デジタコ導入で本当に業務の効率化は見込めるの?
ドライバーの安全を守り業務効率をあげるために、国土交通省が施策として掲げ、トラックへの装着義務化がどんどん拡大しつつあるタコグラフ。デジタルタコグラフやドライブレコーダーのように運行管理システムを取り入れれば本当に目に見えて問題が解決したり、効果が現れるものなのでしょうか。
そもそも取得できたデータってどこをどう見るの?その取得データはどのように利用すれば効率化が見込めるの?気になるその真相に迫ります。
令和6年度版 トラック事業者向け通信型デジタルタコグラフ導入メリットと補助金活用ガイドブック
SmartDrive Fleet導入実績
デジタコ・アナタコのデータの見方
デジタルタコグラフ、通称デジタコについては前回の記事でご紹介しましたが、そもそもタコグラフとは、車両の運行中の速度やエンジンの回転数などを記録する装置であり、運転時間数や積みおろし時間、休憩時間などを記録して把握するというものです。
アナログタイプとデジタルタイプのものがありますが、近年はよりリアルタイムでの運行状況の把握やドライバーの安全管理上有効と考えられるデジタルタコグラフが主流になっています。
このデジタコ、具体的にどのような見方をすればいいのでしょうか?また、どのようなデータが反映されているのでしょうか。
それぞれ、上はアナタコから、下はデジタコから出力されたデータです。このように比較するとわかりやすいのですが、アナタコは取得できるデータは「走行距離」「走行時間」「走行速度」と、限られた情報しか得ることができません。しかし、デジタコの場合はアイドリングや危険挙動、運転時間など、さらに細分化した運行情報を収集することができ、さらにその情報を運転日報として活用することもできます。運転の状況によってドライバーに的確な安全運転指導を行え、尚且つ業務の効率化も望めることを期待されています。
アナタコと比べると高価ではあるものの、情報を解析し将来的に有効活用するには非常に優秀なデジタコ。スマホとの連携や、設置すればボタン一つで使い始めることができるため、操作も簡単。ドライバーへの負担も少ないため、近年ではデジタコが定常化しつつあります。
一台で何役!?スマホとの連携
2016年度のメディア環境研究所のデータによれば、スマホ所有率は50代以下で6割以上、この数年でスマホ普及率は右肩上がりに普及の拡大を見せています。
キーボードのような煩わしさがなく、タッチスクリーンに指一本で操作できるスマホは、電話やインターネットのほか、GPSによる現在地や手軽なビデオ撮影など、非常に利便性の高い機能がこの一台に備わっています。
2011年5月から開始されたアルコール探知機の義務化に伴い、スマホをアルコールチェッカーと接続して呼気検査中の動画とアルコール濃度の値を記録する、というスマホの活用方法も広まってきました。システムとして遠隔地のIT点呼としては認められていませんが、中間点呼時のアルコールチェックとして利用ができます。また、映像の記録、そしてGセンサーの機能を活かしてドライブレコーダーとしての利用も可能に。急発進や急加速といった危険運転の情報を地図上で確認し、動画を再生することができます。
このように、スマホ一台が何役もこなせてしまう—また、スマホと連携することで導入コストも大幅に削減することができるのです。実際、スマホを利用したリアルタイム運行管理システムも開発が進み、デジタコの機能も搭載されています。デジタコやドラレコはさらなるIT化の恩恵を受け、利便性が高く正確なデータを取得されるスマホというツールで管理される時代に突入しようとしています。
デジタコのデータと運行管理システムの連携で実現する効率化
ドライバー不足や燃料をはじめ経費の高騰、さらには再配達の増加など、収益化向上を測りつつも現在の物流業界の課題を改善するためには、車両管理システムとデジタコをうまく連携することで経営管理の強化を図ると良いでしょう。
デジタコは主にその瞬間の運行データを記録して事故対策や安全運転に活用したり、運行記録を通信でデータセンターに送り、テレマティクスサービスに利用したりできるもの(これはオプションとしての機能が多くなっています)。車両管理システム自体は車両やドライバーの情報から保険の管理まで一元化してクラウド上で管理ができます。
デジタコと車両管理システムと連携をとることで、顧客の荷物管理や車両本体の状況の管理、コスト管理の徹底化を推進させるのです。デジタコに対応した車両管理システムであれば、車両の位置関係から作業進捗が把握し、より正確な情報を取得できるため、管理も容易になり業務効率も格段とアップ。
GPSで取得できるデータを活用した社用車の車両管理システムや動態管理システムはいくつか存在しています。
弊社が提供している「SmartDrive Fleet」もその1つ。GPSリアルタイム動態管理を含め、ドライバーの勤怠管理や運転日報の自動作成、ドライバーごとの運転診断機能などを備えています。取引先に荷物の現在地を地図上でリアルタイムに共有したり、事故の際の自動連絡等の機能はまだ提供されていませんが、今後随時新機能が追加されていく予定です。また、大掛かりな車載器を購入したり、取り付けが複雑で工事が必要だったりするものは一切なく、手軽に小さいデバイスを手で車に装着していただくだけですぐに使っていただくことができる、導入が手軽なクラウドベースの車両管理サービスです。
営業スタッフや配送ドライバーの運転や行動を可視化・把握したいという事業者はもちろん、社用車をより効率的に管理したり事故を削減して修理代や保険料を少しでも抑えたいというニーズがある場合には、ぜひこちらから資料請求ください。
デジタコのデータを存分に“活かす”ために
デジタコの良さは、何と言っても事業社側からは全て見ることができない運行状況が、日々データとして明確に把握できるようになることでしょう。中には行動を監視されているようで煩わしいと思うドライバーもいるかもしれませんが、ドライバーの安全を守理、事故の削減や燃費の向上をさせるためにも、現状を把握し原因をつきとめることは非常に大切なことです。
デジタコに記録されたデータからドライバー自身が運転状態を認識することで、客観視ができます。誰しもが自分のことは意外と見えていなかったりするもの。それをデータで見える化することで、どんな時に危険挙動をしていたのか、苦手とすることなどがわかるようになります。そうなれば一人ひとりのドライバーに対し、明確な安全運転指導を行うことができ、尚且つ事故の削減にも繋がるのです。
また、このデータをもとに、事業社側が安全でエコな運転をおこなっているドライバーに対し、正当に評価をする仕組みを作ればさらなる効率化や安全運転へと導けるでしょう。
このように、デジタコから収集されたデータはドライバーと事業社が連携しながらうまく活用していかなくてはなりません。速度とエンジン回転数との相互関係に異常があった場合、すぐに数値に反映されてわかってしまいますし、アイドリングや波状運転、急加速・急減速も全て記録されます。
出力されたデータはそのまま記録として放置するのではなく、今後の経営や改善に向け、注意深く数字を追って見ていくこと。そしてそこから目標をたて、改善に向けての施策を作ること。それらはコスト削減も含めた業務効率化において大切な役割を担ってくれますね。