結果を見て、一念発起。短期間で成果を出したドライバーが語る、運転を変える方法
ドライバー職に従事する方の中には、運転歴10年、20年というベテランさんも多くいらっしゃいます。しかし、運転をスコアで表示されたとき、自分が思っていた以上に低かったというケースも少なくないようで、株式会社大久保でドライバー職をされている岡安様もそのうちの一人でした。
昨年9月に引き続き、今年度4月にも開催された、安全運転イベントに参加された岡安様は、昨年参加時の平均スコア66.1点から、短期間のうに73.5点へと急上昇。どのように運転を改善されたのか、短期間でもしっかり成果を出された秘訣は?ドライバー視点で非常に大事なポイントを語っていただきました。
目次
インタビュイー:
株式会社大久保 岡安 晃授様
https://kk-okubo.co.jp/
※導入事例インタビュー記事はこちら
トラック、そして運転が好き。前職も現職もドライバーとして活躍
岡安様は、長らくドライバー職に従事されているそうですね。
前職ではアームロール車を運転して産業廃棄物の回収していました。運転歴は長いですが、扱う物が廃棄物ですので、運転が雑になりがちだったかもしれません。一時、引越し業者の仕事もしており、その際は荷物が壊れないように、ゆっくり丁寧に運転する癖をつけていたんですが、現職で再び収集運搬業に携わるようになり、しばらくは「事故さえ起こさなければいい」という意識で運転していました。
しかし、SmartDrive Fleetはよくも悪くも自分の運転が可視化されるでしょう。運用が開始されたことで自分の点数と直面し、荷物を運んでいた時の感覚、つまり、商品を壊さないよう丁寧な運転をしなければと思うようになりました。
引越し業で運転していた頃を思いだしながら?
はい。トラックの運転は好きですし、今まで一貫して運転する職種に就いてきました。乗用車と比べて視野も高くて広いし、マニュアル車も多いですしね。だからこそ、運転に気遣えるようになりたいなと思ったんです。
自分のスコアを見て愕然。そこから運転への意識が大きく変わった
前回に引き続き、4月の安全運転イベントにもご参加くださりありがとうございました。今回のイベントで岡安様は平均スコア:7.4ポイントアップ、100kmあたりの急操作回数:18.8回減と、大きく成績が向上されましたが、なぜこのような結果になったと思われますか?
丁寧な運転をすることに気を付けるようになった結果だと思います。導入当初は60点台が続き、このままでは危険だと危機感を感じました。そこで、意識とスコアを変えるために、帰社したら真っ先にパソコンへ前に向かって急ハンドルと急発進がどの地点で出たのかを確認するようにしたのです。私が普段から走るコースはほぼ決まっていますので、即座に確認することでどこでどのようにハンドルを切っていたのか、ある程度思い出すことができました。
見通しが悪く急な曲がり角では急ハンドルに注意と表示されていたので、次の日は同じことを繰り返さないよう、ゆっくり、丁寧に曲がるよう心がけました。ほかにも、信号が変わりそうな時は無理やり通行せず、先を見て停止できるところは停止する、ゆっくりハンドル切って曲がるようにするなど、危険操作が出たポイントから運転を改善していきました。
SmartDrive Fleetを導入する前は運転に対しどのような意識を持たれていましたか?
正直なところ、今まで事故につながりかねない危険な思いをしたことは一度もなかったので、とくに何も意識していなかったのです。ただ、導入後、私の運転度合いが平均よりかなり低いことがわかり、「変えなければ」と強く思いました。
運転の仕事をしていると、大なり小なり、事故は避けては通れないものです。ただ、同じ事故でも、60点台の人が起こした事故と80点前後の人が起こした事故では、社内での印象が大きく異なるでしょう。「そんな運転をしているから事故を起こすんだよ」と思われたり、言われたりするのは避けたいですし、日頃から丁寧な運転をしていれば、会社も守ってくれるんじゃないかと考えました。それが大きなきっかけですね。それで、丁寧な運転ができるように今までの運転を全て見直そうと。
実際、いつ頃から安全運転を意識されるようになりましたか?
今年の3月~4月ぐらいです。営業所内のミーティングで所長にも70点以上を目指して頑張れと言われましたので、取り組む以上は良い点数を取ろうと心に決めました。
客観的に自分の点数を見るだけでも意識は変わる
スコアを上げるには、まずご自身の運転の癖を理解することが重要です。他の企業さまから、どのように改善すればスコアが上がるのか質問を受けることがございますが、ご自身で意識し、振り返るだけでこんなに早く結果が現れるのですね。
そうですね。ただ、スコアを上げることばかり考えていても、本質的な改善にはつながりません。根本的な原因を特定し、どのように改善すべきかを考えることが大事なのです。
管理画面を見れば、危険な運転をしたポイントがすべて表示されます。それら一つひとつに対し、どのような運転をしていたかを思い起こしていけば、危険な運転とは何か、おおよそ理解ができます。そのポイントに注力して丁寧な運転を心がけるようにしていけば、自然とスコアは改善されていくはずです。
御社は業務の関係上、走行ルートと回収時間がおおよそ決められているかと思いますが、たとえば「安全運転でゆっくり走っていると収集が間に合わない」というジレンマもあるのではと思います。そのあたり、岡安様が工夫されている点などございますか?
ジレンマは確かにありますね。意識しながら運転していると、いつもより少し時間がかかってしまいます。私自身は、なるべく運転外の作業を早く行うようにするなどの工夫をしています。人によってはスコアばかりに意識が向いて、逆に時間が押してしまうこともあるのではないでしょうか。
運転以外の作業を効率化して調整されていると。
そうです。運転を丁寧にして、作業を効率良く行うことで、いつも通りの時間に終わらせるように心がけています。
岡安様のスコアが上がったことに対し、上司やドライバーから掛けられる言葉は変わりましたか。
スコアが一気に向上したので驚かれましたね。今までどれだけ危険な運転していたんだとよく言われます(笑)。作業もしっかり終わらせて、スコアも高得点を維持しているので、みんなの見る目が変わりましたし、スコアを上げるコツについてよく聞かれるようになりました。
私自身も毎月結果が楽しみですし、点数を意識すると私でもこういう点数取れるんだという自信につながりましたね。
ポイントは、危険運転の発生箇所と走行ルートを照らし合わせて確認すること
スマートドライブでは、アイドリングやスコアのデータを提供させていただいておりますが、データをお渡しするだけでは意識が変わらないことも認識しております。岡安様は業務も早く終わらせつつ、高スコアを目指してらっしゃいますが、どうすればそこまで意識を高め、改善するという行動に出ることができるのでしょうか?
社長や役員から特段指示を受けたことはありませんが、日頃から、各営業所で安全運転を意識しましょうという声かけはあります。私が所属する営業所では、全ドライバーの平均値やスコア一覧がFAXで送付され、それを事務所内に毎月貼り出し、ドライバー自身が確認できるようになっています。
運転のスコアが高いからといって個別に表彰などはありませんが、全体のランキングと自分のスコアが客観的に掲示されるだけでも意識やモチベーションは大きく変わります。私が自分の運転を見直したのも、それがきっかけでしたから。
自分の目で現在地を確認するだけでも意識が変わるのですね。
私が知る限り、弊社では点数が悪い人にペナルティを課すことはありませんので、気にしない人は気にしないかもしれません。ただ、私自身は何かあった時に点数を突っ込まれるのが嫌だと思ったので、自分で改善に持っていきました。
ドライバー同士でスコアについて会話されることは?
毎月、貼りだされた際は話題に上ります。SmartDrive Fleetで車両予約をするときに同時に過去の走行履歴を見ると、誰が高得点だったかわかりますしね。
同じトラックで同じルートを走行した他のドライバーがどのような運転をしていたのか、ドライバー間でも気になるものですか?
そうですね、同じルートでもドライバーによって回り方が変わりますので、高スコアだったドライバーの場合は参考にします。
ドライバー自身が率先してデータを確認し、自らで意識を変えていくこと。これが安全運転意識とともにスコアを上げる一番のポイントだと理解しました。
先ほども少し触れましたが、点数だけ追っていても意識は変わりません。走行履歴と照らし合わせて、どこでどのような危険運転が発生したかをドライバー自身が確認することで、はじめて意識が変わると思うんです。ですから、SmartDrive Fleetのように、パソコンでその日のうちに確認することが本当に大事なのです。まだ、感覚やルートを覚えているうちに思い返すことが重要ですから。
岡安様の努力の積み重ねが結果として現れたのですね。引き続き、安全運転で頑張ってください!