11月に知っておきたい!交通安全ニュース
だいぶ暑さも和らぎ、本格的な秋を迎える時期。一気に日が短くなるため、夜間の事故が多発するのもこの時期です。安全運転管理者は、着目すべき交通ニュースと合わせて、季節ごとに安全運転対策を検討しましょう。
薄暮時間帯は事故が増える〜危険な交通事故の防止策を考えよう〜
日没前後となる薄暮時は、徐々に暗くなり、視界が悪くなることで周囲の状況が見えにくくなったり、反応が遅れて操作が遅れたりすることがあるため、大きな事故につながりやすくなります。とくに9月〜11月は16時を過ぎると一気に辺り周辺が薄暗くなり、たった数十分で視界が大きく変化するため、例年、死亡事故が多く発生しています。
薄暮時間帯の死亡事故発生状況
警視庁によると、2018年から2022年における死亡事故発生状況を分析した結果、次のことを公表しています。
- 日の入り時刻と重なる17~19時台に最も多く事故が発生している。
- 7月から徐々に薄暮時の死亡事故件数が増え、10〜12月は飛び抜けて多い。
- 薄暮時間帯は、自動車と歩行者との接触事故が多く発生しており、そのうち、横断中の衝突事故が9割を占める。
- 横断場所については、横断歩道以外がおよそ7割、歩行者のおよそ7割が法令違反をしていた。
出典:警視庁「薄暮時間帯における死亡事故に係る分析」
夕方ごろは、多くの従業員が1日の疲労を蓄積している時間帯でもあるため、普段以上に運転には気をつけたいタイミングです。危険な事故を防ぐためにも、薄暗くなる前から前照灯を点灯し、車の存在と他の車や歩行者に知らせましょう。
死角をなくし、悲痛な事故を防止せよ!車の前方に確認装置の設置を義務化
幼い子どもは身長が低いため、バンやワンボックスカーなど、車高が高い車は前方の死角に入ると見えづらくなり、危険な事故に巻き込まれやすくなります。実際にそうした事故の例が後を絶たないことから、見落としによる事故を防止するための安全基準が2023年6月5日に成立しました。
改正内容 ・乗用車などには、運転席から死角となる車両の前面と側面にいる子ども、歩行者を確認できるように、ミラーやカメラモニタなどの確認装置またはソナーなどの権利装置を備えなければならない。 ・バスやトラックなどの大型車の運転視界については、運転席から直接視認できる近傍の視界の量(体積)を一定以上確保できるよう、運転席を設計しなければならない。 |
イタルダインフォメーションが2022年に発表した「低速で子どもが轢かれる事故」によると、この20年間、0〜3歳が被害に遭う10km/h以下の低速走行の事故は減少することなく横ばい。発進時の事故が多く、中でもミニバン、ワンボックスカーなど、車高の高い車によるものが52%と半数以上を占めていました。
事故パターンの一つには、比較的低身長の女性運転者と着座位置の高い車の組み合わせです。車のすぐ前に立っていた身長90cm前後の幼児の視認ができず、発進時に轢かれるケースがありました。ただし、このケースでは、前方に屈んでフロントガラスに少し頭を近づけることで見えるようになったという報告もあります。前方と側面の安全がしっかり確保できるような対策を取り、危険な事故を限りなくゼロに近づけましょう。