データは課題解決への道筋を作る。車両管理システムの活用でスリーエフコーポレーション様が見出したネクストステップ
- 業種
- 一般廃棄物・産業廃棄物の収集運搬及びリサイクル業
- 管理車両台数
- 24台
- 事業内容
- ○一般廃棄物収集運搬業○産業廃棄物収集運搬業○リサイクル業コンサルティング○古紙・古布回収○金属スクラップの回収・販売
- 地域
- 大阪
- 活用目的
- 安全運転強化 / 法令遵守
- 利用デバイス
- シガーソケット型
近年、廃棄物収集運搬業を営む事業者さまのクラウド車両管理システム導入事例が増えています。行政から委託を受けていることもあり、リアルタイムの位置情報把握、交通事故の削減、走行ルートの正確性、業務効率など、多くの課題解決を目的に検討をされているようです。
今回は大阪に拠点を置く、株式会社スリーエフコーポレーション様に導入前の課題と導入後の変化について話を伺いました。同社が独自に考案した、「安全運転意識を向上させる仕組み」は、多くの業種で参考になるはずです。
株式会社スリーエフコーポレーション
https://3f.hp.gogo.jp/pc/index.html
インタビュイー:
総務部 北井 勇次様
枚方事業所責任者 永岡 純平様
寝屋川事業所責任者 阪口 健一様
以前はドライブレコーダーを活用していた
まずは、御社の事業内容について簡単に教えてください。
北井様(以下、敬称略):株式会社スリーエフコーポレーションのおもな事業は、廃棄物の収集・運搬および処理です。大阪府寝屋川市と枚方市に事業所を構え、両市の行政から委託を受けて一般家庭から出るゴミを収集しています。寝屋川市においては、許可業者として事業者さま、たとえばコンビニや企業のオフィスから排出される一般廃棄物も収集しています。
SmartDrive Fleetは現在、パッカー車、ダンプ車、コンテナ車、クレーン車に装着し運用しております。
車両管理システムのように、リアルタイムの位置情報を把握できるツールを利用された経験はございますか?
北井:動態管理システムではありませんが、運行管理や日報作成といった機能が搭載されたドライブレコーダーを使用していたことはあります。それは、SDカードで走行記録を取り、毎日パソコンにデータを読み込ませて、日報が自動で作成できるというものでした。ただ、経年とともに故障が多くなり、SDカードが読み込めなくなるようなトラブルが頻発。導入から数年で一部の機能が使えなくなったため、“一般的な”ドライブレコーダーとして、事故やトラブルが発生した際に証拠として映像を残すことを目的に運用していました。
廃棄物の収集運搬業をされている企業さまには、収集したことをログとして残すためにドラレコを利用するケースが多いと伺ったことがあります。
北井:現場ではそうした使い方もしていますよ。というのも、ゴミの収集時間は基本的に「●曜日の●時まで」という基本ルールが設けられていますが、時間を過ぎてゴミを出す方もいらっしゃる。その場合、役所宛に「ゴミの回収が来ていない」と問い合わせやクレームが入ってしまうのです。
ご連絡いただきましたら再び回収に伺いますが、その際に、時間通りにゴミの回収をしていたことを証明すべく、ドライブレコーダーに映像を記録し、保存しています。そうすることで、役所のご担当者さまに、時間通りに回収したことを申し添えることができますし、逆に、回収し忘れていたことにも気づくことができるのです。
回収が漏れることもあるのでしょうか?
北井:そうですね、人間ですので、慣れによって忘れることもゼロではありません。そのため、まれに「回収したはずだ」「回収したつもりだった」と揉めてしまうこともあります。その場合は担当ドライバーへ何時頃にそこへ訪れたのかをヒアリングし、ドラレコの映像を確認して解決していました。ただ、これが結構、時間も手間もかかりまして…。そうした事情もあり、走行記録をもっと簡単に確認できないかな、とも考えていました。
事故を減らすには、多少シビアな判定ができた方が良い
車両管理システムの導入を検討するようになったきっかけを教えてください。
北井:昨年、事故が頻発したことから、本格的に検討を始めました。ドライブレコーダーを導入してすぐの頃は、はっきりと効果が出ていたのですが、先ほどお伝えしたように故障が多く使用できない状況だったのです。また、どのドライバーも安全が最優先だと理解しているものの、安全に対する基準にバラツキがあるようでしたので、何か、安全運転を可視化できるツールやシステムがないかと探していたのです。
そこで、クラウドにデータがアップされる通信型のドライブレコーダーと、シガーソケットに挿すタイプと、SmartDrive Fleetを含め、三社のサービスと比較検討しました。
検討される際に、SmartDrive Fleetのようにシガーソケット型のIoTデバイスで車両管理が行えるシステムをご存知だったのでしょうか?
北井:他社ではありますが、展示会の車両管理関連ブースで同じようなサービスを拝見し、「こういうタイプもあるんだなあ」と知りました。帰社後、インターネットで検索し、SmartDrive Fleetにたどり着いたのです。
数社と比較検討の結果、SmartDrive Fleetを選ばれた理由は?
北井: SmartDrive Fleetを選んだ理由…デザイン、でしょうか。初見で、シンプルで使いやすそうだと感じました。
2社のデバイスを同じ車両に取り付け、正確性、安全運転の度合い、走行ルートの精度を確認されたとのことですが…。
北井:はい。スマートドライブ社ともう1社については、1台分をトライアルで実際に利用して比べました。そこで改めて、SmartDrive Fleetは使い方が非常に簡単で、ドライバーの手間にならないことを実感。また、SmartDrive Fleetのほうが、急操作を検知する精度が高い印象を受けたことも選んだ理由の一つです。設定や取り付け場所による差もあるかもしれませんが、先述の通り、安全運転を最重要テーマに置いていましたので、私たちとしてもよりシビアに反応してくれる方が良かったのです。
ちょっとした遊び要素を取り入れ、安全運転への意識を改善
現在はどのようにSmartDrive Fleetを利用されていますか?
永岡様(以下、敬称略):枚方の事業所では、週に1回集計を取り、運転の点数をランキング形式で貼り出しています。その月、一番低いスコアだったドライバーは、前月最低点のドライバーと運転手を交代するという、ちょっとした遊び要素を取りいれているのですが、弊社はドライバーに運転手当を支給していますので、みんな「最下位になるまい!」と、以前より安全運転を心がけるようになっていますね。
北井:運転に従事する社員には運転手当として1日あたり500円を付けているのですが、このように、運転の点数が低いと交代になるというゲーム要素を取り入れることで、もっと安全運転をしなければ!という機運が高まっているようです。これは良い傾向ですね。
それは、枚方事業所独自の取り組みですか?
阪口(以下、敬称略):ゲーム要素については枚方事業所のみですが、私が所属する寝屋川事業所でも毎週点数を集計し、事務所内に張り出しています。現在は、良い点数のドライバーは色を変えたり、号車やルート毎に点数を表示したりしていますが、全体的に安全運転のへの意識が高まっていると感じます。掲示するのはドライバーと助手さんの2名。それも、助手さんの協力があって安全運転が実現できているからです。
ただ、まだまだ改善の余地はありますから、高得点のスタッフにはインセンティブを付けるなど、安全運転意識が高まる施策も検討しているところです。
また、リアルタイムの機能で今・誰が・どこを走行しているのかが瞬時に把握できますので、収集依頼と照らし合わせてダンプ車の走行状況を確認しています。管理者のパソコンだけでなく、スマートフォンアプリでも情報を確認できますので、1日のスケジュール———配車、人員配置、日々の仕事の段取り———を整理する際に非常に役立っていますよ。
表彰の取り組みは、SmartDrive Fleetを導入されてから始められたのでしょうか?
阪口:はい、もともと永岡の考案ですので、枚方事業所から実施し、運用が安定したころに寝屋川事務所でも開始しました。
運転の度合いを点数として可視化することで、どのような変化がありましたか?
阪口:以前から安全運転を意識しているドライバーが多かったため、改めて点数を張り出すようにしたという経緯があります。
休憩室に私のパソコンを1台設置していたのですが、ドライバーが頻繁に自身の運転スコアや走行履歴を見ている姿を目にしまして。そこで、もっと自由に確認できるように、北井に相談して専用のパソコンを用意したのです。その結果、さらに意識が変わっていったように思います。
リアルタイム機能であらゆる業務がスムーズに
スリーエフコーポレーションさま全体の走行傾向を拝見しても、スコアは順調に右肩上がりを示しています。
北井:運転スコアに加え、オプションのサマリーレポートも気になったタイミングでチェックしています。運転スコアでは結果が数字で現れますし、全体の傾向を把握できるので良いですね。
今年の初め、前半期の結果をもとに、優秀なスコアを出したドライバーと助手に、ちょっとした表彰と商品券を贈りました。その影響もあるのでしょうが、「安全運転をすればするほど点数が上がる。点数が良ければボーナスがもらえる」という動機付けができたのではないでしょうか。
また、さきほど阪口からお話したように、自分の走行データをいつでも確認できるようにしたことも、結果を後押ししたと考えています。
阪口:どのドライバーも、収集から戻ったタイミングで1日に複数回、確認しているようですので、パソコンを追加で用意して良かったと思います。
そのほか、導入後に得られた効果があれば教えていただけますか?
永岡:何らかのトラブルが発生したときも、リアルタイム機能で近隣を走行中の車両を即座に見つけて素早く連絡できますので、サポートの指示が出しやすくなりました。SmartDrive Fleetの導入前は、現在地を把握するために、片っ端から助手さんに電話をかけていたのです。今ではそうした無駄な時間を短縮し、スムーズな連携ができるので、トラブルが起きてもすぐ対処できるようになりました。
また、週に2~3回ほど行政から「どの号車が今、どこにいるのか」と、現在地について問い合わせを受けるのですが、即座に回答ができますので非常に助かっています。
阪口:寝屋川事業所もリアルタイム機能をフル活用しています。管理画面の地図を見れば、全車両の位置情報が一度に確認できますので、本当に便利ですよね。
弊社は全社員に会社専用の携帯を貸与しているのですが、1人でも画面を見ることができれば、お互いの位置を確認しながら連携がとれますので、迅速な対応が可能になり、負担を軽減できます。祝日が重なると、量が上振れして作業が遅延しやすくなりますので、連携しやすさが重要になってくるのです。
安全運転と業務効率。両方のバランスをどう見出すか
安全運転の度合いが可視化されるようになったことで、ドライバーに何か変化はございましたか?
永岡:とあるドライバーは、始めはなかなか結果を受け入れることができなかったと話していました。というのも、今まで作業効率重視だったため、安全運転に注力すると、予定通りに業務をこなすことが難しくなるからです。ただ、時間の経過とともに、少しずつ、受け入れてくれるようになり、意識も変わっていきましたね。
結果としては運転スコアが上昇していますが、その分、業務効率が落ちた、移動時間が増えたなど、別の問題が生じているのでしょうか?
北井:17時までに収集を終えることが行政のルールで決められていますが、導入当初は、運転スコアを上げるために過度な意識が働き、17時ギリギリになるケースが多発していました。社内のルールを見直したことである程度、改善しましたが、安全運転の意識が高まりすぎることの弊害でもあるため、今後、どのようにバランスを取っていくかが課題ですね。
もともと事故削減を目的に導入しましたし、社内でも点数が高いと評価が上がることが定着してきましたが、スコアを上げることだけが目的化してはいけないなと。そうなると、極端に遅い走行をするドライバーも出てきてしまう。
アイデアレベルで構いませんが、安全運転に注力しながら、業務効率を高める方法として、スリーエフコーポレーションさまが考えている施策はございますか?
北井:これはあくまでイメージですが、今までの経験と実績、データの分析から、妥当な点数を引き出せないかと考えています。現在は、ほとんどのドライバーが80点を超えるハイスコアを獲得しており、それはそれで素晴らしいことです。しかし、業務効率とのバランスを考え、「業務を適正にこなすには、75点を目指すと良い」というような着地点を見出せば、安全運転と業務効率、同時に叶えられるのではないでしょうか。
裏付けできるデータがあれば、理解を示してもらえる
たとえば、走行ルートを見直し、効率化することも手段の一つとして考えられるかと思いますが、走行ルートは自治体の方でかっちりと決められているものなのでしょうか。
北井:寝屋川市は、ざっくりと「このエリアはこの時間に収集してください」と決められているだけですので多少の組み換えは可能ですが、枚方市は細かく定められているため、変更が困難な状況です。
自治体によって異なるのですね。市民の安全面を最優先にすることが大前提の場合、今までの移動データや実績を提示することでルート改善の提案も可能になるかもしれないですね。
北井:根拠となるデータがあれば、効率化に関する話が通りやすくなる可能性があります。ですから、どのデータをどのように活用できるかを一度整理しなくてはなりませんね。
永岡:実は、行政の担当者からSmartDrive Fleetについて相談があると言われていまして。もしかしたら、行政も効率化と安全面の兼ね合いについて気にかけているかもしれません。これはあくまで予想ですが…(笑)
データによって解決策が見つかるといいですよね。我々も出来ることがありましたら、協力させていただきます。
最後に1点、近年SmartDrive Fleetのような動態管理ツールやシステムを新たに導入される収集運搬事業者さまが増えています。
貴社ではドライバーに対し、どのような説明をすることで、すんなりと受け入れてもらっていったのでしょうか?
北井:導入に関しては、各部門長からドライバーへ説明してもらいました。私たち管理者はまず、点数や実績が見えてきたタイミングで、急操作イベントが発生した箇所について、ドライブレコーダーの映像と合わせて調査しました。すると「このような運転は危険だ」という方向性が見えてきたのです。
運転は道路や状況に応じたルールが敷かれていますが、車両管理システムとドラレコで確認すると、遵守できていない場面や、不要な急ブレーキが可視化できますので、その都度、細かなフィードバックを繰り返しました。感覚的なものではなく、得られたデータと実績をもとに正確なフィードバックをすることで、現場では徐々に「こんなところが見られているのか。次から気をつけよう」という意識が浸透していったようです。
一つひとつ、丁寧なフィードバックをすること。地道ではありますが、このような積み重ねが重要と言えるのではないでしょうか。
資料ダウンロードSmartDrive Fleet
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