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マイカー通勤で注意すべきこととは–「マイカー通勤規定」その必要性と作成方法

新型コロナ感染拡大の影響で、マイカー通勤を推奨する企業が増えています。しかし万が一、通勤途中に事故が起きてしまったら…?自然災害などのトラブルに見舞われてしまったら…?企業としては常にもしもの事態と事故のリスクを想定しておかなくてはなりません。その際で重要な役割を果たすのが、マイカー(自動車または私有車)通勤規定です。

マイカー通勤で注意すべきこととは–「マイカー通勤規定」その必要性と作成方法

マイカー通勤を推奨するために注意すべきこと

交通インフラが整っている都心部と比較して、地方部では移動や通勤にマイカーの使用を許可する企業は少なくありません。また、最近では新型コロナウイルスの感染拡大によるリスクを低減するために、都心部でもマイカー通勤を推奨する企業がパラパラと出てきました。しかし、マイカー通勤は安全かつ便利なものである反面、常に事故のリスクがつきまとうものです。

通勤や業務でマイカーの利用を許可していると、事故が起きた場合に企業も責任を問われる対象となるため、マイカー通勤(車両管理)規定を設け、適切に運用する必要があります。今回はじめてマイカー通勤を許可するので就業規則にまだ規定がないという企業もあるかもしれませんが、民法では以下のように定められており、従業員が起こした通勤途中での事故は労災扱いとなります。

第709条(不法行為による損害賠償)
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

つまり、事故を発生させた場合、これによって発生した損害の賠償を行う義務が発生します。

第715条 (使用者責任)
1 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
2 使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。
3 前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。

明確な規定がないまま通勤や業務に使用されている場合、会社が責任を負うことが多くなります。事故やトラブルなどあらゆるリスクを回避するためにも、マイカー使用に関するルールを定め、対象の従業員と互いに周知を徹底しましょう。

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マイカー通勤を認める際に必要な対策

企業がマイカー通勤を認める場合、万が一の事故における責任は基本的に会社側にも責任があると考え、次のような対策を講じましょう。

1.マイカー通勤規定(自動車通勤管理規定)を完備し、周知徹底させる

規定を作成し、マイカーの使用範囲や会社の費用負担の範囲などを明確にします。そして、この規定を周知徹底および遵守するようにしてください。マイカー通勤規定には、必要に応じて次のような項目を取り入れましょう(必要に応じて追加・削除します)。

・マイカー通勤の許可基準・・会社所在地と自宅までのルートや距離、公共交通機関の有無についても記載。
・業務利用の有無・・通勤のみか、業務でも使用をするのか、使用範囲を明確にします。
・運転中の厳守事項・・ながらスマホの事故が増えていますので、「運転中は携帯電話を不使用とする」などを追加し、事故防止につなげます。
・駐車場の負担と駐車場の場所について・・指定の駐車場所はどうするのか、月極め駐車場を使用する場合はその負担をどうするのかなど。
・事故が起きたときの連絡方法、事故の報告、事故の処理について・・車検証のコピーを提出させる、事故が起きた際の連絡先などをどのようにするか明確に示します。
・マイカー通勤の有効期間・・いつからいつまでを使用期限とするのかを記します。
・マイカー通勤許可の取り消し・・身勝手な路上駐車など、許可が取り消しとなる場合の事例やルールを示します。
・加入保険の基準・・任意保険の加入、契約書の写しを提出させるなどの対応。
・会社の費用負担範囲・・ガソリン代、高速代、自動車保険料など、どこからどこまでを会社が何割負担するのか。
・会社の免責事項・・事故やトラブルなどが起きた際を想定し、会社の責任範囲を記載します。

マイカー通勤規定の作成がはじめてという場合は、無料でダウンロードできるサンプルを参考に、必要な項目を追加・削除して完成させましょう。

[無料サンプルのダウンロードはこちらから]
人事Gate.jp「私有車両通勤管理規定 (pdf)」
社有車およびマイカー(私有車)についての規定書。通勤のみでなく、通勤と業務で利用する際の内容も盛り込まれています。

2.任意保険への加入

マイカーを運転中に事故にあった場合、従業員個人の保険が適用されることが多くありますので、使用する前に任意保険への加入を確認、または義務付けましょう。また、企業の自動車保険の適用範囲にもマイカーの業務利用を含めます。

3.マイカー使用者への交通安全教育を徹底する

「通勤時だけだから大丈夫だろう」で終わらせず、事故を防止するためにも交通安全教育は必須です。交通事故の賠償責任は従業員だけでなく企業にもかかりますし、示談交渉にかかる人件費や関連費、それに伴う労働力の損失、さらには企業の社会的な信頼を失うなど、ネガティブな面しかありません。リスクを最小限に抑え、従業員の安全を守るためにも、必ず一人ひとりに対して適切な指導を行いましょう。

通勤途中の事故0を目指して--適切な安全運転教育の実施

通勤や帰宅途中の事故を未然に防ぐには、具体的にどのような安全運転教育が適切でしょうか。交通ルールや速度の遵守はもちろんですが、運転スキルは個々に違うため全員に同じマニュアルを渡すだけでは不十分です。
そこで活躍するのが車両管理システム。リアルタイムでの位置情報や、安全運転診断、走行履歴の記録、危険運転発生時のアラート機能など、従業員の安全を守り、事故につながりそうな原因を可視化します。
また、安全運転によってコンビニなどで利用可能なポイントがたまる機能があるため、従業員には安全運転の促進と従業員満足度を高めることができる優れもの。安全運転をすればするほどポイントが増えていくので、自然と安全運転の意識を向上させることができるのです。また、走行履歴は自動的にクラウドにアップされますので、もしも社内で新型ウイルス感染が発生した際には行動履歴の記録を追うことができますし、危険運転が多発する箇所をまとめて「ヒヤリハットマップ」を作成して周知するなど、リスクマネジメントとしても活用できます。

地方部での活用術

地方部は通勤時にマイカーをする人が多く、駐車スペースの圧迫や企業周辺の渋滞が問題視されています。車両管理システムは安全運転や走行履歴の管理だけでなく、稼働状況が把握できるようになるため、逆にマイカー通勤を限定させて移動の効率化を進めることができるのです。
車両管理システムを活用して走行データを集めて最適な走行ルートを設計するなど、マイカー通勤による近隣地区の混雑を避けるためにシャトルバス化をすすめ、従業員の利便性向上や事故リスクの低減を実現できるなど、多様な活用が可能です。

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