将来的な人材育成に向けて〜営業スキルの向上につなげる富士特殊電気産業の車両管理システムの活用方法
- 業種
- 製造
- 管理車両台数
- 5台
- 事業内容
- ワイヤーハーネスの製造や自動車電気部品・弱電部品の販売。その他、電子部品組立加工や販売。
- 地域
- 埼玉
- 従業員数
- 約80名
- 活用目的
- 売上増加 / 安全運転強化
- 利用デバイス
- シガーソケット型
お客様の要望を確実に満たし、ワイヤーハーネスをはじめ高品質な製品の提供を目標としている富士特殊電気産業さま。社員一人ひとりが品質にこだわり、懸命に仕事へ取り組んでいるからこそ、多くのお客様から信頼を得ています。もっと効率化を進めるには?企業が拡大しても各人のパフォーマンスを一定に保つには? 適正な判断を導き、情報が共有できるツールとして導入されたのが車両管理システムでした。現在、そしてこれから、富士特殊電気産業はどのような活用を考えているのでしょうか。
【インタビュイー】
代表取締役 岡 照明 様(以下:岡社長)
取締役 製造部長 岡 靖直 様(以下:岡(靖))
取締役 営業部長 中島浩平 様(以下:中島)
取締役 総務部長 谷岡博之 様(以下:谷岡)
総務部 業務課 筒井 雅 様(以下:筒井)
総務部 庶務課 課長 飯塚祐子 様(以下:飯塚)
お客様が望む以上の高品質な製品を提供する”フジトク”
まずは御社の事業内容について教えてください。
谷岡:当社は埼玉県さいたま市に本社を構え、「ワイヤーハーネスの製造・販売」「自動車部品及び弱電部品の製造・販売」と、主に2つの事業を展開しています。「品質のフジトク」を標榜してISO9001、ISO14001を認証取得し、お客様が望む以上の品質を提供できるよう日々業務を行っております。
ワイヤーハーネスとは、自動車や多くの電子機器に使用されている、複数の電線を束にした集合体のことです。リード線の両端にコネクタがついていて、その端子を基板に挿すことで電力を供給したり、電気信号を通したりできます。私共はこのワイヤーハーネスを数千種近く製造している企業です。基本的にはお客様からいただいた図面を元に、部材調達から長さ調整などを行い、カスタム品として納品します。工場が複数拠点ありますので、納期を厳守することも柱の一つです。
みなさまの役割や業務内容について簡単にご説明いただけますか?
谷岡:富士特殊電気産業は、社長をトップに、製造部・営業部・総務部の3部署に私が兼務している品質管理課という組織構成になっています。総務部はさらに業務課と庶務課に分かれます。
岡(靖):製造部の岡と申します。ワイヤーハーネス製造における心臓部の製造の進捗や人材の管理を担当しています。私たちは小規模な企業のため、多くの従業員が他の業務とも兼務しています。
中島:営業部の中島です。お客様から図面をいただいたら見積もりを作成し受注する、というメイン業務に加え、新規顧客獲得に向けた活動も実施しています。営業部に所属していますが、弊社は兼務が基本ですから、納期管理や品質管理もすべて営業で対応しています。
谷岡:私と筒井、飯塚は総務部ですが、SmartDrive Fleetのデータを毎日集計して配信しているのは業務課です。
筒井:私が在籍している業務課は、お客様からいただいた注文書の受注処理から、不足している部材の発注、出荷作業などがメイン業務です。また、SmartDrive Fleetから取得した営業メンバーの移動情報を集計して毎日配信しています。
飯塚:庶務課長の飯塚です。現在、スマートドライブとの窓口を担当しています。いわゆる何でも屋と言いますか、人事経理から導入システムの窓口など、業務は多岐に渡ります。
車両管理システムを導入したのは人材育成と収益向上のため
現在のSmartDrive Fleetの利用方法を教えていただけますか?
谷岡:いわゆる営業車に利用しています。当社は上尾地区に9台、十和田工場に1台の社用車を所有しており、これらの使用目的は顧客訪問、製品の納品、工場間の部材の搬入の主に3つ。その中でSmartDrive Fleetを導入しているのは上尾地区に4台と十和田地区に1台の計5台です。
筒井様が前日の移動データを毎日集計して配信しているとのことですが、営業の訪問実績や納入実績も走行データから確認されているのでしょうか。
谷岡:はい。日々、走行データに目を通し、誰がどのルートでどのお客様に訪問したのか、あるいはどの工場に行ったのかを確認しています。
ちなみに、導入前はどのように実績の管理をされていたのでしょう。
谷岡:営業については、毎日各人が提出する営業報告で。納品実績については、業務課が発行した納品書で管理していました。基本的に虚偽の報告をするような社員は一人もいませんが…ここから先の話はSmartDrive Fleetを導入した理由につながっていきます。
以前より、「今日はA社、B社、C社の順に営業に参ります」「〇工場から△工場に□を持っていきます」と事前に報告を受けても、果たしてれが本当に妥当なのかという疑問を持っていました。本当はB→C→Aと回った方が効率よく訪問できるかもしれない。ただ、疑問はあっても確証はありませんでした。つい効率化を前提に考えてしまうのは、社員それぞれが兼任していることも理由の1つかもしれません。
SmartDrive Fleetは、走行ルートが可視化された状態で振り返ることができますよね。実際のルートが把握できればその疑問も解消できるし、今後のルート改善にも活かすことができます。たとえば、「〇工場と△工場の往復を一日1回にしなさい」と社長に指示されたとしましょう。そうすると、実際は部材が無くなったので〇から△に持って行き、その後、C社に持っていくことになったとしても、担当者は詳細に報告を上げないでしょう。でも、もしかしたらこの流れのどこかで無理や無駄が発生しているかもしれません。こういったことの「実態」を把握したかったのです。
報告の有無を各人の判断に任せるのではなく、公正な立場で明示してくれるのがSmartDrive Fleetです。導入後はもっとも効率の良いルートで回っているか、工場間の往復は実際に何回発生しているのか、事実を漏らすことなく確認できるようになりました。正しい情報の取得により、適正な判断が可能となり、結果として業務の効率化ができる。その状態を作るために導入を決定しました。
確かに、各人が「これは書かなくていいだろう」と判断していた“見えない部分”の可視化は、効率化を進めるにあたり重要なことですね。
岡社長:谷岡から導入の経緯について説明させていただきましたが、少し補足をさせていただきます。
本日、取材に参加している谷岡や中島、岡の3名はこれから部下を持つようになります。3人とも真面目に仕事していますし、管理の必要は全くありません。ではなぜ導入したのか。それは、彼らの部下になる方たちへ、「自分たちがどんな業務を行っていて、今後どうしていくべきか」を伝えていくために、現在の活動を可視化できるようにしたい。それが導入を決めた背景です。
ただ、予想外のコロナ感染拡大により売上が急激に落ち込んだことで、その時期が遠のいてしまった。それでも彼らに部下がついたとき、共有や管理をスムーズに行えるようにしたい。つまり、部下育成のために導入したのです。SmartDrive Fleetは使い勝手も良いので、来たるべき時への練習をという意味で現在は3名に預けて運用させています。
コロナを乗り越え、売上が上がっていけば、デバイスを部下に預けたり、導入数を増やしたりして、各自の状況を把握できるようにしたいと考えています。会社というより、各担当者の能力アップを考慮して導入を決めた。それが私の答えです。
組織が大きくなった時に全社員のパフォーマンスを向上させるには、部下をまとめる立場の社員が現状を把握し、改善策を考えるということでしょうか。
岡社長:まずは理想を述べるのではなく、現状を理解しないとね。能力に大きなばらつきが出ると企業がアンバランスになってしまうので、指導面での活用は教育の一環として捉えています。
使い込むほど向上する、安全運転への意識
ご利用いただいているみなさまにお伺います。SmartDriveの導入後、意識面などで変わったことはございましたか?
中島:まず、以前は「こうやって回ったら早いだろう」と勘で考えていたルートを、リアルなマップとして提示されることで、本当に効率的な走行ルートだったか、他に回り方はなかったかをしっかり検討できるようになりました。合わせて、日々配信される運転のスコアを見て安全運転を心がけるようになったのは、個人的に大きな変化です。
自分の運転スコアって、気になりますよね。
中島:そうですね。「もっと良いスコアを出すぞ!」と気持ちに火が付き、安全運転への意識が高まります。
岡(靖):私も同じです。自分の運転を客観的に理解できることは安全運転を啓蒙する活動の一環として非常に有効だと感じました。ただ、車種によってシガーソケットの装着が容易でないものもありますので、デバイスの口を可変式にしていただくなど、工夫いただけるとより使いやすくなるかと。弊社では一部の車両で分配器を使用しています。
谷岡:私も安全運転への意識が高まりましたね。たとえば高速道路で前の車を追い抜こうと思っても、「記録されるからスピードを出しすぎないようにしよう」とか「アラートが出るかもしれない」と、行動する前に抑制が働くようになりました。
SmartDrive Fleetについて、これといった不満はありませんが、1点だけ希望を言わせてください。USBの出力が小さいので、充電に時間がかかってしまって。次にデバイスを開発される際は、2A〜3Aぐらい出るものへ改良されると、もっと使いやすくなるんじゃないでしょうか。
ご期待に添えるよう、社内にフィードバックを進めていきたいと思います。想定外に安全運転への意識が高まったとのこのとですが、報告書などの運用面で変更された点などはございますか?
谷岡:従来から、工場から工場へ製品を運ぶときは納品書を元にした紙管理をし、営業報告は、エクセルで作成した帳票をつかって、どこへ訪問したか、その日の問題点、新規顧客訪問時の実績を記し、メールで配信しています。その際に、前日の走行ルートと実績を確認するためにSmartDrive Fleetを利用するようになりました。
スマートドライブへの希望は音声機能と日報報告の一元管理
この先、SmartDrive Fleetに期待していることを教えてください。
谷岡:実際に使用している担当者レベルでは、安全運転への意識向上や心掛け、効率的な走行ルートの考案まで進みましたが、蓄積したデータを定量的に分析するところについてはまだ未着手です。
営業報告とSmartDrive Fleetで蓄積される走行の実績の紐づけることで、どのような効果が出てくるのか。SmartDrive Fleetを活用してこれから検証していくべきだと考えています。
御社はすでに導入から半年で、一定量の走行データが蓄積されていますし、傾向を見てみることで気づきがあるかもしれませんね。
岡社長:私自身も、SmartDrive Fleetをもっと使いこなしたいと思っています。そこで一つ、希望したいのが音声記録機能。
今はすべてメールで得意先での会話内容を報告してもらっていますが、その内容を音声で記録できれば良いなと思っていて。打合せ時に記録した大量のメモから重要なポイントを抜粋すれば、ほんの50文字程度ではありますが、メールを打つにも時間がかかりますよね。それを口頭で簡潔に記録できれば、5分以下に抑えられる。どんな施策を打ち、結果どうなったのか。お客様の特徴やその時の反応、クレーム対応など…。これらの情報をSmartDrive Fleet一箇所で管理できれば、報告書も不要ですし、お客さんとの打合せでも温度感や認識のズレを防いで、最終的に大きな成果が生まれる。そこまでできれば、私としては大満足ですね。
これから会社が成長して、従業員が増えていっても同じ。何のための訪問で、どんな会話をして、どんな結果が出て、次はどう展開すべきか。もちろん、私も社員からの営業報告をもとに次の動きを考えますが、この一連の流れを各人、自分の頭で考える時間をしっかり取って欲しい。そのために無駄な事務作業はなるべくスリムにして、仕事に必要なものが一箇所にまとめられている環境を作りたい。
目的や成し得たいことがないまま外出するだけでは何の意味もありませんから。何のためにそこへ行くか、外出の理由こそが重要なのです。
重要な視点ですね。ちなみに、社員のみなさんはスマートフォンを業務用にお持ちでしょうか。今の要望に100%お応えするには至りませんが、SmartDrive Fleetアプリに搭載された日報機能で一部を代用できるかもしれません。
岡社長:会社では15〜6台ほど、スマートフォンではない携帯電話を所有しています。ですが、今はスマートフォンでも2,000円台で契約できるものがありますし、お伝えしたような効率化が実現できるのであれば、切り替えてもいいかもしれませんね。そうすれば、契約を取りに行った経緯や結果の報告と走行履歴、総体的に確認できますしね。
岡社長としては、今後まずはどのような運用をご所望ですか。
岡社長:現在は、筒井が週末に全員分の走行データをまとめてレポートを提出しています。私はそのレポートを「デバイスを装着していない時間もあるかもしれない」など、良い面も悪い面も含めあらゆることを想定しながら確認していますが、今後は、まずは谷岡、中島、岡にも同じ視点で部下のレポートを見て欲しいと思っています。第二段階は、3人がもっと高度に使いこなせるようになること。今はまだ5台の運用ですが、導入数を増やせばもっと改善できることが増えていくかもしれませんし、データを軸に施策を考え、効率的な運用をしてもらいたいですね。
そしてもう一つ。SmartDrive Fleetは様々な業界や企業で導入されてますので、私たちより御社の方が機能や活用方法について、より深く理解されていますよね。ですので、今後ぜひ私たちの課題に合わせた最適な運用方法を、教えていただけると助かります。
ありがとうございます。弊社には「カスタマーサクセス」というお客様の活用を導くチームがありますので、引き続きご提案させていただければと思います。
最後に、11月より開催する全国安全運転イベントについてご案内させてください。このイベントはSmartDrive Fleetの導入企業様に、運転スコアを競っていただくスコアチャレンジ企画です。上位に入賞したドライバーさまや企業さまは表彰をさせていただくことになっています。安全運転への意識が大きく変わった今、ぜひエントリーいただけますと幸いです。
岡社長:実は弊社では、中島が中心となり上尾警察と協力しながらここ4年近く、交通安全運転の活動に取り組んできました。SmartDrive Fleetの運転スコアを見ても、その頑張りが結果として現れていることがわかります。ですからぜひ参加させていただき、優秀な成績を収めたいと思います。
資料ダウンロードSmartDrive Fleet
導入事例をまとめてご紹介
SmartDrive Fleet を使って業務効率化や労務管理、
安全運転推進などを実現している成功事例をご紹介します。