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【2024年版】副安全運転管理者とは?補助者との違いや要件、選任基準などわかりやすく解説

業務で使用する車両を管理し、従業員の安全を守る役割を担う安全運転管理者。その補助的な立場として選任されるのが副安全運転管理者です。

「安全運転管理者や補助者との違いは何か」、「どのように選任するのか」、本記事では副安全運転管理者の役割や選任基準、選任方法などについてわかりやすく解説します。

【2024年版】副安全運転管理者とは?補助者との違いや要件、選任基準などわかりやすく解説

まるわかり!安全運転管理者編

まるわかり!安全運転管理者編

車両を一定台数以上保有であれば必ず選任が必要な「安全運転管理者」。安全運転を徹底していくために重要な安全運転管理者の選任基準や資格要件、その業務内容についてご紹介します。

副安全運転管理者とは

副安全運転管理者は安全運転管理者を補助する役割を担い、安全運転管理者と同じ業務を行います。保有する車両の台数が5台以上(定員11人以上の車両の場合は1台以上)の企業には安全運転管理者の選任が義務付けられており、使用台数が20台を超えると副安全運転管理者を選任しなくてはなりません。これは、道路交通法第74条の3 第4項にて、内閣府令で定める台数以上の自動車を使用する本拠ごとに副安全運転管理者を選任することが義務付けられているためです。

安全運転管理者との違い

上記のように、車両の台数が増えるごとに副安全運転管理者を選任します。安全運転管理者とは資格要件や選任の方法、選任人数が異なりますが、業務自体は同じです。また、選任した際は必ず届出を提出しなくてはなりません。

安全運転管理者副安全運転管理者
資格要件20歳以上(副安全運転管理者が置かれる場合は30歳以上)自動車の運転の管理に関して、2年以上の実務経験を有すること
選任の条件乗車定員が11人以上の自動車1台、またはその他の自動車を5台以上使用している場合
人数1名
資格要件20歳以上自動車の運転の管理に関して、1年以上の実務経験を有すること
選任の条件保有する自動車の台数が20台以
人数保有する車両台数20台ごとに1名

補助者との違い

また補助者とは、安全運転管理者の業務を補佐する、各事業所で独自に指定された従業員などを指します。補助者は、安全運転管理者や副安全運転管理者を選出する際のような資格要件がなく、届出を提出する必要もありません。また、業務委託でも選任が可能です。しかし、業務を補助するうえで、速やかに安全運転管理者の指示が受けられるなど、必要な対応を確実に取れることや自動車の安全な運転が確保できることが求められます。

安全運転管理者と運行管理者の違い

安全運転管理者も運行管理者も、法律にもとづいた安全運転管理を行うための制度です。両者の違いは、安全運転管理者が自家用自動車(白ナンバー)を管理するのに対し、運行管理者はトラックやバス、タクシーなど事業用自動車(緑ナンバー)を管理します。また、運行管理者は国家資格であり、貨物または旅客の運行管理者資格証を取得しなくてはなりません。

副安全運転管理者等の選任基準

副安全運転管理者の選任基準は道路交通法施行規則第9条の11で以下のように定められています。

・20台以上の自動車を使用している事業所(20台を超える場合は20台ごとに1人)。たとえば、20〜39台までは1人、40〜59台までは2人など。

・10台以上の自動車を使用している自動車運転代行業者(10台を超える場合は10台ごとに1人)

副安全運転管理者の資格要件は次のとおりです。

  1. 20歳以上であること。
  2. 自動車の運転の管理に関して、1年以上の実務経験を有するまたは自動車の運転経験が3年以上、もしくは自動車の運転管理に関して前者と同等以上の能力を有すると公安委員会が認定した人。
  3. 過去2年以内について、下記のいずれにも該当しないこと。
    • 公安委員会の安全運転管理者などの解任命令を受けたことがある人。
    • ひき逃げ、酒酔いまたは酒気帯び運転、飲酒運転に関わった車両や酒類の提供あるいは運転の依頼・要求をして同乗した人。
    • 麻薬などを使用して運転した人。
    • 無免許運転、無免許運転に関して自動車などの提供や、要求・依頼をして同乗した人。
    • 酒酔い・酒気帯び運転、麻薬等運転、過労運転、無免許・無資格運転、最高速度違反運転、積載制限違反運転、放置駐車違反などの交通違反の下命や容認を受けた人。
    • 自動車使用制限命令違反を受けた人。
    • 妨害運転をした人。

副安全運転管理者の業務内容

副安全運転管理者の業務は、基本的に安全運転管理者の業務と変わりません。そのため、道路交通法施行規則第9条の10で定められている以下9つの業務を行います。

  1. 運転者の状況把握
    自動車の運転について運転者の特性・知識・技能や運転者が道路交通法などの規定を守っているか把握するための措置をとる
  2. 安全運転確保のための運行計画の作成
    運転者の過労運転防止、そのほか、安全な運転を確保するために自動車の運行計画を作成する
  3. 長距離、夜間運転時の交替要員の配置
    長距離運転または夜間運転となる場合、疲労などにより安全な運転ができないおそれがあるときは交替するための運転者を配置する
  4. 異常気象時等の安全確保の措置
    異常気象・天災、その他の理由により、安全な運転の確保に支障が生ずるおそれがあるときは、安全確保に必要な指示や措置を講ずる
  5. 点呼等による安全運転の指示
    運転しようとする従業員(運転者)に対して点呼などを行い、日常点検整備の実施や疲労、病気などにより正常な運転ができないおそれの有無を確認し、安全な運転を確保するために必要な指示を与える
  6. 運転日誌の備付けと記録管理
    運転状況を把握するために必要な事項を記録する日誌を備え付け、運転を終了した運転者に記録させる
  7. 運転者に対する安全運転指導
    運転者に対し、交通安全教育指針にもとづく教育など自動車の運転に関する技能・知識、そのほか、安全運転を確保するために必要な事項について指導する
  8. 酒気帯びの有無の確認及び記録の保存(1年保存)
    運転前後の運転者に対し、運転者の状態を目視などで確認することにより、酒気帯びの有無を確認する(第6号)。また、確認した内容を記録し、その記録を1年間保持する(第7号)。
  9. アルコール検知器の使用等
    酒気帯びの有無の確認と記録を国家公安委員会が定めるアルコール検知器を用いて実施(第6号)し、アルコール検知器を常時有効に保持する(第7号)。

副安全運転管理者の届出方法

道路交通法第74条3第5項では、「自動車の使用者は、安全運転管理者又は副安全運転管理者(以下「安全運転管理者等」という。)を選任したときは、選任した日から十五日以内に、内閣府令で定める事項を当該自動車の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会に届け出なければならない。これを解任した時も、同様とする」と定められています。

つまり、安全運転管理者や副安全運転管理者を選任したら、「15日以内」に自動車の使用の本拠を管轄する警察署を経由し、公安委員会に届出を提出しなくてはなりません。また、事業規模が縮小し自動車の台数が基準以下になったときや事業所が移転・閉鎖したとき、あるいは人事異動や退職などに伴い、安全運転管理者等を改任・解任・変更した場合も、選任から15日以内に届出を提出します。

届出の提出先

届出は次の3つの方法で提出できます。

・所轄警察署の交通課窓口へ直接提出する。
・所轄警察署の交通課窓口へ郵送で送る。
・「警察行政手続サイト」からオンラインで申請する。

ただし、次の7県では警察行政手続きサイトではなく、独自の申請システムで申し込みます。

電子申請の窓口リンク(警察行政手続きサイトが利用できない7県)
青森県 山形県 埼玉県 石川県 岡山県 山口県 福岡県

副安全運転管理者の届出に必要な書類

  1. 副安全運転管理者に関する届出書
  2. 戸籍抄本または住民票の写し(マイナンバーが記載されていないもの)または運転免許証、マイナンバーカードのコピー
  3. 運転管理の実務経験が1年以上ある場合は安全運転管理実務経歴証明書、運転経験が3年以上の場合は運転免許証のコピー
  4. 運転記録証明書(3年または5年のもので届出前1ヶ月以内に発行されたもの)

なお、次の書類は必要に応じて取得してください。

1)居住証明書

やむを得ない事情によって住民票または運転免許証の住所と実際の住所が異なる場合、雇用者が該当の安全運転管理者等の居住を証明する書類。

2)勤務証明書

該当の安全運転管理者等が事務所の所在地から離れた場所(通勤圏外を除く)に住んでおり、事実としてそこから通勤している場合、雇用者が勤務の事実を証明する書類。

副安全運転管理者等に関する罰則

下記の場合は道路交通法第119条の2により、どれに違反しても50万円以下の罰金が科されます。

  • 条件に該当するにも関わらず副安全運転管理者を選任しなかった場合
  • 公安委員会から解任命令が出ているにもかかわらず、その命令を聞かずに職務を続行した場合
  • 都道府県の公安委員会が自動車の使用者に対し、是正のために必要な措置を取るよう命ずる是正措置命令を受けたにも関わらず、適切な対応をしなかった場合

届出については、以下の罰則があります。

副安全運転管理者の選任または解任をしたのに、15日以内に届出を提出しなかった場合、5万円以下の罰金が科せられます(道路交通法第120条第2項第3号)。

副安全運転管理者等の選任・届出を提出しなかった場合のリスク

業務多忙で提出を怠ってしまった、届出を出すことを知らなかったなど、基準に達しているにもかかわらず副安全運転管理者等を選任せず、なおかつ事故を起こしてしまった場合、企業・組織の社会的信用が失墜し、事業を継続するうえでさまざまな弊害が発生する可能性があります。また、事故責任の係争や損害賠償訴訟の面でも、不利な状況に陥ります。「選任しない=従業員や業務上の安全を軽視している」と捉えられることもあるため、注意が必要です。

副安全運転管理者等法定講習

道路交通法第74条の3第9項にもとづき、公安委員会から安全運転管理者等法定講習の通知を受けたときは受講させることが義務付けられています。管轄公安委員会から講習受講を促す通知書が送付されますので、その内容に従い、毎年一回受講しましょう。

副安全運転管理者の業務は、システムやツールでフォローできる

安全運転管理者等の業務は、ITシステムを導入することで効率化し、管理者の負担を軽減することができます。たとえば、安全運転管理者の業務のうち1~8に関しては、ITシステムを用いて運用ルールを定め、情報をデータ化することで、業務負担の軽減はもちろん、安全運転管理業務の正確性や浸透性のUPにもつながるでしょう。アルコールチェックについては、アルコールの検知・記録をスムーズにできるツールが管理の徹底に役立ちます。ITツールを活用することで、企業全体の業務効率と安全体制強化を実現することができるはずです。

まとめ

交通事故のリスクを軽減し、業務を適切に進めるためにも安全運転管理者と副安全運転管理者は需要な役割を担います。選任したら必ず届出を提出し、年に一度の講習を受講するようにしましょう。

筆者紹介

株式会社スマートドライブ
編集部

株式会社スマートドライブ編集部です。安全運転・車両管理・法令遵守についてわかりやすく解説します。株式会社スマートドライブは、2013年の創業以来、「移動の進化を後押しする」をコーポレートビジョンに掲げ、移動にまつわるモビリティサービスを提供しています。SmartDrive Fleetは、1,300社以上への導入実績があり、車両に関わる業務の改善や安全運転の推進などに役立てられています。また、東京証券取引所グロース市場に上場しています。 SmartDrive Fleetは情報セキュリティマネジメントシステム適合性評価制度「ISMS認証(ISO/IEC 27001:2013)」を取得しています。

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