最新の統計で見る!交通関連ニュース
夏から秋へと季節が変わり、日が暮れる時間が早くなってきています。夕暮れ時は交通事故がもっとも多発しやすい危険な時間帯ですので、ドライバーも歩行者も、どちらも注意が必要です。本記事では、改めて把握しておきたい交通に関する統計データをご紹介します。
「令和3年 全国市区町村別交通事故死者数」
2021年(令和3年)における交通事故の発生件数は、30万5,196件で、そのうち死者数は2,636人でした。事故発生件数が17年連続で減少してはいるものの、決して少ないとは言い切れないものです。
市区町村単位における人口1万人あたりの死者数は、関東地方が685人と最多、四国地方が138人と最小でした。関東を含む政令指定都市別の死者数は、東京都区部で人口約957万人中85人、1万人あたりの死者数が0.09人。横浜市で人口約376万人中37人、1万人あたりの死者数が0.1人。そんな中、静岡市がおよそ69万人の人口で死者数19人、1万人あたりの死者数が0.27人と割合が高くなっています。北海道の音威子府村は1万人あたりの死者数が14.31人、山梨県の道志村は18.37人、小菅村は14.16人と、10人を超える地域も。自社の本拠、地方拠点がある地域はどうですか…? 統計データを確認しつつ、その土地や頻繁に利用する道路の特性、注意点を理解した上で事故防止対策を検討していきましょう。
「自転車事故時の頭部障害とヘルメットの効果」
2023年(令和5年)4月より、自転車に乗るすべての人を対象にヘルメットの着用が努力義務となりました。実際に、ヘルメットの着用によって、どれだけ大きな怪我を防ぐことができるのかー事故データをもとに効果をまとめたレポートの一部をご紹介します。
- 自転車運転者で、事故から30日以内に亡くなった人の死亡原因は頭部損傷が多い。
- ヘルメットの着用率は、15歳未満で20%以上である一方、16歳以上の女性は着用率が非常に低い。
- 自転車運転者の重症者割合は65~84歳がもっとも多いが、軽症者割合は16~18歳がもっとも多い。
- 死傷時のヘルメット着用率は、13歳以下の割合が25%程度、13歳以上では着用率が大幅に下がり、10%以下。
- ヘルメット着用における死亡割合は0.22パーセント、未着用では0.59%とおよそ2.7倍も異なる。頭部が最大損傷の主部位となり、死亡するのは着用時0.09人、未着用時 0.32人、つまり、ヘルメットを着用することで死亡につながる割合は下がる。
「自然発車による事故」
自然発車の定義とは、「運転行為以外の原因で車両などが動き出したことによって発生した事故」のことを言います。全車両における自然発車が原因の人身事故は、2009年から2019年で2,352件ほど発生し、そのうち162件が死亡事故になっています。この事故の特徴は、運転者が死傷しているケースが多いこと。自然発車による死亡事故の死者のうち、82%が運転者で、重症事故の64%も運転者自身が占めているのです。
その原因として、運転者が車両から降りた際、何らかの理由で車両が動いて運転者が轢かれてしまった、そのまま電柱や壁などに車両と挟まれた、といったケースが考えられるようです。
引用:イタルダインフォメーション「交通事故分析レポート No.134」
「軽乗用車の衝突被害軽減ブレーキ(AEB)の効果分析」
最近では、衝突被害軽減ブレーキ(AEB)やペダル踏み間違い急発進抑制装置などが搭載された安全運転サポート機能が搭載された車が増えています。全国の軽乗用車による人身事故を対象に、AEBが装備されている場合、されていない場合での事故の発生状況は次の通りです。
AEB装備なし>> 対四輪車事故件数:14,495件 人対車両事故:3,663件 AEB装備・第一世代>> 対四輪車事故件数:9,692件 AEB装備・第二世代>> 対四輪車事故件数:2,506件 人対車両事故:1,376件 |
上記結果は、AEBの効果を確認するため、2016~2018年における対四輪車、対人における事故で、保有台数10万台あたりの事故件数を示したものです。AEBには一定の効果はあるものの、限定的な状況で機能するものであり、あくまで安全運転を補助するための装置です。作動状況は車種によっても異なるため、現在利用している車両に搭載されたAEBの本来の性能を理解し、安全に利用できるよう、日常点検整備を行いましょう。