今さら聞けない、社有車をリースにするメリット・デメリット
法人向けカーリース市場に変化が起きていることをご存知でしょうか。以前は購入費のかさむ高級車や大型ワゴン、トラックなどが法人向けリース車両としてニーズを集めていましたが、コンプライアンス体制強化や環境配慮、安全管理などの重要性が高まる中、今後は、高い安全性能を満たしたクルマやEVなどを中心にカーリースの需要が一層伸びていくと予想されています。
そこで、この記事では改めて、社用車をリースにするメリットとデメリットについて詳しく解説します。
はじめての法人車両リース
法人の車両の持ち方が多様化する中、社有車をリースにするとはどういう事なのか。メリットを中心に冊子形式で解説します。
目次
人気の理由はここにある。法人向けカーリースのメリット
メリットその1 イニシャルコストがかからない
事業を興すためには用地買収や設備の準備、人材・資材の確保などに多大なイニシャルコストを要しますが、社有車をカーリースに置き換えれば大幅に削減できます。とくに、トラックや大型バンなど価格の高い車種や、複数台の社有車が必要な業態の場合は、このメリットによる恩恵が大きく、メンテナンスリースを契約すれば、維持・管理部門に割く初期投資も節約できます。
メリットその2 会計・税務管理が楽になる
社有車を購入すると、購入費用を複数年にわたって減価償却し、必要経費として毎年計上することになりますが、クルマによって耐用年数が異なるなど、その計算方法がなかなか複雑で、案外事務処理に手間がかかります。また、確定申告の際には購入時にかかった自動車重量税や自動車税を「租税公課」、自賠責保険料を「保険料」、諸費用を「支払手数料」、車検や修理・メンテナンス代を「車両費(修繕費)」などと、科目を分けて計上しなければなりません。
その点、法人用カーリース、特にメンテンスリースは、これらをすべて月々の「リース料」として一括で会計処理できるため、会計・税務管理が楽になり総務や車両管理業務の効率化が望めるだけではなく、節税効果も期待できます。
メリットその3 事業計画・経営戦略を立てやすい
草創期のカーリースは選べる車種に制限がありましたが、現在は一般的に市販されている車種であれば、借り手の業種・用途に合わせ、車種はもちろんカラーリングやオプションも新車同様に選ぶことができます。
メリットその4 メンテナンスの手間が省ける
社有車、つまり事業用として使われるクルマは、多くの人や物を乗せたり、長い距離を長時間走ったり、過酷な状況で使用されるケースが多いため、こまめな点検と適切なメンテナンスが不可欠です。保有する台数が増えるほど、点検・メンテナンスにかかる手間とコストがかさみ、時に企業の運営を圧迫する事態にもなりかねませんが、メンテナンスリースを利用すれば、維持・管理に関する作業をリース会社に一任することができます。
メンテナンスリースでカバーされているのは、車検や法定点検それに消耗品の定期交換などですが、突発的な故障やトラブルが発生した時も、有償ながら迅速に対応してくれるので安心です。
メリットその5 最新の安全・環境機能を備えた車に乗り継げる
一般的ではない自動運転やEVも、近い将来ビジネスシーンに登場する機会も増えてくると予想されます。カーリースは概ね7年程度で契約満了を迎えることが多く、買替の際に気になる初期費用もかからないため、最新の安全・環境機能を備えたクルマに気兼ねなく乗り継ぐことができます。
見逃せない法人向けカーリースのデメリット
どんなに優れたサービスでも必ずデメリットはあるもの。ここでは法人・企業がカーリースを利用する際、気を付けておくべきデメリットについても、簡単に解説します。
デメリット1 支払い総額が高くなる可能性がある
カーリースは、どの契約方式をチョイスしたとしても、リース会社の手続きぶんが料金に含まるため、現金一括もしくはローンを組んで車を購入するときよりも、支払い総額が高くなることがあります。
デメリット2 走行距離の制限がある
リース会社が毎月の利用料金を算出する際、ベースとして考える契約終了時のクルマ「残価」は、契約中の利用状況の良し悪しによって左右されますが、中でも年間走行距離が占めるウェイトは大きいものがあります。
そのため、リース会社は設定した残価を維持するために、どの程度まで総走行距離をキープしておくべきかを事前に試算し、それをもとに年間の走行距離制限を決め、それを超えると超過した距離に応じて精算金を請求します。制限がかかる距離はリース会社によって異なりますが、清算金の相場は超過1km当たり7〜10円程度、つまり7年の契約期間中にトータル1万km超過した場合、7万〜10万円の清算金が請求される場合があります。
ですので、契約時に必ず制限がかかる走行距離及び1kmあたりの超過料金については、しっかりチェックしておきましょう。
デメリット3 中途解約金が発生する可能性がある
カーリースは、契約期間中毎月リース料を借り手から受け取り続けることを前提として、その料金が設定されている関係上、基本的に途中解約が認められていません。そのため、何らかの事情で途中解約が必要になった場合、残りの契約期間分のリース料金全て、もしくはそれに相当する額の中途解約金が発生する可能性があります。
ちなみに、残価を高く設定することが多いオープンエンド方式より、それを公開しないクローズドエンド方式の方が、中途解約金が高額になる傾向にあるため注意しましょう。
デメリット4 審査の結果利用できない場合がある
カーリースの契約時は、カーローンを組む時と同様に審査が行われますが、補遺人の場合は代表者の収入状況や債務状況などのほかに、企業としての営業成績や事業実績(開業からの経過年数)なども、審査対象として加味されます。審査の通らなかった場合、カーリースを利用することはできません。
車両管理・アルコールチェックの課題解決をSmartDrive Fleetがサポートいたします。以下から気軽にご相談ください。
結論!購入とカーリースはどっちが有利?
購入と比較すると、コスト・人的負担・計画性・戦略性という企業に不可欠な要素でのメリットが多いカーリースの方が企業にとっては有利と言えるでしょう。一方、自己資金が潤沢で初期費用に余裕がある場合や、事業が元々クルマに関連の深いビジネスで、管理・メンテナンス部門がすでに整っているケースでは、トータルコストが安上がりで契約の縛りもない購入の方が良いという意見もあります。
企業の規模や事業形態によってコストやメリットなどが変わるため、事前シミュレーションすべきですが、社有車の運用台数が多い企業ほど、カーリースのメリットは大きくなると言えるかもしれません。