カスタマイズできるレポートで業務の効率化を加速!株式会社大久保が語る「選ばれる企業」になるために重要なこと
- 業種
- 製紙原料 直納問屋
- 管理車両台数
- 40台
- 事業内容
- 製紙原料及び製袋材料の販売、和洋紙類の販売、産業廃棄物処理等と付帯する一切の事業一般貨物自動車運送業 機密文書及びデータの裁断・抹消処理業 事務機器類等の古物の売買
- 地域
- 東京
- 従業員数
- 約100名
- 活用目的
- コスト削減 / 安全運転強化
- 利用デバイス
- シガーソケット型
江戸時代、紙は非常に貴重なものとして、一度使われたら回収され、漉き返して再利用されていました。そんな流れを大正から受け継ぎ、およそ100年の歴史を持つのが株式会社大久保さま。現在は古紙回収から選別〜圧縮・梱包までを一貫して行い、国内外の企業に販売していますが、そこで課題になっていたのが業務を通して作業の見える化と標準化でした。
「社員同士が助け合い、協力できる社内文化を築くことが、結果として業務効率につながる」と語る大久保さまが、車両管理システムを導入した理由、そしてオプションのレポートを活用して取り組んでいること、そしてそこから企業が目指す姿についてお話を伺いました。
【インタビュイー】
代表取締役 社長 大久保 薫 様(以下:大久保)
営業部 埼玉統括 古紙リサイクルアドバイザー 福浦 秀樹 様(以下:福浦)
管理部 部長 古紙リサイクルアドバイザー 茨木 仁 様(以下:茨木)
古紙回収は江戸時代から存在していた
まずは御社の事業について教えていただけますか。
大久保:株式会社大久保は、製紙原料の直納問屋として、新聞・雑誌・段ボールといった古紙を回収〜選別〜圧縮・梱包し、国内外の製紙会社に販売しています。大正12年に創業してまもなく100年、従業員は約100名です。
大正時代から古紙回収のお仕事があったのですね。
大久保:江戸時代からすでに紙をリサイクルする商売はあったようです。
以前読んだ「大江戸えころじー事情」という本に、古紙回収は江戸時代からあったと記載されていたことを思い出しました。当時、海外では紙が高級品とされており、ある外国の人が江戸時代の日本人が紙を使い捨てしている様子を見て「なんて贅沢な生活をしているのか」と驚かれたそうです。
大久保:当時は屑屋さんや拾い屋さんと言われていました。今でも紙洗橋という地名が残っていますが、この地名は「浅草紙」と呼ばれる紙を漉いていたことが由来。浅草紙とは、古紙を漉き返した再生紙のことです。
海外、とくに中国では古紙の買取が難しくなっているそうですが、その影響は受けていますか?
大久保:中国は廃棄物による環境汚染が深刻な問題になっているため、2021年1月1日から中国へのすべての固形廃棄物の輸入が禁止されることになります。
古紙は回収して、製紙メーカーに使っていただいていますが、現在日本では、作る量よりも回収する古紙の方が多いため余ってしまうんですね。その余った古紙を海外の製紙メーカーに輸出するのですが、その大部分を占めていたのが中国。ですから、今回の環境政策で私たちも大きな影響を受けています。
作業の見える化・標準化ができるツールを探していた
そのような状況下において、クラウド車両管理システム SmartDrive Fleetを利用しようと思われた理由とは?
大久保:弊社は元々古紙問屋ですので、昔は回収業者が回収した古紙を買い受けていたのですが、時代の流れとともに自分たちでも回収する方へとシフトしていきました。しかし、いざ回収をしてみたら、社員から「●時に出たのに、まだ戻ってこない。Aさんはどこで何をしているのか」「あのコースなら11時には戻れるのに、Bさんはいつも昼休憩に合わせて11:50分ごろに帰ってくるなあ」と他者に対するネガティブな意見が次々と出てくる。
しかし、本当は一生懸命作業をしているにもかかわらず、遠回りしているためや、単純に効率が悪くて時間がかかっているのかもしれない。仮にサボっているとしても、一度、会社の外に出てしまえば、姿が見えないので本人に任せるしかありません。頑張っている人もいれば、手を抜いている人もいるかもしれない。しかしそれだと不公平だと思われ、社内での人間関係がギクシャクしてしまいます。
そこで、回収業務を見える化したり、標準化したりするために、何か役立つシステムはないかと探していたところ、SmartDrive Fleetに出会いました。
導入を検討されている時に、他社サービスとも比較されたとのことですが、SmartDrive Fleetを導入した決め手は。
大久保:運用に手間がかからないところと、アイドリングの情報をはじめ、様々なデータが取得できるところにもっとも惹かれました。
手間になる部分とは、デバイスの設置やシステム運用のことでしょうか。
大久保:全部です(笑)。すべてが自動で欲しいデータが取れるので、何の手間もかからない。これって本当に素晴らしいことなんです。比較していた企業と金額面は変わりませんでしたが、運用が簡単なところに魅力を感じ、SmartDrive Fleetに決めました。
ありがとうございます。実際に利用されてみて、どんな変化がございましたか?
福浦:データサイエンティストの西澤さんにあれこれと相談やお願いをしながら、試行錯誤をしている最中です。
現在は各拠点の責任者が日々、日報という形で各拠点の発出時間、積み込みにかかった時間など詳細なデータをまとめてレポート化しています。そしてこのレポートから、回収ルートを効率化できる方法も見えてきましたので、各営業所の社員たちも自分たちで見直したり改善したりしようと動きはじめました。
導入した目的の1つは、効率よく回収すること。そのためには、一台あたりの回収量を増やす必要があります。営業所によっては車両一台の稼働率を100%にして、余った車両は使用しないところもあり、この先、稼働率が低い余剰車両は手放すことも検討するなど、レポートをベースに各営業所で効率化できる方法を考えています。
大久保:回収に出て戻ってくる時間も格段に早くなりましたよね。
茨木:SmartDrive Fleetを導入する前に、「みなさんの走行データを取得します」とアナウンスしましたが、戻りの時間は早くなりましたし、良い効果が出ています。
ドライバーの反応は◎。手書き日報からの解放で余裕が出た
車両管理システムを導入する際に、現場のドライバーから監視されたくないなど反対の声は上がっていませんでしたか。
福浦:一部でそういうドライバーもいたかもしれませんが、私たちの元には反対意見が届いていません。
大久保:シガーソケットに挿すだけで簡単に始められるので、ドライバーに負担がかかるものではありませんしね。
茨木:車両管理システムのメリットを先に伝えたことが良かったのかもしれません。日報作成が自動化されるので手間が省けますよとか、自動でいつ・どこを走行したのかが記録されるし、業務も効率化できますよとか、安全運転も確認できるようになるとか。
大久保:運転スコアも「えー、安全運転したはずなのに、なんでこの点数なんだよ〜」なんて、ワイワイ言いながら楽しんで使っていますよ。
福浦:私もたまに運転するんですが、80点以上で走ることがどんなに大変か、身を以て体験しました。ですから、コンスタントに80点以上を取るドライバーは会社がしっかり評価してあげるべきだし、そうすることで運転への意識が変わり、仕事へのモチベーションも上がると考えています。
全国安全運転イベントにもご参加いただき、ありがとうございます。ぜひとも好成績を収められるよう頑張ってください!
大久保:自社だけでなく他社と一緒に安全運転に取り組めるのは、ドライバー同士の世界が広がって良いですよね。車両管理システムを導入しても、その時って自社のことしか考えていないでしょう。ですから、他社さんと一緒に取り組めるのは非常に素晴らしいチャンスだなって。
福浦:ただ、弊社は業務上、細かく発着を繰り返すのでハンディキャップが欲しいですね。プラス10点とか(笑)
茨木:日報を書かなくて良いというだけでも、時間的にも精神的にも余裕が出ますよね。
大久保:走行の記録もデータとして残るので一石二鳥です。
福浦:手書きだとドライバーによって書き方もバラバラになりますし、日報を見ても何が書いてあるのかわからないことがあって、すべてを把握しづらくて。今は営業所の協力で細かい地点登録をしたので、ほぼ抜けや漏れもありません。
茨木:外部の方からクレームをいただいても、何時にどこをどの車両が走っていたかがわかるので、後から検証ができます。
回収車には「大久保」の社名が入っていますか?
大久保:はい、記載しています。
お客様との会話の中で、車両に社名が入っているとクレームが本社へ届きやすいという話を伺いました。世間的にあおり運転に対する意識が高まっていますので、本人にはそのつもりがなくても、「あおり運転を受けた」と感じられた方からクレームがくるようです。
茨木:私はレポートの中でも急ブレーキの回数に注視しています。スピードを出し過ぎないこと、余裕を持った車間距離、この2つを守っていれば安全な運転を心がけていると認識しています。
福浦:運転スコアで高得点を獲得したいなら、車間距離をしっかり取らなければなりません。距離が近いとブレーキの回数が増えるし、静止するときも強く踏んでしまうから。
茨木:そこが一番重要ですよね、十分な車間距離は事故の抑止につながりますし。弊社が使用している車両は大型(パッカー車)ですから、乗用車がバックミラー越しに見たときに、煽られているという感覚を与えやすいんですよね。なので、なおさら車間距離をしっかりと取ることが重要です。
大久保:車両が大きいとそれだけで威圧感がありますからね。レポートは運転のクセがはっきりと可視化されるのがいいですよね。本人もどこに注意すべきかを理解しやすくなりますし。
福浦:急ハンドルが何回発生した、とかね。
大久保:客観的に自分の運転を振り返るために必要な情報が揃っているので、自然と気をつけようという気持ちになりますし、運転に関する指導もスムーズになりました。
自社向けのカスタマイズでより高精度なレポートを
レポートは大久保さま向けにカスタマイズした状態で提供していますが、もともとどのような要望を出されていたのでしょうか。
福浦:弊社で使用しているパッカー車は、積み込みの際に毎回エンジンを切らないんです。ですので、積み込みのポイントが明確に把握できるように、アイドリングや地点登録などを細かく抽出できるようにしていただきました。走行の開始と終了はエンジンのON/OFFで判定し、積み込みのポイントはアイドリングなどで判定しています。
大久保:今は3分以上のアイドリングで積み込みポイントを設定しています。
福浦:また、取引先が広大な敷地だった場合、積み込み作業が複数回発生してしまうのですが、そうすると同じエリア内で記録が余分に追加されてしまう。このようなケースは追加しないように設定をしてもらいました。
レポートは使いやすいですか?
福浦:一目で見て状況を理解できるので、非常に使いやすくて満足しています。弊社の要望に合わせて、日報のフォーマットに置き換えていますし。
大久保:日報のデータがたまると、月報にもなります。
運用を開始してから、レポートが出来上がるまで3カ月近くかかったそうで。
福浦:いざ初めてみると、「このデータもレポートに必要だ」と、次々に要望が出てきてしまって。
茨木:スマートドライブのご担当者様にも数多くのお願いをさせていただきました(笑)
福浦:「こうしてほしい」と頼んだのに、実際に整理すると必要がないとわかってナシにしてもらうこともありましたね。いつ、どんなときも丁寧な対応をしてくださるので、本当に感謝しています。
レポートは業務の効率化に役立っていますか。
福浦:もちろんです。ただ、これからデータが蓄積されていくという段階なので、さらに時間が経てばもっとさまざまな情報がわかり、それとともに改善策が見えてくると思います。
大久保:データをもとにした安全運転のランキングの運用もはじめていますし、さらに時間が経ってデータが貯まれば、ドライバーの特徴も詳細に見えてくるでしょう。
茨木:あとは、弊社側の運用体制をどのように構築していくかですね。
SmartDrive Fleetの強みを活かして、良い社内文化を構築したい
現在は業務効率化と安全運転に注力されていますが、この先1年後、御社が目指すべき姿は。
大久保:今はパッカー車のみに利用していますが、他の所有する車両全てで、SmartDrive Fleetを利用したいと考えています。全社員に対して同じ状況を作り、業務効率化をはかりながら、いずれは表彰制度などで社員をしっかりと評価する体制を作りたい。そして結果的に、安全運転の啓発につながっていけばいいなと。
福浦:平ボディ(荷台部分が平らな形状のこと)のトラックは、パッカー車のようにルート回収ではないため、運用方法を考えていかなくてはなりませんね。
車両管理システムを活用して様々なことに取り組みたいとのことですが、その根幹にはどのような思いがあるのでしょうか。
大久保:一番は交通事故をゼロにすること。また、これは導入のきっかけでもありますが、せっかく同じ会社で働いている仲間なので、みんなで協力し合い、助けあえる文化を作りたいのです。
たとえば、Aという現場に行ったら、回収量が多すぎて一人では積みきれないと思ったとしましょう。このとき、社内での人間関係がギクシャクしていると、ヘルプの電話も掛けづらくなってしまう。そこでもし、電話を1本もらうことができれば、リアルタイムで他の車両の位置情報を特定し、近くにいるドライバーにヘルプをお願いできるでしょう。そういった連携体制を増やすことができれば、社内の雰囲気も良くなるし、結果として業務効率も上がるはず。SmartDrive Fleetは高精度な位置情報を把握できるでしょう。その強みを生かして、社員同士が助け合いながら仕事ができるようにしたいのです。一人で対応しきれないと、積み残しが出て、お客様にご迷惑をかけてしまう事態にもなりかねませんから。
同業者様で、車両管理システムの活用されている企業様はいらっしゃいますか。
大久保:ちらほらとですが、自社で動態管理の仕組みを持っている企業はあるようです。ただ、他社だと出発・到着を毎回手で入力したり、急発進・急ブレーキなどのデータがとれなかったりして、私たちのように簡単かつ高度な運用まではできていないんじゃないでしょうか。
世の中には多くの動態管理システムが提供されていますが、ここまで簡単に使えるシステムはないと思いますね。
茨木:他社だと、ドラレコとかデジタコを使っている会社が多い印象です。
大久保:弊社でも過去にデジタコを使用していましたが、一台の車両を何人ものドライバーが利用するため、情報登録などが煩雑でうまく運用ができませんでした。SmartDrive Fleetは、わかりやすく誰でも簡単に運用できるので本当に助かっていますね。
選ばれる企業になるためにデータを最大限活用する
SmartDrive Fleetを活用した中長期的な目標について教えてください。
大久保:まずは事故を起こさないこと。それこそ、目に見えて分かりやすい成果ですから。
福浦:私の感覚的にはここ最近、事故もありませんし、安全運転のレベルは向上していると思います。1年後も同じような状態だといいですね。
茨木:ドライバーの意識が大きく変わり始めていると実感しています。
大久保:データは自社の資産となる非常に貴重なものですから、これからもしっかり蓄積して分析していきたいと考えています。私たちの業界は、成果の数値化が難しい業界です。しかし、事故だけは絶対に起こしてはいけませんから、運転の度合いが点数として数値化されるだけでも効果の有無を判断できます。まずは足元から着実に改善していきたいですね。
茨木:エンジンをかけたまま作業をするパッカー車からデータが取れること自体がすごいですよね。
大久保:車両管理システムを導入しているからと言って、古紙回収において明らかな競争優勢性があるとは言い難いですが、ツールの活用を通して、業務効率化や社員の成長を実現し、選ばれる企業になりたいと思っています。安全管理からルートの最適化、人材教育などに取り組むことは、企業としても大きなPRポイントです。
福浦:以前はよく、お客様から「何時頃に到着しますか?」という問い合わせがありまして。今はリアルタイムの位置情報がスマホでもパソコンでも分かりますので、「お近くにいますので、あと10分くらいで到着しますと」とスムーズな回答ができるようになりました。
お客さまから「何でわかるんですか?」と聞かれて、「GPSで管理しているためです」と返事をしましたよね。
大久保:そうなんです。つまり、データを管理することはサービス向上にもつながること。古紙の回収は弊社だろうが、他社だろうが、仕事の内容は変わりません。ならば、どのように差別化していくべきか。そこが企業の成長にとって重要な視点です。目指すのは全社員の意識を変え、モチベーションを高め、選ばれ続ける会社になること。また、急操作をしない運転はエコドライブにもなり、環境への負荷を減らします。せっかく古紙回収というリサイクル業に携わっているので、環境保全への意識も高めていきたいですね。
資料ダウンロードSmartDrive Fleet
導入事例をまとめてご紹介
SmartDrive Fleet を使って業務効率化や労務管理、
安全運転推進などを実現している成功事例をご紹介します。