ものづくりのエンターテイナー!株式会社テルミック様がデジタルを率先して活用する理由

ものづくりのエンターテイナー!株式会社テルミック様がデジタルを率先して活用する理由
株式会社テルミック
業種
製造業
管理車両台数
12台
社員数
140名
事業内容
治具部品加工、金属部品加工、精密部品加工

1990年、愛知県の刈谷市青山町で町工場として産声をあげた株式会社テルミック。それから31年、代表取締役社長である田中さまのモノづくりへの熱い思いと、最先端の技術を取り入れた取り組みによって着実に成長を遂げてきました。

テルミック様が企業として何よりも重要視されている「共有」。位置情報、業務内容、稼働状況など、役職に関係なく全社員の情報を透明化することで、仕事への取り組みかたも効率も大きく変わるといいます。その中で、情報共有できるツールの一つとして選んでいただいたSmartDriveのシステムはどのようにご活用いただいているのでしょうか…? 6G時代に向けた企業のDX化に重要なお話を伺いました。

インタビュー:
株式会社テルミック
代表取締役社長 田中 秀範様
広報 中野 訓子様 石井 美玲子様
https://www.tel-mic.co.jp/

町工場からスタートし、急激な成長を遂げてきたテルミック様

まずは御社の事業内容について教えてください。

田中様(以下、敬称略):愛知県刈谷市に本社を構える株式会社テルミックは、治具部品加工、金属部品加工、精密部品加工などを行う企業です。常滑市にあるりんくう常滑工場は1万㎡ほどの大規模なスマート工場で、AIやIoT技術を駆使し、電力使用量やエアー使用量を計測・表示して、訪れたお客様に見ていただける仕組みになっています。おかげ様で製造業の企業様を中心に、月間約80社もの方が見学に訪れてくださっています。

弊社は平たくいえば鉄工所ですが、140名ほど在籍している社員のうち6割強が女性であり、なんと平成生まれの女性だけで100名近くも在籍している、やや珍しい会社です。若い人の採用を拡大するために、部署名も営業部ではなく生産管理部にするなど、先進的なイメージをアピールする工夫を随所に散りばめていますし、社内にも遊び心やちょっとした仕掛けを施し、若い人に居心地の良いオフィスだと思ってもらえるように工夫しています。

私は53歳になりますが、およそ30年にわたり、このビジネスに携わってきました。もともとパソコンが得意で、最先端技術を追いかけてきたこともあり、それらの技術を業務に取り入れながら、リアルタイムに売上状況が可視化できるボード(カジノ画面)を作成したり、youtubeチャンネルを開設するなど、新たな取り組みにチャレンジしています。弊社の取り組みについては、動画でもご紹介しておりますのでぜひご視聴ください。

株式会社テルミック様のYou Tube公式チャンネルはこちら

動画内でもご紹介させていただきましたが、タッチパネルが埋め込まれたスタンディングテーブル、モニターなどが現場の至る所に設置されており、その一角にはSmartDriveの管理画面を映し出すモニターもあります。

ありがとうございます。田中様ご自身のご経歴ついても、簡単にお聞かせ願えますか?

田中:工業高校を卒業後、社会経験をして22歳のときにテルミックを創業しました。最初の仕事は、自動車関連企業との取引です。お取引先様の工場には高校時代の同級生も多く働いていました。彼らに、「こんなものも作れるけど、何か仕事はないかなあ」と相談し、一つ作っては運んで納品するというところからスタート。そして、どんどんものづくりの面白さにのめり込んでいったのです。

そうしてものづくりを続けているうちに事業規模が徐々に大きくなり、従業員も少しずつ増えていきました。しかし従業員の数が増えると、そこに合わせて働きやすさと効率化を両立させる仕組みが必要になっていく。従業員が10人の時と11人の時とでは、経営の仕方も異なりますが、それは従業員数が100人のときと101人のときも同じ。ですから、従業員数の増加に合わせ、パソコンでテルミック独自のシステムを構築しながら、業務フローや労務管理などのシステムをその都度変更しているのです。

2030年には6Gの時代がやってくると言われていますが、それが本当に現実すれば、今より何百倍もの情報量が高速でやりとりできるようになります。しかし、6GになったからといっていきなりDXができるわけではないでしょう。それまでに率先してテクノロジーを活用する企業でないと、そうした変化へ柔軟に対応できません。ですから、今できることをヒントにしつつ、次のアクションへつなげようと、一歩一歩着実に取り組んでいるところです。

テルミックが大事にしている「共有」とSmartDriveのサービスが合致した

創業時からさまざまな取り組みの中でデジタルを活用されているとのことですが、どのようなきっかけでSmartDriveを導入されたのか教えてください。

田中:きっかけは、先ほどご紹介したOCRやスタンディングテーブルのように、お客様へ見せる展示物の一つとして魅力的だと感じたことです。

テルミックは、データの共有、場所の共有など、「共有」に強いこだわりを持っています。今では当たり前になりつつありますが、各営業所のスタッフとは、かれこれ5〜6年前からオンラインでのデータ共有や会議を行ってきましたから、私たちにとって今はもうこれが“当たり前”になってしまいました。今は朝礼も、全員が各部署に別れてオンラインミーティングを実施していますので、会議室もほとんど使用していません。素早く行動に移すということは、失敗も含めて早期に経験を積むことができますので、非常に重要なことだと考えているのです。

走行データも全従業員に共有していますので、配送スタッフの位置情報を見ながら、「帰りに●●へ寄ってくれませんか」「●●へ向かう途中、■■をピックアップしてきてもらえますか」など、従業員間で連携が取りやすくなり、結果、生産性が大幅に向上しました。

ちなみに、テルミックさまは車両を何台所有されているのでしょうか?

中野(以下、敬称略):配送車と社用車、あとは社内便で使う車、計12台を登録しています。

石井(以下、敬称略):過去に使用していた車両管理システムは、位置情報の更新が5分〜10分ごとだったのですが、SmartDriveは秒単位のリアルタイムの位置情報がわかります。その正確さ、スピード感、先進性が私たちの目には非常に魅力的に映りました。田中が話したように、会社全体が情報共有へ重きを置いていますので、そこに紐づくサービスとしても親和性を感じ導入に至りました。

田中:それに、SmartDriveの車両管理システムは全車両の一日の走行履歴を記録できます。今まではドライバーが日報を書くために30分早く帰社する、または残業するなど、時間をかけて作成していましたが、今はその日報を書く手間暇が無くなり、その分、本来の業務に集中しています。知人にSmartDriveを紹介しても、誰もが「これは良いね!」と口を揃えて言ってくれますよ。

本社以外の営業所を合わせて10カ所以上でSmartDriveのリアルタイム位置情報を表示していますので、全員が同じ画面を見て、同じ情報が共有できるのです。今後はSmartDriveの走行履歴を社内のシステムと連携させ、「どこへ訪れたのか」+「何を納品したのか、何を置いてきた」という情報をログで残せるようにしたいなと。そして、ご来社いただいた企業様にお見せして、これがDXの前段階であることを伝え、デジタル技術を駆使して業務に活かしていきましょうと啓蒙していきたいですね。

生産管理グループには25、26歳のスタッフが多く在籍していますが、仕事のやり方も考え方も価値観も、昔とは全く異なります。鉄工所だから、建築現場だからといって、従来通りの働き方を良しとするのではなく、時代に合わせて現代のテクノロジーをどんどん取り入れ、進化していく。それが私たちの目指す姿です。

共有へのこだわりを聞きますと、非常に透明性のある社風だと感じます。

中野:そうですね。本当に分け隔てがありませんし、後輩社員が先輩社員に相談しやすい環境があります。それに、つねに、誰がどこにいるかがわかりますので、安心感もあるんです。それは社長も同じ。SmartDriveによって、今まで見えなかった流動的な車両の動きも可視化できるようになり、様々なところで業務効率が上がったという声を聞いております。

また、車両予約機能も頻繁に活用しています。私は基本的に営業所にいるのですが、週一ぐらいで他営業所に行くことがあり、今までは車両の利用時に、営業所の全員に使用可能かを聞きまわって予約していたんです。予約がシステム化されたことで、予約の際の手間が格段に減り、事務作業が大幅に軽減しました。

配送スタッフ、事務スタッフ、双方にとって有効なSmartDrive

車両予約のほか、SmartDriveの車両管理システムの導入によって改善されたことはございますか?

石井:日報関連の業務ですね。今までは配送担当者が紙に手書きで、いつ・どこに行って・何km走行したのかという記録を書いていました。この作業が短縮できればもっと配送業務に時間が割けるのにと思いつつも、実際にはそれができていなかったのです。

SmartDriveの機能でスマートフォンやパソコンで入力ができるようになったことで、今は手書き作業にかけていた時間をお客様への配送や、引き取りの時間に当てることができるようになり、生産性が向上しました。また、ボタン一つで日報の集計もできるようになったので、業務効率と管理の質がグンと上がったと、配送担当者からも事務スタッフからも嬉しい声が聞こえています。

田中:今後、さらにSmartDriveでできることが増えていくと思います。先ほども少し触れましたが、私が考えているのは他のシステムと連携して、「今、何を置いてきたのか、次に何を引き取るのか」が把握できる通知設定を構築すること。モノは置いてきたら必ず引き取りに行かなければなりませんので、抜け漏れ防止と周知徹底のためにも、ぜひ実現したいですね。

導入は、早ければ早い方がいい

情報共有について、もう少しお話を伺いたく存じます。車両管理システムによって従業員の勤務状況を可視化したいという管理側の意見がある一方で、従業員からは反対・反発があり、なかなか導入ができないという声もたまに耳にします。テルミック様では、導入に際し、社員の皆様からどのような反応がございましたか?

田中:先日、2万人近くの社員を抱える企業の専務さんが弊社にいらっしゃって「うちで今導入すると、会社で大きな反発が起きてしまう」とおっしゃっていました。そのほかにも、数社のご担当者様からご意見を伺いましたが、みなさん現場での反発や対立を恐れてらっしゃるようでした。ただ、いずれにせよ意見は割れますから、今がもっとも最小の被害になると思って、エイヤで導入しなければ変わらないでしょう。

従業員からは「監視される」という意見もあるでしょうが、徐々に徐々に浸透させれば、数年後、それが「当たり前」になっていきます。共有という意味では必須のツールですから、納得がいくように丁寧に説明をしながらじっくり進めることが重要なのです。

私もそうですが、経営者としては、稼働状況の透明化ができるので導入したい。ならば、逆の発想で、自分の行動を真っ先に共有すれば良いのです。そうすれば、自分も同じ状況なのですから公平になるでしょう? それに、デバイスは社用車にしか設置していませんし、情報を共有するのは業務時間内の17時15分までですから、特に厳しい管理をしている訳ではありません。そうしたことを理解してもらうために、経営者自らが情報をオープンにする。それによってコソコソした会話もなくなりますし、透明性の高い社風になりますから。

それが、「今が最小だ」ということなんですね。

田中:この先、社員数が増えていくことを考えると、今が導入のベストタイミングなんですよ。時間が経ち、社員が増えれば増えるほど反対の意見も大きくなり、導入の足が遠のいてしまいますから。

導入後、社員間で徐々に情報が共有できるのは良いことだという空気感が出てくるのでしょうか?

田中:何をするにしても反対派は必ずいますが、情報は可視化したほうが誰にとっても便利に決まっています。会社全体を通して、良い環境を構築できると思えるものは、思い切って取り入れ、少しずつ洗練させていけば良いのです。

仕事の合間にコンビニへふらっと立ち寄りたい人からすればネガティブな印象を受けるでしょうが、息抜きに会社を出て、コンビニでコーヒーを買って飲んでも別にいいんですよ。休憩時間でもないのに、あんまり長くコンビニに滞在しているようだと、さすがに少し気になってはしまいますが、そういう個人的な行動を追っているわけではありませんので。私が知りたいのは、全体の動きをみながら、あと何分でお客様のもとへ到着するのか、何分で帰社するのかという情報なんです。それがわかれば従業員同士の連携がスムーズになるし、業務スピードも上がりますから。

選ばれる会社になるために自社の強みや特徴を徹底アピール

御社の常滑の工場には、月間80社近くのお客様が訪問されると伺いました。それだけ多くの方が御社に訪れ、さまざまなITサービスを見ること、また、御社がそうしたテクノロジーを展示するメリットはなんでしょう?

田中:りんくう常滑営業所にはノギスを持った巨大な招き猫のオブジェが設置されています。Twitterでも制作の裏側をご紹介していますが、このオブジェは売上や業務とは一切関係がないものです。ですが、この招き猫にも意味があるのです。

製造業は愛知県だけでも1万5,000社ほどありますが、それが全国だと44万社にものぼります。テルミックは44万社のうち3,000社としか取引がありません。3,000社と聞くと、多いように聞こえるでしょうが、製造業社全体からすれば割合的に少ないですし、周知されているとは言い難い。りんくう常滑工場には年間約1,000社ほどの企業様が見学に訪れますが、1万社を達成するには単純計算で10年、44万社だと440年近くかかってしまう。これは本当に気の遠くなるような数字です。ですから、社長が自ら被り物を被ってアピールしたり、広報の力で会社の魅力を伝えたりして、メディアやSNSを通じて注目されること、話題になるようなことをしようとチャレンジしているのです。

招き猫のぬいぐるみも作成し、社内に設置したUFOキャッチャーで取れるように今計画をしています。そのほかにもTシャツやコースターなど、グッズ展開をしていますが、これが実は人気を集めています。来社時にグッズをお持ち帰りいただき、後日、思い出してもらって、また工場に訪れてほしい。そんな思いで始めた取り組みが、今はおかげさまで多くの方に周知され、訪問いただけるようになりました。話題になればきっかけができ、接点が持てる。そして実際にお会いして、最新のITサービスを駆使した弊社の取組みを体験してもらう。このようなサイクルで、お客様との関係を構築しています。

たしかに、ITサービスを駆使されている現場を見ることで「他社と差別化している、先進的な取り組みをしている会社」というイメージを受けますし、その結果「あのテルミックなら…」という実際のお取引のきっかけにもなりそうですね。

44万社もありますから、記憶に留めていただくには何か強みとなるポイントや特徴がなければと思っています。「IT化が進んでいる」「率先して最先端な取り組みを行なっている」「遊び心があって面白い会社だ」「若い社員が多く活躍している」など、今後も何らかの形でお客様の記憶に残る会社にしていきたいですね。

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