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「所有から利用へ」今こそ期待されるオートリース –車両管理システムを活用し、企業独自の価値を提供する方法

リーマンショック以降も堅調な成長が見込まれているオートリース市場。その理由は「所有から利用」へと生活様式が変化する中でのマイカーリースサービスの利用者増や、中小規模の事業者での法人車両のリース率の増加にあります。

一方で、オートリース事業は他社と差別化を図りにくいという現状があり、収益を上げる為に「自社独自の強み」をどのように確立していくのか?オートリースサービスに期待される真価について解説します。

「所有から利用へ」今こそ期待されるオートリース –車両管理システムを活用し、企業独自の価値を提供する方法

オートリース業界の現状

日本においてオートリース(カーリース)が産業として立ち上がったのは1963年。日本リース・インターナショナルが設立されたことを契機に、法人が車両をもつ手段として成長してきました。JALA(一般社団法人日本自動車リース協会連合会)によると、1973年の全国のリース車保有台数は6万台弱でしたが、1990年には110万台を突破。その後も順調に台数を伸ばし、2019年3月末時点では370万台となっております。これは法人社用車のリース利用率が進んだことに加え、個人向けオートリース(マイカーリース)が普及し、新規顧客を獲得し始めていることによるものです。

「法人向けの市場」と「個人向けの市場」はどちらも成長している市場ですが、その理由はそれぞれ異なります。

法人向けのオートリース市場の場合、労働人口の減少に伴い社用車の台数自体は減少傾向にある一方で、中小企業における社用車のリース化が進み、その結果としてオートリース車両台数が増加しました。この流れは今後も続くと予想されています。

個人向けのオートリースについては、本格的に普及が始まったのは1990年代後半からです。2019年3月末時点での個人向けリース車保有台数は37万台となっており、まだまだ日本での普及率については低いと言えるでしょう。最近では「KINTO」や「カルモ」といったサブスクリプションを謳ったサービスも台頭し、マイカーを「所有」しない使い方は今後さらに加速していくことでしょう。

購入ではなくリースを活用する理由

このように伸長を続けているオートリース業界ですが、そもそも車を「リース」をするメリットは何でしょうか。ここからは市場の大部分を占める法人向けオートリースについて記載していきます。

「リース」とは、企業が必要とする設備をリース会社が代わりに購入し、企業や個人に貸し出すサービスのことを言います。企業が自社で設備を購入し所有するのではなく、わざわざリース会社を通して「利用」するのは大きく2つのメリットがあるためです。

財務面でのメリット

リースの場合、購入のような多額の導入時費用が不要であることが最大のメリットです。

車両を購入するには、車体価格や初期登録費といった多額の初期費用が必要ですが、その部分をリースによって抑えることで、大切な資金をより効率的に他の投資に回すことが可能になります。また、車両にかかる税金や保険料についてもリース会社負担の場合が多く、そこにかかる事務管理費なども削減できます。その他、リース料金は毎月の変動がなく車にかかるコストが一定となるため、予算などの事業計画が立てやすくなるといったメリットもあります。

サービス面でのメリット

車の維持管理には、費用だけではなく様々な事務手続きが必要となりますが、オートリースであればそれらを簡素化し、管理業務にかかる人的コスト・時間的コストを大幅に削減することが可能です。

例えば自動車税や重量税、自賠責保険。これらは毎月のリース料金に含まれているため、個別での経理処理が不要になります。また、購入の場合はその購入時期や車両の状態によって細かい管理が発生します。1台ずつ車検手続き、メンテナンス記録、整備工場との調整…このような管理はどうしても属人化しやすく、効率化を妨げる要因となります。リースを利用する場合、こういった手続きや管理をリース会社にアウトソーシングすることができ、社内の手間や人件費といったコストを削減することが出来るのです。

その他にも契約内容によっては、事故後の対応や手続き、事故を防ぐための安全運転講習の実施といったオプションがあることも利点と言えます。

車両管理・アルコールチェックの課題解決をSmartDrive Fleetがサポートいたします。以下から気軽にご相談ください。

業界の今後の行方は?

企業の景況感が好転しない昨今、設備投資を抑える目的で、いわゆる中口・小口ユーザー(保有台数99台以下の企業)での車両のリース化が進んでいます。そのため今後もオートリース市場自体は伸長していくことが予想されていますが、それぞれのオートリース会社を個社別にみた場合はどうでしょうか?

大口ユーザーが主要なお客様であった従来は、多くの企業では「事業規模を拡大して価格競争力をつける」「お客様の元へ足しげく通う(顔を繋ぐ)」「多種多様な商品を用意し”何でもあります”という状態をつくる」といった製品主体の戦略を重要視する傾向がありました。

しかし現在市場を牽引しているユーザーは、大口ユーザーと比較して企業数が多く、かつ1社あたりの保有台数が少ない事業者です。つまり、これまでの営業戦略のままでは営業効率や利益率を落とすことになります。収益を最大化させるためには、市場の変化に合わせた新たな営業スタイルへの変化が必要でしょう。どのような変化があるのか一例を紹介します。

”製品”ではなく”サービス・課題解決”を提案

一つが、コンサルティング営業と呼ばれるような”サービス・課題解決を提案する営業”への変化です。自社製品がどういった価値を提供するものかを理解し、お客様の状況に合わせて製品ではなく課題解決の手法として提案します。これによりお客様がほしいものと自社で提供できるものが1対nで繋がるため、効率的にかつ満足度の高い提案を行うことができるようになります。

目の前のお客様に合わせた1to1コミュニケーション

マーケティング手法に「One to Oneマーケティング」というものがありますが、これを営業活動においても当てはめたものです。カタログ的に同じ内容を提案するのではなく、顧客情報や営業履歴、製品データといったあらたゆる情報を活用することで、お客様の実態にあった提案を行います。

新たな価値創出に向けて

営業スタイルの変化によって、オートリースは車を貸し出して終わりではなく「リースを通じてお客様の課題を解決する」ものに変化していきます。そのためにはお客様の実態を把握することが何よりも重要です。ここでは実態をどのように把握し価値に変えていくのかについてご紹介します。

車両の利用実態を取得

オートリース会社では既に様々な重要情報を管理しています。契約情報などのユーザーデータ、車両の動産情報やメンテナンス、事故情報、燃料情報などです。ここに加えて、リース車両を実際にどのように利用しているかといったデータを取得すると、さらにお客様を立体的に理解することができます。

クラウド車両管理システムSmartDrive Fleetでは、1日の走行距離や時間、ヒヤリハット回数、指定期間での車両の稼働状況など、様々なデータを取得することが可能です。

データの可視化と分析

取得したデータは一元管理することにより、相互に分析可能な環境に置くことが大切です。

一つにまとめることで、例えば「車種によって利用実態にどのような差があるか」「拠点によって車両の稼働率にどんなばらつきがあるか」「ドライバーの入社年による運転スコアの差分は」など、1つのデータでは見えてこなかった部分を可視化し分析できるようになります。

具体的な提案を実施

ここでいよいよ、見えてきたお客様の状況に対して仮説と提案を実施します。例えば、あるお客様に安全運転を推進するための提案を行う場合、これまでは「そろそろ新入社員向けに安全運転講習をしませんか」と一律に提案していたとします。それが「〇〇さんの危険運転が増えている」「最近は車で営業する機会が増えて運転に不慣れな人が多く、平均スコアが下がっている」といった個別状況が見えてくることで、講習だけではないその他の施策も提案できる。安全運転推進のためのソリューションとして提示できるようになります。

スマートドライブによる支援について

スマートドライブでは、新たなオートリースの価値創出に向けて様々な支援を行っています。利用実態についてはSmartDrive Fleetで走行データを簡単に収集し、準備期間やコストを大幅に削減。さらにその先のデータの可視化・分析についても、多数のデータアナリストによるレポート作成や分析といった支援を行っています。

これらの支援を行うことで、オートリース会社ではインサイト取得や具体的な提案活動といった価値のある部分に社内のリソースを割けるようになり、新たな価値を創出することに一層注力できると考えています。

筆者紹介

株式会社スマートドライブ
編集部

株式会社スマートドライブ編集部です。安全運転・車両管理・法令遵守についてわかりやすく解説します。株式会社スマートドライブは、2013年の創業以来、「移動の進化を後押しする」をコーポレートビジョンに掲げ、移動にまつわるモビリティサービスを提供しています。SmartDrive Fleetは、1,300社以上への導入実績があり、車両に関わる業務の改善や安全運転の推進などに役立てられています。また、東京証券取引所グロース市場に上場しています。 SmartDrive Fleetは情報セキュリティマネジメントシステム適合性評価制度「ISMS認証(ISO/IEC 27001:2013)」を取得しています。

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