【テンプレート付き】工事・通勤用車両届に必須!運行経路図の書き方を解説
現場での作業中や移動中、通勤途中など、車で移動していたときに、もしも事故に遭遇したら…?
万が一の事故が起きた際、責任の所在について確認するために必要とされる書類が、「工事・通勤用車両届」です。本記事では、工事・通勤用車両届とともに、運行経路図の書き方を詳しく説明します。
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目次
運行経路図とは
運行経路図は、建設業界において、工事や通勤用の車両を使用する際に提出する「工事・通勤用車両届」と併せて提出が必要な書類で、出発地からどこを経由してどの現場に向かうのかを地図上で記した図のことを言います。特に、ダンプカーや生コン車、廃棄物運搬車などの車両を保有・使用する際は、工事・通勤用車両届と運行経路図の提出が必須です。
工事・通勤用車両届とは
工事・通勤用車両届とは、資材を積んだトラックや生コン車など、工事現場に入っている工事車両や現場に向かう車両を管理するために必要な安全書類(グリーンファイル)のことです。一次下請けをはじめ、車両を使用するすべての協力会社がそれぞれに提出しなくてはなりません。
現場での作業中や通勤途中など、車を使用する際は必ず事故のリスクが伴います。万が一の事故が発生した際に、その責任の所在を明確にしなくてはなりませんが、その際にグリーンファイルの提示が必要になります。グリーンファイルとは、建設現場において現場で働く人々の安全を守るために必要となる書類で、工事の体制、作業員の情報、安全面での取り組みなどを記載します。工事・通勤用車両届は、車両1台ごとに作成し、提出時には加入している任意保険の保険証券のコピーを添付します。
工事・通勤用車両届の正式名称は「参考様式第8号工事通勤用車両届」で、記入すべき項目が決まっています。書式自体が異なったとしても、記入すべき項目は変わりません。
日付
工事・通勤用車両届を提出する日付を記入します。
事業所の名称
工事を行う場所や工事の名称を記入します。
所長名
元請けの現場代理人を記入します。
一次会社名
工事・通勤車両届を提出する会社名を記載します。
使用会社名
自社の会社名を記入します。
現場代理人
自社に所属する現場責任者の氏名を記入します。
使用期間
車両が現場に入る期間を記入します。
所有者氏名
車両の所有者の氏名を記入します。会社が所有している場合は、「社有車」と記入します。
安全運転管理者氏名
自社における安全運転管理者の氏名を記入します。
車両
型式・車両番号・車検期間を記入します。
運転者
運転者の欄には、免許証に記載されている情報(氏名・住所・生年月日・免許の種類・免許番号)を記入します。
自賠責
自動車損害賠償責任保険証明書に記載された情報(保険会社名・証券番号・保険期間)を記入します。
任意保険
任意保険証明書に記載されている情報(保険会社名・証券番号・対人限度額・対物限度額・搭乗者限度額・保険期間)を記入します。任意保険証明書は提出の際に必ずコピーが必要です。
運行経路
出発地から現場までの経路を簡易的に記入します。この経路の詳細がわかるように、運行経路図を作成し、併せて提出します。
会社から車で移動する場合の記入例
会社(◇◇)→◯◯通りの「△△停留所」を右折(およそ5分)→□□中学校校門前を通過し、○○通りを□□方面へ直進(およそ15分)→△△事業所へ到着(およそ30分、移動距離は17キロ)
ポイントは、道順、通過する道路にある目印(建物名、通り名)、通勤距離とおおよその所要時間を記すことです。
運行経路図の略図、3つの書き方
1. 手書きで書く
運行経路図は手書きで略図を書くこともできます。その際は一目で位置と経路が把握できるよう、以下のポイントを押さえましょう。
東西南北を明確に記す
上を北に下を南に、位置関係がはっきりとわかるようにします。地図は細かい道を省略し、大通りや経路で使用する道路をメインにすると手書きでもシンプルでわかりやすくなります。
わかりやすい目印を作る
事務所のほか、駅や市役所、大型ショッピングモールなど、特徴的な建物や施設を記載します。
通行する経路にマーカーなどでなぞる
色がはっきりしている赤や蛍光色でなぞると、直感的に把握できるようになります。
2. エクセルで書く
フリーダウンロードできるExcelをもとに作成する方法です。工事・通勤用車両届と併せて運行経路図のフォーマットがあり、記入例や注意点についてもコメントで記載されているため、使いやすいのがポイントです。
株式会社丸本組の運行経路図Excelテンプレート
非常にベーシックな工事・通勤用車両届と運行経路図のフォーマット。
何を・どのように書くべきか、ポイントが赤字で記載されています。
佐田建設株式会社の運行経路図Excelテンプレート
略図の具体的な記載例が描かれているため、参考にしながら作成することができます。
3. Google Mapを使用する
プライベートでもよく活用されているGoogleマップを使用して作成する方法です。まず、PCでGoogleマップを開き、住所(行き先)を入力します。
その後、虫眼鏡マークの横にある「ルート」と表示されるアイコンをクリックすると、移動手段を選択できるようになります。車を選択すると、複数の経路と所要時間が表示されるので、選択をしましょう。この地図をキャプチャで撮る、または紙に印刷することで、簡単に経路図が完成します。
Google Map以外にもYahoo!地図や地図マピオン、NAVITIME などのオンライン地図サービスがありますので、普段から使い慣れているもの、見やすいものを選んでご使用ください。
SmartDrive Fleetを使用した運行工程の作成
SmartDrive Fleetはクラウド型の車両管理システムで、車両とドライバーに関するすべての情報を一元管理し、法令遵守、安全運転支援、業務・営業活動の効率化を促進する機能が搭載されています。
運行工程の機能では、1日の運行計画を車両ごとに作成するほか、各ドライバーのその日の訪問地点・時間・走行ルートをタイムラインで確認することが可能です。行き先と所要時間、走行距離、運行経路が自動で表示されるため、手間をかけることなく、誰が見ても一目でわかる運行経路図を作成できます。
また、運行工程表を作成する際に、利用する車両を設定していただくことで、車両予約との紐付けも可能です。運行工程は、アルコールチェックを含む業務記録と併せて簡易日報として出力し、ご活用いただくこともできます。
建設業界でのSmartDrive Fleetの活用事例
東北エリアで建設土木業を展開しているA社様。車両管理チームでは主に動産管理を、整備チームでは現場で故障した重機の修理などを行っていますが、それぞれの部署や業務に合わせて活用されています。
車両管理チームにおける導入後の成果
- 現場から至急の要請があった際、位置情報を即座に把握し、迅速にフォローなどの対応ができた。担当エリア外へ向かう場合も、位置情報が把握できることでドライバーも管理者としても安心できる。
- リアルタイム機能により、無駄な連絡がなくなり、連携がとりやすくなった。
- 管理台数が多いが、動産管理機能ですべての車両の情報が一元管理できる上、リマインダーがついているため車検の更新が近づいたことが漏れなく認識できる。導入前はExcelで車検一覧表を作成・管理していたが、手作業で煩雑だった。現在は段取りよく手配できるようになり、作業効率化につながっている。
- 重機の稼働実績や正しい回転率が可視化されたことで、稼働状況・予約状況と合わせた適切な運用が実現している。
整備チームにおける導入後の成果
- 故障した重機の修理に向かう際、明確な位置情報が特定でき、車両のオンライン・オフライン表示によって使用の有無がわかるため、適切なタイミングで整備に取り掛かれるようになった。無駄がなくなり、効率化できたことで、コンスタントに作業できるようになった。
- リアルタイム機能で停車中・走行中がわかるため、状況に合わせて柔軟に計画を変更できるようになった。
- 総合的な稼働時間のデータを基に、部品の劣化や消耗具合を確認する予防点検スケジュールを組めるように。故障件数が減り、現場作業が止まる時間がなくなった。
- 走行距離がいつでも把握できるので、点検のタイミングが捉えやすく、車両の状態管理がしっかり行えている。
すべての情報を取りまとめ、データをデジタル化したことで、ヒューマンエラーを軽減し、余裕を持った運用ができるようになったというご担当者さま。また、リース車両と故障車両が大幅に削減でき、メンテナンスが行き届くようになっています。さらに、巡回ルートの計画が立てやすくなり、総合的に業務効率化ができたと喜びの声もいただきました。
運行記録から、日報、リアルタイム機能、安全運転支援、動産管理に至るまで、業務で必要な機能を幅広く搭載しているSmartDrive Fleet。業務にまつわるさまざまな課題を解決します。無料のデモ体験もできますので、ぜひ、お気軽にお問い合わせください。