2025年4月1日から車検を受けられる期間が拡大!その背景と変更のポイント
2025年4月1日より、車検の混雑緩和と自動車整備士の働き方の改善を目的に、車検の受検可能期間が拡大し、満期の2ヵ月前から受検ができるようになります。本記事では概要や法改正の背景などをあわせて解説します。

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目次
車検の受検期間が拡大!
2025年4月1日より、車検を受けられる期間が拡大し「有効期間満了日の2ヵ月前から満了日までの間」に受検しても、残存する旧車検証の有効期間を失うことなく、新車検証に更新できるようになりました。
改正内容
現行
車検証の有効期限前1ヵ月以内に受検すると、新車検証の有効期限を旧車検証の有効期限から2年とすることができる。
2025年4月1日〜
車検証の有効期限前2ヵ月以内に受検すると、新車検証の有効期限を旧車検証の有効期限から2年とすることができる。
※自家用乗用車の2回目以降の車検の例

改正の背景
毎年、年度末に車検の予約が集中する傾向にあり、予約が取りづらい場合が多いことに加え、自動車整備士に大きな負担がかかっていることが問題になっていました。そのため、混雑緩和と労働環境改善を目的に改正されます。
3月は転居や年度末決算などを理由に、車両の購入や買い替えが多い時期でもあり、それに伴って車検の需要が増えます。国土交通省が2019年から2023年の5年間に実施した「月別の車検台数」のグラフを見ても、月別車検件数の平均が約281万台に対し、3月のみ389万台と抜きん出て多いことがわかります。
2ヵ月前から受検可能とすることで、予約を分散し、整備士が無理なく対応できるようにすることが改正の狙いです。

改正された条文
以下に改正された条文を抜粋しました。
第四十四条
自動車検査証の有効期間の起算日は、当該自動車検査証を交付する日又は当該自動車検査証に係る有効期間を法第七十二条第一項の規定により記録する日とする。ただし、自動車検査証の有効期間が満了する日の二月前から当該期間が満了する日までの間に継続検査を行い、当該自動車検査証に係る有効期間を法第七十二条第一項の規定により記録する場合は、当該自動車検査証の有効期間が満了する日の翌日とする。
出典:道路運送車両法施行規則|r-gov法令検索
車検とは
そもそも車検とは、クルマが保安基準に適合しているかを定期的に確認するために行われる検査です。自動車検査登録制度の略で、通常は継続検査とも言われています。車検の有効期限は一般的に、新車登録日から始まります。
また、車検の有効期間は車種によって異なります。主に使用されている自家用乗用車や軽乗用車は新車登録から最初の車検は3年後、以後は2年ごとです。以前は新車登録から10年以上経過した場合は毎年検査が必要でしたが、現在は2年ごとになっています。レンタカーは新車登録から最初の有効期間は2年ですが、以後は1年です。そして、バスやタクシーは初回から毎年車検を受けることが必要と定められています。
車種ごとの車検有効期間
車 種 | 初 回 | 2回目以降 |
自家用乗用車・軽乗用車 (3・5・7ナンバー) | 3年 | 2年 |
軽貨物自動車(4ナンバー) 大型特殊自動車(9・0ナンバー) キャンピングカー(8ナンバー) | 2年 | 2年 |
レンタカー(わナンバー) | 2年 | 1年 |
大型貨物(1ナンバー) | 1年 | 1年 |
小型貨物(4ナンバー) | 2年 | 1年 |
バス・タクシー | 1年 | 1年 |
詳細はこちらの記事でもご紹介していますので、ぜひあわせてご確認ください。
車検とは?車検の基本を徹底解説|車両管理システム|SmartDrive Fleet
覚えておきたい!近年の車検に関する変更点
2024年8月からヘッドライト(ロービーム)の審査方法が変わった
ヘッドライトの検査は原則、ロービームで計測を行いますが、計測が困難な場合に限りハイビームでの計測も可とされていました。しかし、2024年8月以降はロービームでの計測が義務化されました。
ただし、一部地域では運用面などの理由で移行時期が延期されています。
<2024年8月1日から完全移行されている地域>
北海道・東北地方・北陸信越地方・中国の陸運局
<2026年7月31日まで、最長2年延期されている地域>
関東地方・中部地方・近畿地方・四国地方・九州地方・沖縄の陸運局
2024年10月から車検にOBD検査が追加
近年、自動ブレーキをはじめ、新車へ先進安全技術が続々と搭載されています。これらのシステムが正しく作動するための検査やメンテナンスは欠かせませんが、従来の目視や測定器で行う車検では確認することができませんでした。そこで、2024年10月から車検の項目に「OBD検査」が導入されることになりました。
検査内容
専用の機器(検査用スキャンツール)を車両のコンピュータ(ECU)に接続して実施。
対象自動車
2021年10月1日以降の新型車が対象、輸入車は2022年10月1日以降の新型車。
対象装置
運転支援装置(自動ブレーキなど)、自動運行装置、排出ガス抑制装置が対象。故障が確認された場合は、修理をしなければ合格になりません。
OBD検査についてはこちらの記事でも詳しくご紹介しています。
2024年10月から本格的に開始する「OBD車検」とは|車両管理システム|SmartDrive Fleet
まとめ
余裕を持って車検を予約し、適切に点検を行うことで、車両を良好に保ちつつ、トラブルを未然に防止することができます。あわせて、日常点検や定期点検もしっかり実施し、常に安全な状態を保ちましょう。