追跡や監視機能だけじゃない!どんなシーンでもメリットだらけの動態管理
「高度な運行管理を実現したい」「リアルタイムで車両の状況を把握したい」
そう思っている管理者の方も多くいるのではないでしょうか。
リアルタイムで車両の動きがわかる動態管理は、GPS機能を利用して車両の現在地を確認したり、危険運転情報を取得してアラートを出すことができます。車両の位置が見える化できれば、業務の改善にも繋がることでしょう。今回は動態管理のしくみやそもそもどんなことが改善できるのかをお伝えします。
3分でわかるSmartDrive Fleet
SmartDrive Fleet は、アルコールチェック記録をはじめ「安全運転管理・法令遵守・DX」3つの観点から業務で車両を利用する企業の様々な課題をワンストップで解決できるクラウド型車両管理サービスです。簡潔にサービス概要をご紹介しています。
目次
動態管理のしくみ
動態管理とは、車両やドライバーの位置情報や作業状況をリアルタイムで取得し、管理することを言います。最近ではスマホやタブレットに当たり前のように搭載されているGPS機能。動態管理はこのGPS機能を元に車両の位置を把握して荷物の到着予想時間を割り出したり、配送スケジュールや運行管理を行っています。そして、この動態管理機能を備えているのが動態管理システムです。
ところで、ご存知の方も多いと思いますが、GPSとはグローバル・ポジショニング・システムの略で、人工衛星からの電波によって現在の位置情報が取得できる仕組みです。アメリカ合衆国によって、航空機・船舶等の航法支援用として開発されたシステムで、上空約2万kmを周回するGPS衛星(6軌道面に30個配置)、GPS衛星の追跡と管制を行う管制局、測位を行うための利用者の受信機で構成されています。
日本の準天頂衛星システム「みちびき」は、様々な分野のIT活用において大きな変化をもたらすと予想されているとともに、現在地を割り出す測位の精度も大幅に高くなるとも言われています。日本では今までに打ち上げられたこれら4機の人工衛星システムにより、2018年から本格的な運用が始まります。本格始動が始まれば、今後さらに精度の高い動態管理が期待できるようになるでしょう。
動態管理の機能と導入方法
動態管理では、リアルタイムで位置情報を取得できるだけではなく次のような機能を備えた上で業務の効率化を行います。
・ドライバーの走行データを記録・蓄積
・悪天候や道路状況などを把握した管理者が即時にアラートや注意を促すことができる、高度なメッセージング機能
・配送計画作成機能
・各ドライバーの運転日報自動出力機能
・作業状況や到着時刻の管理機能
・車両管理機能
上記のような機能を備えた動態管理のシステムには、専用のソフトや機器を導入せずにGPSが搭載されたスマホを利用するもの、シガーソケットやOBDポートに差し込むデバイスを使用するもの、ドライブレコーダーやデジタコと共用型のものという、3タイプがあります。
専用の動態管理システム単独で導入
車両に動態管理システム用の専用車載器を装備し、営業所では動態管理を行うための専用ソフトウェアをパソコンに導入するタイプです。専用車載器にはGPS機能、携帯電話のデータ通信機能、データ保存機能などが搭載されています。
専用システムは企業ごとの業務にカスタマイズして導入するため使い勝手を良くしやすい一方、開発期間やコストが大きくなりがちで、車載機器の設置工事のために業務を中断する必要があったりなど、導入までの工数はかかりがちです。
デジタコやドラレコのオプションとして導入
GPS搭載したデジタルタコグラフやドライブレコーダー末端に動態管理用のソフトウェアを追加。ただし、回線契約(携帯電話回線とインターネット) 専用システムと同様、携帯電話回線の契約とインター ネット契約が必要です。主目的はデジタコやドラレコの導入で、プラスアルファで動態管理も導入するというケースが多いかと思います。
スマホやタブレットを使用の上で導入
AndroidやiPhoneのアプリが使用できるスマホやタブレットに専用アプリを導入。そしてそのアプリで取得した情報をブラウザ上などで確認するようなクラウドサービス。こういったアプリのみで行う動態管理は、導入工数やランニングコストの面で優れている一方、取得できるデータの種類や精度においては上述のシステムほどではないケースが多いようです。
2017年は経済産業省でトラック事業者と荷主との共同による輸送の効率化を実証する事業において、荷主との連携を要件にトラック事業者の車両動態管理システムの導入に要する経費(設備費)の一部を補助する公募がありました。2018年度も、国土交通省と経済産業省との連携事業として実施しているクラウド型車両動態管理システムの導入費用の1/2の補助、メモリーカード型の導入に1/3の補助を継続するとしています。動態管理の導入を迷っている場合はこうした補助金の制度もうまく活用してみてもいいかもしれません。
動態管理のメリットとデメリット
動態管理を行うことで何が変わるのでしょうか。
動態管理を行うと、管理者とドライバーがリアルタイムで連携を取ることができるため、業務の効率化が進みます。動態管理の特徴である「状況と走行ルートの見える化」によって、管理者だけではなく、管理者、ドライバー、顧客(荷主)の三者間にメリットが享受されるのです。
管理者
・最短配送ルートを計算するなどの業務の効率化を図ることができ、大幅なコスト削減が見込める。
・ドライバーが今・どこにいるかわかるため、流動的に変化する天候や道路の状況によって的確な指示が出せる。
・動態管理で蓄積された記録を分析することにより、効率の良い配送ルートが抽出できるようになる。そうすることで業務効率も上がり、売上アップも可能に。
・無駄な事務作業がなくなり、残業が減る。
・働き方の見直しができ、生産性の向上へつながる。
ドライバー
・リアルタイムで状況がわかるため危険を回避でき、安全運転を意識するようになる。
・効率のいい配送ルートにより、稼働時間の短縮ができる。
・走行ルートや作業内容が簡単に記録でき、運転日報もデータを出力することで手軽に作成できる。
顧客(荷主)
・手待ち時間の見える化や荷物の到着時間がタイムリーにわかるため、安心して依頼できる。
・現在位置を共有している場合、急な集荷依頼のお願いができる。
動態管理システムを入れてただ管理だけをするだけではなく、蓄積したデータを分析してどのように生かしていくかによって、上記のようなメリットが多く得られるようになるでしょう。
唯一のデメリットとして、ドライバーから「作業中、ずっと監視をされているみたいで窮屈だ」という声が上がるかもしれませんが、動態管理は監視ではなくドライバーの安全を守り業務を効率化するためのものだということ、そして、安全運転かつ効率的な業務をできているドライバーをちゃんと評価するしくみも一緒に導入すれば、「GPS = 監視」という概念や不安を払拭していくことができるのではないでしょうか。
事例別に利用シーンや目的別で導入を考える
どのような場合に動態管理が役立つか、利用シーンや目的別に見ていきましょう。
業務の大幅改善、作業の効率化
急な天候の変化や災害は、誰しもが想像できないもの。道路の状況が悪く荷物が予定時刻に到着しないと、管理者も顧客側も不安になりますよね。そんな時にドライバーと荷物の状況がわからない状況が長く続くと混乱を招くことも…。いつでもどこでも居場所や状況がわかれば、早急な判断と対応が可能です。
全体の輸送費はいくらぐらいかかっていますか?実は無駄にかかっていたコストの原因や要因がわかれば、大幅なコスト削減につながるのです。
勤務時間は長いのに業務効率が良くならない。そうした問題を抱えている事業者の方は動態管理を導入することで、どこに原因があるのか、何を改善すればいいのかが”可視化”され、こうすればいいんじゃないかという想像ではなく適切な改善策を練ることができます。
動態管理で取得した情報を活かし、どのような視点で分析すべきかを株式会社ムジコ・クリエイトの野藤さんに伺いました。データは蓄積するだけではなく分析することで有効活用できるのだとか。無事故・無違反を目指したい管理者の方は必見です。
業種・職種別による導入メリット
2015年、介護保険を請求した336,602の事業所(総数)のうち、指定取消・効力の停止処分となった施設や事業所数は227件にのぼり、過去最高を記録した介護業界。動態管理によって在籍するスタッフ一人ひとりの訪問実態の記録を正式なエビデンスとして提出すれば、不正や虚偽がないことを証明でき事業所の経営リスクも低減することでしょう。
動態管理システムを導入したいという方は
動態管理を行うには、専用のシステムやデバイスを導入が必要です。スマートドライブが提供している「SmartDrive Fleet」は初期費用の安さと豊富な機能が特徴。営業・運送車両などをリアルタイムに走行状況を把握し、ドライバー1人ひとりの運転診断から運転の癖や特徴を知ることができます。同社の運転診断「G-Force」は、従来の車両管理システムでは提供されないような詳細は運転傾向をビジュアライズすることで、個々のドライバーの安全運転向上をサポートしています。
また、走行データはすべて自動で記録されるので、日報を作成するのもワンタッチで出力するだけ。ドライバーの負担も減らし、日々の業務の簡略化に力を入れています。