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2025年7月頃から開始予定!高速道路の深夜割引の見直しを徹底解説

2023年1月20日に国土交通省及び高速道路会社による「高速道路の深夜割引の見直しについて」発表があり、その後、具体的な運用方法が確定しました。システム整備の関係で運用開始時期が2024年度末頃から2025年7月頃になりましたが、何がどのように変更されるのでしょうか。本記事では重要なポイントをまとめてご紹介します。

2025年7月頃から開始予定!高速道路の深夜割引の見直しを徹底解説

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高速道路の深夜割引の変更概要

変更前後の割引内容まとめ

変更点を以下の表にまとめました。

変更前変更後
割引対象時間0時〜4時22時〜翌5時
割引の概要入り口から出口まで、全走行の料金が3割引になる。対象時間帯の走行分のみ3割引の対象になる。
・無謀な運転防止のため、対象時間帯の走行には上限距離がある。
・22時台に流出した車両は、対象時間における走行分の料金に対して最大20%還元※。
・深夜割引適応車両のうち、1,000km以上走行した場合は、対象時間に関係なく1,000kmを超えた分を深夜割引対象走行分に追加※。
・均一料金制区間は、料金所の通過時間が22時から翌5時の間であれば、全走行分に対して30%還元。

激変緩和措置により見直しから5年程度実施
割引方法料金所を通過した際に割引が適用される。ETCカード※、ETCコーポレートカードを使用することで、後日、割引分が還元される。

※ETCマイレージサービスへの事前登録が必要

参考:国土交通省「高速道路の深夜割引の見直しについて」令和5年1月20日
参考:東日本高速道路株式会社/中日本高速道路株式会社/西日本高速道路株式会社「高速道路の深夜割引の見直しについて

対象道路と均一料金区間での割引方法

対象道路は、NEXCO東日本/中日本/西日本(NEXCO3社)が管理する全国の高速道路及び宮城県道路公社の仙台松島道路です。ただし、京葉道路・第三京浜道路・横浜新道・横浜横須賀道路は割引の対象外です。

1回の通行に対して料金を設定している西湘バイパスや小田原厚木道路などは、料金所の通行時間が22時〜翌5時の間であれば、全走行分の30%が還元率として計算されます。ただし、激変緩和措置を実施している間は、22時台に料金所を通過した場合、20%の還元率となるためご注意ください。

※詳細はこちらのマップにてそれぞれご確認ください。

対象車は「ETC車」の全車種

ETC車の全車種が対象です(第二神明道路はETC車の大型車以上)。

なお、「ETCマイレージサービス」は事前登録が必須です。登録前の利用は割引対象外となります。割引額は「ETC利用照会サービス」や「ETCマイレージサービス」で後日確認できます。

重要な変更ポイント3つ

①割引適用時間帯が「22:00〜翌朝5:00」に拡大

現在の適用時間帯は0:00〜4:00ですが、見直し後は適用時間が22:00〜翌朝5:00になります。深夜割引適用待ち車両の滞留、それに伴うドライバーの労働環境悪化が問題視されていたため、ドライバーへの負担減を目的に見直しが行われました。

なお、見直し後は適用時間帯に走行した距離のみが割引対象です。現在の深夜割引は、0〜4時の間に少しでも走行があれば全走行分が割引対象になっていましたが、変更後は走行分のみの割引になります。

入口料金所、出口料金所、本線上に設置されたETCフリーフローアンテナなどから取得した位置情報・時刻のデータをもとに、深夜割引適用時間帯の走行距離と総走行距離が算出されます。

②無謀な運転を抑止する「上限距離」の新設

見直し後、なるべく割引適用時間内に距離を稼ごうとするあまり、スピード超過などの無謀な運転をしてしまうドライバーが出てくる懸念があるため、上限距離が新設されます。利用1時間あたりの上限距離は次の通りです。

軽自動車等・普通車・中型車・乗合型自動車上限は利用時間1時間あたり105km
大型車・特大車(乗合型自動車以外)上限は利用時間1時間あたり90km

上限距離一覧

利用時間
(走行時間+休憩時間)
軽自動車等・普通車・
中型車・乗合型自動車
大型車・特大車
(乗合型自動車以外)
0.5時間52.5km45km
1時間105km90km
1.5時間157.5km135km
2時間210km180km
2.5時間262.5km225km
3時間315km270km
3.5時間367.5km315km
4時間420km360km
4.5時間420km360km
5時間472.5km405km
5.5時間525km450km
6時間577.5km495km
6.5時間630km540km
7時間682.5km585km

参考:深夜割引見直し後の上限距離の設定(無謀な運転の抑止策)|NEXCO西日本

利用時間(走行時間+休憩時間)が4時間を超える場合は30分の休憩を考慮し、30分の上限距離に値する分だけ、さらに距離が短縮されています。上限距離の計算は22時〜翌5時ごとに行われます。

③見直しに伴う影響を低減するため「激変緩和措置」を実施

深夜割引の見直しによる長距離利用の運行料金負担増や新たな交通集中を抑制するために、2点の激変緩和措置が割引見直しの運用開始から5年程度実施されます。

  1. 深夜割引適用車両のうち1,000km以上走行した場合、1,000kmを超える部分を割引対象走行分として追加します。
  1. 22時台に高速道路を流出した車両は、22時台に走行した分の還元率が最大20%となります。

深夜割引見直し後の料金シミュレーション

深夜割引の見直しについては、もともと2024年度末頃の運用が予定されていましたが、割引適用時間帯に走行した分を割り引くために必要なシステム整備に遅れが生じ、本格運用の開始時期が延期となり、2025年7月頃とされました。

必要な情報を入力するだけで見直し後の深夜割引のおおよその金額が算出できるシミュレーション機能が各サイトで展開されていますので、事前にご活用ください。

他の割引との適用条件

深夜割引と他の割引の条件が重複したときは次のような対応になります。

休日割引・障害者割引:それぞれの適用条件を満たしている場合でも、各割引の併用はできません。割引率が最も高くなる割引が適用されます。

平日朝夕割引:深夜割引と平日朝夕割引の両方の適用条件を満たしている場合は、深夜割引が適用されます。平日朝夕割引は適用されません。

大口・多額度割引:深夜割引と大口・多額度割引は併せて適用できます。深夜割引の割引後料金が、大口・多頻度割引の対象です。

マイレージ割引:深夜割引前料金に対してマイレージポイントの計算を行います。

まとめ

高速道路の深夜割引の見直しは2025年7月頃からとされており、具体的な日程は明示されていません。総務や管理者にとっては、労務管理やコストの適正化の観点でも非常に重要な情報になりますので、引き続き最新情報をチェックしていきましょう。

筆者紹介

株式会社スマートドライブ
編集部

株式会社スマートドライブ編集部です。安全運転・車両管理・法令遵守についてわかりやすく解説します。株式会社スマートドライブは、2013年の創業以来、「移動の進化を後押しする」をコーポレートビジョンに掲げ、移動にまつわるモビリティサービスを提供しています。SmartDrive Fleetは、1,700社以上への導入実績があり、車両に関わる業務の改善や安全運転の推進などに役立てられています。また、東京証券取引所グロース市場に上場しています。 SmartDrive Fleetは情報セキュリティマネジメントシステム適合性評価制度「ISMS認証(ISO/IEC 27001:2013)」を取得しています。

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