「フォロー体制強化」「事務作業の削減」車両管理システムの導入でさまざまな発見が得られた小田原衛生美化サービスさまの事例

「フォロー体制強化」「事務作業の削減」車両管理システムの導入でさまざまな発見が得られた小田原衛生美化サービスさまの事例
株式会社小田原衛生美化サービス
株式会社小田原衛生美化サービス
業種
一般廃棄物収集運搬業
管理車両台数
35台
事業内容
家庭ゴミの収集・運搬(小田原市受託事業)
地域
神奈川
従業員数
68名
活用目的
コスト削減 / 安全運転強化 / 法令遵守
利用デバイス
シガーソケット型

当初の目的は業務の効率化とルートの最適化だった株式会社小田原衛生美化サービスの門川様。しかし、実際に導入すると、2倍、3倍にも活用できるシーンがあり、それによって多数の気づきを得られたと言います。

小田原衛生美化サービスさまはどのような活用方法で、どのような課題を解決されたのでしょうか…?

小田原市で清潔かつ快適な生活をサポート

はじめに、小田原衛生美化サービスの事業概要について教えてください。

株式会社小田原衛生美化サービスは、1979年の設立から小田原市の可燃性資源ごみ回収を行っている企業です。小田原市からの委託で、市内の燃せるゴミ、資源ごみ、不燃ゴミを回収しております。

門川様は同社でどのような業務を担当されているのでしょう?

車両の配備や運行管理全体を管理しています。誰がどのコースを担当するのかといったメンバーの管理、安全運転の教育など、運行管理の全般ですね。私の他にも担当者はいますが、全体を統括しているのが私の仕事です。

現在は車両を何台ほど保有されていますか?

車両は35台、社員は68名です。そのうちドライバーは42名ほどです。トラブルや故障を考慮して予備の車を用意していますので、常時稼働しているのは30台程度です。

ドライバーは車の台数に対して多いように思われるでしょうが、基本は二人一組体制で、日によって運転手と助手が乗り替わります。

ゴミや環境問題に少しでも関心をもって欲しいという想いから、
地元の高校生に1993年からパッカー車へのペイントを依頼している。

収集車の動き/位置情報をリアルタイムで把握したい

小田原衛生美化サービスさまがSmartDrive Fleetを導入しようと思った理由について教えてください。

業務を効率化して車両台数の適正化、ルートの最適化を目指している中で、まずは第一歩として、「誰が・どこで・どのように」動いているのかを把握したいと考えていました。弊社の有する車両には各々に無線機が装着されており、今までは、各車両がゴミでいっぱいになった時に、「1台目、あがります(焼却施設に向かいます)」という連絡を無線機で受け、各車の作業進行度合いを記録するという運用をしていました。ただ、決して効率が良いとは言えませんし、もっと正確で簡単な管理方法があるんじゃないかって。

そう思い、インターネットを活用して連携の方法やサービスを調査する中、SmartDrive Fleetを発見。これならリアルタイムでの位置情報がわかるうえ、無線の報告を省くことができると思い、導入を進めました。

現在、様々な機能が搭載された「車両管理システム」が他企業からも提供されていますが、SmartDrive Fleetを選ばれた理由は?

システムを導入する上で一番重視していたポイントは、管理画面から直感的に誰がどこにいるかわかること。そして、誰にとっても見やすいこと、分かりやすいことにも注力しました。それがSmartDrive Fleetを気に入ったポイントでもありますし、選んだ理由です。

走行履歴がどのように保存されるのかも数社と比較検討しましたが、SmartDrive Fleetが一番詳細なデータを取得できたので、その点も決め手になりました。とある企業の車両管理システムでは、データの取得頻度が粗く、私たちが求める詳細な走行ルートが取得できなかったのです。弊社は自治体からの受託業務ということもあり、市から問い合わせがあった際に、迅速かつ正確に答えなければなりません。SmartDrive Fleetなら、走行履歴を見ればすぐに「●●の収集ポイントを通過しているかどうか」が一目でわかるでしょう。弊社が対応しているごみ収集ポイントは6,800箇所ほどありますが、問い合わせの入った集積所に行っているか否かは、SmartDrive Fleetの走行履歴で即時、詳細に分かるようになりました。

小田原市にお住いの方が市に問い合わせるのでしょうか

そうですね、そこから市→我々へ問い合わせがきます。SmartDrive Fleetの導入前はドライブレコーダーの映像を確認してから問い合わせにお答えしていましたが、容量の関係でデータが消えてしまう事もあり、その時は担当者の記憶頼りになっていました。また、車両の帰社を待ってデータを確認する為、時間がかかってしまう事も多々あったのですが、SmartDrive Fleetを導入してからは履歴確認によって解決できる事が大幅に増えたのです。また、道沿いに設置された集積所でドライブレコーダーの映像が残っていれば合わせて確認できますので、「●時ごろに伺っております」とはっきりお伝えできるようになりました。

半年で変わった!「安全運転への意識」

半年間SmartDrive Fleetを使ってみていかがでしょうか?

2020年の7月くらいに導入しておよそ半年。目に見えてわかる効果は、ドライバーの安全に対する意識が変わったことでしょうか。事故件数も昨年から減りましたし、全体的に運転が丁寧になった印象を受けます。私自身、所用で小田原市内を車で運転している時に、弊社のドライバーとすれ違うことがありますが、客観的にも安全運転を意識していることがわかるほど。

さまざまな安全運転対策や安全運転教育がありますが、全ドライバーの意識を高めるためには、管理者が一方的に押し付けるのではなく、自分のスコアを見て自分で意識を変えていくことの方が大事なんです。自然とやる気が湧く仕組みができたことは、非常に満足しています。

法律とは違う観点ですが、安全運転を周知させるには大事なことですね。

はい。私たちは小田原市からお仕事をご依頼いただいていますので、事故防止や安全運転意識の徹底についてはさらなる配慮が必要です。そうでなければ、苦情が小田原市へいってしまいますし、信頼関係を築くためにも非常に重要なことなのです。

「安全運転への意識が変わってきた」とのことですが、どのような機能を活用されたのでしょうか?

基本的には決まった走行ルートで回るのですが、運用をする中でルートによって運転スコアの傾向が変わることに気づきました。走行ルートは2カ月に一度ドライバー間で交換しており、燃やせるゴミは14コースで、燃やせないゴミは約10コースというのがベース。小田原市は坂道が多く、とくに急勾配な坂が組み込まれたコースでは点数が低くなり、反対に平坦な道は点数が安定して高くなっていたのです。

つまり、社員全員に対して一方的に「点数が悪い」と言うのは違うなと。現在は、車両データを日々蓄積し、統計データの結果から各ルートの平均点数を割り出しつつ、サマリーで全ルートにおける危険運転を感知した件数の変化を月に1度発表しています。そうすることで、1kmあたりの危険運転の感知件数が減少してきたんです!これはみんなの頑張りによって実現できたこと。こうしたポジティブな結果はみんなで共有し、意識を高めています。

ルートを考慮したうえで、危険運転の検知件数をサマリーレポートで把握し、ドライバーに良い傾向であることをシェアされたのですね。

そうですね、スマートドライブのデバイスは重力のかかり具合を判定してスコア化しますので、急ハンドル・急ブレーキ・急発進が多ければ多いほど点数は下がります。しかし、ゴミ収集車は発進と停止を繰り返さなくてはなりませんので、もしかしたらそれが他社と比較して点数が低くなる要因なのではと考えています。これは職業上の理由ですので、やむを得ませんから、点数だけで判断しないようにしていますね。

そうした背景も加味して、コース毎に運転スコアの平均点を出し、それを掲示することで平均点と比べて自身の運転を見直すようにしています。

ゲーム感覚で楽しみながら安全運転に取り組めそうです。

自分から楽しんでくれるというか、意識が変わるきっかけになればと思っています。

以前、とある収集事業者さまに収集ルートの作成方法について質問させていただいた時に、「集合住宅地とそれ以外を比較すると、同じ走行距離であってもゴミの量が大きく異なる」とおっしゃっていました。御社もゴミの量が均等になるように、ゴミの収集区域を定めてらっしゃるのでしょうか

ゴミの総量と季節ですね。たとえばお祭りや年末年始など、人が集まる時期はゴミが多く発生しますよね。そういった情報を加味してトラックが1日で回収できるようなルートを組んでいます。

そうなると、今以上の効率化はなかなか難しいのではないでしょうか

実は年々、燃せるゴミが減少しているのです。それは、国内の人口減少と関係していると思いますし、一人ひとりが分別を守ってくれているという変化も影響しているのかもしれません。今すぐには難しいですが、可燃ゴミが今後も減っていけば、コースを減らすなどして、効率化できるのではと考えています。

ドライバーみんなでフル活用!フォロー体制の構築もバッチリ

逆に、SmartDrive Fleetの導入に際して苦労したことはありますか?たとえば、現場のドライバーから「監視されているようで嫌だ」といった反対の意見が出たとか。

反対の声はありませんでした。導入前に、その理由をわかりやすく丁寧に伝え、SmartDrive Fleetで何が実現できるのか、何が改善できるかを全ドライバーに周知させました。先ほどもお伝えしましたが、小田原市との信頼関係を築くためですとか、効率化できるとか、そういった内容です。

また、SmartDrive Fleetの導入と同時期にタブレット端末を各車両に持たせ、地図情報以外にも、「SmartDrive Fleetでみんなの位置が分かる」「自分の運転に対する評価が分かるよ」と操作説明をして、しっかり活用できるようにしました。時間を取って、一人ひとりに説明したので少し時間がかかりましたが…。導入したら終わりではなく、意識を変えて、活用してほしかったためです。

同乗者がタブレット端末を管理し、そこからSmartDrive Fleetの画面を見て、他の車両の位置情報を確認できるようにしたのでしょうか

そうです。普段は自分たちのコースに集中しているので他車の様子は気にかけていないと思いますが、たとえば、ゴミの量が想定以上に多く、遅れている車両があるときや何らかの故障が発生したときなど、SmartDrive Fleetがあれば即座に応援体制が構築できます。管理画面は本社でも確認できますので管理者から指示出しすることもできますし、ベテランドライバーであれば相手の位置情報から的確な判断でフォローに向かうことができます。応援体制が容易になったのは本当に大きな変化ですね。

事務所側と現場で同じ画面を確認して、迅速かつ適切なフォローができるのは良いことですね!

会社としてもさらなるデジタル化を進めていく予定ですので、私たちも合わせて推進していきたいと考えています。

“感覚”だったものが裏付けのある情報へ。導入後は意外な発見が…!

現在、直面している課題はございますか

弊社では高齢の社員も複数名在籍していますので、IT機器やシステムをうまく使いこなすことができない場合もあります。そこをどのようにフォローすればスムーズに使ってもらえるのか、それが目先の課題ですね。とは言え、ほとんどの機能は問題なく使えていますし、二人一組で回るのでどちらか一人が知っていればフォローもできる。ですから、クリティカルな問題ではありません。

今後の目標は、ドライバー個人へもう少し細かく安全運転指導をすること。安全運転に関しては全体の傾向を出し、ある程度平均点が出ていますから、これからは一人ひとりに「急操作の感知件数が全体平均より高いので、もう少し穏やかな運転を心がけよう」と具体的な指導をしていきたいですね。

効率化については、今後どのような展開を考えていらっしゃいますか?

SmartDrive Fleetは車両ごとの稼働状況が可視化できますよね。すでに稼働率の低い車両が見えてきましたので、運用を工夫すれば車両を1台減らせるんじゃないか、コストダウンできるんじゃないか、という話が社内で出ていまして、車両削減の検討を進めています。

以前は漠然と「いつもあの車が駐車場にあるけど、予備軍だから仕方ないよね」くらいの温度感でしたが、可視化されたデータを見ると、月に2回だけしか稼働していない時もあるなど、想定以上に稼働率が低いことに気づきました。導入してから、こういうこともできるんだなと実感しています。

データで見えるようになったからこその効果ですね。

予備車は保守点検や故障時など、さまざまな理由で保有しているのですが、それでも1台減らせるのではという意外な発見がありましたね。

他にも「意外な発見」はありましたか

スプレー缶やライター、リチウム電池などから出火し、ゴミの火災が発生することがあるのですが、その際は回収を後回しにして、ドライバーと助手は消火作業にあたらなくてはなりません。そのうえ、事務側は消防署に連絡をするなど緊急対応を迫られます。今までは無線で連絡を受けて、地図で場所を調べていたので急ぎなのに時間がかかっていましたが、SmartDrive FleetはGoogleマップと連動しているので、住所が数秒程度で特定できる。場所が特定できれば、すぐに消防署に連絡したり、周囲のスタッフに「消火器を持って現地に向かってください」と、スピーディに指示を出したりすることができますから、安全面の強化にも役立っているんです。火災は一刻を争うことですから、1分1秒でも早く動くことが重要です。

火災が発生するのは、分別がなされていないからですか? 

はい。25年ほど前に、車両が丸々一台燃えてしまったこともありましたし、揮発性のものだと爆発の危険もあり得ますから注意が必要なんです。また、消火後に出したゴミをまた車内に戻す作業が発生するので、そういう時にも、スタッフがタブレットで場所を確認して助けに行くことができるので便利ですね。

管理者側の事務効率が格段とアップ!

その他、SmartDrive Fleetを導入して良かった点を教えていただけますか

最近追加された渋滞情報の表示機能が非常に活躍しています。渋滞にはまっていることがわかれば遅延時のフォローもできます。

少し前に1箇所だけ渋滞が起きている場所を発見しまして。他所は流れがスムーズなので、この場合、通常の渋滞ではなく事故か何かが発生して通行止めになっているかもしれない、と判断しました。状況がどうであろうと、1日に回収するルートは決まっていますので、そういった情報を周知させることで、現場スタッフも安心して業務に従事できるのです。

門川さま自身の業務についてはどのような変化がありましたか

一番の変化は無線でのやりとりを減らせたことです。これまで、約30台の車両がゴミの収集を終えて捨てに行く度に、無線で連絡が入っていました。これが各車1日1回ではなく1台につき3〜4回発生しますので、無線での報告回数が一日100回近く発生していました。完了報告や応援時の連絡など、細かな調整には無線が必要ですが、何の問題もなく普通に作業が進んでいて、尚且つ、誰がどこにいるかがわかれば、これらの報告も必要ありませんので、そういった意味でも事務仕事が大幅に削減できました。

現在は、ゴミの排出が終わるたびにエンジンを切ってもらうようにしています。そうすれば、1回分の走行履歴が記録できますから、問い合わせにも早急に答えられるのです。

しっかりご活用いただけて我々も嬉しいかぎりです。

無線連絡が入ると、何らかの作業を毎回中断せざるを得なくなるため、業務効率がどうしても低下してしまうので、大きな進化ですね。

無線を全車両に取り付けているのもこの業界では珍しいようで、企業によっては、事務所の出発からお昼の休憩までは現場スタッフ任せで、本社は把握していないことも多いようです。法令遵守にはどの企業も注力されていますが、ツールの活用で効率を上げ、効率化によって無駄なコストを見出せば、スタッフが働きやすい環境を作ることができますし、それが企業の成長にもつながっていくと思っています。

筆者紹介

株式会社スマートドライブ
編集部

株式会社スマートドライブ編集部です。安全運転・車両管理・法令遵守についてわかりやすく解説します。株式会社スマートドライブは、2013年の創業以来、「移動の進化を後押しする」をコーポレートビジョンに掲げ、移動にまつわるモビリティサービスを提供しています。SmartDrive Fleetは、1,300社以上への導入実績があり、車両に関わる業務の改善や安全運転の推進などに役立てられています。また、東京証券取引所グロース市場に上場しています。 SmartDrive Fleetは情報セキュリティマネジメントシステム適合性評価制度「ISMS認証(ISO/IEC 27001:2013)」を取得しています。

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導入事例をまとめてご紹介

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SmartDrive Fleet を使って業務効率化や労務管理、
安全運転推進などを実現している成功事例をご紹介します。

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