車両管理システムが変える「運転の質」とは
昨今”働き方革命”や”生産性の向上”がさまざまな業界でさけばれています。それは社用車に関する業務についても同様。
「社用車や営業車の状況を管理したい」「配送ルートをもっと最適化して業務の効率をあげたい」「運転日報など事務作業をなるべく減らしたい」
このような目的で車両管理・動態管理ツールを検討する方が増えています。
弊社も「SmartDrive Fleet」というクラウド車両管理ツールを開発していますが、やはり業務効率化を図って導入の検討をいただく企業の方が多いです。
GPSで車両の位置を把握して業務をサポートしたり、走行履歴を基にルートの最適化をしたり、同じく履歴を基に運転日報の記録を自動化したり。もちろん車両管理ツールにはそのような機能がいくつもありますが、何も業務を効率化するだけが特徴ではありません。
少なくともSmartDrive Fleetでは2つの側面から安全運転の実現をサポートし、「運転の質」を向上できるサービスを目指しています。
3分でわかるSmartDrive Fleet
SmartDrive Fleet導入実績
SmartDrive Fleet は、アルコールチェック記録をはじめ「安全運転管理・法令遵守・DX」3つの観点から業務で車両を利用する企業の様々な課題をワンストップで解決できるクラウド型車両管理サービスです。簡潔にサービス概要をご紹介しています。
目次
安全運転の2つの側面
クラウド車両管理システム SmartDrive Fleetにおける安全運転とは、「交通事故を予防する」ことと「同乗者が不安や不快(車酔いしたり)にならないようにする」という2つを指しています。
このどちらか一方が重要というわけではなく、双方が重要であり、これらを合わせて「運転の質 = Quality of Driving」と定義。SmartDrive Fleetを通じてこの「運転の質」を少しでも向上できるように取り組んでいます。
社用車で交通事故を起こしてしまった場合、ドライバーの安全はもちろん同乗している社員や顧客にまで危害が及ぶかもしれません。それだけでなく、企業の社会的信用の低下やドライバーの精神的な傷など目に見えない損害を被ることもあります。もちろん金銭面のコストも大きいです。
交通事故が発生してしまった後に適切な処置をすることも重要ですが、まずは事前に事故がおきづらい環境を整えておくことが何より大切。もちろん、「そんなことは皆わかってる」はずですが、残念ながら事故はなくなりません(件数は減少傾向ににはありますが、平成29年度も50万件近くの交通事故が発生しています)。
ではどうすれば交通事故を防ぐことができるのか。そのひとつのカギは事故の原因となる「危険運転」を減らすことだと考えています。
以前紹介したように、交通事故の原因の約75%は安全不確認や脇見運転といった「安全運転義務違反」に分類されるものです。突発的な場合もありますが、このような危険な運転が日常的に繰り返されていることも。つまり、それまでは「たまたま事故にいたっていなかっただけ」ということがありえるのです。
運良く事故にはならなかったとしても、危険な運転を通じて同乗する社員や顧客に身体的・精神的な負荷をかけてしまうこともあるでしょう。それが必ずビジネスにおいて悪影響を及ぼすとは限らないですが、少なくとも運転が雑な社員に対して良い印象を持つ人はいないのではないでしょうか。
走行履歴から「危険な兆候」を事前察知
ここでネックになるのが、危険な運転をいかに事故につながる前に把握するかということです。
というのは本人が「自分は危険な運転をしている」と自覚していない場合、それを他の人物(例えば上司や同僚)が発見するのは非常に難しいからです。それこそ一緒に車に乗ってみないとなかなかわからないでしょう。そもそも運転に関する各自の考え方が違えば、明確な指標がない限り「何が安全で何が危険か」の線引きもやっかいです。
ではその危険な運転を「何らかの指標」で可視化できれば、この課題は解決できるのではないか。SmartDrive Fleetでは「走行履歴をもとにした運転診断 G-Force」というアプローチでこの課題に挑んでいます。
SmartDrive Fleetでは車のシガーソケットに専用のデバイスを差し込むことで、自動で車両の走行履歴を取得(特に強い重力がかかるような運転を詳細に診断)。このデータから「危険運転が発生した場所」「危険度合い(どういう運転だったのか)」を導き出します。また、それがスコアとして数値的にも表示されます。
これより、100%とは言えませんが「交通事故が起こる前」に対策をとるべき対象が見つけだすことができるようになります。一旦対象が絞れれば、なぜそのドライバーがそういった危険運転をしているのかという個別ヒヤリングに入っていくことができます。そこには単純に運転が荒いという以上の理由が潜んでいるケースも多々あります。まずはそこを突き止め、その原因に応じた対応が必要になります。
また、最近では個人・法人を含めてドライブレコーダーの需要が高まっているというのをメディアでも見かけますが、ドライブレコーダーの大きな特徴は事故時の映像をしっかり残すことで事故処理(過失割合の判断)の際に不利な扱いを防ぐことです。つまり、本質的には事故発生後に活躍するツールです。(安全運転サポート機能がついているものもあるので一概にはいえませんが)
一方でSmartDrive Fleetのような機能を備えた車両管理・動態管理システムは、事故を予防することにその真価を発揮します。
事故を減らす = コスト削減にもつながる
運転の質を高めることができれば、ドライバーを中心とした社員や、車に同乗する人たちの安全・安心を担保しやすくなります。そして結果的には、それがコストの削減にもつながるのです。
「社用車の交通事故、修理代の目安と自動車保険料への影響は?」でも紹介したように、事故の金銭的なコストとして、修理代はもちろんのこと、過失があった場合の相手への補償費用、そして入院などが生じた場合にはお見舞いのためのコストもあります。車の損傷には自動車保険を適用することもできますが、それによって保険等級が下がった場合は翌年から保険料が高騰しますし、保有車両台数が多い場合は多額な追加費用となってのしかかってきます。
また複数箇所を修理するとなると、修理代金も意外とばかにはできません。場合によっては単体でも10数万円かかった、なんてこともありえます(以下は修理代金の目安です。車種によっても大きく異なるので、もし修理が必要になった場合、まずは修理店舗に問い合わせてみてください)。
数字に出てこない「隠れた負担」
すでに触れたとおり、交通事故によって発生する負担は金銭的なものだけではありません。
・交通事故による社会的信用の低下
・(自社に原因がある場合)お見舞い金の発生や、お見舞いにかかる人的負担
・ドライバーの精神的な負担
・代車を手配する負担
・その他、関係者の業務負担やストレスの増加
また、社内関係者のみを巻き込んだ事故であったとしても、ドライバー本人だけでなく、その家族はもちろん、社内の経営陣や総務担当者など関係者においては、なぜそういった事故が発生してしまったのかをしっかり検証する責務があり、再発防止に取り組まなければいけません。事故を起こしてしまったショックでドライバーが辞めてしまうこともありえるでしょう。ただでさえ人手不足であるドライバーという仕事。防ぐことができたかもしれない事故によって貴重なリソースを失うのも大きな痛手です。
負担を減らすことで事故の原因をなくす
事故につながる「危険な運転」はドライバーの考え方によるものだけでなく、体調や精神面の状態が原因になる場合もあります。ニュースで報道されているようなものだと、長時間勤務が居眠り運転などを誘発し、事故を起こしてしまった場合などです。
これについてはまさに働き方改革や生産性の向上の話になりますが、ドライバーの業務負担を少しでもなくすこと、またキャパシティ以上の負担がかかっていることをいち早く察知する仕組みが必要です。
SmartDrive Fleetでは取得した走行履歴を元に運転日報の作成をサポートする機能があります。これを使えば毎回手書きで日報を書く作業はなくなります。ただし、これについては他の業務も含めて見直す必要があるでしょう。
またオンライン上ですぐに日報を確認できるようになれば、自分の同僚や部下にどれだけ負荷がかかっているかも把握しやすいです。運転スコアとも合わせて危険運転につながる兆候を少しでも早く察知することに役立ちます。
車両管理、動態管理システムが実現できること
ここまで紹介してきた通り、車両管理・動態管理システムは「運転の質」向上に役立つツールです。
もちろん動態管理機能を活用すれば、1日あたりに回れる営業先を増やすことや燃費を削減することなど、わかりやすい変化がでることもあります。これは動態管理システムの大きな特徴であることは間違いありません。
ただしこれまでは評価しづらかった「運転の質」を可視化することで、会社に大きな損害を及ぼす可能性のある事故に対して事前に対策を講じられるようになる。これもまた、動態管理システムの大きな可能性だと思うのです。
自社の運転の質を少しでもあげたい、そんな担当者の方はぜひSmartDrive Fleetをチェックしてみてください。