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【2022年COP27】迫られるEVシフト – CO2削減に黄色信号のいま、何からすべきか –

2022年11月6日から11月18日まで、エジプトで気候変動対策の国連会議「国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)」が開催されました。脱炭素や気候変動による異常気象への資金支援など、連日激しい議論が交わされました。脱炭素への動きが急務となる中、日本はどのような現状にあり、どのような努力が必要とされているのでしょうか。

【2022年COP27】迫られるEVシフト – CO2削減に黄色信号のいま、何からすべきか –

EVシフトとは

EVシフトとは、世界が温室効果ガス排出量削減に向けて取り組む中で、対策のひとつとしてCO2排出量が多いとされているガソリン車から電気自動車(EV)へと転換を図る動きのことを言います。国内ではガソリン車において2035年の新車販売禁止が政府から打ち出されるなど、脱炭素化社会の実現に向けて、EVシフトへの動きが加速しています。

EVシフト「待ったなし」の背景にある現状とは

このままでは2030年にCO2が約10%増加する

2022年10月26日に国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局が発表した報告書によると、世界各国が温室効果ガスの排出量を減少する方向へと進めつつあるものの、今世紀末までに世界の気温上昇を1.5℃に抑えるには依然として対策が不十分であるとしています。また、パリ協定の193の国と地域の削減目標を合わせても、今世紀末までの世界の平均気温上昇がおよそ2.5℃(産業革命前比)となる見通しが明らかになり、本来の目標達成に向けて、各国へ対策の強化が求められています。

同報告書では、2030年までの世界全体の温室効果ガス排出量は10年比で10.6%増となる見通しですが、気温上昇を1.5℃に抑えるのであればCO2排出量を2010年比で45%減を目標とし、それを実現する必要があるとしています。2021年のCOP26から2022年9月までにインドやオーストラリアなど、24カ国が新たな目標を提出しましたが、全体の割合としては少なく、UNFCCCの事務局長であるサイモン・スティル事務局長は、「各国の政府は1.5℃達成に向けた行動計画を強化し、今後8年間に実行すべきである」と強調しました。

削減目標
日本2030年度において46%削減(2013年比)、2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロへさらに、50%の高みに向け、挑戦を続けていく
アメリカ2030年までに温室効果ガスの実質排出量を約50〜52%削減する(2005年比)
ロシア2050年までに森林などによる吸収量を差し引いた温室効果ガスの実質排出量を約70%削減する(2005年比)
EU2030年までに温室効果ガスの排出量を約55%以上削減する(1990年比)
中国2030年までにGDPあたりのCO2排出を65%削減する(2005年比)
インド2030年までにGDPあたりのCO2排出を45%削減する

参考:主要国の温室効果ガス排出量削減目標

3年連続で不名誉な「化石賞」受賞 −今こそ大胆な対策が必要な時-

2021年に開催された第26回気候変動枠組条約締約国会議(以下、COP26)では、先進国による途上国への資金支援の強化が次々と表明されました。岸田首相も、アジア地域における脱炭素化を掲げ、25年までに途上国への年間60億ユーロ(約8千億円)の追加資金支援やゼロ・エミッション火力発電への転換支援など、途上国への支援強化策を表明しています。

長らく温室効果ガスの削減に消極的だと批判されてきた日本は、菅政権時代に目標を大幅に引き上げたものの、COP26で表明したのは上記のように、石炭火力発電の延命を前提にした対策を提示。しかしこの対策は、石炭を燃やす時に水素やアンモニアを加えてCO2の排出を抑え、排出されたCO2は回収するというものですが、まだ実現に向けて開発している最中の技術であり、発電コストもかかるうえ、水素をつくる際に排出されるCO2など、課題は山積しています。

日本は2030年の総発電量の19%を石炭火力で賄うという計画を示していますが、先進国が2030年までにCO2排出の廃止を呼びかけられており、議長国であった英国のジョンソン首相も「先進国は2030年、途上国は2040年までに石炭への依存を断つように求める」と表明しています。つまり、まるで逆行しているような対策であることが問題視されているのです。実質、2020年の時点でも2030年に向けた温室効果ガス削減目標などを取りまとめた提出文書に置いて、“実質ゼロ回答”であることに国内外から批判を受けました。

さらに、日本は2022年11月にエジプトで開催されたCOP27において、トップバッターで「本日の化石賞」を受賞。この賞は、国際的な環境NGOネットワーク「気候行動ネットワーク(CAN)」が気候変動対策に対してもっとも後ろ向きな(対策が消極的)国に贈る賞ですが、日本はCOP25、COP26でも同賞を受賞しており、今回で3年連続の受賞です。その受賞理由として、「日本は石油、ガス、石炭プロジェクトの世界最大の公的資金提供国で、2019年から2021年にかけて年間およそ106億ドルを拠出した」と述べ、先述した石炭火力発電所に関しても化石燃料の投資を止める必要があるという国際認識とは逆行していると批判しました。

日本のCO2排出量が世界5位という事実

もっともCO2排出量の多い国は中国で、全世界のおよそ3割を占めています。次いで、米国、インド、ロシアと続き、日本はCO2排出量の多い国として5位に入っています。

順位国名排出量割合
中国9,88229.5%
米国4,74414.1%
インド2,3106.9%
ロシア1,6323.2%
日本1,0591,9%

※排出量の単位は100万トン-エネルギー起源のCO2

出典:EDMC/エネルギー経済統計要覧2022年版

こうした状況、そして事実から、世界中が気候変動の影響を受けている中、日本は先進国としても、積極的なCO2削減への目標と実現が求められているのです。

政府の脱炭素へ向けた資金調達が本格化

炭素税が日本で本格導入?温対税の増税も十分考えられる

炭素税とは、CO2を排出する化石燃料や電気の使用量に応じて企業や個人に課せられる税金のことを言います。1990年にフィンランドが世界初の炭素税を導入、その後、欧州各国で次々と導入が進み、CO2の排出量の削減に成功しています。フィンランドでは1997年および2011年に実施されたエネルギー改革では所得税の減税、企業の社会保障費削減による税収減の一部を炭素税収で補填しました。また、スウェーデンでも1991年より環境税制改革を実施し、CO2排出量の削減とGDP成長の両立を達成するなど、それぞれ大きな効果を生んでいます。これら、各国の成功をもとに、CO2の削減と地球温暖化防止対策への早急な対策を求められている日本でも、2021年ごろから導入への動きが進められています。

炭素税は、カーボンプライシング(炭素に価格付けをしてCO2排出を抑制する政策を指します)の手法として注目されている方法です。現在もすでに石油・天然ガス・石炭などの化石燃料に課税する「地球温暖化対策のための税(温対税)」が2012年から導入され、CO2の排出量1tにつき、289円が課税されています。

当時、国内で排出されている温室効果ガスの約9割がエネルギー利用に由来するCO2であるため、抜本的な対策を口実には中長期的にCO2の排出抑制対策強化が必要になっていたことから、原子力への依存低減、そして省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの拡大などに向け、課税による経済的インセンティブを活用しようと2012年税制改正の中で「地球温暖化対策のための税(温対税)」が創設されました。実施から3年半の時間をかけて段階的に引き上げられた温対税の税収は、省エネルギー対策や太陽光、風力などの再生可能エネルギーの普及への活用を目的としています。

炭素税はこうした環境税の一つで、日本のCO2排出量削減目標がなかなか達成にいたらず、今の政策だけでは不十分であることから、早急な実施が検討されています。ただし、エネルギー価格の高騰により国民の負担が増えることを危惧した政府は、2023年度の税制改正で炭素税の新創設は困難であると判断、当面は賦課金などで検討すると公表しました。その分、今後は地球温暖化対策のための税−−つまり、温対税が増税されることも考えられます。

GXが加速するー?経済移行債とは

前項のような背景を踏まえ、政府は新たに2050年の温暖化ガス排出実質ゼロ、そしてグリーントランスフォーメーション(GX)に向けてGX経済移行債(仮)を発行し、資金を調達する考えを示しました。脱炭素化に向けた資金調達としては、企業や地方自治体などが地球温暖化などの環境問題を解決する事業への資金を調達すべく発行する債権のグリーンボンド(環境債)に近いものだと考えられています。

経済産業省が発表した「クリーンエネルギー戦略」のなかでは、日本における2030年の脱炭素関連投資額は単年(年間)でおよそ17兆円が必要だとしており、10年間ではおよそ150兆円が必要であると結論づけられています。2022年6月7日に定められた「経済財政運営と改革の基本方針2022 新しい資本主義へ〜 課題解決を成長のエンジンに変え、持続可能な経済を実現〜」においては、GXの実現に向けて、成長志向型カーボンプライシング構想の具体化と最大限の活用、省エネ法などの規制対応、水素・アンモニアなどの新たなエネルギー、脱炭素電源の導入に向けた新たなスキームの具体化が挙げられていますが、そのカーボンプライシング構想の中でGX経済移行債が追加された形です。
具体的なカーボンプライシングを導入するまでの移行期間において、脱炭素政策の投資を促すいち手段としてGX経済移行債が検討されるようになりましたが、海外では多くの国々がグリーン国債を発行しており、環境を守り、サステナブルな経済への取り組みを進めているため、有効な手段として考えられているのかもしれません。

【現状を知る】世界・日本ともに車からのCO2排出量が非常に多い

世界のCO2排出量のおよそ5分の1を占めるのが交通や運輸関連です。そのうち、車の移動に関しては輸送による排出量の4分の3を占め、乗用車が45.1%、貨物を運ぶトラックが29.4%という割合になっています。また、日本国内においても、2020年度におけるCO2排出量10億4.400万トンのうち、運輸部門は17.7%の1億8.500万トンを占め、人ひとりを1km輸送するのに、鉄道では約18g、バスは約51g、航空は約111g、自家用乗用車では約150gのCO2が排出されていると算出されています。つまり、公共交通機関も含め、車からのCO2排出量がもっとも多いということです。

コロナによる影響が少し落ち着き、荷物の取り扱いが増えたことで貨物輸送量が増加傾向にありますが、輸送量が増加するとともにCO2の排出量も増えていきます。輸送量は景気の動向に大きく左右されるため、大幅に削減することは容易ではありませんが、輸送量の多さに左右されずCO2の排出量を抑えるには、再配達を減らす、配送ルートを最適化するなど、企業による輸送の効率化がポイントになります。

車両管理・アルコールチェックの課題解決をSmartDrive Fleetがサポートいたします。以下から気軽にご相談ください。

まずは自分の車両のCO2排出状況を理解しよう〜SmartDrive Fleetのススメ〜

世界規模で急加速する地球温暖化防止対策。その対策の一つとして、今後、EVの導入が企業から個人レベルにまで普及していくと考えられます。クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金やクリーンエネルギー自動車導入促進補助金を活用することで導入コストを抑えることはできますが、企業にとって一度に複数台を転換するのは大きな負担にもなるはず。先に向けて導入を検討しつつも、今からできる環境対策の一つとして、まずは保有する車両のCO2排出状況を理解し、改善していくところからはじめてみてはいかがでしょうか。
改正された地球温暖化対策の促進に関する法律(以下、温対法)により、2006年4月1日から、温室効果ガスを多量に排出する特定排出者に温室効果ガスの排出量を算定・報告することが義務付けられており、その数値を把握したうえで抑制対策を講じ、実行しなければならないとされています。そこでお役立ていただけるのが、スマートドライブの提供する「SmartDrive Fleet」です。

SmartDrive Fleetは、業務で車両を利用する企業の様々な課題をワンストップで解決できるクラウド型車両管理サービスです。

自社にあったタイプのデバイスを車両へ取り付けることで、走行データを自動で収集・解析することが可能です。取得した走行データを活用することで、CO2排出量の可視化や実測値に基づくCO2排出量の削減を推進することが実現できます。

自社のCO2排出量を削減していくため、まずは車両利用(走行距離・アイドリング時間・稼働率・燃費への影響がある急操作回数)の定量化をお勧めします。

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