムを併用することで、海外並の高い生産性を実現することも決して不可能ではないでしょう。