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【テンプレート付き】点呼記録簿の書き方と記入例を解説

点呼は、安全な運行を確保するために法令で義務付けられている業務です。貨物自動車運送事業輸送安全規則、旅客自動車運送事業運輸規則に基づき、運転前後に必ず対面で点呼を行ない、記録を保存することが義務化されています。本記事では、点呼時に確認すること、そして無料でダウンロードをして利用できる点呼記録簿のテンプレートをご紹介します。

【テンプレート付き】点呼記録簿の書き方と記入例を解説

点呼記録簿とは

点呼とは、ドライバーの健康状態や酒気帯びの有無などを確認するために、運転管理者が対面で運転前・運転中・運転後に実施する取り組みのことで、点呼項目に沿って、その都度対面で点呼を行い、その内容を必ず点呼記録簿に記入しなくてはなりません。

点呼記録簿は点呼時の状況や内容を記録するものです。

点呼記録簿の保存期間については、貨物自動車運送事業輸送安全規則では1年間の保存が義務付けられています。一方、旅客自動車運送事業運輸規則の改正により、2024年4月1日からは旅客自動車運送事業者(バス事業者など)に対して、点呼記録簿の保存期間が3年間に延長されます。

なお、点呼記録簿は紙ベースでもデジタルベースでも確実に記録と保存ができればどちらででも使用可能です。ただし、旅客自動車運送事業者については、2024年4月1日からは点呼の記録を電磁的記録として90日間保存することが義務付けられます。

点呼を記録するタイミング

点呼のタイミングは乗務前・乗務後・中間点呼の3パターンがあります。

乗務前点呼

その日の業務を行う前、車両へ乗務する前に行います。

基本は運行管理者が対面で実施しますが、出張や長距離運転などで対面による実施ができない場合は、電話やオンラインツール、アプリなどでも点呼が可能です。実施するタイミングは乗車する10分前後など、あらかじめ点呼の時間を決めておくと抜け漏れなく実施できます。

乗務を開始する前に、ドライバーが安全に運航できる状態かどうか、報告してもらうとともに、運行管理者は確認を行い、必要な指示を与えます。

出典:国土交通省HP

乗務後点呼

その日1日の業務が終了し、車両を指定の場所に駐車した後(帰庫)に行う点呼です。ドライバーごとに運行状況や業務内容は異なるため事業所に戻る時間が異なる場合もありますが、確実に実施ができるよう、社内規則などで一定のルールを決めて運用を行いましょう。

【確認事項】:アルコール検知器を用いた酒気帯びの有無、運行状況、事業用自動車の状況、事故や異常があった場合の報告、運行ルートなど

中間点呼

貨物自動車運送業者は、乗務前と乗務後の点呼を対面で行わない場合、乗務の途中で少なくとも1回は点呼を行わなくてはなりません。これを中間点呼と言います。非対面ですが、電話やスマホアプリなどで必ず実施します。

【確認事項】:アルコール検知器を用いた酒気帯びの有無、体調の異変や疲労についての状況

出典:国土交通省HP

点呼記録簿の書き方

点呼記録簿へ記載する項目は乗務前・乗務後・中間点呼、それぞれで異なります。

乗務前に記録する項目

  • 点呼の日時
  • 点呼を実行した執行者の氏名(運行管理者)
  • ドライバーの氏名
  • 乗務する車両の登録番号や識別可能な番号、記号など
  • アルコール検知器を使用した酒気帯びの有無
  • ドライバーの疾病や疲労状況、睡眠時間、そのほかの体調について
  • 点呼内容を踏まえた指示事項
  • 備考

乗務後点呼に記録する項目

  • 点呼の日時
  • 点呼を実行した執行者の氏名(運行管理者)
  • ドライバーの氏名
  • 乗務する車両の登録番号や識別可能な番号、記号など
  • アルコール検知器を使用した酒気帯びの有無
  • 道路などの運行状況
  • 車両に関して不具合などの報告
  • 交替するドライバーへの報告事項
  • ドライバーの疾病や疲労状況、睡眠時間、そのほかの体調について
  • 備考

中間点呼で記録する項目

  • 点呼の日時
  • 点呼を実行した執行者の氏名(運行管理者)
  • ドライバーの氏名
  • 乗務する車両の登録番号や識別可能な番号、記号など
  • アルコール検知器を使用した酒気帯びの有無
  • ドライバーの疾病や疲労状況、睡眠時間、そのほかの体調について
  • 点呼内容を踏まえた指示事項
  • 備考

点呼を実施しないと罰則を受ける

貨物自動車運送事業者では、点呼が未実施で記録も確認できなかった場合、次のような行政処分を受けることになりますので、注意が必要です。

点呼の未実施

  • 点呼の未実施件数が19件以下:初違反であれば警告、再違反の場合は10日間運行不可
  • 点呼の未実施件数が20件以上49件以下:初違反であれば10日間運行不可、再違反の場合は20日間運行不可
  • 点呼の未実施件数が50件以上:初違反であれば20日間運行不可、再違反の場合は40日間運行不可
  • すべての点呼が未実施だった場合:30日間の営業所停止処分

出典:貨物自動車運送事業者に対し行政処分等を行うべき違反行為及び日車数等について 別表

点呼の不適切(実施事項に不備がある場合)

  • 一部実施不適切の場合、初違反であれば警告、再違反の場合は10日間運行不可
  • すべて実施不適切の場合、初違反であれば10日間運行不可、再違反の場合は20日間運行不可

出典:貨物自動車運送事業者に対し行政処分等を行うべき違反行為及び日車数等について 別表

点呼記録簿のテンプレート

点呼記録表(アルコールチェック記録欄付き)

点呼記録ができるExcelのテンプレートです。アルコールチェックの確認者氏名、ドライバー氏名、車両管理番号、実施日時、確認方法、酒気帯びの有無、指示事項などが記録できます。

ダウンロードはこちらから

最小限の枚数でコンパクトに管理したい場合

「毎日車両を使わない」「稼働している車両が少ない」場合は、島根安全運転管理者協会が提供している「アルコールチェック記録様式『酒気帯び確認記録表』」がおすすめです。
シンプルなフォーマットで誰でも簡単に使えます。

出典:一般社団法人 島根県安全運転管理者協会

酒気帯び確認記録表(チェック式)PDF形式
酒気帯び確認記録表(チェック式)(エクセル)

日付ごとに管理がしたい場合

1日1ページで管理をしたい場合は、鹿児島県安全運転協議会の「アルコールチェック表」を活用してみましょう。縦・横の2つのパターンが用意されているため、使いやすい方を選ぶことができます。

アルコールチェック記録簿テンプレート縦(表面)アルコールチェック記録簿テンプレート縦(裏面)
出典:一般社団法人 鹿児島県安全運転管理協議会
アルコールチェック記録簿テンプレート縦(表)
出典:一般社団法人 鹿児島県安全運転管理協議会

手書きで管理したい場合

出典:日本法令オンラインショップ

「紙で管理したい」「印刷も手間がかかる」という方には、株式会社日本法令のアルコールチェック点呼記録簿がおすすめです。

日本法令オンラインショップ

まとめ

点呼は、安全な運行を確保するために法令で義務付けられている業務であり、運行管理者が対面で行う必要があります。本記事では、点呼記録簿の役割や記入例、さらに無料で利用できるテンプレートをご紹介しました。

点呼には乗務前、乗務後、中間点呼があり、それぞれで確認すべき事項が異なります。記録を怠ると、運行停止などの罰則を受けるおそれがあります。必要に応じて紙やデジタルで管理できる点呼記録簿を活用しましょう。

筆者紹介

株式会社スマートドライブ
編集部

株式会社スマートドライブ編集部です。安全運転・車両管理・法令遵守についてわかりやすく解説します。株式会社スマートドライブは、2013年の創業以来、「移動の進化を後押しする」をコーポレートビジョンに掲げ、移動にまつわるモビリティサービスを提供しています。SmartDrive Fleetは、1,300社以上への導入実績があり、車両に関わる業務の改善や安全運転の推進などに役立てられています。また、東京証券取引所グロース市場に上場しています。 SmartDrive Fleetは情報セキュリティマネジメントシステム適合性評価制度「ISMS認証(ISO/IEC 27001:2013)」を取得しています。

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