風力発電の安全と効率を支える、車両管理DXの推進


- 業種
- エネルギー
- 管理車両台数
- 46台
- 事業内容
- 陸上および洋上風力発電機の販売・メンテナンスサービス
- 地域
- 中国/九州/北海道/北陸/四国/東北/東海/近畿/関東・甲信
- 活用目的
- 安全運転強化
- 利用デバイス
- シガーソケット型/ドライブレコーダー型
世界的な風力発電機メーカーVestasグループの一員として、日本における風力発電事業を牽引する、ベスタス・ジャパン株式会社さま。
風力発電機のメンテナンスには、サービスチームによる車両での現地移動が不可欠です。広大なエリアに点在する風力発電機の保守・点検を行うため、多数の車両が日々稼働しており、その車両管理と安全確保は、事業を安定的に推進する上で重要な課題となっていました。
本インタビューでは、インフラを支える企業における車両管理(フリートマネジメント)の重要性について、安全管理と環境を担当されているイェー様にお話を伺いました。
グローバル展開する風力発電のリーディングカンパニー
はじめに、貴社の事業内容について教えてください。
弊社は風力発電機のメーカーで、本社はデンマークにあります。日本では30年ほど事業を営んでおり、陸上と洋上の風力発電機の製造・販売・設置・保守を行っています。
日本の風力発電市場にはどのような特徴がありますか?
日本は島国で、平らな場所が少ないという特徴があります。そのため、大規模な風力発電所は作りにくく、海外では100基規模の発電所もありますが、日本では風が強い場所は山間部や海沿いとなるため、10基程度の風力発電所が多いです。一方で、洋上は大規模な風力発電が可能ということで、近年注目を集めています。弊社も全国各地に多くの事業所をかかえています。
各事業所では、車両をどのような用途で使われているのでしょうか?
弊社は北海道から九州まで多くの事業所がありますので、主に陸上風車のサービスチームが各事業所から保守・整備に向かうために使用しています。

増える移動と事故リスク、遠隔地における車両の状況把握が課題に
SmartDrive Fleetを導入されたきっかけを教えてください。
風力発電機は主に山間部などの人里離れた場所に設置されており、長距離かつ頻繁な移動が日常的に発生します。拠点によっては担当者が1人で複数現場をカバーすることもあり、作業員の事故やスタック(雪やぬかるみ等)への対策、ドライバーの所在把握が重要となっていました。
以前はGPSやドライブレコーダーを設置していなかったため、事故が起きた際に場所や状況がわからず、対応に時間がかかることがありました。特に、弊社では外国人の作業員も多く活躍していることから、遠隔地では言語の壁もあり、トラブルが起きた際の迅速な対応が難しいという状況がありました。
貴社の海外拠点では、すでに車両管理(フリートマネジメント)システムの活用が進んでいたそうですね。
はい、日本を含むアジア太平洋地域では、5〜6年前から安全運転の確保と事故対策のため車両へのGPS設置が行われていました。弊社ではグローバル全体の取り組みとして、交通事故だけではなく、あらゆる面での従業員の安全管理に重きをおいています。そのため、先ほどの課題に対して、日本でも、同様の管理を検討することになりました。
柔軟な導入スキームと遠隔地でも活用できる通信仕様
数あるサービスの中で、SmartDrive Fleetを導入した背景を教えてください。
何社か検討した中で、最もコストと機能のバランスが適切だったのがSmartDrive Fleetだったためです。
具体的にどのあたりを「適切だ」と感じていただいたのでしょうか?
まずは導入までのスキームが非常に柔軟であることです。当初は、洋上風力発電機のサービスチーム向けに、シガーソケット型デバイス数台からスタートしましたが、この時点で、コスト面や使い勝手を考慮することができ、低コストかつスムーズに運用を開始できることを実感しました。
2点目は、遠隔地でもデータが取得できる通信仕様のドライブレコーダー型デバイスが選択できたことです。陸上風力発電の現場は、山間部など電波が届かない場所が多いため、何かトラブルが起きた際の迅速な対応のためには、この点は非常に重要でした。

Photo: Vestas Wind Systems A/S
毎週の安全運転レビューで、チーム全体の意識を継続向上
現在、SmartDrive Fleetはどのように活用されていますか?
メインは導入目的でもある安全対策です。事故発生時の記録だけでなく、事前に運転状況を把握し、対策を講じる目的で活用しています。
毎週金曜日に各拠点のスーパーバイザーが運転スコアや急ブレーキなどの走行データをチェックし、翌週の朝礼でチームメンバーに周知しています。安全運転指標を共有し、改善を促すのが主な目的です。
安全運転にむけた活動を非常に重要だと捉えていらっしゃるのですね。
Vestasでは、グローバル全体で安全を最重要事項と位置付けています。日本では事故は多くはないものの、各国の取り組みがアジア太平洋地域全体の評価につながるため、「日本は事故が少ないから大丈夫」というわけにはいきません。
事故リスク低下と、運転行動の見える化による抑止効果
SmartDrive Fleetの導入により具体的に変化した点があれば教えてください。
数字を基にしたフィードバックを続けた結果、ドライバーが安全運転を意識するようになったためか、初期に比べて荒い運転が減りました。急ブレーキや速度超過に関するアラートの通知回数が大幅に減少しています。導入当初は毎週、時には毎日アラート通知がありましたが、最近は数日おきに数件という頻度です。人数が増えている中でアラートが減っているのは良い傾向だと思います。
安全運転が推進されることで、社内での評価にも影響はありますか?
Vestasでは、業務に関わるあらゆる事故項目が社内評価に反映されます。深刻度や報告スピードなど、様々な視点から評価され、当然安全運転もその一つに含まれます。このような指標があり、アラートが減ることは、サービスチーム・ドライバーのキャリアアップにもつながると言えるでしょう。

SmartDrive Fleet画面 サンプルイメージ(クライアント企業の走行データではありません)
AI搭載デバイスや車両情報の一元管理にも期待
今後のSmartDrive Fleetの活用について、期待することはありますか?
AIカメラによる運転中の眠気・スマホ操作検知というような先進機能の活用や、免許証・保険証書などの車両関連情報の一元管理に期待しています。
また、導入して終わりではなく、定期的にデータを見ながら運転改善に役立てられる運用フローが作れたのは、SmartDriveの伴走があったからこそ。
今すぐに現在使っているシガーソケットタイプを全て廃止して新しいAI搭載デバイスを導入するというのは難しい部分もありますが、まずは現場で使えるところから段階的に進めるのが現実的だと考えています。引き続き、様々な観点で提案をいただけることを期待しています。
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