安全・快適な高速道路は㈱ネクスコ・メンテナンス関東によるもの。多くの人を守るために導入したのは車両管理システムだった

安全・快適な高速道路は㈱ネクスコ・メンテナンス関東によるもの。多くの人を守るために導入したのは車両管理システムだった
株式会社ネクスコ・メンテナンス関東
業種
道路舗装工事
管理車両台数
120台
社員数
366名
事業内容
NEXCO東日本関東支社管内における高速道路の維持修繕

私たちが日常的に使用している高速道路をつねに安全かつ快適な道路に維持しているNEXCO東日本グループ。その中で主に土木系の業務を担っているのが株式会社ネクスコ・メンテナンス関東さまです。車が行き交う危険な場所で、自社だけではなく、協力会社とともに緊急性を要する補修工事や日々の維持管理を行うため、リアルタイムで正確な状況を把握し、迅速かつ的確な対応が求められています。そこで効率化と安全性の向上を実現するために導入した車両管理システムを、どのようにご活用いただいているのか伺いました。

株式会社ネクスコ・メンテナンス関東  谷和原事業所
事業所長         峯村 幸治さま
保全第二課 技師 上沢 直登さま

高速道路にまつわる事業を展開するネクスコグループ

まずは御社の事業内容についてご紹介いただけますでしょうか?

峯村:NEXCO東日本グループは、日本道路公団が2005年に民営化され高速道路の管理事業、建設事業、サービスエリア事業及び高速道路関連ビジネスを展開している会社です。維持修繕業務のメンテナンス会社や保守点検業務を行うエンジニアリング会社、料金収受業務のトール会社、交通管理業務のパトロール会社など、高速道路を取り巻く様々な事業を展開しています。そのなかで㈱ネクスコ・メンテナンス関東は、関東地方(1都6県)と長野県内の延長約1,400kmの高速道路ネットワークを管理していますが、非常に交通量が多く、日平均で200万台ものお客さまが利用されている道路を管理しているのが特徴です。

当社は、土木系の業務を担当していますが、高速道路にあるサービスエリア、パーキングエリアのトイレ清掃も当社の業務の一部です。また、珍しいところでは、除雪車など作業に使用する車両を修理・点検する車両管理業務も行っています。管理している車両は全体で200台ほどでしょうか。さらに自社で所有する車両も数が多く高度な車両も増えている状況です。

上沢:私は車両管理業務を担当していますが、車両管理の中には、矢印板やラバーコーンなどの資材管理も含まれます。当社は土木系の企業だとお伝えしましたが、ガードレールや路面の補修、植栽管理の業務では、木を伐採したり、雑草を刈り取ったりするほか、冬になれば雪が降ってきたり、路面が凍ったりしますので、路面が凍結しないように、凍結防止剤を撒く雪氷対策作業(せっぴょうたいさくさぎょう)を行います。車両管理をしつつ、必要あらば運転して現地に向かい、作業を行っています。

車両は普段、どのように利用されているのでしょう?

峯村:除雪車や排水溝の泥水を吸ったりする吸泥車、交通規制をする際にラバーコーンを高速道路に自動で設置・撤去する車など、車両そのものに役割があるのが多く、直接現場に向かい、車両を使って業務を行います。また、赤い回転灯でサイレンを鳴らしながら走る緊急自動車もあります。自然災害や交通事故発生時に、ガードレールや道路の一部が破損することがあるのですが、安全な走行を維持するためには早急に現場へ向かい、即座に対応を行わなくてはなりません。そういった緊急事象に対応する車両です。

危険の多い現場でヒトの安全を守るために

SmartDrive Fleetを導入される前に、他社様のドライブレコーダーを使用されていますが、どのような目的で導入されたのでしょうか?

峯村:私たちは高速道路で作業するケース、そのためにあちらこちらの現場に車を運ぶ回送がありますが、つねに車両を使っての業務が基本となります。そのため会社としても、適切な安全運転教育と運転マナーの見直しを強化しなければならないと感じていました。また、交通規制を実施している際に、お客様が脇見運転をしていたり、居眠りをしたりしている姿が目に飛び込んでくることがあります。それらが原因で大きな事故が発生したりする場合もあります。その際には、車両に付けたドライブレコーダーの画像を警察に提供したり、事故防止対策の検証などに活用しながら多くの関係者の安全を確実に確保することが、当社の重要な使命の一つになることからSDカード挿入型のドライブレコーダーを導入してきました。

そのドライブレコーダーからSmartDrive Fleetへお乗り換えされた理由を教えてください。

峯村:協力会社の車を含めると、谷和原事業所だけでも日々、120台以上の車両が稼働しています。それらの車両には、バラバラのドライブレコーダーを取り付けていました。そんな中、作業中の事故を切っ掛けに、運転マナーなどを映像で検証する必要が生じましたが、メーカー毎に専用のソフトが異なり、その都度切り替えながら1日8時間を超える画像を1台ごと検証していました。これが非常に手のかかる作業で、ときに、確認待ちで長蛇の列ができてしまうほど。

作業員が現場から戻り、ドラレコからSDカードを抜き取り、管理者が映像を早送りで確認しながら、「ここは良くないね」という流れで確認作業を行ってきましが、1時間、長くて2時間近くもかかってしまう。作業員も早く帰りたいですから、現場を早く切り上げるようになり、生産性が急激に落ちてしまったのです。クレームからスタッフを守る、そして安全運転を徹底する目的で導入しましたが、それによって生産性が落ちてしまうと元も子もありませんから、早急な解決が必要だと考えました。そこで辿り着いたのがSmartDrive Fleetです。

また、GPS機能によってリアルタイムの位置情報が把握できますし、1日の走行ルートや経路も詳細にわかりますので、お客さまからクレームなどをいただいた場所と時間をもとに、SmartDrive Fleetのデータと映像を照らし合わせて確認することができます。つまり、特定の事象・特定の場所・特定の車に焦点を当てることができるため、時間をかけて探すことなく、対象の車の映像データを確認して検証することができ、素早い対応が可能となりました。

導入後は安全運転への意識が変わった

実際に利用されてみて、どのような効果を感じていますか?

峯村:当社では、80km以内で第一走行車線を走行するというルールが定められています。これは、お客さまが故障や事故で路肩に停車をしている事象を発見したときにお客さまの安全を確保するために必要不可欠なルールなのです。

ただ、それが社内でも周知されておらず、100km近い速度で走行している工事関係車両もちらほらといました。まずは、自分たちがなぜこのルールを守るのかを再教育しましたが、守ってもらえないことも多く、毎日、速度超過のレポートであげてもらうようにしました。導入当時は毎日、私のところに、どの車両が1日何回スピード超過したかのレポートをもとに注意喚起をしていましたが、今はスピード超過が抑制できています。指定速度の範囲内で安全に走行するようになり、SmartDrive Fleetによって、関係者全員が安全運転への意識向上につながっていると実感しています。

危険な場所での作業は命にも関わりますから、安全運転の遵守は非常に重要なことです。一方で、現場の方々から車両管理システムの導入に対し、反対の声などはございませんでしたか?

峯村:GPSで位置情報は、サボりも可視化できてしまうわけです。高速道路で停車している時は、作業のために停車していると分かりますが、高速道路から外れ、コンビニに1〜2時間も滞在しているケースがあると「ムムム…」と。コンビニに立ち寄ること自体は問題ありませんが、何時間も停まったままだとね。そういった情報も含め、全ての行動が見られてしまうので、一部では反対意見もありました。しかし、仕事で使う車両はNEXCOのマークが入った車両です。コンビニで長時間の休憩をしたり、パチンコ屋に立ち寄ったりすること自体が間違っていますから、ご理解いただきました。

あとは費用面ですね。先述したように、協力会社もそれぞれドラレコを取り付けていますから、新たに導入となると費用の負担はどうするのかといった話が当然ながら出てきました。これは、NEXCO東日本のブランドをしっかり守るために必要な対策であり当社が全額費用を負担し、設置しました。

以前、地方の企業様から、コンビニの駐車場は昼過ぎになると昼寝スポットになるが、ロゴ入りの社用車が長い時間停まっているとイメージ低下になるので防止したいという声が上がっていました。御社の場合、車両の色が黄色と目立ちますので、一般の方の目に留まりやすい。

峯村:そうですね、当社の車両は黄色くNEXCO東日本のロゴもしっかり入っていますし、協力会社の車両にも必ず「工事用車両」という看板を取り付けなくてはなりませんし、そこにもロゴが入っています。誰が見ても高速道路の工事用車両だとわかってしまうので、その点はやはり注意が必要なのです。

細かな配慮と人の手によって、高速道路は美しく快適に保たれている

SmartDrive Fleetは、現在どのように運用されていますか?

峯村:常時、SmartDrive Fleetの管理画面を見て、何かあった際はリアルタイムの位置情報をモニターに投影し、今・どこに・誰がいるかを確認して、指示を出せるようにしています。

普段から何気なく利用している高速道路ですが、さまざまな努力や苦労によって快適性が保たれているのだと改めて気づかされました。

日々、車両管理を行うなかで気をつけていることはございますか?

上沢:一番重要なのは、毎日、車が健康で問題なく稼働できることです。車両にはそれぞれ、大事な役割がありますから。雪氷作業は道路に塩を撒くので、それが車体に付着し、全体的に錆びやすくなっています。メンテナンスを何もしなければ、車が痛んで部品が落ちるなど、二次災害が発生しまいますから、そういったトラブルが起きないように毎日に入念なチェックを行っています。

峯村:私たちが対応する業務は、基本的に即時対応しなければならないことですので、車が正常に動かないと、現場にもたどり着けませんし、仕事にもなりません。

効率よく、そして働きやすい環境を作っていく

今後、SmartDrive Fleetをどのように活用していきたいとお考えですか?

峯村:まずは、ドライブレコーダーの動画を活用しながら、草が飛び出している、道路に穴が空いているといった道路上の異常を捉え早期に対応すること。木が倒れてからでは遅いので、事前に補修できるようにチェックを強化していきたいですね。

また、日々、危険かつ過酷な場所で仕事をしているので、将来的に働く人たちが減っていくのではないかという危機感を持っています。ですから、動画や画像、センサーなど、あらゆるツールを活用して、効率的な管理方法を考えていく必要がありますし、お客さまにご迷惑がかからないように、効率化へも取り組まなければなりません。やるべき仕事があるのに人手が足りなくてできないという事態は、何としてでも避けるべきことですから。

以前に取材をした測量会社様も、人材確保が今後の課題になると危惧され、システムを活用して、生産向上や労働環境改善に取り組んでいらっしゃいました。

峯村:建設業自体が人手不足ですが、私たちの仕事はさらに深刻です。今は若い社員も多く在籍していますが、将来的に少子高齢化が進み、労働人口が減っていけば人手不足がさらに加速します。当社は65歳が定年ですが、60歳を超えた体に、炎天下の高速道路で2時間もの作業を依頼するのは酷ですから…。高齢化と人手不足を回避するためにも、様々なツールを活用して今のうちから手を打たなくてはと考えています。

ありがとうございました。最後に、一言ずつお願いします。

峯村:日々、多くの方々に高速道路をご利用いただき、本当に感謝しております。一方で、高速道路には安心と安全を守るために仕事をしている人がいるということを改めてご認識いただけますと幸いです。法定速度やマナーをお守りいただき、くれぐれも事故だけにはお気をつけください。

今後、ドローンや自動運転など技術の発展に伴い、高速道路のあり方も変化していきます。この移り変わりの早い時代において、社員を含め、どのようにアプローチをしていくべきかを真剣に考えていかねばなりません。すでに自動運転車によって私たちの管理領域も変わりつつあるんです。道路に白線が引いてあるでしょう。一昔前は多少薄くても走行に支障がありませんでしたが、自動運転車は白線を目標に走行しますから、雪が降っても確実に検知できるよう、くっきりと白線が見える状態を確保しなければなりませんし、より高度な管理が求められるようになるので、そこに合わせて技術を向上していきたいと思ています。並行して、社員が安全に働ける職場作りに力を注いでいきたいですね。

上沢:先進的な技術や車両を積極的に導入していますので、それらを活用して、安全第一・お客さま第一で今後もサービスを提供していければと思っています。

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導入事例をまとめてご紹介

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SmartDrive Fleet を使って業務効率化や労務管理、
安全運転推進などを実現している成功事例をご紹介します。

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