【テンプレート付き】デイサービス送迎表の書き方を解説!
デイサービス(通所介護)では通常、利用者が安心かつ快適にサービスを利用できるように利用者の自宅から施設まで、送迎業務を行います。とくにスムーズかつ安全に送迎を行えるように、送迎ルートや利用者の住所、連絡先などを記した送迎表が利用されます。
本記事では、送迎表の記載事項とテンプレートをはじめ、業務効率をアップさせるツールについても解説します。
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目次
デイサービスの送迎表とは
デイサービスの送迎票とは、デイサービスの利用者を送迎する際に利用者の氏名と緊急連絡先、送迎ルート、到着予定時刻、送迎の際の注意点、送迎時に発生したことなどを記入する書類のことです。デイサービスと送迎担当ドライバー、補助者がルートや訪問時における注意点、時間を把握し、安全な運行を実現することが目的です。
デイサービスの運営指導について
運営指導(実地指導)とは、行政機関が指定された基準をもとに、デイサービスや介護施設などが適切な運用を行っているか、書類や実態を確認して指導を行うことです。介護保険制度の適切な運用、サービス品質の維持、運営体制、設備の状況など、法令を遵守して運営されているかを確認します。
運営指導の根拠となる法令は、介護保険法23条と24条です。
介護保険法23条:市町村に対して、「保険給付に関して必要があると認めるときは、事業者に対し、文書やその他物件の提出や提示を求めたり、職員に質問もしくは照会させたりすること」ができるとしています。
介護保険法24条:厚生労働大臣が都道府県知事に対して「介護給付等に関して必要があるときに、事業者に対して報告、もしくはサービス等の提供記録、帳簿書類、その他の物件の提示を命じる、または職員に質問させること」ができるとしています。
デイサービスの運営指導で確認する項目と重要な書類とは
厚生労働省の「介護保険施設等運営指導マニュアル」に掲載されている確認文書・確認項目一覧はこちらのページで全てを確認することができます。本記事のテーマとなる送迎表については、一覧内「103 訪問介護 個別サービスの質に関する事項」に記載がある下記内容が該当します。
サービス提供の記録(第19条)
居宅サービス計画等にサービス提供日及び内容、介護保険法第41条第6項の規定により利用者に代わって支払いを受ける費用の額などが記載されているか。
サービス提供記録に提供した具体的なサービス内容などが記録されているか。
デイサービス計画に具体的なサービスの内容が記載され、それが正しく実行されているか、日々のサービスにおいて、具体的な内容や詳細、利用者の状況が記録されているか、送迎が確実に行われているかを確認するために、以下の確認文書が必要になります。
- 送迎記録(送迎表)
- 業務日報
- 提供したサービス内容の詳細と記録
記録に不備があると不正として扱われる場合もあるため、正確に記録し、保管することを心がけましょう。
【注意】運営指導で指摘が入ると「監査」に切り替わる!
運営指導は、厚生労働省が定める運営指導マニュアルをもとに行われますが、おもにチェックされるのは次のような項目です。(事業所によって異なる場合があります)
- 請求書や計画書が不正確、または紛失していないか
- 運営・設備・人員、それぞれが指定基準を満たしているか
- 職員の労務時間や勤務状況に不整合がないか
- 各種書類の不備や記録に問題点はないか
- 介護報酬の算定や加算に誤りがないか
- 高齢者への虐待、身体拘束などがないか
- 利用者の介護計画書やモニタリングが契約した期間で行われているか
- 職員への研修が実施できているか、資格の有無は確認できているか
運営指導において、人員基準・設備基準・運営基準や介護請求に関して、何らかの不備等が確認された場合、法律違反の疑われることがあります。単純なミスで不備が起きる場合もありますが、何度も同じ不正が続いたり、改善されなかったりすると監査に切り替わります。監査は事前に通知がある場合と抜き打ちで行われる場合があるうえ、指定基準違反を前提としていることが多いため、監査で指摘された内容が指定の取り消し、指定の効力停止につながることもあるため注意が必要です。
運営指導に引っかからないためにも、日頃から、適正な書類の作成と保管、正しく実施されたか、記録内容の確認すること、介護保険法と各基準について理解し正しく実行すること、適正なケアプランやサービスを提供することを心がけましょう。特に、書類周りは非常に重要な記録となりますので、計画書や送迎表の整合性を確認し、不備がないよう適切な管理を行うことが重要です。
デイサービス送迎表に記載すべき5つの項目
記入する基本の項目はおもに次の5点です。なお、事業所内で周知すべき事項がある場合は項目を追加します。
送迎するドライバーの氏名
複数名いる場合も必ず、1人ひとりの氏名を記入します。また添乗員がいる場合も氏名を記載しましょう。
送迎車両情報
車両の種類、カラー、特徴、車両ナンバーを記載します。
送迎順と利用者の詳細情報
何時にどこへ到着予定か、利用者の氏名と住所、連絡先を記載します。この時、送迎時の注意点(車両を停車する位置など)を記載すると便利です。
送迎した時間、施設への到着時刻
各利用者宅への到着時刻(予定時刻ではなく、実際に到着した時刻)と施設を出た時間、戻った時間を記入しましょう。
注意事項
工事中の道路がある、道路の幅が狭くて危険など、送迎ルート内で回避すべき、または注意すべき箇所があれば事前に記入します。また、走行中に気づいたことがあれば後から追加しましょう。
送迎表を作成する3つの方法
手書きの送迎表
ホワイトボードや紙に手書きで記入し、情報共有をする方法です。
Excelの送迎表
無料でダウンロードをして使えるExcelの送迎表は、後から集計データとしてまとめることも可能です。自社の目的や用途に合わせてカスタマイズすることも可能です。
送迎管理表
送迎管理表:無料ダウンロードフォーマット
送迎管理表(キャンセル欄付き)
送迎管理表:無料ダウンロードフォーマット
保護者に渡せる送迎希望表エクセルテンプレート
送迎予定表:無料ダウンロードフォーマット
スタッフが管理する送迎予定表のエクセルテンプレート
送迎予定表:無料ダウンロードフォーマット
送迎表が作成できるシステム
送迎業務支援システムは、送迎業務の効率化と安全・安心な送迎業務のサポートを実現するためのツールです。システムを利用することで、次のようなメリットを得ることができます。
- 時間と手間がかかる毎日の送迎ルートの作成を自動化できるため、人の手に頼ることもなく、最適なルートが時短で作成できる。
- 送迎車両の現在位置が把握できるので、遅延やトラブル発生時の対応がスムーズになる。
- 座席指定なども細かく設定できるので、利用者も気持ちよく利用でき、サービスの品質アップにつながる。
- 状況が把握でき、ルートも共有できることでドライバーも安心して送迎業務が行える。
- 走行ルートを自動で記録できるため、送迎が適切に行われたことを実証する「確認書類」として利用できる。
介護業界や訪問医療業界は、慢性的な人手不足でもあるため、送迎業務をあらゆる角度からサポートしてくれるツールは、送迎業務の改善と業務効率化を後押ししてくれるでしょう。
SmartDrive Fleet
SmartDrive Fleetは、リアルタイムの位置情報把握、運行工程作成、走行履歴の自動記録、安全運転診断、運転日報や月報などが作成できる車両管理システムです。
車両一台一台に対し、1日の運行計画(送迎表)が簡単に作成できるほか、実際の走行ルートや記録を自動でデータ化することも可能です。運行計画だけでなく、日報作成も自動で作成できるので、労務管理も合わせて行うことができます。また、安全な走行ができていたのかを振り返ることができる安全運転診断機能も搭載。事故防止と安全運転の啓蒙活動にもお役立ていただけます。運営指導の際は、送迎記録と業務日報の書類としてもご活用いただくことが可能です。
公式サイト:https://smartdrive.co.jp/fleet/
DRIVE BOSS(パナソニック)
パナソニックのDRIVE BOSSは、送迎・訪問における業務をサポートしてくれる、自動配車およびテレマティクスのサービスです。AIの自動生成により送迎・配車計画はじめ、安全運転支援機能、自動日報作成機能などが搭載されています。
公式サイト:https://driveboss.automotive.panasonic.com/
運転手はキミだ!!クラウド(エスコム)
通所介護事業所向け通所送迎システム「運転手はキミだ!!クラウド」は、送迎表作成から利用者の1週間のスケジュール管理など、送迎業務に特化したサービスです。スマホやタブレットにも対応しているので、PC操作が苦手な方もお手軽に操作ができます。
公式サイト:https://www.scom-inc.jp/sougei-top/
ぴっくあっぷプランナー(システムクリエイト)
送迎支援システムの「ぴっくあっぷプランナー」は、4つのステップでミスなくカンタンに送迎表が作成できるシステムです。月間に利用人数がわかる利用状況カレンダー、利用者予定登録、座席指定配置、ルート地図など、送迎を徹底的にサポートしてくれる機能が満載。利用者の声を反映させながら機能をアップデートしているところもポイントです。
公式サイト:https://www.sysc.co.jp/sougei/
「らくぴた」送迎(ダイハツ)
らくぴた送迎は、送迎前・送迎中・送迎後の3つのシーンで、送迎業務をサポートしてくれる通所介護事業所向けのサービスです。時間と地図が見える化された送迎計画作成機能ほか、利用者の座席を指定できる座席表、施設とドライバーが連携できる連絡機能や到着時の自動通知機能、送迎実績データの記録機能など、送迎業務の効率化と改善が行える機能が搭載されています。
公式サイト:https://www.daihatsu.co.jp/rakupita/
うぇるなび(トレック)
介護施設送迎支援サービス「うぇるなび」は、利用者の希望を踏まえ、効率の良いプランを自動で作成・立案してくれるサービスです。利用者の送迎希望時刻や送迎の有無を踏まえたルートが作成でき、送迎順の変更や送迎のキャンセルに応じて、管理画面で簡単にプランを編集できます。住宅地図や送迎時注意する場所の画像も登録できます。
公式サイト:https://wel3.michisuji.com/
SmartDrive Fleetを活用した送迎管理の事例
社会福祉法人足利むつみ会
足利むつみ会では、利用者の送迎をはじめ、訪問や外出業務で多くの車両を運用していましたが、車両の配車や運転技術の指導、整備管理に課題を感じていました。SmartDrive Fleetを導入することで、運転スコアの見える化や急操作の件数を把握できるようになり、運転技術の向上や安全運転意識の強化に繋がりました。
また、車両予約機能により、従来のホワイトボード管理から解放され、どこからでも車両の予約・確認が可能となり、業務効率が大幅に改善しました。車検管理も一目で確認できるようになり、車両管理の効率化にも成功しています。
さらに、アルコールチェックや運転日誌のデータ管理への移行を進めており、紙の管理をデジタル化することで全体的な業務の効率化も推進しています。
徳洲会 東大阪徳洲会病院
東大阪徳洲会病院様では、これまで透析患者様の送迎に必要な配車管理を手動でのスケジュール調整やドライバーとの電話連絡によって行っていました。しかし、SmartDrive Fleetの導入により、ドライバーの位置を地図上で把握できるため、渋滞などの予測が可能となり、スケジュール通りの送迎が実現しました。また、電話での確認作業が不要となり、配車管理にかかる時間が半分以下に減少しました。これにより、総務スタッフの負担が軽減され、業務の効率化と安全性の向上が実現しました。
まとめ
デイサービスを提供する事業者にとって、送迎表は日々、必要な書類であり、正しく送迎を行ったことを証明するための重要な書類でもあります。送迎計画を作成するのに時間がかかっている、記録を確実に残したい場合は、業務効率が大幅にアップするシステムの活用も検討してみてはいかがでしょうか。