【記入例付き】安全運転管理者の届出方法や必要書類の取得方法について解説
「安全運転管理者を選任した後ってどのような手続きが必要なのだろう」
安全運転管理者を選任または解任、変更した場合、必ず届出を提出しなくてはなりません。この記事では、必要書類や提出先、提出しなかった場合の罰則など、安全運転管理者の届出に関する情報をまとめて解説します。
まるわかり!安全運転管理者編
SmartDrive Fleet導入実績
車両を一定台数以上保有であれば必ず選任が必要な「安全運転管理者」。安全運転を徹底していくために重要な安全運転管理者の選任基準や資格要件、その業務内容についてご紹介します。
目次
安全運転管理者の届出とは
⚫︎乗車定員が11人以上の自動車 1台
⚫︎その他の自動車 5台
※大型自動二輪車または普通自動車は0.5台として計算
※台数が20台以上40台未満の場合は副安全運転管理者を1人、40台以上の場合は20台を増すごとに1人の副安全運転管理者の選任が必要
上記の条件を満たす事業所は必ず安全運転管理者を選任し、選任した日から15日以内に事業所のある都道府県の公安委員会に届出を提出することが義務付けられています。(トラックやバス、タクシーなどの事業用自動車(緑ナンバー)を使用する事業所の場合、貨物自動車運送事業法第18条および旅客自動車運送事業運輸規則第47条の9により、運行管理者を選任します。)
参考:e-GOV法令検索- 道路交通法施行規則第9条の8、道路交通法施行規則第9条の11
参考:e-GOV法令検索-道路交通法第74条の3第1項、第4項、第5項
安全運転管理者の届出を提出するには
安全運転管理者の届出提出の流れ
- 安全運転管理者を選任したら、届出に必要事項を記入します。届出の書類は、警察庁のホームページ「安全運転管理者事務処理要網」より、PDFまたはExcelにてダウンロードできます。
- 必要書類を揃えます。下記の「安全運転管理者の届出に必要な書類」をご確認ください。
- 安全運転管理者の選任または解任の届出と必要書類を抜け漏れがないか確認してまとめ、提出します。
- 提出書類と届出の内容が確認され、不備がなければ受理および認定が完了します。完了後には管理者証を受領してください。
近年は安全運転管理者証の発行が廃止の傾向があります。これは、コロナの影響と手続きの合理化を図ることが目的ですが、都道府県ごとに異なりますので、事業所を管轄する警察署では発行されるのか確認しましょう。
参考:安全運転管理者証の廃止について - 宮城県警察
参考:安全運転管理者等に関する届出 - 大阪府警察
3パターンの届出方法
届出を提出する方法は地域によって異なりますので、提出前に必ず確認しましょう。
- 交通課の窓口へ提出
事務所の所在地を管轄する警察署の交通課へ直接、届出を申請します。受付時間は月曜から金曜の午前9時〜午後4時前後の警察署が多いですが、必ず確認をしてから訪れましょう。
- 郵送で送る
事務所の所在地を管轄する警察署の交通課あてに郵送で書類を送付します。重要書類となるため、確実に送れるよう、追跡可能な書留などを利用しましょう。
- オンラインで申請する
「警察行政手続サイト」から、オンラインでの申請が可能です。なお、青森県、山形県、埼玉県、石川県、岡山県、山口県、福岡県では警察行政手続サイトではなく、独自でオンライン申請が可能なサイトが用意されています。オンラインで申請する際は念のため、確認してください。
安全運転管理者の届出に必要な書類
都道府県により必要書類が異なる場合がありますが、届出と一緒に提出する書類は主に次の3点です。
運転管理経歴証明書
都道府県ごとにフォーマットが異なりますので、事務所所在地がある公安委員会のホームページで確認してください。
- 神奈川県「運転管理経歴証明書(記載例)」「運転管理経歴書(ワード)」
- 愛媛県「安全運転管理実務経歴証明書」
- 香川県「運転管理経歴証運転管理経歴証明書明書(PDF)」「運転管理経歴証明書(ワード)」「記入例」
- 福岡県「自動車の運転管理経歴書」
- なお、運転管理経歴が2年未満の場合は、安全運転管理者等資格認定申請書を提出します。
- 千葉県警察「安全運転管理者等資格認定申請書PDF」
運転記録証明書
3年間または5年間のもので届出前1ヶ月以内に発行されたものを用意します。
運転経歴に関する証明書は、自動車安全運転センターのホームページで申請方法と見本が確認できます。証明書の取得には警察署や交番、駐在所、自動車安全運転センター事務所に備え付けてある申請用紙に必要事項を記入し、交付手数料670円(1通あたり。消費税非課税)とともに申し込みます。証明書は郵便、またはセンター事務所で受け取ります。なお、インターネットからの申し込みも可能です。
運転記録証明書の見本
出典:自動車安全運転センター
※申請書は各都道府県により異なります。
公的身分証明書
戸籍抄本、住民票の写し(個人番号が未記載のもの)、マイナンバーカード、運転免許証など
なお、次の書類は必要に応じて取得してください。
居住証明書
やむを得ない事情によって住民票または運転免許証の住所と実際の住所が異なる場合、雇用者が該当の安全運転管理者等の居住を証明する書類。
勤務証明書
該当の安全運転管理者等が事務所の所在地から離れた場所(通勤圏外を除く)に住んでおり、事実としてそこから通勤している場合、雇用者が勤務の事実を証明する書類。
東京都の場合の書き方・記入例
安全運転管理者を選任する場合
安全運転管理者を解任または交代する場合
安全運転管理者を解任・事業所を閉鎖する場合
事業所の住所変更など、安全運転管理者に関する情報を変更する場合
届出を忘れた場合の罰則
安全運転管理者を選任しなかった場合の罰則
条件を満たしているにも関わらず、安全運転管理者の選任を行わなかった場合、安全運転管理者の選任義務違反として50万以下の罰金が科せられます。
安全運転管理者を解任したのに適切な対応を取らなかった場合の罰則
安全運転管理者が規定を守らず、安全な運転が確保されていないと認められた場合、公安委員会は解任を命ずることができますが、そのまま業務を続けるなど適切な対応が取られなかった場合、50万円以下の罰金となります。
なお、会社にも責任がある場合は行為者だけでなく、法人も罰を科されます。
参考:e-GOV法令検索-道路交通法第119条の2
参考:e-GOV法令検索-道路交通法第123条
安全運転管理者の選任をしたのに届出を提出しなかった場合の罰則
安全運転管理者を選任・解任したにもかかわらず、選任した日から15日以内に届出を提出しなかった場合、選任解任届出義務違反として、5万円以下の罰金を命じられます。
まとめ
近年は窓口へ届出を提出する手間を削減し、効率化を進めるためにオンラインで申請できるようになりました。届出を期日内に提出しなければ罰則の対象となりますので、速やかかつ確実に提出しましょう。