用語集

車両管理とは?メリットや導入方法についてわかりやすく解説

運転日報の取りまとめ、事故後の保険対応、リース期限の管理、車両の現在位置、各車両の走行距離や稼働率の把握、削減できる車両はないのか・・・車両管理に関する悩みや尽きないものです。

訪問診療や訪問介護、電気工事やメンテナンス、従業員や生徒の送迎、生鮮商品の配送、営業マンの顧客訪問など、企業では様々な形で社用車が使われています。ただ、車両管理者がいる場所から常に目の届く範囲にドライバーはいませんので、見えない場所にいる従業員の行動を管理するのはとても難しいのです。

とはいえ、きちんと管理をせずに重大な事故が起きてしまえば、被害者はもちろんのこと、加害者のドライバーである従業員自身も肉体的・精神的な苦痛を受けてしまう。それだけなく、会社としても社会的信用を失い、事故後の対応で弁護士を雇う可能性もあるので、会社としても大きな費用が発生します。そのため、リスクマネジメントの観点からも車両管理は不可欠なものとなっています。

車両管理業務において大事なこと

車両管理業務をする上で特に大事なのは「安全運転管理者の選任」「車両管理規定の作成」「管理部門の明確化」の3点です。

安全運転管理者の選任

「道路交通法施行規則」では、乗車定員11人以上の自動車1台、またはその他の自動車を5台以上所有している事業者は、安全運転管理者を選任しなければならないと定められています。

安全運転管理者の資格要件は下記の通りです。

・20歳以上 (副安全運転管理者をおく場合は30歳以上)
・自動車の運転の管理に関し、2年以上の実務経験有

※副安全運転管理者は20歳以上で管理経験1年以上または運転経験3年以上の方が対象

・過去2年以内に公安委員会から解任命令(道路交通法第74条の3)を受けていないこと
・「酒酔い・酒気帯び運転」「飲酒運転にかかわる車両・酒類等の提供・同乗」「麻薬等運転」「ひき逃げ」「過労運転」「放置駐車違反」「積載制限違反」「無免許・無資格運転」「最高速度違反」「自動車使用制限命令違反」といった交通違反をした日から2年を経過していないこと

安全運転管理者等の選任(解任)、変更があった際は、選任・変更日から15日以内に自動車の使用本拠地を管轄する警察署を通じて、公安委員会に届け出る必要があります。

車両管理規定の作成

民法第715条では『損害に対する直接的な加害者でない雇用主がその損害賠償責任を負う』ことを規定しています。つまり、ドライバーが業務中に交通事故を起こしてしまった 場合、企業は損害賠償責任を負う可能性が高くなるということです。また、道路交通法においても、社有車の運用について様々な規則を設けることを課しています。

以上の背景から企業は車両管理規定を定め、注意喚起を日頃から行い、危機管理・リスク管理をしておく必要があります。そのため車両管理規定には以下の項目を盛り込み、実際に運用できるものであることが大切です。

・安全運転管理者の選任について
・車両管理台帳の作成
・運転者台帳の作成
・安全運転の確保
・車両の保守点検及び整備
・保険の付保
・社用車の私的使用について
・マイカーの業務使用
・事故時の対応

管理部門および車両管理責任者の明確化

管理部門および車両管理責任者を明確にしていないと、車両を適切に管理をすることはできません。一般的に、車両の定期点検、保険、車検や運転者の免許更新時期といった動産情報の管理は総務部や管理部といった部門が一括で管理しています。一方で車両の利用に関しては、実際に社用車を利用している営業やサービス部門であったり、営業企画・経営管理といった部門にて担当している場合があります。これは、車両を適切に利用することで移動に係るコストを削減したり、業務フローを改善することを目的としているためです。車両管理においては、車両の「何を管理するか」という目的によって、管理部門および車両管理責任者を明確化することが必要です。

車両管理を行うことのメリットは?

車両管理を行うことで得られるメリット大きく分けて3つ「営業生産性の向上」「コスト削減」「自己削減」です。では、それぞれ詳しく見ていきましょう。

1)営業生産性の向上

急な問い合わせや依頼に対して、誰がどこに居るのかといった位置情報を把握しておくことで、効率のいい担当者をアサインすることができ、全体の生産性を上げることができます。

車両管理システムを利用するとドライバーの位置情報がタイムリーに把握できるようになるため、電話で今の状況を確認することなく、その場で最適な車両を特定できます。また、訪問先・訪問ルートが可視化されるため、訪問できている顧客・できていない顧客の可視化や効率のよい訪問活動ができているかの分析、施策立案に役立てることが出来ます。

2)コスト削減

車両が増えれば当然コストも増大します。車両管理を行うことで、現在の保有台数が適切なのか、本当に車両を追加する必要があるのかを判断することが出来ます。

車両の稼働状況(どの日、どの時間に何台稼働しているのか)を可視化できれば、余剰車両や稼働率が低い車両の洗い出しができ、車両台数を見直すことで、大きなコスト削減効果が期待できます。

3)事故削減・安全運転指導

ハインリッヒの法則では重大事故の背景には危険要因が数多くあるということになります。ヒヤリハットの情報をできるだけ迅速に把握し、的確に対応策を講ずることで事故を削減していくことが出来ます。

GPSだけでなく加速度センサーや、ジャイロセンサーを搭載したIoTデバイスが収集した走行データを解析することにより、ドライバーの運転のクセ(急ハンドル・急加速・急減速等)が可視化されると、それぞれの運転傾向に応じた具体的な安全運転指導が可能となり、事故の削減や安全運転意識向上につなげる事ができます。

車両管理システムを導入している業界や職種について

一般的な車両管理システムには、GPSを使った現在位置の把握・走行距離・走行時間の自動集計、スマートフォンアプリによる運転日報の簡単入力、走行データをエクセル等でレポートを作成して車両稼働率の把握、ドライブレコーダーの動画による危険運転の確認などの様々な機能があり、大手企業から中小企業まで幅広い業種で利用されています。

物流・運輸

生鮮食品の配送や、軽貨物事業者など、様々な企業様にクラウド車両管理システムは利用されています。「傭車の現在位置がリアルタイムに地図上で確認できず、配送が計画通りなのか分からない」「到着が遅れていることで荷受け拠点のオペレーションが滞ってしまう」「車両が拠点を出発したら、現在位置がわからない」など様々な課題を車両管理者は持っているのです。
車両管理システムを導入することで、車両の現在地をパソコンやスマートフォンアプリの地図上でリアルタイムに把握することができます。また、特定の地点への接近・到着をリアルタイムに共有し、物流・運輸サービスの業務を効率化することができます。

大阪デリバリー株式会社
「社員の安全を一番に考えたい」大阪デリバリーが車両管理で実現したいこと

株式会社デイリートランスポート
協力会社の運行状況を把握することでお客様からの配送状況のお問合せに即回答できる環境を構築!

不動産・建設

時期や時間によって現場が変わり、場所によっては事務所を経由することでムダが移動が発生してしまう。しかし運転日報を提出するために、事務所には毎日戻らなければいけない...。また、管理部門はドライバー毎の運転日報を紙やエクセル等でまとめないといけない。
こういった課題に対しても車両管理システムは有効です。訪問記録を自動化する機能を活用し、「現場への直行直帰」を可能にすることで稼働のムダを削減し、「働き方改革」を推進されています。

株式会社タープ不動産
迅速な対応でお客様との信頼関係を築き、稼働の可視化で働く環境を改善。

株式会社泉パークタウンサービス
残業時間の20%削減を目標に掲げ、働き方改革を推進。 日報機能を活用しドライバーの手書き記入・管理部門の帳票集計作業が不要に!

医療・介護

訪問診療、訪問介護の需要は右肩上がりに伸びており、「リアルタイムに位置情報を把握したい」「効率よく安定した訪問をしたい」というニーズは日に日に高まっています。クラウド車両管理システムを導入することで、追加診療ができるか、医師に電話出来るタイミングか等を迅速に確認し、判断することができるようになります。
他にも、施設への送迎の効率化や医師の労務管理等、様々な用途で使用されています。

医療法人社団杏月会 伊勢原駅前クリニック
限られたリソースの中で訪問件数を最大化する車両管理とは?訪問診療における活用事例。

有限会社One Up
シガーソケットにさすだけで簡単に車両管理システムを導入! 勘と経験に頼らず営業活動の効率化・安全運転の促進を実現。

自治体

ごみ収集や除雪作業等、自治体主導で住民サービスを提供をする際には、民間の委託事業者との調整が発生します。委託内容のブラックボックス化を避け健全な運営を行うために、車両管理システムの様々な機能をつかって現状の可視化、分析を進める自治体が増えています。

相楽東部広域連合
車両管理システム×レポートサービスで迅速かつ有効な業務改善を実現!自治体の活用方法とは

Page
Top