
この記事を読むと
- マイカーでも業務に使うならアルコールチェックが必要
- 業務利用のマイカーを含めて5台以上なら安全運転管理者の選任が義務
- 5台未満でも事故時の法的リスク(使用者責任)があるため対策が必要
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「白ナンバー事業者へのアルコールチェック義務化にともない、会社としてどこまで管理すべきなのだろうか」
「特にマイカー通勤の場合、純粋な通勤なのか業務利用なのか、どのように運用の線引きをすればよいのだろうか」
マイカー通勤を認めている、あるいは導入を検討している企業の総務・人事・労務担当者の方のなかには、このような実務上の悩みやプレッシャーを日々抱えている方も多いのではないでしょうか。
直行直帰や深夜早朝におけるチェックの実施体制など、遠隔地や勤務時間外の労務・車両管理にはクリアすべき課題が多く、具体的な運用の進め方に頭を悩ませてしまうケースも少なくありません。
そこで本記事では、そのような実務上の課題を解決するために、法律上の義務が発生する具体的な範囲から、直行直帰・遠隔地でもスムーズに管理する運用のコツまで、分かりやすく丁寧に解説します。
自社のコンプライアンス体制構築のヒントとして、ぜひ本記事をお役立てください。
結論:マイカー通勤は「通勤のみ」なら義務外、ただし業務使用は必須
マイカー通勤におけるアルコールチェックの義務化対応は、その車両が「どのような目的で運転されているか」によって、以下のように法律上の義務の有無が変わります。
- 純粋な「通勤のみ」の場合
- 自宅と会社の往復だけであれば、法律上のアルコールチェック義務はありません。
- 「業務利用」が伴う場合
- マイカーを使って「取引先へ直行する」「就業時間中に会社の荷物を取引先へ運ぶ」といった業務運転が少しでも発生する場合は、義務の対象となります。
法令遵守はもちろん、万が一の事故を防ぐためにも、この境界線を正しく理解して社内に浸透させておくことが重要です。
Q. 車で通勤する全従業員に対して、酒気帯びの有無の確認をする必要はあるか?
A. 酒気帯びの有無を確認する対象となるのは、業務として「運転」する従業員となります。従業員の自宅から事業所までの出勤のみが目的であれば、自宅を出発する際に酒気帯びの有無を確認する必要はありません。ただし、目的地への直行直帰を含め、事業所における業務遂行を目的として「運転」する場合は、酒気帯びの有無を確認する必要があります。直行直帰の場合その他対面での確認が困難な場合にはこれに準ずる適宜の方法で実施します。
Q. 従業員の私有車両を業務目的で運転させる場合には、安全運転管理者による酒気帯びの有無の確認は必要か?
A. 事業所と私有車両の運転者との間で、「勤務時間中は、社用車として扱う」等の取り決めや、仕事中における私有車両の運行を事業所が管理している状況であれば、安全運転管理者の管理すべき車両に該当しますので、酒気帯びの有無の確認は必要です。

出典:山口県警察
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法令上の「自家用車(白ナンバー)」の定義と対象範囲
ここでいう「自家用車」とは、いわゆる白ナンバーの車両を指します。一般企業が保有する営業車だけでなく、従業員が個人で所有しているマイカーであっても、業務に使用することを会社が認めているのであればこのカテゴリに含まれます。
アルコールチェックの義務化は、一定の台数(乗車定員11人以上なら1台、それ以外なら5台以上)の白ナンバー車を保有する事業所が対象です。この「5台」の基準には、社有車やレンタカーだけでなく、以下の条件を満たす「従業員の持ち込みマイカー」もカウント対象となります。
- 勤務時間において、会社(事業主)がその車両を実質的に管理している
- 事実上、社用車として運用している
押さえておきたい「安全運転管理者」の選任基準と必要な対応
上記のように、マイカーの業務利用を含めて基準台数(5台以上など)に達した場合、企業はその事業所ごとに「安全運転管理者」を選任する法的義務が生じます。
では、実際に選任が必要となった場合、会社としてどのような対応が必要になるのでしょうか。実務の流れと要件を整理しておきましょう。
- 1. 選任できる人の要件(資格要件)を確認する
- 誰でも選任できるわけではなく、以下の要件を満たす適切な人物を選ぶ必要があります。
- 年齢:20歳以上(副安全運転管理者を置く場合は30歳以上)
- 経験:安全運転管理について2年以上の実務経験があること(またはこれと同等以上の能力があると公安委員会が認めた人)
- 欠格事由:過去2年以内に、ひき逃げや酒気帯び運転、速度超過などの重大な交通違反、または安全運転管理者等の解任命令を受けたことがないこと
- 誰でも選任できるわけではなく、以下の要件を満たす適切な人物を選ぶ必要があります。
- 2. 選任後、15日以内に警察署へ届け出る
- 要件を満たす人を選任したら、選任した日から「15日以内」に、事業所の所在地を管轄する警察署(公安委員会)へ届け出を行う必要があります。現在はオンライン(警察庁の電子申請システムなど)での申請に対応している自治体も増えています。
- 3. 毎年1回、法定講習を受講させる
- 安全運転管理者に選任された人は、年に1回、公安委員会が実施する「安全運転管理者講習」を受講させることが義務付けられています。講習の通知が届いたら、必ずスケジュールを調整して受講してもらう体制を整えましょう。
「会社の車は4台だから対象外」と思っていても、実質的に社用車扱いしているマイカーが1台でもあれば、合計で5台となり、安全運転管理者の選任義務の対象となるため注意が必要です。
アルコールチェック義務化にまつわるよくある質問
実務を進めるなかで生じやすい、細かな疑問点についても解消しておきましょう。
Q. 5台未満の事業所でもチェックは必要ですか?
法律上の「安全運転管理者」の選任義務がない事業所(白ナンバー5台未満)であれば、アルコールチェックを行う法的義務はありません。しかし、前述した民法上の「使用者責任」は、保有台数に関係なく発生します。
「5台未満だから対策は不要」と考えるのではなく、点呼時に酒気帯びがないか口頭で確認する、あるいは体調確認を徹底するなど、社内の安全ルールを持っておくことが会社の安心に繋がります。
Q. 基準台数に達しているのに安全運転管理者を選任しないとどうなりますか?
法律で定められた基準(5台以上など)に達しているにもかかわらず、安全運転管理者を選任せず、警察署への届け出を怠っていた場合、道路交通法違反となり「50万円以下の罰金」が科される可能性があります。
Q. レンタカーや従業員の私有車を業務に使う場合も対象ですか?
はい、対象となります。会社名義の車両でなくても、法人の「業務」のために運転されるのでレンタカー、カーシェア、従業員のマイカー(私有車持ち込み)であってもすべてアルコールチェックの対象車両となります。
「会社名義の車じゃないから関係ない」という誤解が現場で起きないよう、あらかじめマイカー通勤規程や車両管理規程などの社内ルールに明記し、全社へ周知しておくことをおすすめします。
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