社用車、商用車の選び方と人気の10車種
荷物を運ぶためのトラックや商用バン、人を運ぶためのバスやタクシーといった商用車、営業などの業務に使う営業車をはじめとした社用車など、車は個人だけでなく法人でも幅広い用途で使用されています。個人が車を購入する場合、用途や好みに応じてさまざまな車種の中から最適な1車を選びますがこれは法人でも同様です。
そこで今回は社用車や商用車を選ぶ際のポイントから、実際に人気のある車種を紹介します。
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目次
商用車、社用車 、営業車とは?
最初に簡単に言葉の定義をしておきたいと思いますが、法律等で厳密な定義があるわけではありません。
- 商用車 : 多くの場合「ビジネス用途」で使用される車を商用車とすることが多いです。タクシーやバスといった旅客輸送車、トラックや商用バンなどの貨物輸送車のほか、ダンプカーといった工事現場で利用されるようなものも含まれます。下記の社用車や営業車とよばれるものも、商用車の一種です。
- 社用車 : 会社が所有する車のことです。一般的には軽トラックや商用バン、営業や送迎時に使用される乗用車が該当し、バスやダンプカー等は含みません。
- 営業車 : 社用車の中で、特に営業用途で用いられる車のことです。
今回はこの中でも一般的な法人で車を購入する場合を想定し、荷物を運んだり送迎にも使える商用バンや、外回りなどで活躍する乗用車を中心に紹介していきます。
商用車や社用車の選び方、ポイント
個人で車を選ぶ際には、その車の用途や機能、価格に加えお気に入りのメーカーや色といった趣向を元に車を選んでいくでしょう。一方業務で利用する商用車や社用車の場合は、基本的に必要最低限の機能に絞られているものが多いため、用途と価格が選ぶ際の重要なポイントとなります。
いくつか具体例をあげていきましょう。
荷物スペース
主に荷物を運ぶ為の車の場合は、荷台が広く荷物の出し入れもしやすい軽トラックや、荷室スペースが広かったり助手席を倒すことで長いものでも運べる商用バンが選ばれる傾向にあります。
軽トラックならダイハツのハイゼットトラック、商用バンならスズキのエブリイやトヨタのプロボックスが該当します。
定員
たとえば送迎車のように、ある程度の人数を収容できる必要がある場合は大きめのバンが人気です。日産NV350キャラバンバンやトヨタのハイエースバン、トヨタのアルファードなどが定番。
サイズ(コンパクトさ)
荷物を運ぶ場合や複数人を送迎する場合にはある程度サイズが大きい車を選ぶ必要がありますが、反対に小さい車の方が適している場合もあります。
たとえば営業などで小さい路地を走ったり、狭い駐車スペースに車を止める可能性がある場合。もしくは立体駐車場などを活用する場合などです。この場合は車のサイズや高さを主な指標として車を選んでいくことになります。
たとえばスズキのアルトバンは、バンの中では小型のタイプで上述してきたバンとは違う特徴を持っています。
価格や燃費
個人で車を購入する場合と同様に、価格帯や燃費の良さも1つのポイントです。特に価格については、そもそも社用車を購入せずにカーリースやカーシェアを利用することで費用を抑えるという選択肢もあります。
購入する場合にも、目的や予算によっては中古車を選択する方が良いケースもあるでしょう。
その他機能
外回りの営業マンが使用するような場合を考えると、たとえば運転席付近の収納スペースや車内でも作業がしやすい機能があると便利です。
人気のおすすめ車種ランキング
ここからは実際に商用車や社用車を購入するという方のために、人気の車種や定番の車種をピックアップしています。
まずは人気のある車種を10車ほど。今回は価格.comの商用車人気・注目ランキングをもとにピックアップしてみました。(* 参考にしているのは2017年 2/12~2/18 時点のもの。同じ車種は1つのみピックアップしています)
1位 : スズキ エブリイ
商用車の定番ともいえるスズキのエブリイ。軽キャブバン(1BOX型軽商用車)の中でもトップクラスの荷室サイズが大きな特徴で、ある程度コンパクトでありながら荷物もそれなりに詰めるバランスの良さが売りです。
配送用の車として運輸業だけでなく小売業や卸売業、建設業などの現場でも広く使われています。
ビジネスで利用しやすいように、運転席・助手席に豊富な収納スペースも備えられれているため伝票や手帳、メジャーやクリアファイルなど小物を常時持ち歩く人にももってこいです。
装備が異なる5つのタイプがありそれぞれ価格も違いますが、最も安いもので923,400円(メーカー希望小売価格)から。
2位 : ダイハツ ハイゼットカーゴ
エブリイと同じく商用車として人気が高いのがダイハツのハイゼットカーゴ。機能の特徴や価格帯もエブリイとかなり似ています。5つのタイプがあり最も安いもので936,000円(メーカー希望小売価格)から。
荷室幅が広く高さにもゆとりがあるので効果的に荷物を詰める点が最大の特徴。たとえばみかん箱(380×310×280mm)サイズの箱であれば65個収納することができますし、助手席を倒すことで6畳相当のカーペットのように長い荷物も積めこめます。
荷物を運ぶことを考えると、ドアの開口部の幅や荷台の高さも重要なポイントですが、こちらについてもこのサイズの商用バンではトップクラスです。
3位 : トヨタ プロボックス
エブリイやハイゼットカーゴとは少しサイズが異なるプロボックスですが、想定している用途も少し違います。「営業車に最適」「ビジネスマンの強い味方」というコピーがサイトに並ぶように、外回りをするビジネスマンに目を向けられている商用車です。
そのため車内でも作業がしやすいようにノートパソコンを置ける引き出し式のインパネテーブルが備えられていたり、ドリンクホルダーも1リットルの紙パックが入るようになっていたりと細かい機能へのこだわりがすごいです。
最も安いモデルで1,380,240円(メーカー希望小売価格)から。
4位 : スズキ アルトバン
アルトバンの大きな特徴は、コストパフォーマンスの良さとコンパクトさ。696,600円(メーカー希望小売価格)からと、これまで紹介してきた車に比べてお手軽な価格がまず目につきます。
サイズも一回り小さいため運送用途で多くの荷物を運びたい場合には向いていませんが、小さな荷物しか運ばない場合や、2~3人が乗れれば十分な場合には駐車スペースもとらず、小回りがきく使いやすい車です。
レーダーブレーキサポートや誤発進抑制機能などの安全運転サポート機能も搭載されているように、コストがかからないからといって低機能というわけではありません。
5位 : トヨタ ハイエースバン
ここまで紹介してきた商用車の中では最も大きいサイズの車。運送や送迎などの用途で大きめのサイズの商用車を探している際には要チェックです。キャンプなど個人利用でも人気の車種ですが、もちろんビジネスシーンでも活躍してくれます。
定員が3人〜9人のものまであるので、荷物をたくさん運びたいのか人をたくさん乗せたいかによってどのモデルを選ぶべきが変わってくるので注意が必要。
最も安いモデルで2,142,327円(メーカー希望小売価格)から。
6位 : 日産 NV100クリッパー
エブリイやハイゼットカーゴと同タイプの商用バン。車内の設備や荷物スペース、走行性能でも同レベルのものを備えている定番車種の1つです。
環境への配慮についても5AGS車(2WD)は「平成27年度燃費基準+25%」と「平成17年基準排出ガス75%低減レベル」を達成しており、エコカー減税の対象となっています。
最も安いモデルで951,480円(メーカー希望小売価格)から。
7位 : 三菱 MINICAB-MiEV
一見するとオーソドックスな商用バンに見えますが、最大の特徴は電気自動車(EV)タイプの商用バンであるということです。商用車として利用する場合においても、電気自動車は当然メリットとデメリットがあります。
環境面においては走行中の排出ガスが0であることから、特になるべく新鮮な状態、きれいな状態で保存したいものを運ぶ場合にはメリットがあるといえそうです。
経済面においてはガソリン代がかからないことがメリットでしょう。ただし快適に使う為には充電設備を整えておく必要があります。加えて充電にかかる時間が長く、1回の充電で走行できる距離も普通の自動車の方が優れているので、その点をあらかじめ考慮しておきましょう。
8位 : トヨタ サクシード
3位で紹介したプロボックスと同様に、人気のあるトヨタ製のライトバンです。見た目からプロボックスにそっくりで、むしろどこが違うの? と思われるかもしれません。
以前はサクシードの方が若干サイズや最大積載量が大きかったりしたそうですが、現在はほとんど違いがなくなっています。価格はサクシードの方が少し高く、最も安いモデルで1,556,280円(メーカー希望小売価格)から。
9位 : 日産 NV350キャラバン
ハイエースバンと同じく商用バンの中では大型サイズのNV350キャラバン。バンプレミアムGXの場合、荷室スペースの全長は3050mmと商用バンの中でもトップクラス。その上荷室のアレンジ性が高く、フックやバーを自在に取り付けながら効果的に荷物を詰め込むことができます。
2,239,920円(メーカー希望小売価格)から。
10位 : ホンダ アクティバン
ホンダ製の商用バンとして人気のあるアクティバン。荷室のサイズや最大積載量などもこのタイプの車としては一般的なもの。価格帯が若干高めで1,150,000円(メーカー希望小売価格)からとなっています。
用途に合った最適な車を
冒頭でも触れたように、商用車や社用車といっても実にさまざまなものがあります。
- 主な使用用途を明確にし、必要な機能を整理する
- 似たような特徴を持つ車種から、自社にあったものを選ぶ
といった流れで、まずはどのような用途で車が必要か、そしてそのためにはどのような機能を備えているべきかを整理してみましょう。
似たような特徴を持つ車種が各メーカーから販売されていますし、プロボックスとサクシードのようにほとんど同じように見えるものもありますが、細かい点まで特徴を見極めた上で、自社にもっとも合った最適な車を見つけてみてください。
また、購入するのかリース車を使うのかでも選択肢は変わってきますので、その辺も自社のニーズに合わせて考慮する必要があるでしょう。法人のリース車利用のメリットに関しては以前本メディアでも紹介させていただいたので、詳細は「【比較シミュレーションつき】 法人なら購入よりカーリースが本当にお得? その仕組みを徹底解説」をご参照ください。