事故をきっかけに安全運転対策の強化へ。日産化学さまが導入からわずか4ヵ月で実感した車両管理システムの真価
- 業種
- 製造業
- 管理車両台数
- 108台
- 事業内容
- 一般化学品、農業化学品、医薬品、機能製品などの製造及び販売
- 地域
- 東京
- 従業員数
- 1,890名
- 活用目的
- 売上増加 / 安全運転強化
- 利用デバイス
- シガーソケット型
従業員という、会社として何よりも重要な資産を守るためにも、そしてリスクマネジメントの観点からも、事故の防止に注力している企業は多いことでしょう。しかし、実際にはなかなか事故を減らすことができないと効果について疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。日産化学株式会社の有吉様も同様の課題を抱えていた中で、毎日の運転状況が把握できるツールを探していました。
そして2020年10月にSmartDrive Fleetを導入、11月に開催された安全運転イベントでは同社の寺口様がドライバー賞を受賞するという快挙を成し遂げ、短期間で効果を強く実感されています。本記事では、導入前の課題と実際に導入してから実感した効果、今後の活用方法を伺いました。
インタビュイー:日産化学株式会社 有吉 信博様
創立から134年。成長を続ける化学メーカー・日産化学
まずは御社の事業内容について教えてください。
日産化学株式会社は、明治20年(西暦1887年)に創業された日本で最初の化学肥料メーカーです。創業当初は「東京人造肥料会社」という社名で、海外から技術を導入して人や動物の糞などを肥料としていたものを、人工的に作るところから歴史が始まりました。現在は、一般化学製品や医薬品、スマートフォンなどに使われているディスプレイ材料を代表とする機能製品などを製造・販売しています。
私の所属する農業化学品事業部は、一般農家向け、ガーデニング向け、ゴルフ場などの緑地関係向けの農薬製品を取り扱っています。
日産化学株式会社は非常に歴史ある会社ですが、有吉様は農業化学品事業部でどのような業務を担当されているのでしょう?
私は農業化学品事業部 営業企画部で、営業的なデータの取りまとめ、販売提案を行うなど、総括的な仕事をしております。
弊社は全国7箇所に営業拠点がありますが、事業部制を取っていることもありそれぞれのオフィスには総務部門を設けておらず、各拠点と本社の各部署が連携しながら総務的な業務を行っています。営業車については、車両のリースや契約は全社一括で本社の購買部や総務グループが窓口となり、車の稼働率把握や乗車前点検の管理は各拠点で行い、事故発生時の対応などは、各拠点と本社の総務グループが連携して行っています。
車両管理は営業企画部のメイン業務とは異なるように思いますが、SmartDrive Fleet導入を決めたのは営業企画部ですか?
そうです、営業企画部長が企画立案し、事業部内外の調整を含めて導入を進めました。
意識が強くなったのは、とある事故の体験から
SmartDrive Fleetを導入しようと思った理由について教えてください。
一番の理由は事故の防止です。どんなに安全運転教育や注意喚起をしても、年間に数件は事故が発生し、なかなか減らすことができないのが実情でした。
昨年の安全運転イベントでドライバー賞を受賞した寺口は現在、仙台のオフィスで勤務していますが、私も昨年7月まで同じ仙台に在籍しており、当時の部下が大事故を起こしてしまって…。私も現場に駆けつけ、その惨事を目の当たりにしました。そこで強く思ったのが、「二度と同じ状況を起こしてはならない」ということ。そういった事例があったこともあり、早急に対策を考えなくてはならないとあらゆる角度で検討を重ね、車両管理システムの有効性を期待し導入を決めました。
事故が起きると、修理費や保険料などコスト面にばかり目が行きがちですが、弊社にとって何よりも大事なのは従業員です。幸い、その事故はかすり傷程度で済みましたが、万が一のことを考えると、社員を守るための仕組みがすぐ必要でした。
その事故を通して、より安全運転への意識を高め、事故を未然に防ぐべきだと実感されたのですね。
はい。オフィスから出ると運転は個人の管理になりますから、誰がどういう運転をして、どんな状況なのか、管理側はすべてを把握することができません。しかし、たまたま事故が起きていないだけで、運転していればリスクはどこんでもあるのではないかと思ったのです。私自身も営業時代にヒヤリした経験がありますし。監視と捉える従業員もいるでしょうが、誰かに見られていると感じることで事故の抑止効果もあるだろうと考えました。
そうした経験を通して安全運転に寄与できるツールを探し始めたと。車両管理システムには、どのような機能を求めていたのでしょうか?
安全運転の推進に効果があるものを探しました。実際に選定したのは私ではありませんが、機能ありきではなく、「具体的に、導入することで何が実現できるのか」をポイントにサービスを選定したと聞いています。
SmartDrive Fleetは安全運転に直結する急操作が可視化され、その詳細なデータで各ドライバーが自分の運転を客観的に見ることができる点が魅力です。「私は安全運転です」と言うのは簡単ですが、それが正しいか否かは、運転者自身が簡単に判断できるものではありません。寺口のような長年運転している営業担当者でも、運転の度合いを点数で表すと日によってかなり差が開くこともありますから。
弊社は新入社員を始め、若い従業員も多く在籍していますので、その点も心配していました。今までも安全運転講習や雪道講習の受講を推奨するなど、それなりに対策を講じてきましたが、効果については追跡できていませんでした。SmartDrive Fleetはその部分を可視化できる、それが導入への決定打になりました。
安全運転対策となると、ドライブレコーダーの導入を検討する企業様が多いような気がしますが、なぜSmartDrive Fleetのような車両管理システムを選んでいただけたのでしょうか?
ドライブレコーダーは数年前、全車両へ導入していますが、その目的は、日々のチェックというより、どちらかと言うと「何かあった時のために使用するもの」という認識が強い。ドラレコは事故発生時に、証明・証拠を示すツールとして導入しましたので、今回はそれとは別軸で日常的な運転において有効活用できるツールを探していたのです。
SmartDrive Fleetの場合は運転がスコア化されますから、客観的に自分の運転を振り返ることができますよね。それが大きなメリットだと感じています。
車両管理システムによって煩雑な作業が減り、労力軽減を実現
有吉様はSmartDrive Fleetの運用を開始するタイミングで現在の部署に所属されたと伺いました。
私が現在の部署に所属したのが昨年8月。車両管理システムの導入選定が完了し、運用についてこれから決めていくというタイミングでした。初めは部長と共同で運用方法を決め、そこから徐々に私へ業務を移譲し、10月から私が担当者として運用しています。
現在、御社では108台にSmartDrive Fleetを導入いただいておりますが、運用方法について教えていただけますか?
毎日、数値を定量化して何かを実行しているわけではなく、営業担当者自身が走行距離の確認や運行前点検で使用しています。弊社は出張が多く、走行距離に応じた運転手当が支給されます。SmartDrive Fleet導入前までは、営業担当者自身がメーターをチェックし、週に一度、日々の走行距離を日常点検(運行前点検)と併せて、運転日報として出張費用の精算時に提出し、それらをすべて紙ベースで記録・保管していました。
SmartDrive Fleetなら自動的に走行距離が出てきますので、今ではSmartDrive Fleetのデータをそのまま利用できる。チェックする手間が省けるようになったので、本当に助かっていますね。
現場の方にとっては大きな工数削減になりますね。
そうなんです。当初は「監視されるのが嫌だ」という反対意見も少なからずありましたが、こうした営業担当者の労力軽減も踏まえ、運用へ踏み切りました。労力軽減のもう一つの策として、運行前点検も営業担当者がスマホで行っています。今では、走行距離は上司が旅費精算時にSmartDrive Fleetの管理画面を確認して走行距離を確認するだけ。それまでは書類を保管するための大きいファイルをオフィスごとに置き、5〜7年間保存する必要がありましたが、その手間暇がなくなりましたし、管理がしやすいペーパーレス化が一気に進みました。
運転スコアはどのように運用されていますか?
低いスコアは「=リスクがある」ことにもなりますので、70点前後の従業員については所属部門の責任者やリーダーへ伝えるようにしています。
スコアは集計機能を利用して確認しています。ランキングを見ると、それほど毎月の順位に変動はありませんが、若い人や営業担当者として日が浅い人については運転に慣れていないこともあり、とくに注意するよう伝えています。もちろんベテランの人でも、スコアが低い傾向が出ている場合は指導をします。
ドライバーご本人へのフィードバック方法はどの企業様も悩むところだと思いますが、御社ではどのように安全運転指導をされているのでしょうか?
急ハンドルや急ブレーキなど、スコアが悪化する原因と合わせてスコアが悪いことを率直に伝えます。ただ、あくまでも可視化されるのは点数ですから、明確な原因が掴めず、何をどのように改善すべきかわからない従業員もいる。その場合は事務所内で「この時のスコアが悪かった」と言っても、本人はピンとこないでしょうから、上司や同僚が同乗した時に、「今のブレーキは少し強いね」など、リアルタイムかつ的確なアドバイスを繰り返すことでフォローできればと考えています。
寺口様のように、フィードバックをする方のスコアが良いと、それだけで説得力がありますね。
アドバイスする側もプロではありませんから、どのように指導するのが有効かまではわかりません。ですが、寺口も言っていたように、細かい運転テクニックよりも「意識」に重きを置き、個々の意識を改善していくことのほうが大事だと考えています。
進化するSmartDrive Fleetで安全運転の強化と営業効率アップを狙う
使用期間とともに走行データが蓄積されていきます。今後はそのデータをどのように活用したいとお考えでしょうか?
10月の導入からまだ4カ月(取材は2021年1月)ですが、1年に一度は総括を行い、データをまとめて振り返りを実施しようと考えています。また、データが蓄積されていくと、期間ごとのスコアにおけるアップダウンが比較できるようになりますので、点数を可視化して全営業担当者に共有していきたいですね。
10月に導入、11月には全国安全運転イベントと続き、タイミングも良かったと思います。リーダークラスにも「全体としてはかなり好成績です」と結果を共有し、表彰対象でなくとも上位を獲得した従業員には好成績であったことをリーダーが直接伝えています。それがモチベーションというか、「安全運転をするといいことがある」という雰囲気をつくる手助けになればと思っています。
ありがとうございます。最後に、今後活用を進めていくにあたりスマートドライブに期待することがあれば教えてください。
昨年末にプレスリリースで、業務改善プラットフォームのkintoneとの連携を発表されていましたよね。こちらについて、カスタマーサクセスの古賀さんとはすでに会話を進めていて、将来的に弊社でどのように活用できるかを考えていきたいなと。
地図情報は全国47都道府県を回る私たちにとって非常に重要なものです。そのため、前々より営業活動管理の観点から、kintoneでも地図アプリが確認できないか、検討していました。そこが連携できれば、SmartDrive Fleetとkintoneの両方で地図を確認する手間がなくなり、すべてが一元化された理想の運用が実現できます。
私たちはあくまで営業活動における手段の一つとして車を利用しています。kintoneは販売データが位置情報に入れ込めたり、更新作業もスムーズだったりするので、SmartDrive Fleetとシームレスに連携できれば、より有用なツールに進化すると思うのです。ですから、スマートドライブさんには今後も日産化学に最適なご提案をしていただけることを心から期待しています。
資料ダウンロードSmartDrive Fleet
導入事例をまとめてご紹介
SmartDrive Fleet を使って業務効率化や労務管理、
安全運転推進などを実現している成功事例をご紹介します。