車両管理システムを導入したら…現場のスタッフはこう思っている
リアルタイムでの位置情報が把握できたり、危険な運転挙動が発生した場合にアラートを出したり、自動で日報が作成できたりするなど、車両管理システムは非常に便利なツールとして認識されていますが、そこで唯一懸念されているのが、現場のスタッフから「監視されている気がして嫌だ」と導入に際して反発の声が上がること。スマートドライブマガジンでは今まで数多くの導入企業に取材を行ってきましたが、そこで聞こえてきたのは意外な意見ばかりでした。今回は実際に伺った現場での生の声や導入後の変化についてご紹介します。
まるわかり!車両管理のはじめ方編
SmartDrive Fleet導入実績
車両管理を実施するにあたって重要な「車両管理規程」を作成する9つのポイントをご紹介しております。また、車両管理規程の作成に役立つテンプレートもご用意しております。
目次
現役ドライバーのリアルな声
「安全運転への意識が変わった。」フーディゾン・佐々木さま
車両管理システムの導入はSmartDrive Fleetがはじめて。私は入社時から活用させていいただいていますが、運転診断は自分の運転をスコアとして客観的に見ることができるので、今まで以上に運転に気にかけるようになりました。ゲーム感覚でこまめに確認し、もっと安全運転しよう、この癖を直そうと、自分の中で振り返りができるようになったのも大きな変化ですね。
運転が荒いと荷崩れしますし、急ブレーキを踏めば事故を誘発しやすくなる。そうした行為は業務効率を悪くする他だけです。一日の終わりにスコアとアラートがでたタイミングを確認し、低い点数だったら運転を振り返って、あそこでこういうことがあったから急操作をしてしまったと思い返して反省する。そうして同じことを二度繰り返さないよう心がけています。自身の安全運転に対する認識をさらに後押ししてくれるという意味合いで、毎日しっかりつかわせていただいております。
ゲーム感覚で活用いただくことで、自分の運転スキルの向上を目指しているという佐々木さま。後輩ドライバーへの的確な指導も行えると、うまくご活用いただけているようです。
「導入当初はネガティブなイメージだった。けど…」セガエンタテイメント・棟渡さま
正直に言いますと、導入の話を聞いてはじめは“監視される”というネガティブなイメージを持っていました。しかし導入しても、いつも通りに業務にあたっていると何も気にすることはありませんし、逆に以前より安全を優先するようになったので良かったのではないかと。
また、手書きの日報が不要になりましたので、業務時間が大幅に短縮できたのもありがたくて。手書きだと、記入漏れや記入忘れがたまに発生しますし、毎日、面倒だなあと思っていたんです。それが自動になったので無駄な時間がなくなり、本来の業務に時間を割り当てられる。非常に助かっていますね。
導入当初は「監視されているみたいだ」と思ったそうですが、実際に使ってみると気にもならず、安全に対する意識も向上。ネガティブを払拭されました。さらに、安全運転イベントでは1位入賞という快挙!!しっかりと結果を出されていました。
「安全を守るものだと認識しているので、気にしません」大阪デリバリー・藤原さま
事前に「社員の安全を優先したいので、車両管理システムを導入します」と聞いていましたし、私自身も安全を守るものだと認識していますので、監視されているとは感じません。営業行動も今まで通りです。
取締役副社長の木田さま曰く「監視は人件費もかかるし、非生産的な行為だと考えていますので、会社としては興味がない」とのこと。社員との強固な信頼関係によって、車両管理システムが上手く活用できているのではないでしょうか。
「自分の運転が見直せるようになりました」あいホーム・伊藤さま
自分がどこへ行き、どれくらいのスピードを出していたのかという情報が、全社員から見えるので、その点は意識するようになりました。SmartDrive Fleetは運転がスコアで表示されますので、自分の運転を見直す癖がついたようです。丁寧な運転をすれば素直に点数に反映されますし。車のイラストを中心に、加速、減速、ハンドリングがどこで・どの程度発生したのかが目で見てわかりますので、改善点をすぐ理解できるのもポイントですよね。
現場のドライバーとして、前向きに活用いただいている事例です。使い続けることで、スコアをもっと上げたい!とポジティブな安全運転の啓蒙ができるようです。
導入を決めた管理者からのリアルな声
「毎日、運転の振り返りをすることで事故が減った」One Up・飯島さま
「SmartDrive Fleet」の走行履歴で毎日、欠かさず運転の振り返りを行っています。最初の頃は、なぜ急ブレーキや急発進、急ハンドルが発生したのか分かりませんでしたが、ドライバーに問いかけることで管理側も原因と要因をはっきり認識できるようになりました。
ドライバー自身も自ら「なぜ急操作が発生したのか」を考えるようになっています。あの時間、あのルートで急ブレーキを踏んだ。そこで、なぜ、急ブレーキを踏まなければならなかったのか。すると、「あの曲がり角近辺で、車が急に飛び出してきたからだ。あそこは少し見通しが悪いから危険だな」だと思い出す。そうすれば、次に同じルートを利用するときに、注意を払うようになりますよね。継続して振り返りを行っていると、危険な運転が発生したら、その理由を事前に覚えておこうという意識を持つようになるのです。
急な動作をした理由が明確にわかれば、会社は社員という一番の資産を守ることができる。一緒になって理解し、考え、伝えることで、安全に業務を遂行してほしいーーそんな声が聞こえてくるようでした。
「導入に関しては、意外とドライな反応でした(笑)」タープ不動産情報・三浦さま
創業当時からアットホームな環境を大事にしているためです。
〜〜当時からこうした取り組みを積極的に行ってきたため、社員との信頼関係がしっかりと構築されてきたのでしょう。車両管理システムの導入に対する反対の声はほとんどありませんでしたね。
中には、監視されるのが嫌だとおっしゃる現場の方もいるでしょうが、それは観点が違うところにあるからです。最近ではどこのオフィスにも監視カメラが設置されていますが、これは社員を監視するために設置しているものではありませんよね。たとえば経理から「100万円が足りない」という報告があがったとしましょう。本当に単純な計算ミスかもしれないじゃないですか。こういう事態が発生したら、「誰かが盗んだのではないか」と真っ先に疑うのではなく、誰も盗んでいないことを証明するために活用すべきなのです。通信型ドライブレコーダーの導入についても同じです。
三浦様がおっしゃるように、車両管理システムは監視することが目的ではなく、危険な運転を防止し、社員を守るもの。そして何かが発生した際に原因を突き止めるものです。現場と管理、両者間で意識をすりあわせれば、ポジティブなイメージを持って日々の業務に取り組めるのではないでしょうか。