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アルコールチェック義務化に関する法律とは?企業が実施すべき対応策を解説!

アルコールチェック義務化に関する法律とは?企業が実施すべき対応策を解説!

この記事を読むと

  • 関連する法律の基本枠組みがわかる
  • 義務違反による罰則内容を理解できる
  • 企業が守るべき運用ルールを把握できる

アルコールチェック義務化の法律の原文が一部改正され、一定台数以上の白ナンバー車両を使用する事業者にも、アルコール検知器を用いたアルコールチェックが義務化されました。この記事ではアルコールチェック義務化の根拠となる法令文を改めて振り返り、内容や罰則を解説します。

以下記事ではアルコールチェック義務化を包括的に理解いただけます。当記事と併せてご活用ください。
【最新版】アルコールチェック義務化とは?対象者や罰則、チェック方法まで解説!!

アルコールチェック義務化とは?

アルコールチェック義務化は、特定の事業者に対して運転者の酒気帯び確認を法的に義務付ける制度です。

2023年12月1日から施行され、現在は条件を満たす緑ナンバー車両または白ナンバー車両を使用する事業者が対象になっています。企業内で選出された安全運転管理者はアルコール検知器を用いて運転前後に酒気帯びの有無を確認し、その結果を記録・保存する必要があります。

現行の制度は、2021年に発生した飲酒運転による事故を受けて強化されたものであり、企業は法令遵守とともに従業員の安全確保に努めることが求められています。

アルコールチェック義務化に関する法律

白ナンバーと緑ナンバーそれぞれに関するアルコールチェック義務化に関する法律をご紹介します。

白ナンバーに関するアルコールチェック義務化の法律の条文

運転しようとする運転者及び運転を終了した運転者に対し、酒気帯びの有無について、当該運転者の状態を目視等で確認するほか、アルコール検知器(呼気に含まれるアルコールを検知する機器であつて、国家公安委員会が定めるものをいう。次号において同じ。)を用いて確認を行うこと。

道路交通法施行規則 第二章の四 安全運転管理者等(安全運転管理者の業務) 第9条の10 第6号 | e-Gov 法令検索

前号の規定による確認の内容を記録し、及びその記録を一年間保存し、並びにアルコール検知器を常時有効に保持すること。

道路交通法施行規則 第二章の四 安全運転管理者等(安全運転管理者の業務) 第9条の10 第7号 | e-Gov 法令検索

白ナンバーに関するアルコールチェック義務化の流れ

白ナンバーの車両にもアルコールチェック義務化が科されるようになったのは、2021年6月に千葉県八街市で起きた事故がきっかけです。下校中の小学生の列に飲酒運転のトラックが突っ込み、5人が死傷しました。

ドライバーが運転していたのは白ナンバーのトラックで、当時はアルコールチェックが義務付けられていませんでした。また、該当のドライバーが所属する事業者は安全運転管理者を選任していませんでした。

このような飲酒運転による事故を撲滅することを目的に、道路交通法施行規則が改正され、事業で使用する白ナンバーの社用車にも安全運転管理者による運転前後のアルコールチェックと測定値の記録・保管が義務付けられました。

2021年11月

「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令」が公布され、2022年より業務で運転を行うドライバーに対し、運転前後の飲酒の有無を確認することが義務付けられました。

2022年4月〜

道路交通法改正に伴い、事業で使用する白ナンバーの社用車・営業車を一定台数以上使用している企業や事業者に対して、当該ドライバーの酒気帯びの有無を目視などで確認し、その内容を記録することとされました。

2022年10月〜

アルコール検知機を用いたアルコールチェックの義務化が開始予定でしたが、半導体不足やコロナ禍の物流停滞などにより、延期されました。

2023年12月

2023年6月に警察庁から『「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令案」に対する意見の募集について』という掲題にてパブリックコメントが募集され、2023年12月より正式にアルコールチェック義務化の開始が発表されました。アルコール検知器を用いた酒気帯びの確認が必須化されました。

緑ナンバーに関するアルコールチェック義務化の法律の条文

旅客自動車運送事業者は、アルコール検知器呼気に含まれるアルコールを検知する機器であつて、国土交通大臣が告示で定めるものをいう。以下同じ。)を営業所ごとに備え、常時有効に保持するとともに、第一項及び第二項の規定により酒気帯びの有無について確認を行う場合には、運転者の状態を目視等で確認するほか、当該運転者の属する営業所に備えられたアルコール検知器を用いて行わなければならない。

旅客自動車運送事業運輸規則 第2章 事業者(点呼等) 第24条 第4号 | e-Gov法令検索

旅客自動車運送事業者は、第一項から第三項までの規定により点呼を行い、報告を求め、確認を行い、及び指示をしたときは、運転者等ごとに点呼を行つた旨、報告、確認及び指示の内容並びに次に掲げる事項を記録し、かつ、その記録を一年間(一般貸切旅客自動車運送事業者にあつては、その内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。第二十六条第一項において同じ。)を三年間)保存しなければならない。
 一 点呼を行つた者及び点呼を受けた運転者等の氏名
 二 点呼を受けた運転者等が従事する運行の業務に係る事業用自動車の自動車登録番号その他の当該事業用自動車を識別できる表示
 三 点呼の日時
 四 点呼の方法
 五 その他必要な事項

旅客自動車運送事業運輸規則 第2章 事業者(点呼等) 第24条 第5号 | e-Gov法令検索

黒ナンバーに関するアルコールチェック義務化の法律の条文

貨物自動車運送事業者は、アルコール検知器(呼気に含まれるアルコールを検知する機器であって、国土交通大臣が告示で定めるものをいう。以下同じ。)を営業所ごとに備え、常時有効に保持するとともに、前三項の規定により酒気帯びの有無について確認を行う場合には、運転者の状態を目視等で確認するほか、当該運転者の属する営業所に備えられたアルコール検知器を用いて行わなければならない。

貨物自動車運送事業輸送安全規則 第2章 貨物自動車運送事業 第1節 貨物自動車運送事業者が遵守すべき事項(点呼等) 第7条第4号 | e-GOV法令検索

貨物自動車運送事業者は、第一項から第三項までの規定により点呼を行い、報告を求め、確認を行い、及び指示をしたときは、運転者等ごとに点呼を行った旨、報告、確認及び指示の内容並びに次に掲げる事項を記録し、かつ、その記録を一年間保存しなければならない。
 一 点呼を行った者及び点呼を受けた運転者等の氏名
 二 点呼を受けた運転者等が従事する運行の業務に係る事業用自動車の自動車登録番号その他の当該事業用自動車を識別できる表示
 三 点呼の日時
 四 点呼の方法
 五 その他必要な事項

貨物自動車運送事業輸送安全規則 第2章 貨物自動車運送事業 第1節 貨物自動車運送事業者が遵守すべき事項(点呼等) 第7条第5号 | e-GOV法令検索

緑ナンバー(運送業)車両は、2011年からアルコールチェックが義務付けられています。

国土交通省は、事業用自動車における事故削減を掲げ、事業用自動車に係る総合的安全対策委員会によりまとめられた『事業用自動車総合安全プラン2009』を踏まえ、旅客自動車運送事業運輸規則(1956年運輸省令第44号)および貨物自動車運送事業輸送安全規則(1990年運輸省令第22号)、関係通達の一部を改正しました。

その中で、2011年5月より、点呼時に酒気帯びの有無を確認する場合には、目視等で確認するほか、アルコール検知器を用いてしなければならないことと明記しています。(旅客自動車運送事業運輸規則及び貨物自動車運送事業輸送安全規則の一部改正)。

事業用自動車の運転者の飲酒運転を根絶する目的で、バスやタクシー、トラックなどの運送業など、有償で人や物を運ぶ事業者(緑ナンバー)に対しては、2011年5月よりアルコールチェックが義務化されたのです。

法律で定められた記録すべき8つの項目

アルコールチェック義務化において、法律で定められた記録項目は8つあります。

運転者の氏名

アルコールチェックを行った運転者の名前をフルネームで記入します。

確認者の氏名

記録に立ち会った安全運転管理者、または副安全運転管理者の氏名を記入します。

運転者が使用する自動車の登録番号

運転者が使用する車のナンバーを記入します。

確認の日時

アルコールチェックを実施した日にち・時間・曜日を記入します。

確認の方法(検知器の使用有無など)

アルコール検知器の有無や対面・非対面などアルコールチェックをどのように行ったのかを記入します。対面でない場合は、「Zoom」や「スマホでの通話」など具体的な実施方法も記入しましょう。

酒気帯びの有無

アルコールチェックを行って酒気帯びだったか否かを記入します。

運転者への指示事項

酒気帯びの有無以外に、体調不良など運転者に異変を感じた際は、必ず指示事項を書きましょう。

その他必要な事項

記録を管理する上で、その他に必要な事項があれば記載します。記載される事項の例として、アルコールチェックを行った場所や使用検知器のシリアルナンバー、天候、運転者の健康状態などがあります。

アルコールチェックをしなかった場合、義務違反があった場合の罰則

アルコールチェックをしなかった場合や義務違反があった場合に科される罰則をご紹介します。

アルコールチェックに関する罰則

アルコール検知器によるアルコールチェックを怠っていた場合、安全運転管理者の義務違反に該当します。道路交通法などの法律には、直接的な罰則については現時点で設けられていませんが、安全運転管理者の義務違反が著しいと判断された場合、公安委員会より、安全運転管理者の是正措置命令や解任が命じられ、これに従わなかった場合、命令違反に対する罰則が科されるおそれがあります。(道路交通法第74条3第5項

また、アルコールチェックを行わず、運転者が業務中に飲酒運転を行った場合は、道路交通法の酒気帯び運転等の禁止違反として、代表者や運行管理責任者などの責任者も、5年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されるおそれがあります。(道路交通法117条の2第1号)場合によっては刑事責任が科される場合があるだけではなく、企業のマネジメント不足として、社会的信用を失う事につながりかねません。万全な体制を整えておきましょう。

出典:警視庁HP

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酒気帯び運転・飲酒運転罰則

行政処分上、飲酒運転は次の3つに分類されています。

  1. 酒酔い運転(※) ・・・基礎点数は35点
    点数制度上、35点は前歴0回の人で免許取り消し処分(欠格期間3年)
  2. 酒気帯び運転(基準値:呼気1ℓ中のアルコール濃度が0.25mg以上)・・・基礎点数は25点
    前歴0回の人で免許取り消し処分(欠格期間2年)
  3. 酒気帯び運転(基準値:呼気1ℓ中のアルコール濃度が0.15mg以上0.25mg未満)・・・基礎点数は13点
    前歴0回の人で90日間の免許停止処分

出典:みんなで守る「飲酒運転を絶対にしない、させない」|警察庁Webサイト

飲酒運転に対する罰則

飲酒運転に対する罰則は、運転者だけでなく車両等を提供した者および酒類を提供した者または同乗した者にも科せられます。

車両等を運転した者(運転者)

  • 酒酔い運転をした者は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金
  • 酒気帯び運転をした者は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金

車両等を提供した者(事業所、管理者)

  • 運転者が酒酔い運転をした場合、5年以下の懲役または100万円以下の罰金
  • 運転者が酒気帯び運転をした場合、3年以下の懲役または50万円以下の罰金

酒類を提供した者、または同乗した者

  • 運転者が酒酔い運転をした場合、3年以下の懲役または50万円以下の罰金
  • 運転者が酒気帯び運転をした場合、2年以下の懲役または30万円以下の罰金

関連記事:自転車の酒気帯び運転が罰則対象に!企業に必要な対応まるわかりガイド
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対象企業が対策すべきこと

アルコールチェッカーの設置・メンテナンス

アルコールチェック義務化に対応するには、各事業所に国家公安委員会が公式に認定したアルコールチェッカーを設置し、常時、正常に機能する状態を保つ必要があります。

国家公安委員会が定めた要件とは、呼気中のアルコールを検知できること、酒気帯びの有無または濃度を警告音・警告灯・数値表示のいずれかで示す機能が備わっていることです。

アルコールチェッカーの説明書に記載された耐用年数や使用上限を事前に確認し、日々、使用前に点検を行い、検知できることを確認したり、メンテナンスを実施したりするなど、確実に使用できる状態を維持しましょう。

安全運転管理者の選任

アルコールチェック義務化の対象となっている企業は、必ず安全運転管理者を選任しなくてはなりません。対象となるのは、次の条件を満たした事業所です。

・定員11人以上の自家用自動車を一台以上使用している事業所
・5台以上の自家用自動車を使用している事業所
なお、原動機付自動車を除き、自動二輪は1台につき自動車0.5台として計算する。

また、20台以上の自動車を使用して業務を行っている場合、安全運転管理者のほか、副安全運転管理者も選任しなくてはなりません。安全運転管理者の未選任は選任義務違反として50万円以下の罰金が科されます。

記録と保管体制の構築

法令遵守のために、アルコールチェックを実施したら必ず正しい計測結果を抜け漏れなく記録し、適切に管理しなくてはなりません。

紙に手書きで記入する場合、改ざんや誤記入、記入漏れをする可能性があるため、誰がどこへどのように管理するかを明確にして保管する必要があります。

不正防止のためには、クラウド型アルコールチェックサービスがおすすめです。AI顔認証による本人確認ができるもの、自動で計測結果を記録するものなどがあり、一元管理で管理者とドライバーの業務負担を軽減します。

就業規則の見直し

確実にアルコールチェックを行うには、就業規則の見直しも行いましょう。就業規則や社内規定は、会社と従業員間で守るべき労働条件やルールを明文化したもので、労使間のトラブルを防ぎ、業務をスムーズに運営するために策定するものです。

直行直帰の場合はどのような対応になるか、確認者は誰か、どのチェッカーでどのように記録するのかといったアルコールチェックの明確なフローに加え、酒気帯びと判定された場合にどのような手順を受け、どのような罰則を受けるのかなど、円滑に運用できるルールを盛り込みましょう。

社内への教育

飲酒運転を防止するには日常的なアルコールチェックのほか、「飲酒運転をしない・させない」を全従業員に周知させることが重要です。定期的に研修を行い、飲酒運転による事故の実例を挙げて飲酒運転が及ぼす影響や罰則などのリスク、なぜアルコールチェックが必要なのかを理解させ、会社全体で安全運転意識を高める取り組みを実施しましょう。

アルコールチェック保存期間

アルコールチェック記録簿は、法令に基づき、緑ナンバーでも白ナンバーでも1年間の保存が義務付けられています。この期間中は、運転者のアルコールチェックの結果や確認内容を適切に管理し、必要に応じて迅速にアクセスできる状態を維持することが求められます。先述した8つの項目の記録と保存ができれば、基本的に紙でもデータでもどちらでも問題はありません。

アルコールチェックを正しく実施するポイント

業務目的の運転者が対象となる

アルコールチェックは、トラックで荷物を運ぶ、営業車で顧客訪問をするなど、業務で車両を使用するすべての従業員が対象です。

運転前後に2回実施

アルコールチェックを実施するのは、運転前と運転後の2回です。運転前は酒気帯びの有無を、飲酒後は業務中に飲酒運転をしていなかったことを確認するために実施します。必ずしも乗車直前・直後である必要はなく、業務開始時の出勤時、業務終了時の退勤時に実施すれば問題ありません。

安全運転管理者が対面で行う

計測ミスや記録の改ざん、なりすましを防止するために、原則としてアルコールチェックは安全運転管理者が対面で行うことになっていますが、直行直帰などで対面が困難な場合、ビデオ通話などを利用し、表情や声の調子など、対面時と同じように確認できる体制を作りましょう。

まとめ

緑ナンバー、白ナンバーともに、アルコール検知機を用いたアルコールチェックは法律で義務付けられています。未実施だった場合、企業が責任を問われることになり、社会的な信頼も損なうおそれがあります。アルコールチェックを確実に実行し、飲酒運転撲滅と安全運転を徹底しましょう。

筆者紹介

株式会社スマートドライブ
編集部

株式会社スマートドライブ編集部です。安全運転・車両管理・法令遵守・マイカー通勤管理についてわかりやすく解説します。株式会社スマートドライブは、2013年の創業以来、「移動の進化を後押しする」をコーポレートビジョンに掲げ、移動にまつわるモビリティサービスを提供しています。SmartDrive Fleetは、2,000社以上への導入実績があり、車両に関わる業務の改善や安全運転の推進などに役立てられています。また、東京証券取引所グロース市場に上場しています。 SmartDrive Fleetは情報セキュリティマネジメントシステム適合性評価制度「ISMS認証(ISO/IEC 27001:2013)」を取得しています。

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