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物流の働き方改革を推進する「トラック簿」開発秘話 -後編

前編・中編では、モノフルの武田様にインタビューをいたしました。トラック簿の機能でSmartDrive PlatformのAPIを利用しているとのことでしたので、今度はSmartDriveの担当者に詳細を伺ってきました。

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令和6年度版 トラック事業者向け通信型デジタルタコグラフ導入メリットと補助金活用ガイドブック

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SmartDrive Fleet導入実績

まず自己紹介をお願いします。

風間 進一(かざま しんいち)です。株式会社スマートドライブでSmartDrive Platformの開発ディレクターをしています。エンジニアではないので直接プログラムを書いたりはしておらず、プロジェクトの進行管理や調整を社内外の様々な関係者と共にやっています。

前職はトランスコスモスという会社に4年ほど所属しておりまして、ECのアウトソーシングをやっている事業部にて今と同じようにシステム開発の調整や進行管理をしておりました。さらにその前の職場は6年半ほどミクシィにいまして、mixi Platformの立ち上げから外部公開のところまを経験させていただきました。

ミクシィ時代にもプラットフォームに関わっていたのですね。SmartDrive Platfromというのはどういうものなのでしょうか?

SmartDrive Platformは3つの要素に分解できます。まずは「Data In」という、IoTデバイスから上がってくるローデータを取り込む部分があります。2つめは「Add Value」という言い方をしているのですが、貯めたデータをクレンジングしたり、加工して解析をかけることで、もともとローデータだったものをハイコンテクストなデータに置き換えることをやっています。3つめは「Data Out」でして、蓄積されたローデータやハイコンテクストなデータを様々なサービスに供給するという3つの要素を持っています。

SmartDrive Platformの特徴はどういったところでしょうか?

移動体にフォーカスをしているところが特徴です。今は車がメインになっていますが車に限ったものではなく移動するもの全てがPlatformの対象になります。他にもバイクや、コンテナ、動物など様々な移動体で利用いただけるように最初から設計されているので、多種多様なニーズに対応できるようになっています。

トラック簿では、どういったAPIが使われてているのですか?

まず弊社のSmartDrive APIは※RESTful APIで構築されておりまして、弊社のデバイスを車両に搭載することで、その車両がどこにいる、どこにいた、というロケーション情報をDevice last locationというAPIを介して提供しています。また、事前に登録しておいたトラックバース(倉庫の荷下ろしする場所)に「入ったのか?」「出たのか?」といった情報をWebhookで通知しています。トラック簿の場合は、Webhookを受け取るサーバーを用意していただいたので、そこのエンドポイントに対して通知を飛ばしています。

※ RESTful API
Webシステムを外部から利用するためのプログラムの呼び出し規約(API)の種類の一つで、RESTと呼ばれる設計原則に従って策定されたもの。

APIリクエストを投げると、どのようなレスポンスが返ってくるのですか?

デバイスコードという、車両に搭載されているデバイス1台毎に割り当てられているIDがありまして、そのデバイスコードを指定してリクエストを投げることで、現在の位置情報を取得できます。過去の履歴情報を取得したいときは、開始と終了をタイムスタンプで指定してあげることで、その期間の情報をリストで取得します。弊社のデバイスは1秒間隔で緯度経度のデータを取ってますので、1秒毎のデータを取得できます。ただ、一気に取得してしまいますと負荷が掛かってしまうので、最大で100件ごとのデータをページングしながら取得できます。

ちなみにWebhookは、データの登録系はPOSTで、データの取得はGETですね。いわゆるRESTful APIの標準的な仕様に則っていますので、どちらもございます。

SmartDrvie APIは自社サービスでも使われていると伺いました。

そうです、もともとは自社サービスで使っていたAPIを拡張して、外部に対しても提供を開始しました。現在でもこれらのAPIはSmartDriveの各サービスでも使われています。

そういえば、「SmartDrive Families」という高齢者ドライバーの見守りサービスは、SmartDrive APIを活用した社内ハッカソンを行いまして一気に作り上げたもの。1週間ほどでコア機能を作り上げ、デザイン作成やAppStore申請などの作業を含め3ヶ月ほどで製品ローンチができました。

このSmartDrive APIは既にサービスメニューとして展開しているのでしょうか?

すでにお客様には提供できる状態ですが、まずは個別に連絡をいただければトライアルで試していただく形になります。今後、広く沢山のお客様に使っていただきたいと思っていまして、トライアルの申し込みページや、APIの仕様にを分かりやすくまとめたドキュメントを整備中でして、価格についてもまだ調整中の段階です。

そして、私たちが提供しているAPIが全て十分な状態かというと、まだまだ足りないと思っています。「どのようなAPIが必要なのか?」「どうすれば使いやすくなるか?」など、一緒にトライアルをしていただけるユーザー様の声を聴きながらSmartDrive APIをブラッシュアップしていきたいと思います。

すでにSmartDrive APIを使いたいという声はありますか?

そうですね、そういった声はどんどん増えています。例えば法人向けの車両管理サービスを利用している企業様がデータをCSVではなくAPIで直接取得し、自社のシステムに取り込みたい。APIを使ってBIツールに直接繋いでデータをビジュアライズしたい。このようご要望を沢山いただいております。とはいえ、APIというのは情報提供の1つの手段でしかないので、お客様が情報を取り出しやすいよう、APIだけでなく様々な形で提供していきたいとも思います。

トラック簿のように、SmartDrive APIを自社サービスの機能の一部として使うということも可能ですよね?

もちろんです。SmartDrive PlatformはIoTデータのプラッフォームに位置付けられますので、すでにIoTデバイスからデータを取得して、加工・クレンジング・解析することで情報精度を高くした状態で提供できます。そういった部分を自社でゼロから開発することなく、弊社のAPIを使っていただければデータの提供は可能でありますので、短期間でサービスの立ち上げができると思います。実際にトラック簿は3、4ヶ月でデータのつなぎ込みからサービスローンチまで持って行けたました。

自分だったらこんなサービス連携できたらいいなというのはありますか?

勤怠システムとの連携ができるといいなと思います。例えば、ドライバーさんが車両の走行を開始したら、自動で勤怠システム側のステータスが出勤になったり、どこでどう走ってきたという情報を勤怠のエビデンスにしたりできたらいいなと。あとは、人事系のシステムで運転スコアをドライバーさんの評価に組み込んだりするのも面白いかもしれません。

SmartDrive APIはRESTful APIのお作法に則っていて使いやすいので、私が想像もしてない使い方をしていただけるユーザー様が出てきてくれたら嬉しいです。

それは確かに面白いですね!今後のSmartDrive Platformの展開について教えてさい。

先ほどお伝えした3つの要素でいうとまずは、「Data In」の部分。ここはよりつなぎやすくしていきたいです。具体的には様々な移動体のデータをアップロードできるようになっているので、多様なセンサーデータを取り込んでいけるようにしたいと思っています。次に「 Add Value」ですが、ここはまさに付加価値を生み出すポイントですので時系列データやストリミーング処理をキーワードに柔軟かつ効率的にデータを捌いていきたいと思います。最後に「Data Out」ですが、よりデータを取り出しやすくするために、APIを種類を増やしていくこともそうですし、JSONだけでなく他のフォーマットでもデータを出力できるようにして、お客様のシステムとの連携をしやすいものにしていきたいと考えています。

最後に一言お願いします。

APIを使ったデータ提供している企業はたくさんありますが、IoTデータとくに移動体のデータに特化したデータの提供してい企業は少ないと思いますし、今後広がりを見せていくと思います。なのでチャレンジしていく余地は多分にあります。今後のSmartDrive Platformの展開にご期待ください。

筆者紹介

株式会社スマートドライブ
編集部

株式会社スマートドライブ編集部です。安全運転・車両管理・法令遵守についてわかりやすく解説します。株式会社スマートドライブは、2013年の創業以来、「移動の進化を後押しする」をコーポレートビジョンに掲げ、移動にまつわるモビリティサービスを提供しています。SmartDrive Fleetは、1,700社以上への導入実績があり、車両に関わる業務の改善や安全運転の推進などに役立てられています。また、東京証券取引所グロース市場に上場しています。 SmartDrive Fleetは情報セキュリティマネジメントシステム適合性評価制度「ISMS認証(ISO/IEC 27001:2013)」を取得しています。

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